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退職後の年金税金の手続き・支払いについて

<社労士監修>

転職先が決まったら、退職や入社の準備とあわせて、保険や年金の手続きも漏れなく行いましょう。離職期間がある場合、国民年金の加入手続きや、住民税や所得税など税金の支払いは、退職後に自分で行わなければなりません。転職活動をしながら押さえておきたい保険や年金の手続きについて確認していきます。

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退職後の年金の手続き(国民年金・厚生年金)

退職後の年金加入について

20歳から60歳の国民全員が国民年金制度に加入して保険料を納め、65歳から基礎年金の給付を受けられる「国民皆年金」の仕組みが日本にはあります。在職中に厚生年金に加入していた方(第2号被保険者)は、退職するとそれまで加入していた厚生年金から脱退しなければなりません。そのため退職後は第1号被保険者として国民年金への加入が必要になりますが、対応方法は離職期間の有無や入社時期で変わってきます。

公的年金の被保険者区分

  • 第1号被保険者:国民年金のみに加入している方。自営業やフリーランス、学生、無職の方が該当します。
  • 第2号被保険者:国民年金に加えて厚生年金や共済組合に加入している方。会社員として雇用され働く方や公務員の方が該当します。
  • 第3号被保険者:第2号被保険者に扶養されている、年収130万円未満の配偶者の方。保険料を納めなくても国民年金の被保険者となり、年金の受給資格を得ることができます。
失業給付金を受給するまでの流れ

退職後に離職期間があるとき

会社を退職して次の会社への入社までに間が空くときは、国民年金に加入する必要があります。住んでいる市区町村役場の国民年金担当窓口および年金事務所の窓口などで手続きを行いましょう。国民年金保険料の支払いがないと「未納」の扱いになって、放置すれば将来受け取れる老齢基礎年金の額が減額または受給できない場合もあります。また収入が減って支払いが難しい場合は、申請によって納付が免除される制度もあるため、手続きの窓口で相談してみましょう。

また離職期間があるとしても退職日と入社日が同じ月であれば対応が変わります。個人での保険料支払いは発生しないものの、転職先に年金手帳(2022年4月に年金手帳は廃止。以降に発行する場合は「基礎年金番号通知書」)を提出して、年金機構からの確認書類に回答しなければならない場合もあるでしょう。役所に出向かなければならない場合もあります。市区町村によって対応が異なるため、市区町村のホームページなどを確認してみましょう。

退職後すぐに次の会社に入社するとき

退職後すぐに次の会社に入社する場合は、転職先が株式会社などの法人であれば年金手帳(または基礎年金番号通知書)を転職先に提出して厚生年金に加入すれば、手続きは会社が進めてくれます。ただし個人事業主や雇用主(法人の代表であれば、役員報酬が1円でも発生する場合は、厚生年金加入

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国民年金の手続きはどうすればいい?

退職後に離職期間が発生する人は、国民年金への加入が必要になります。

手続きの期間 退職日の翌日から14日以内
手続きの場所 市区町村役所・役場の国民年金窓口
必要なもの

年金手帳、印鑑、離職票や退職証明書など退職日の確認できる書類

配偶者(第3号被保険者)の種別変更手続きを行う場合はあわせて配偶者の年金手帳(または基礎年金番号通知書)と手続きを行うための委任状も持参しましょう

保険料

月額16,590円(2022年4月~2023年3月分)です。退職日が月末でない場合は退職する月の分から第1号被保険者として保険料を納付することになります。

日本年金機構から送られてくる納付書(国民年金保険料納付案内書)によって納めます。全国の銀行・郵便局、農協、漁協、信用組合、信用金庫、労働金庫やコンビニエンスストアで納めることが可能で、口座振替やクレジットカードでも支払えます。また、保険料を前納すると保険料が割引されます。

保険料を納付でき
ないときは

所得が少ないなど、保険料を納付することが難しい場合には、退職(失業)による国民年金保険料の特例免除制度があります。手続きは住んでいる市区町村の役所・役場または年金事務所の窓口に次の3つを提出します。(1)「国民年金保険料免除・納付猶予申請書」、(2)「年金手帳(または基礎年金番号通知書)」、(3)「雇用保険受給者資格者証」など失業していることを確認できる公的機関の書類の写し

