
内定・退職・入社
退職挨拶(スピーチ・メール)で好印象を与える方法~例文やNGポイントあり

監修者:ビジネスマナー講師、話し方講師、フリーアナウンサー
金森 たかこ(かなもり・たかこ)氏(office T 代表)
退職の挨拶(スピーチ・メール)は、これまで一緒に働いてきた同僚や上司に対して感謝の気持ちを伝える大切な機会です。この記事では、退職挨拶のスピーチで好印象を与えるための具体的なポイントや注意点を詳しく解説します。スピーチ以外にメールや手紙で挨拶をする場合のポイントも例文とともにご紹介しますので、ぜひ参考にご覧ください。
退職の挨拶(スピーチ)例文は
こちら
この記事のまとめ
- 挨拶のタイミングは上司と相談して決め、挨拶内では退職日とこれまでお世話になった方々への感謝の気持ちをしっかり伝えることが大切
-
スピーチでは「内容」と「伝え方」の両ポイントを押さえることで好印象につながる
- 退職挨拶だけでなく、社内外の引き継ぎや、備品の返却などの手続きをきちんと行うことで円満に退職できる
もくじ
退職の挨拶(スピーチ)基本マナー
退職の挨拶は、これまでお世話になった方々への感謝を伝える重要な場です。
まずは必ず押さえたい基本マナーをご紹介します。
挨拶のタイミングは上司と相談して決める
退職の挨拶は、一般的に最終出社日に行うことが多いですが、必ずしもこの日でなければならないわけではありません。会社の規模やチームの業務状況によっては、別の日に設定する場合もあります。
特に、上司やチームが繁忙期であれば、タイミングを見極めることが大切です。
退職の挨拶は、自分の感謝の気持ちを伝える場であると同時に、退職を伝える側、受け取る側の双方にとって節目となるものです。お互いにとって気持ちの良い場となるように、事前に上司と相談し、所属部署やチームのスケジュール、業務状況を考慮した上で日程を決めましょう。
また、社内のルールによって、挨拶の方法やタイミングが決められている場合もあります。個人の判断で進めるのではなく、必ず上司に確認し、適切な形で行いましょう。
退職日を伝える
スピーチの中では、「○月○日付で退職することになりました」と、具体的な退職日を明確に伝えましょう。
一緒に働いている人が多い職場の場合、あなたの退職を知らない同僚や先輩もいる可能性があります。そのため、挨拶の場でしっかりと退職日を伝えることが大切です。
また、退職日前に挨拶をする場合、具体的な日付を伝えることで、聞き手側も引き継ぎや今後のスケジュールを調整しやすくなります。さらに、個別に挨拶をしたい場合にも、相手が予定を立てやすくなるでしょう。
感謝の気持ちを伝える
退職理由によっては、会社や同僚、取引先に対してネガティブな感情を抱いているかもしれませんが、退職後も、仕事上の縁が続く可能性は十分にあります。
お世話になったことに変わりはないため、スピーチでは感謝の気持ちをしっかりと伝えましょう。
また、スピーチは、これまでの経験を通じて成長できたことや学んだことを振り返りながら、具体的なエピソードを交えて感謝の気持ちを伝えると、より相手に思いが届きやすくなります。
「○○のプロジェクトでご指導いただき、大変勉強になりました」や「入社当初は右も左も分からない状態でしたが、皆さんのサポートのおかげで成長することができました」など、具体的な経験を交えることで、スピーチに温かみが生まれるでしょう。
好印象を残せる退職の挨拶(スピーチ)のポイント~内容編~
ここからは好印象を残すためのより具体的なコツをご紹介します。まずは「スピーチ内容」を考える際に意識したいポイントです。
簡潔にまとめる
退職挨拶は、集まってくれた方全員に向けて挨拶を行う場です。そのため、聞き手側がすっと理解できるように簡潔で端的な内容にまとめましょう。
