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内定・退職・入社

離職票とは?もらえる時期や発行方法、
退職証明書との違いなどを解説【社労士監修】

北 光太郎氏/顔写真

監修者:社会保険労務士 北 光太郎(きた・こうたろう)氏(きた社労士事務所 代表)

離職票は、退職者が失業手当の申請をするときに必要な書類です。そのため在職中は目にする機会が少ないと思います。離職票とはどのようなもので、どういった人が必要になるのか、必要な場合のもらい方やいつ届くのか、混同しがちな類似書類との違いについて、社労士監修のもと詳しく解説します。

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離職票とは?

離職票とは、離職したことを証明する公的な書類で、正式には「雇用保険被保険者離職票」といいます。会社を退職して失業状態にあるときに失業手当(正式には基本手当)の受給を希望する場合、退職者が直接ハローワークに提出します。離職票の交付手続きは、所属していた会社を介して行います。

2枚の離職票それぞれの役割

離職票イメージ

離職票には「被保険者資格喪失届(雇用保険被保険者離職票-1)」「被保険者離職証明書(雇用保険被保険者離職票-2)」の2種類の書類があります。
「被保険者資格喪失届」は機械で読み取れるOCR用紙で、ハローワークに来所したタイミングで離職者本人が失業給付金の振込先情報などを記入します。
「被保険者離職証明書」は3枚つづりの複写用紙で、離職者が離職する前に受け取った給与や離職理由などを企業が記載します。3枚あるうちの本人控が「雇用保険被保険者離職票-2」です。

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離職票はどんなときに必要? 転職先に提出する必要はある?

雇用保険加入者が次の職が決まっていない状態で離職し、「失業手当(失業保険)」(※)を受け取るときに必要です。居住地を管轄するハローワークへ行った際に「求職の申し込み」と同時に2種類の離職票を提出します。申請は離職日の翌日から可能です。雇用保険加入者でも、退職日から転職先への入社日までが数日しかないなど、失業手当(基本手当)を受け取らない場合は使用しません。

※雇用保険に加入していた場合、条件に当てはまれば離職票を提出することで失業手当(失業保険)の給付を受けられます。

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転職先に離職票を提出する必要はある?

転職先に離職票を提出する必要はありません。前述のとおり、離職票は失業手当(失業保険)を受給するために、ハローワークに提出する書類です。それ以外では特に使い道がない書類のため、転職先の会社から入社後に提出を求められることも基本的にはありません。なお、転職先には「雇用保険被保険者番号」を伝える必要があります。この番号は離職票にも記載されていますので、これを参照して回答できます。その場合でも、離職票そのものを転職先に提出する必要はありません。

転職先が決まってから退職する場合、離職票の発行は必要?

すでに転職先が決まっている場合は、失業手当(失業保険)を受給する必要がないため、離職票の発行も不要になります。今の会社を退職する際、人事担当者から離職票の要否を聞かれることもあるかと思います。その際は「転職先が決まっているので不要です」と回答すれば問題ありません。

離職票はいつ、どこから届く?

社員の退職後、会社がハローワークへ「被保険者資格喪失届」と「被保険者離職証明書」を提出すると、繁忙期(3~4月)を除いて数日以内に「被保険者資格喪失確認通知書(離職票-1)」「被保険者離職証明書の事業所控」「被保険者離職証明書の本人控(離職票-2)」が会社宛に交付されます。
その後、「被保険者資格喪失確認通知書」「被保険者離職証明書の本人控」が離職票として、会社から退職者本人のもとへ郵送されるので、退職者が離職票を受け取るのは、退職後、1カ月前後経ったころでしょう。
ただし会社がハローワークの有人窓口で書類を届け出た場合は、離職票は即日発行されるので、退職者の手元にもより短い期間で届くでしょう。

ハローワークとはどんな場所?なにができるか確認する

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離職票の発行手続きの流れ

離職票の交付手続き

離職票の交付手続きは上記の流れで進みます。会社・ハローワーク・退職者本人の間を書類が行き来するので、どのタイミングでどのような行動をすべきか確認しておきましょう。