日本年金機構ホームページ

転職先に入社したら 入社する際に転職先の会社へ年金手帳(または基礎年金番号通知書。第3号被保険者となる配偶者の方がいる場合は配偶者のものも)を提出し、厚生年金保険の加入手続きを行ってもらいましょう。

年金の種類

転職時に切り替え手続きが必要な年金は、大きく分けると「公的年金」「企業年金」「私的年金」の3種類があります。公的年金以外にも手続きの必要があるので確認してください。

  会社員(第2号被保険者)の場合
公的年金
国民年金
(居住地の市区町村役場の国民年金担当窓口へ)
厚生年金
(離職期間中は失効。再就職したら転職先に年金手帳[または基礎年金番号通知書]などを提出)
企業年金
確定拠出年金
(退職後の動向による。転職先もしくは個人型確定拠出年金に引き継げたり、脱退一時金を受けとったりできる場合がある)
確定給付企業年金
(退職後の動向による。転職先に引き継げたり、脱退一時金を受けとったりできる場合がある)
そのほか(私的年金) 個人型確定拠出年金
(退職後の動向による。そのまま加入を続けられたり、企業型確定拠出年金や確定給付企業年金に引き継げたりする場合がある)

公的年金

国が設けている年金制度を「公的年金」と呼びます。「国民年金」と「厚生年金」はこの公的年金に該当し、積み立てたお金が「老齢基礎年金」と「老齢厚生年金」として老後にもらえる仕組みです。さらに被保険者が亡くなったときに遺族がもらえる「遺族年金」や、病気やケガなどで生活が制限されるときに受け取れる「障害年金」も公的年金に含まれます。

企業年金(私的年金ではあるが、税制上は公的年金に準じた扱い)

企業が設けている年金制度は「企業年金」と呼ばれます。制度を企業が導入している場合に利用でき、「確定給付企業年金」(DB年金)や「確定拠出年金」(DC年金)などの種類があります。

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その他の年金(私的年金)

ほかにも年金制度はあります。民間の保険会社が提供する個人年金保険・生命共済契約にもとづく年金・外国の公的年金などの利用を考えている人もいるでしょう。また企業年金として確定拠出年金の制度がなくても、「個人型確定拠出年金」(iDeCo)を個人で利用している人もいます。

退職後の国民年金保険料の免除手続きについて

退職後に収入が減った場合、国民年金保険料の免除を受けることが可能です。申請によって保険料の全額もしくは一部が免除されたり、納付が猶予されたりします。免除されたとしても割合に応じて一定額の年金が保障され、障害年金や遺族年金も受け取れるのがメリットです。

退職(失業など)により納付が困難な場合

  • 免除対象になる人:申請者本人、世帯主または配偶者のいずれかが退職した方
  • 免除期間:失業日の翌日を含む月の前月から翌々年6月まで
  • 提出する書類:
     国民年金保険料免除・納付猶予申請書
     年金手帳(氏名記載ページ)または基礎年金番号通知書のコピー
     雇用保険受給資格者証の写し・雇用保険被保険者資格喪失確認通知書などの、失業状態を確認できる公的機関から出された証明の写し

新型コロナウイルス感染症の影響により納付が困難な場合

  • 免除対象になる人:新型コロナウイルス感染症の影響により収入の減少した人・所得が相当程度まで下がった人
  • 免除期間:
     2020年度分=2020年7月分〜2021年6月分
     2021年度分=2021年7月分〜2022年6月分
     2022年度分=2022年7月分~2023年6月分
  • 申請期間は下記「提出期限」を参照してください。
  • 提出する書類:所得の申立書(日本年金機構のホームページ、住んでいる市区町村役場、年金事務所で入手できます)