端的な内容にまとめるには、「感謝」と「退職の報告」という二つの軸を中心に、1~3分程度(※1分当たり300文字目安)で話すのが理想的です。長くなりすぎると聞き手の集中力が途切れ、大切なメッセージが伝わりにくくなります。
事前に話す内容をテキストに起こし、重要なポイントを整理しておくと、自然な流れの良いスピーチになります。また、親しい同僚や上司に対して個別に伝えたい思いがある場合は、別途個別に挨拶する時間を設けると、よりていねいに気持ちが伝わるでしょう。
入社当初のエピソード(苦労話やうれしかったことなど)を交える
入社当時のエピソードを交えることで、親しみやすさやあなたらしさを伝えることができ、集まってくれた方の心により残りやすくなります。
特にお世話になった方がその場にいる場合、具体的な感謝をエピソードとともに伝えることで、感謝を伝えた相手や、集まってくれた方の心により深く響くでしょう。
また、新人時代の苦労話や成長した出来事を共有することで、「誰にでもそんな時代があるんだな」と後輩たちの励みにもなります。
エピソードを交えて感謝を伝える例文
振り返ると、〇年前に入社したばかりのころは何もかも手探りで、毎日が必死でした。
特に、最初に任された〇〇の業務では、何をどう進めればいいのか分からず、ミスをするたびに落ち込んでいました。そんなとき、〇〇先輩が「失敗するのは当たり前。でも、その失敗をどう活かすかが大事なんだよ」と声をかけてくださり、とても救われました。あの言葉があったからこそ、少しずつ前向きになれ、自分なりに工夫しながら仕事に取り組めるようになりました。
この会社で得た学びを付け加える
入社から現在までのことを思い出すと、小さなことから大きなことまで何らかの学びや成長があったと思われます。
スピーチの中でそういった学びや成長の実感を自分の言葉で話すことで、感謝の気持ちが伝わりやすくなり、今の会社の良さを再確認することにもつながるでしょう。
また、「あなたと一緒に働けて良かった」というポジティブな感情につながり、良い雰囲気で退職の日を迎えることができるはずです。
この会社で得た学びを伝える例文
この会社では「仕事に取り組む姿勢」や「仲間と支え合うことの大切さ」を学びました。
最初は失敗を恐れ、なかなか一歩を踏み出せませんでしたが、先輩方や同僚の皆さんが温かく支えてくださったおかげで、思い切って行動する勇気を持つことができました。
皆さんと一緒に働いた日々を通して、仕事の楽しさややりがいを実感することができ、本当に感謝しています。

好印象を残せる退職の挨拶(スピーチ)のポイント~話し方・姿勢編~
続いて「スピーチを伝える」際に意識したいポイントです。
退職の挨拶で好印象を残すためには、内容だけでなく伝え方にも気を配る必要があります。
正しい姿勢を意識する
退職挨拶のスピーチを行う際は、猫背など姿勢が悪いと緊張感や不安げな印象を与えてしまいます。背筋を伸ばし、堂々とした姿勢で話しましょう。
また、手を後ろに組んだりポケットに入れたりすることも横柄に見えてしまい、挨拶の場にはふさわしくないため避けましょう。
さらに、話の内容に合わせて身振り手振りを適度に取り入れると、話の内容がより伝わりやすくなります。
内容に合わせて「表情」「話すスピード」「声のトーン」を意識する
聞き手は話している内容だけでなく、表情や態度からもあなたの感情を判断します。話の内容に合わせて表情や話すスピード、声のトーンを調整しましょう。
感謝の気持ちを伝えるときは柔らかな笑顔でやや高めのトーンを、真剣な話題では落ち着いた表情で話すスピードとトーンを落とすよう心がけると、聞き手に内容が伝わりやすくなるでしょう。
上司や同僚など全体に目を配るように話す
スピーチの際は、参加者全体に目線を配るようにしましょう。同僚や先輩に対して今までの感謝をしっかりと伝え、集まってくれた方に敬意を払うためにも一人ひとりに目を配りながら話すことが大切です。
