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連載 採用担当者のホンネ-中途採用の実態調査

転職を考えている人に知ってほしい
調査から見えた人材不足の実態

#市場動向

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転職を考えるとき、「今、企業ではどのような人材が不足しているのだろう」と気になる人もいるのではないでしょうか。そこで今回は、組織や事業の状況を把握している管理職、経営者・役員2,000人を対象に、人材不足の実態について調査しました。その結果、71.8%が中途採用で確保したい人材について課題を感じていると回答しました。本記事では、人材不足が生じている背景や、企業の取り組みなどについて解説していきます。

※本記事の「人材不足」は、「十分な人数が確保できていない」「要件を満たす人材を確保できていない」の両方を指します。

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ザックリまとめると

  • 中途採用について71.8%が人材不足・人手不足に「課題がある」と回答
  • 不足している人材は「即戦力として活躍できる経験者」が40.0%で最多。若手や長期的に活躍できる人材など、業種によっても異なる
  • 人材不足が続く一方で採用要件も変化。市場の変化を捉え、早めに経験やスキルを棚卸ししておくことが大切

人材不足の課題を感じている企業は 71.8%

組織や事業の状況を把握している管理職、経営者・役員2,000人を対象に、正社員の中途採用で確保したい人材について調査したところ、71.8%が人材不足・人手不足に「課題がある」と回答しました。

内訳を見ると、最も多かったのは「やや課題がある」の40.2%で、「非常に課題がある」の31.6%が続きました。両者を合わせると71.8%となり、多くの企業が人材不足を課題として認識していることが分かります。

一方、「あまり課題はない」は10.4%、「課題はない」は12.5%で、合わせて22.9%でした。このように、人材不足の状況には企業によって差があることもうかがえます。

人材不足・人手不足の課題が
ありますか。

正社員の中途採用で確保したい人材について、人材不足・人手不足の課題があるかを調査した結果のグラ
フ。「非常に課題がある」が 31.6%、「やや課題がある」が 40.2%、「あまり課題はない」が 10.4%、「課題はない」が
12.5%、「分からない」が 5.4%。
データ表を展開する 閉じる
非常に課題がある 31.6%
やや課題がある 40.2%
あまり課題はない 10.4%
課題はない 12.5%
分からない 5.4%

業種別に見ると、「課題がある」と回答した割合は、「メーカー(機械・電気)」が80.8%と最も高く、以降は「エネルギー(電力・ガス・石油・新エネルギー)」(79.1%)、「運輸・物流」(77.7%)、「メーカー(素材・化学・食品・化粧品・その他)」(77.0%)、「金融」(74.9%)が続きました。最も低い「旅行・宿泊・レジャー」でも60.4%となっており、割合に違いはあるものの、幅広い業種で人材不足が課題となっていることが分かります。

非常に課題がある やや課題がある あまり課題はない 課題はない 分からない
IT・通信 26.0% 45.2% 10.7% 14.7% 3.4%
メーカー(機械・電気) 35.9% 44.9% 7.2% 6.0% 6.0%
メーカー(素材・化学・食品・化粧品・その他) 33.5% 43.5% 10.4% 8.1% 4.6%
建設・プラント・不動産 34.0% 39.0% 7.7% 16.2% 3.1%
商社 27.0% 41.0% 12.3% 10.7% 9.0%
金融 39.3% 35.6% 10.4% 8.9% 5.9%
医薬品・医療機器・ライフサイエンス・医療系サービス 26.4% 44.4% 16.7% 5.6% 6.9%
旅行・宿泊・レジャー 20.8% 39.6% 20.8% 14.6% 4.2%
教育 26.0% 36.0% 24.0% 10.0% 4.0%
運輸・物流 33.9% 43.8% 8.9% 8.9% 4.5%
エネルギー(電力・ガス・石油・新エネルギー) 34.9% 44.2% 4.7% 2.3% 14.0%
小売 28.2% 40.9% 6.4% 18.2% 6.4%
その他 29.7% 34.9% 11.5% 17.1% 6.7%

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人材不足を感じている理由は?

正社員の中途採用に関する人材面の課題として、人数の確保と要件を満たす人材の確保のどちらがより大きいかを聞きました。その結果、「十分な人数を確保できないこと」が35.6%、「どちらかといえば、十分な人数を確保できないこと」が31.3%となり、合わせて66.9%が人数の確保をより大きな課題として挙げました。

正社員の中途採用に関する人材面の課題としてより大きいのはどちらですか。

正社員の中途採用に関する人材面の課題を調査した結果のグラフ。「十分な人数を確保できないこと」が
35.6%、「どちらかといえば、十分な人数を確保できないこと」が 31.3%、「どちらともいえない」が 9.7%、「どちらかといえ
ば、要件を満たす人材を確保できないこと」が 16.8%、「要件を満たす人材を確保できないこと」が 6.6%。
データ表を展開する 閉じる
十分な人数を確保できないこと 35.6%
どちらかといえば、十分な人数を確保できないこと 31.3%
どちらかといえば、要件を満たす人材を確保できない 16.8%
要件を満たす人材を確保できないこと 6.6%
どちらともいえない 9.7%

では、人材不足が生じている背景として、どのような事情があるのでしょうか。結果を見ると、最も多かったのは「必要なスキルを持つ人材が採用できない」(45.4%)で、「若手人材の採用が難しくなっている」(39.5%)、「人材育成に時間を要し、必要なスキルを持つ人材を十分に確保できない」(29.0%)が続きました。