提出先

  • 住民登録をしている市区町村の役所や役場にある国民年金担当窓口
  • 近くの年金事務所
     持参もしくは郵送で提出しましょう(新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、可能な限り郵送が推奨されています)。
  • 申請期間は下記「提出期限」を参照してください。
  • 提出する書類:所得の申立書(日本年金機構のホームページ、住んでいる市区町村役場、年金事務所で入手できます)

提出期限

すみやかに提出しましょう。申請が遅れたとしても最大で2年1カ月前(すでに保険料が納付済みの月を除く)まではさかのぼって申請は可能です。しかし遅れた場合、障害年金などが受け取れなくなる可能性があります。

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離職期間を経て転職後に厚生年金へ切り替える手続き

つづいて厚生年金に切り替える場合の手続きも確認しましょう。ただし厚生年金の切り替え手続きは、雇用主である事業所の事業主や事務担当者が行うため自分で書類をそろえたり窓口まで足を運んだりする必要はありません。

手続きの期間(時期) 雇用されたとき
手続きをする人 事業所の事業主もしくは事務担当者
必要なもの 年金手帳(または基礎年金番号通知書)もしくはマイナンバーカード
手続きの方法 事業所の事務担当者などに指定された方法
  • キャリアタイプ診断
    これから転職活動を始めるなら、まずは自分の強みや向いている企業文化を知っておこう

退職後の税金の手続き(住民税・所得税)

退職後の住民税の手続き

住民税は1月から12月までの1年間の所得に対して課された税額を、翌年6月から翌々年の5月までに「後払い」で納める仕組みとなっています。在職中は基本的に給与天引きによって納税しているため、住民税を納付していると意識できていないかもしれませんが、退職後は支払いの区切りである5月までの残額を自分で納めなければなりません(再就職先が決まっている場合は、特別徴収の継続も可能です)。納税方法は退職の時期によって異なりますので注意しておきましょう。

(1)6〜12月に退職した場合
前年の所得に対して課された税額のうち、翌年5月までに納めるべき残額を、退職時に一括で支払うか分割で支払うか選択して退職する会社に伝えます。一括の場合は、最終月の給与や退職金から住民税の納税額を天引きするなど、方法は会社と相談してみましょう。分割の場合は後日役所から送られてくる納税通知書に従って自分で支払います。

(2)1〜5月に退職した場合
前々年の所得に対して課された住民税の税額のうち、5月までに納めるべき残額を退職時に一括で支払います。6月1日付で再就職している場合、前年分の住民税は転職先企業での給与から天引きとなりますが、そうでない場合は役所から送られてくる納税通知書にしたがって自分で納税します。

転職後の住民税はどうなる?天引きはいつから?切り替え時期を退職月別に解説

退職後の所得税の手続き

所得税はあらかじめ1年の総収入を想定し、それを月割りにして源泉徴収されています。したがって退職後に1カ月以上の失業期間(給与をもらっていない期間)があるなどの場合は、所得税を多く納めていることになります。もちろんその余分に支払った所得税は還付を受けることができますが、そのための手続きは年内に再就職したかどうかで異なります。

(1)年内に再就職した場合
再就職先の会社で年末調整を行います。生命保険等の各種控除証明書と以前の会社の源泉徴収票を提出して手続きしてもらいましょう。ただし医療費控除は年末調整では行えません。確定申告が必要になります。

(2)年内に再就職しなかった場合
翌年の確定申告の時期に居住地を管轄している税務署で確定申告を行います。その際は確定申告書とともに前の会社の源泉徴収票と各種控除証明書、印鑑を用意しておきましょう。なお12月に再就職が決まっても年末調整に間に合わなかった場合は、自分で確定申告をすることになります。意外とよくあるケースなので注意しておきましょう。

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住民税と所得税の違い

税金の支払いは退職後に自分で行わなければならない場合があります。住民税と所得税の違いを表にまとめましたが、すでに紹介したとおり納付の方法がそれぞれ異なるだけでなく、いつ退職したか・再就職をしたかなど人によって異なるため注意してください。