話の区切りごとに目線を移すことで自然な印象を与え、聞き手もリラックスして聞くことができるでしょう。
話始め・話終わりにもていねいさを心がける
スピーチの印象は話始めと話終わりで大きく変わります。
冒頭では集まってくれた方々全体を見渡し、一呼吸おいてから話し始めましょう。
締めくくりでは軽く一礼し、一拍置いてから去ることで、余裕とていねいさが伝わり、スピーチ全体を通して良い印象を残せるでしょう。
退職の挨拶(スピーチ)の避けたほうがいいNGポイント
退職の挨拶(スピーチ)では、退職をする事実や、これまでの感謝を伝えることが一番の目的です。相手に不快感を与えてしまう表現や態度は避け、円満な退職を目指しましょう。ここでは意識的に避けたい3つのNGポイントをご紹介します。
ネガティブな発言(グチ・恨み言など)をすること
退職の挨拶で最も避けるべきポイントの一つが、ネガティブな退職理由を伝えることや現職や同僚・上司を批判してしまうような発言をすることです。
ネガティブな発言や話題を出すことで、退職挨拶の場の雰囲気を悪化させるだけでなく、あなたが退職した後の部署やチームの士気を下げてしまう恐れがあります。
転職後、昔の職場の同僚や付き合いがあった方が、将来自分の顧客になる可能性がないとも言いきれません。人の評価は業界内で広まることが多いので、退職した後の人間関係を考え、ネガティブな発言を避けた退職の挨拶(スピーチ)を行いましょう。
なにかと比較するような発言をすること
挨拶(スピーチ)で、「入社当初所属していた部署では○○でしたが、今の部署では…」「ほかのどのチームよりも私が所属していた▲▲チームは意見交換が活発で学ぶことが多く…」など、別のチームや部署を引き合いに出し、比較するような表現は避けましょう。
本人に悪気がなくても、聞き手側には否定的な印象を与えてしまうことがあります。
「▲▲チームの皆さんが助けてくださったおかげで…」といった比較を行わない言い回しや、「経験させていただいたどの部署の方も優しく接してくださり…」など、全体に対して感謝を伝えられる表現を心がけましょう。
具体的な退職理由や転職先の企業名を出すこと
退職挨拶では、具体的な退職理由や転職先の企業名まで伝える必要はありません。
特に退職挨拶(スピーチ)は、その場にいる人の注目を集める場でもあるため、不要な誤解を避けるためにも、詳細な退職理由や転職先の情報を伝えることは避けたほうが無難です。
退職理由については、基本的に、「一身上の都合で」や「新しい環境での挑戦」「次のステップ」などの表現に言い換えるのがおすすめです。少し付け加えるなら、「今までと違う業界」「もともと興味があった〇〇業界で」「引き続き〇〇職として今までのスキルが活かせる環境で」などと伝えてみましょう。

【シチュエーション別】退職の挨拶(スピーチ)例文
退職挨拶(スピーチ)は場面に合わせた挨拶を心がけましょう。
ここではシチュエーション別に退職の挨拶(スピーチ)の例文と実際に考えるにあたってのコツをご紹介します。
好印象を与える退職の挨拶(約2分)
基本の退職挨拶では、具体的なエピソードとともに感謝を示してみましょう。
また、以下5つのパートで構成すると、スピーチ内容を組み立てやすいでしょう。
- ① 冒頭の挨拶(感謝と退職の報告)
- ② 入社当初のエピソード(困難や成長のきっかけ)
- ③ 会社での学び(仕事を通じて得たもの)
- ④ 周囲への感謝(先輩・同僚へのメッセージ)
- ⑤ 今後の抱負と締めの言葉
<例文>
①冒頭の挨拶(感謝と退職の報告)
皆さん、本日はお忙しい中お集まりいただき、ありがとうございます。〇〇(氏名)です。●月●日をもちまして、一身上の都合により、□□(会社名)を退職することとなりました。
②入社当初のエピソード(困難や成長のきっかけ)