①在職中に雇用保険に入っているかどうかを確認する

そもそも失業手当(基本手当)は、雇用保険に加入していなければ受け取ることができません。交付手続きを進める前に、雇用保険に加入しているかどうかを確認しておきましょう。

・雇用保険加入の有無の確認方法

雇用保険加入の有無は、「雇用保険被保険者証」と「資格取得確認等通知書」をもらっているかどうかで分かります。あるいは、給与明細で雇用保険料が天引きされていたら加入済みです。
会社は原則として、週20時間以上、31日以上継続して働く見込みがある労働者を、雇用保険に加入させる義務があります。フルタイムで働く社員であれば、ごく一部の例外をのぞき加入しているはずです。

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②退職時に離職票の発行を会社に依頼する

退職が決まったタイミングなどで会社に離職票の発行を依頼します。会社によっては依頼をしなくても準備してくれますが、必要な場合は依頼しておくほうが確実でしょう。依頼の仕方は会社によって異なります。決められたフォーマットで依頼するところもあれば、担当者に「離職票が欲しい」と、口頭で伝えるだけで済むところもあります。依頼のルールを担当者に確認しておきましょう。

③会社がハローワークに離職証明書を申請

退職者から離職票の発行を依頼されると、会社は離職票の発行に必要な離職証明書(雇用保険被保険者離職証明書)と雇用保険の資格喪失届を準備して、ハローワークに提出します。

・離職証明書とは?

離職証明書とは、その名のとおり退職者が離職したことを証明する書類で、離職日や直近の賃金支払い状況、離職理由などを会社側が記入します。会社からハローワークへの提出期限は法律で、退職日の翌々日から数えて10日以内と決められています。

離職証明書には、退職者本人が内容を確認して署名・捺印をする箇所があります。ただし、すでに退職者が退職してしまっている場合、省略できることになっているので、退職者本人の確認を省いている会社も多いのが現状です。会社から確認を求められた場合は、とくに離職理由をチェックしましょう。離職理由が会社都合なのか自己都合なのかで、失業手当(基本手当)を受け取れる時期や金額が変わります。

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④ハローワークが会社に離職票を交付

ハローワークは、提出された離職証明書の内容に間違いがないかを確認し、「離職票-1」と「離職票-2」の2種類の離職票を会社宛てに発行します。「離職票-1」は、退職者の氏名など基本的な情報、「離職票-2」は、退職者への賃金支払い状況や離職理由などが書かれています。ここで退職者が行う作業はありません。

⑤会社が退職者に離職票を送付

会社はハローワークから届いた2種類の離職票を、退職者に送付します。一般的には郵送で、退職者の手元に届くのは退職日から数えて10日~2週間後が目安です。

退職者は、失業手当(基本手当)を受け取る場合、届いた離職票をハローワークに提出し、受給手続きを行います。このときの手続き先は、会社所在地ではなく退職者の居住地を管轄するハローワークです。手続きには2種類の離職票のほか、マイナンバーが分かる書類や身分証明書(運転免許証など)、印鑑、写真、本人名義の通帳かキャッシュカードなどが必要です。

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離職票の書き方と確認すべき項目

離職票は、退職者の手元にほぼ完成した状態で届きますが、ハローワークに提出する前に、一部書き加える部分があります。「離職票-1」「離職票-2」それぞれについて、書き加える部分と書き方についてご紹介します。

「離職票-1」の書き方と確認すべき項目

「離職票-1」の書き方と確認すべき項目について解説します。
※画像内の番号を押すと、その解説に遷移します。

出典:ハローワーク

①個人番号(マイナンバー)

情報漏洩を防ぐため、ハローワークに行ってから窓口で退職者本人が書くことになっています。マイナンバーカードを持っていない場合、マイナンバーは「通知カード」(※)か、個人番号の記載のある住民票で確認できます。

※通知カードの新規発行などの手続きは2020年5月25日に廃止され、マイナンバーの通知は個人番号通知書の発行によって行われています

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②求職者給付等払渡希望金融機関指定届

失業手当(基本手当)を振り込んでほしい口座を書きます。この欄は、自宅などで書いても問題ありません。「金融機関による確認印」は失業手当(基本手当)を申請するときにキャッシュカードや通帳を持参できるのであれば不要です。