  個人住民税(道府県民税・都民税・区市町村民税・特別区民税)
種類 地方税
都道府県や市区町村に納める税
対象所得 前年の所得
課税方法 賊課課税
確定申告書や給与支払報告書などを基に地方公共団体で計算された納税額が通知され、それに従って納税する
納付方法
普通徴収
4回に分けて納付する(6月・8月・10月・翌年1月)
給与特別徴収
毎月の給与から差し引いて、本人に代わって給与支払者が納める(6月から翌年5月まで)
年金特別徴収
支払時に年金から差し引いて、本人に代わって年金支払者が納める(4月から翌年2月まで)
税率
個人住民税(道府県民税・都民税・区市町村民税・特別区民税)=均等割所得割
<均等割>※自治体により異なる場合あり
区市町村民税・特別区民税 3,300円(名古屋市)〜4,400円(横浜市)
道府県民税・都民税 1,500円(標準税率)〜2,700円(宮城県)
<所得割>※自治体により異なる場合あり
区市町村民税・特別区民税 5.7%(名古屋市)〜6.5%(夕張市)
道府県民税・都民税 4%(標準税率)〜4.025%(神奈川県)
※指定都市に住所がある場合、道府県民税2%・市民税8%
  所得税
種類 国税
国に納める税
対象所得 その年の所得
課税方法 申告納税
税額を自分で計算して納税する
(源泉徴収の場合は、給与支払者や年金支払者が計算する)
納付方法
申告納付
確定申告により年税額を確定した上で、原則として一括で納付する
源泉徴収
(給与所得者の場合)予想される所得税を毎月の給与が支払われる前に差し引いた上で、本人に代わって給与支払者が納める
その年の収入額が確定したのち、予想を基にして先に納めた分と実際に納めるべき分の差額を「年末調整」の形で精算する
税率 累進課税
所得の合計から所得控除を引いた残りの金額(課税標準額)によって税率が変わる
税率は下の表のとおり
課税標準額 税率
195万円未満 5%
330万円未満 10%
695万円未満 20%
900万円未満 23%
1,800万円未満 33%
4,000万円未満 40%
4,000万円以上 45%

保険の退職後の手続き(雇用保険・健康保険)

雇用保険の手続き

一定の保険加入期間があり求職活動をする場合は失業手当(基本手当)の給付対象になります。別途詳しく解説した記事がありますので、下のリンクからご確認ください。

雇用保険の失業手当(失業保険)を受け取る条件と手続き<社労士監修>

転職すると給与天引きで加入していた団体保険はどうなる?

給与天引きで団体保険に加入していた場合、転職後はどんな手続きが必要?

健康保険の手続き

年金だけでなく、健康保険の手続きも併せて進める必要があります。こちらも別記事で詳しく解説していますので、下のリンクからご確認ください。

転職・退職時の健康保険の切り替え<社労士監修>

年金・税金の手続きに関するよくある質問

Q1.離職期間中の年金はどうなりますか? 失業中は免除制度があると聞いたのですが…

A1.国民年金に加入しましょう。
会社勤めをしていて厚生年金に加入していた人がすぐに就職しない場合は、国民年金への加入が義務付けられています。住んでいる市区町村役場にある国民年金担当窓口もしくは年金事務所に行って手続きをしましょう。保険料の支払いが難しい場合は、免除制度の利用も可能です。

離職期間中の国民年金はどうなりますか?失業して無職になると免除制度がある?

Q2.転職時に年金の切り替え手続きを忘れてしまった…どうすればいいですか?

A2.納付期限(納付対象月の翌月末日)から2年以内であれば、あとからでも保険料は納められます。
なお年金の切り替えは、退職日の翌日から14日以内に行うのが基本です。また切り替え手続きをしていない場合は、国民年金加入の案内も届くので、そのときに忘れず切り替えるようにしましょう。

転職時に年金の切り替え手続きを忘れてしまった…どうすればいい?

Q3.退職一時金にはどのような税金がかかりますか?

A3.退職一時金は、「退職所得」とされて、所得税・住民税の課税の対象となります。
詳しい計算方法は下記をご確認ください。

退職一時金にはどのような税金がかかりますか?計算方法を教えてください。

この記事を監修した社労士

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