〇年前に入社した当初は、仕事の流れをつかむのに必死で、何をするにも手探りの毎日でした。特に、最初に担当した〇〇の業務では、知識不足からうまく対応できず、何度もやり直しをすることになり、悔しい思いをしたことを覚えています。そんなとき、先輩方が根気強くアドバイスをくださり、少しずつできることが増えていき、それが自信につながりました。
③会社での学び(仕事を通じて得たもの)
また、日々の業務だけでなく、皆さんと過ごした時間を通じて、「周囲と協力し 仕事を進めることの大切さ」や「前向きに取り組むことの重要性」を学ぶことができました。支え合う仲間がいることの心強さを感じながら、ここで多くの経験を積むことができたことを、本当にありがたく思っています。
④周囲への感謝(先輩・同僚へのメッセージ)
これまでご指導いただいた先輩方、温かく支えてくださった同僚の皆さんには、感謝の気持ちでいっぱいです。皆さんと一緒に働けたことは、私にとってかけがえのない財産です。
⑤今後の抱負と締めの言葉
今後は、ここで培った経験や学びを活かし、新たな環境でも努力を続けていきたいと思っています。
最後になりますが、皆さんの今後のご活躍と、会社のさらなる発展を心よりお祈り申し上げます。
本当にありがとうございました。
最後は、新たな挑戦への前向きな姿勢を示すことで、ポジティブな印象で締めくくるのがポイントです。

一言で簡単に伝えたい場合の退職の挨拶(約30秒)
一言で簡単に退職の挨拶を伝える場合、内容を「感謝の気持ち」と「退職の報告」に絞り、シンプルにまとめることが大切です。
また、「新たな環境でも努力していきます」など、簡潔に今後の抱負を添えるとポジティブな印象を与えられます。
<例文>
皆さん、お忙しい中ありがとうございます。〇〇です。
●月●日をもちまして、一身上の都合により□□(会社名)を退職することになりました。
入社以来、未熟な私を温かく支えてくださった皆さんには、感謝の気持ちでいっぱいです。ここで培った経験を大切にし、これからも前向きに歩んでいきたいと思います。
これまでお世話になり、本当にありがとうございました。
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短い言葉の中にも誠意や気持ちを込めることで、より印象深い挨拶になるでしょう。
在籍期間が短い場合など、エピソードを深く掘り下げずに簡潔に伝える場面にもおすすめです。
堅苦しくならない退職の挨拶(約2分)
堅苦しい挨拶やしんみりとした雰囲気が苦手な場合は、適度なユーモアを取り入れ、明るいトーンで話すことがポイントです。
職場の雰囲気や相手との関係性に合わせて、場が和らぐようなエピソードや楽しい思い出を共有しましょう。
<例文>
皆さん、お疲れさまです。〇〇です。
●月●日をもちまして、一身上の都合により□□(会社名)を退職することとなりました。こうして退職の挨拶をしているのが、なんだかまだ実感が湧きません。
振り返ると、入社したばかりのころは右も左も分からず、〇〇さんには何度も助けていただきました。特に、初めての〇〇の案件ではミスを連発し、「あれ? 私、大丈夫かな?」と本気で不安になったのを今でも覚えています。でも、先輩方や同僚の皆さんに支えられ、おかげでなんとかここまでやってこられました。
ここでは、仕事のことだけでなく、多くの学びと楽しい時間をいただきました。休憩時間の雑談で盛り上がったことや、オフィスでの何気ないやりとりも、今思えばかけがえのない思い出です。そして何より、皆さんと一緒に働けたことが、一番の財産です。
退職はしますが、またどこかでお会いする機会がきっとあると思います。そのときに胸を張って再会できるよう、私も新しい環境で頑張りますので、また気軽に声をかけていただけたらうれしいです。
それでは、またどこかでお会いしましょう!