「離職票-2」の書き方と確認すべき項目

「離職票-2」の書き方と確認すべき項目について解説します。
※画像内の番号を押すと、その解説に遷移します。

出典:ハローワーク

①離職理由

選択肢の中から該当するものを1つだけ選び、離職者記入欄に「○」をつけます。隣の事業主記入欄にはすでに「○」がついているので、それを参考にするとスムーズです。

②具体的事情記載欄(離職者用)

1つ上の段の「具体的事情記載欄(事業主用)」に書かれている離職理由を確認し、間違っていなければ「同上」と書きます。自分から退職を申し出た場合は、「自己都合による退職」と記載されているはずです。倒産や解雇の場合は「会社都合による退職」と記載されます。

もし、離職理由が事実と異なる場合は本来の離職理由を書きます。例えば、「自己都合による退職」と会社は書いているものの、実際は解雇であった場合などは、「会社都合による解雇」と書いてください。

③離職者本人の判断

事業主が〇をつけた離職理由に対して、異議が「有り」か「無し」に「○」をつけます。②とそろえて、転職理由が正しい場合は「無し」に、事実と異なる場合は「有り」に〇をつけます。

④署名

記入した内容に間違いがないことを確認して、退職者本人が署名しましょう。
②③で会社側の記載内容に異議有りとした場合は、ハローワークが会社に連絡をして、事実を確認します。追加資料などを求めて調査をした上で、どちらが正しいのかをハローワークが判断します。そのほか、離職票の書き方が分からない場合や聞きたいことがある場合は、遠慮なくハローワークに相談しましょう。ていねいに教えてもらえます。

なお、より詳細な記載方法については、厚生労働省の資料も参考にしてください。

厚生労働省「離職票-2の離職理由欄等の記載方法について

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離職票とその他の類似書類の違い

退職時には離職票のほかにも名前のよく似た書類を目にすることがあります。ここでは退職証明書と雇用保険被保険者離職証明書、雇用保険被保険者資格喪失届について解説します。違いを把握しておきましょう。

退職証明書

退職証明書の使い道は主に2つあります。

⑴転職先から求められた場合に、退職したことの証明として提出
⑵離職票の交付が遅れている場合に、離職票の代わりとして提出

離職票が公的書類であるのに対して、退職証明書は私的文書です。あくまで企業が独自に作成して退職者に送付するので、決まったフォーマットなどはありません。主に使用期間(在籍期間)、業務の種類、地位・役職、賃金、退職理由の5点が書かれています。退職者が記載してほしくない項目を申し出れば、省いてもらえます。
会社に自発的な発行の義務はありませんが、申請された場合は必ず発行するようにと定められている証明書です。発行期限は「遅滞なく」とだけ定められています。もし早めに欲しい場合は、依頼をするときに「〇月〇日までに受け取りたい」と、一言添えておくとよいでしょう。

使用者退職者(雇用保険加入者・未加入者を問わない)
使用目的退職の事実を転職先などに証明するため
記載内容退職年月日、所属期間、業務の種類、事業における地位、賃金、退職理由など
発行者企業
(会社が作成の上、退職者に送付)
発行タイミング退職者の依頼後すぐ
※退職前でも発行可能(申請期限は退職後2年)

雇用保険被保険者離職証明書

離職届や退職証明書と名前がよく似ているので混同しやすいですが、企業が離職票を発行してもらうために作成する書類です。退職者が退職したタイミングで作成し、ハローワークに提出します。手続きは企業側とハローワークとの間で完結するので、退職者が離職証明書に何かを記入したり準備したりする必要はありません。「本人控」以外は退職者が見る機会はないことのほうが多いでしょう。

使用者退職先の企業
退職者(雇用保険加入者のみ)
使用目的離職票を交付してもらうため(企業)
失業手当申請の手続きをするため(退職者)
記載内容被保険者番号、事業所番号、離職日、離職理由、賃金額など
発行者退職先の企業
(会社が作成の上、ハローワークに提出。その後、ハローワークから交付された書類を会社から退職者へ送付)
発行タイミング退職日翌日から10日以内に、所属していた会社が作成

雇用保険被保険者資格喪失届

企業が退職者を雇用保険から外す手続きに使う書類です。退職時はもちろん、従業員の就労時間が週20時間未満となった場合や死亡した場合などにも発行されます。
離職証明書と同じように、企業が作成してハローワークに提出され、その後「被保険者資格喪失確認通知書」という形でハローワークから企業に交付されたものが、退職者に送付されます。退職者が雇用保険被保険者資格喪失届自体に何かを記入したり準備したりする必要はありません。
被保険者番号と離職日が記入されているので、退職者はそれらの証明として使用することも可能です。

使用者退職先の企業
退職者(雇用保険加入者のみ)
使用目的離職票を交付してもらうため(企業)
離職および喪失した被保険者番号の証明(退職者)
記載内容個人番号、被保険者番号、事業所番号、資格取得年月日、離職等年月日、喪失原因など
発行者企業
(会社が作成の上、ハローワークに提出。その後、ハローワークから交付された書類を会社から退職者へ送付)
発行タイミング退職日翌日から10日以内に、所属していた会社が作成

雇用保険被保険者資格喪失確認通知書とは?何に使うもの?届いたらどうする?

離職票に関するQ&A

離職票は失業手当(基本手当)をもらうために必須の書類ですが、その分ややこしい部分もあります。正しく手続きを進められるよう、気になるQ&Aを事前に確認しておきましょう。

Q.離職票が届かない場合はどうすればよい?

A.離職票は、退職日から数えて10日~2週間後を目安に手元に届くはずです。
もし2週間を大幅に過ぎても届かないようであれば、会社に問い合わせてみましょう。会社が申請手続きを忘れているか、戻ってきた離職票を退職者に郵送していないなどの理由が考えられます。
まれに故意に申請手続きを行っていないこともありますが、法的には、退職者が離職票の交付を求めた場合、手続きを行うのは会社の義務です。離職票が届かなければ、失業手当(基本手当)の受給手続きができず、手当を受け取るタイミングが遅れるなど、退職者は不利益を被る可能性があります。もし、何度問い合わせても対応してもらえない場合は、ハローワークや弁護士に相談してみましょう。

Q.離職票の「自己都合退職」を「会社都合退職」に変える必要がある場合はどうする?

A.方法は2つあります。

1つ目は、会社がハローワークに申請する離職証明書の内容を会社と相談する方法です。ただし、「失業手当(基本手当)を多めに欲しいから」といった理由で、事実と異なる離職理由に書き換えることはできません。

2つ目は、会社から離職票を受け取りハローワークに提出するときに、異議申し立てを行う方法です。「離職票の書き方」で説明したとおり、離職票に自分が主張したい離職理由を書きます。雇い止めなどの不本意な理由にもかかわらず「自己都合退職」にされた場合は、「特定理由離職者」として「会社都合退職」への変更が認められることがあります。
なお、単純に会社のミスで書き間違っている場合も、対応方法は上記いずれかの方法です。

Q.離職票を紛失した場合はどうする?

A.離職票をなくしてしまった、あるいは汚してしまったとしても、退職者本人がハローワークに直接申請すれば再発行できます。
準備するものはハローワークで入手できる再交付申請書、身分証明書、雇用保険被保険者証、印鑑など。手続きはハローワークの窓口、あるいは電子政府の総合窓口「e-Gov」で行います。退職した会社に再発行を依頼することもできますが、余計な手間をかけることになるので、退職者本人が直接ハローワークに申請したほうが無難でしょう。

離職票の再交付申請書は以下サイトからもダウンロードできます。

雇用保険被保険者離職票再交付申請書(厚生労働省)

雇用保険被保険者証とは?転職時にもらっていないときの対応を解説<社労士監修>

離職票は失業手当をもらうために欠かせない書類

離職票は失業手当(基本手当)を受給する際に必要となる大切な書類です。発行に際して退職者本人が行うことはなく、基本的に所属していた企業とハローワークとの間でやりとりが行われます。企業から送付されたら、なくさないよう大切に保管しておきましょう。必要事項を記入したら、早めに失業給付の申請手続きを済ませておくと安心です。

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