本当にありがとうございました。
親しみやすく自然な口調で話しつつも、感謝の気持ちはきちんと伝え、カジュアルでありながら失礼にならない表現を意識します。
最後は、締めの言葉として「またどこかでお会いしましょう」などと伝えると、退職後も前向きなつながりを感じさせるような、良い印象でスピーチを締めくくることができるでしょう。
メールで退職の挨拶をする場合のポイント・例文
ここではメールで退職の挨拶をする場合の例文と考えるにあたってのコツをご紹介します。
件名:退職のご挨拶_○○事業部 堂田太郎(名前)
本文:
おつかれさまです。○○事業部の堂田です。
私事となり、大変恐縮ではありますが、一身上の都合により○月末で退職することになり、本日が最終出社日となりました。
本来であれば直接ご挨拶に伺うべきところ、メールでのご報告・ご挨拶となってしまい大変申し訳ございません。
これまで何かと至らぬ点もあったかと思いますが、お世話になり本当にありがとうございました。
振り返ると入社してからの○年間、慣れない営業に戸惑いながらも、お客さまとの関係を築いていけることにやりがいを感じていた日々でした。思うようにいかず悩んだこともたくさんありましたが、それでも少しずつ前進していくことに「本当の仕事の面白さ」を感じることができました。
また、業務を通して多くの方々と関わり、たくさんのことを学ばせていただきました。
ここでの経験があり、次へつながっていると思っています。心より感謝申し上げます。
今後の連絡先は下記になりますので、何かありましたらこちらへご連絡いただけますと幸いです。
LINE ID:×××××
Mail:×××@mail.com
電話:000-0000-0000
最後になりましたが、今後ますますのご活躍をお祈り申し上げます。
今まで本当にありがとうございました。
--------------------
○○事業部 堂田太郎(署名)
メールで退職挨拶を送る場合は、見落とされないように最終出社日の午前中に送りましょう。
内容は「過去・現在・未来」の順番で構成すると伝わりやすくなります。具体的なエピソードを交えて感謝を述べることでより印象的な挨拶になるでしょう。
また、連絡先を記載する場合は個人の私用連絡先やSNSアカウントが適切です。スピーチとは異なり形に残るメールだからこそ、誠意ある言葉で全員に配慮した内容を心がけましょう。
メールでの退職挨拶について詳しくは以下の記事をご覧ください。
【社外・取引先向け】退職の挨拶(口頭・メール)をする場合
社外・取引先に退職挨拶(口頭・メール)をする場合のポイントを例文とあわせてご紹介します。今後のやり取りに支障を出さず、好印象を残して退職できるよう社外対応も最後までていねいに行うことが大切です。
社外・取引先向け退職挨拶(口頭・メール)のポイント
取引先や社外の方へ直接退職の挨拶をする機会がある場合、口頭・メールにかかわらず、社内向けよりも一層、ていねいでフォーマルな言葉遣いが求められます。
社内向けとの大きな違いとしては、退職日と後任者を明確に伝えることです。これにより、相手に不安を与えることなく、今後の業務を円滑に引き継ぐことができるでしょう。
さらに、「特に〇〇の案件では、皆さまのご協力がなければ乗り越えられなかったと感じています。その節はありがとうございました。」など具体的な感謝の表現を添えることで、誠意を伝えられるでしょう。
社外・取引先向け~退職挨拶(口頭)の例文
挨拶は簡潔に1分ほどでまとめ、ていねいながらも端的に伝えると好印象です。相手の状況に合わせて、時間を取りすぎずに、必要な情報である「退職日」と「後任者」を確実に伝えましょう。
直接訪問したり、電話をかけて口頭で伝える場面も多いと考えられるため、相手との対話を意識して伝えたいポイントだけ、事前にまとめておくようにしましょう。
お忙しいところお時間をいただき、ありがとうございます。〇〇(氏名)です。
このたび、〇月〇日をもちまして、〇〇(会社名)を退職することとなり、ご挨拶に伺いました。
在職中は大変お世話になり、心より感謝申し上げます。特に〇〇の案件では、皆さまのご協力がなければ乗り越えられなかったと感じています。〇〇様には、たくさんのアドバイスをいただき、本当に勉強になりました。ありがとうございました。
後任は△△△△(フルネーム)が担当いたしますので、引き続きよろしくお願いいたします。
これまでの感謝を直接お伝えしたく、本日伺いました。改めて、これまでのご支援に心より感謝申し上げます。今後のますますのご活躍をお祈りしております。
本日はお時間をいただき、ありがとうございました。
社外・取引先向け~退職挨拶(メール)の例文
社外向けの退職挨拶メールは、社内向けと異なり、個人の連絡先は記載せず、会社としてのフォーマルな連絡にとどめるのが基本です。冒頭にお礼を述べ、「退職日」と「後任者」を伝えて安心感を与えます。
また、直接の担当者の方の名前を本文に入れた上で感謝を伝えるとより気持ちが伝わりやすいです。
件名:退職のご挨拶_株式会社○○産業 堂田太郎(名前)
本文:
株式会社△△物産
△△事業部
△△様
お世話になっております。株式会社○○産業の堂田太郎です。
私事となり、大変恐縮ではございますが、一身上の都合により○月末で退職することになりました。
○○産業在職中は、△△様にはさまざまなご支援、ご助言をいただき、本当にありがとうございました。不慣れな私に対し、時には叱咤激励をいただきながらも、プロジェクト成功のためにご尽力いただけたこと、誠に感謝しております。
後任は、同じ部署のXXXX(フルネームで記載)が務めさせていただきます。
本来ならば直接伺うべきところでございますが、メールでのご挨拶となりましたこと、おわび申し上げます。
末筆ながら、貴社のご発展と△△様のますますのご活躍を心よりお祈り申し上げます。
--------------------
株式会社○○産業 ○○事業部 堂田太郎(署名)
最終出社日に対応すること
最終出社日は、退職の節目として業務をきちんと締めくくり、周囲に感謝の気持ちを伝える大切な日です。気持ち良く退職するためにも、最後までていねいな対応を心がけましょう。
退職挨拶とあわせて、漏れのない対応でスムーズに退職できるよう、最終出社日に対応すべきことをまとめてご紹介します。
1.引き継ぎの最終確認をする
前提として、最終出社日までに後任者やチームメンバーとともに、業務内容や進行中のプロジェクトの状況を確認し、必要な資料を整理しておきましょう。最終出社日は、あくまで不明点や引き継ぎ漏れがないかの最終確認の場とします。
退職後も残ったメンバーが安心して業務を継続できるような環境を整えることが大切です。
2.備品の返却やデスクやロッカーなどの片づけをする
最終出社日には会社のルールに従って、支給された備品や資料などを忘れずに返却します。デスク周りやロッカーを整理整頓し、きれいな状態で引き渡しましょう。
3.必要に応じて個別退職の挨拶や、社内向けに退職挨拶メールを送る
特にお世話になった上司や同僚には、個別に直接感謝の気持ちを伝える時間を取ることをおすすめします。スピーチとは別で個人として話す時間を設け、具体的なエピソードや感謝の言葉を交えて挨拶をするとよいでしょう。
また、スピーチとは別に、社内の関係する部署全体に向けて退職挨拶メールを送ると、感謝の気持ちが広く伝わります。メールは最終出社日の午前中を目安に送信するのが一般的です。
ただし、社外向けの挨拶メールに関しては最終出社日ではなく、退職が決まったタイミングで早めに送信しましょう。
ていねいな退職挨拶で気持ちよく次のステップに進みましょう
退職挨拶は感謝を直接自分の言葉で伝えられる、大切な機会です。基本のマナーや好印象を与えるコツを押さえ、退職挨拶の準備を行いましょう。
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この記事の監修

office T 代表
ビジネスマナー講師、話し方講師、フリーアナウンサー
企業や学校、病院、行政機関などさまざまな業種で、講演・研修・コンサルティングを行う。コミュニケーション能力向上を軸に、ボイストレーニングや話し方を組み込んだ独自のメソッドを提供。営業・接客・接遇マナーも得意とする。クイズ番組の問題作成、監修なども行う。
『日刊ゲンダイ』にて「ビジネスマナー常識チェック」連載中。監修本『ひとめでわかるモノの言い方』含む4冊・累計13万部の著者。
関連リンク:office T(外部リンク)
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