このように、多くの企業が人数の確保をより大きな課題として挙げている一方で、その背景として最も多かったのは、必要なスキルを持つ人材を採用できないことでした。人数とスキルは、一見すると別の問題に思えるかもしれません。しかし、調査結果からは、企業が求める経験やスキルを持つ人材を採用できず、結果として必要な人数も確保できていない状況がうかがえます。

正社員の中途採用で確保したい人材の不足が生じている背景として
当てはまるものをお選びください。(いくつでも)

正社員の中途採用で確保したい人材の不足が生じている背景を調査した結果のグラフ)
データ表を展開する 閉じる
必要なスキルを持つ人材が採用できない 45.4%
若手人材の採用が難しくなっている 39.5%
人材育成に時間を要し、必要なスキルを持つ人材を十分に確保できない 29.0%
業務量の増加により必要な人員が増えている 22.9%
定年以外の退職による欠員が発生している 20.4%
定年退職により欠員が発生している 18.3%
事業拡大に人員確保が追いついていない 16.8%
新規事業・新たな業務に対応できる人材が不足している 16.4%
産休・育休・休職などによる一時的な欠員が発生している 13.0%
分からない 2.6%
その他 1.0%

どんな人材が不足している?

具体的に不足していると感じる人材を聞いたところ、最も多かったのは「即戦力として活躍できる経験者」の40.0%でした。次いで「次世代を担う若手人材」が35.2%、「長期的に定着・活躍できる人材」が34.9%となっています。

そのほか、「業務を担う一般社員・メンバー層」(28.0%)、「高度な専門スキル・専門知識を持つ人材」(24.5%)、「マネジメントを担う管理職・リーダー層」(19.8%)も一定数見られたことから、企業によって、現場を支える人材から専門人材、管理職層まで、幅広い層で不足が生じていることが分かります。

不足していると感じる人材はどのような人材ですか。(いくつでも)

不足していると感じる人材がどのような人材か調査した結果のグラフ
データ表を展開する 閉じる
即戦力として活躍できる経験者 40.0%
次世代を担う若手人材 35.2%
長期的に定着・活躍できる人材 34.9%
業務を担う一般社員・メンバー層 28.0%
高度な専門スキル・専門知識を持つ人材 24.5%
マネジメントを担う管理職・リーダー層 19.8%
特定の職種を担う人材(営業職、技術職、企画職、管理部門人材など) 18.9%
未経験から育成・戦力化できる人材 17.7%
AI・DX活用を担う人材 17.0%
事業成長や新規事業を担える人材 15.2%
社内にいない知見・経験を持つ人材 14.5%
どのような人材が不足しているか明確ではない 2.7%
その他 0.4%

業種別に見ると、「建設・プラント・不動産」や「メーカー(機械・電気)」などでは、「即戦力として活躍できる経験者」と答えた人が最も多くなりました。一方、「メーカー(素材・化学・食品・化粧品・その他)」「運輸・物流」「小売」などでは「次世代を担う若手人材」、「金融」では「長期的に定着・活躍できる人材」が最多でした。

全体では即戦力となる経験者の不足が目立った一方で、若手人材や長期的に活躍できる人材など、必要とされる人材の経験や年代、役割は、業種によって異なることがうかがえます。

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人材不足への対応は進む一方、企業間で取り組み状況に差も

企業は、採用の強化だけでなく、採用対象の拡大や待遇の改善、既存社員の活用、業務改善など、あらゆる方法で人材不足への対応を進めています。

正社員の人材不足の改善に向けて実施している、または実施の動きがある取り組みを聞いたところ、最も多かったのは「中途採用で経験者を積極的に採用」(51.1%)で、「給与や待遇の改善」(30.9%)、「中途採用で未経験者を積極的に採用」(30.2%)、「中途採用について、採用条件を緩和している」(23.7%)が続きました。経験者採用を強化するだけでなく、未経験者の採用や採用条件の見直しによって、人材確保の間口を広げる動きもうかがえます。

また、採用以外の面では、「人材配置・異動の見直し」(12.2%)、「業務の標準化・マニュアル化」(10.2%)、「DX・自動化の導入」(10.2%)など、既存社員が力を発揮しやすい配置を検討したり、業務の効率化を進めたりする企業も見られます。

なお、「分からない、特に施策は行っていない」は13.3%でした。人材不足に対して複数の施策を進める企業がある一方で、具体的な取り組みに至っていない企業もあり、対応状況には差があることが分かります。

「正社員の人材不足」改善に向けて実施されている、または実施の動きがある取り組みを
すべて選んでください。(いくつでも)

正社員の人材不足の改善に向けて実施している、または実施の動きがある取り組みを調査した結果のグラフ
データ表を展開する 閉じる
【採用】中途採用で経験者を積極的に採用 51.1%
【働き方・待遇改善】給与や待遇の改善 30.9%
【採用】中途採用で未経験者を積極的に採用 30.2%
【採用】中途採用について、採用条件を緩和している 23.7%
【働き方・待遇改善】福利厚生制度を充実させている 14.3%
【育成・定着】人材配置・異動の見直し 12.2%
【働き方・待遇改善】勤務時間や休日制度の見直し 12.0%
【働き方・待遇改善】人事評価制度の見直し 10.6%
【働き方・待遇改善】リモートワーク・フレックス勤務制度の整備 10.5%
【育成・定着】社員のリスキリング(学び直し)の推進 10.3%
【業務改善】DX・自動化の導入 10.2%
【業務改善】業務の標準化・マニュアル化 10.2%
【育成・定着】専門スキル研修を強化 9.9%
【育成・定着】未経験者や若手の育成を強化 9.9%
【業務改善】生成AIの活用を推進している 9.9%
【業務改善】不要な業務の削減・廃止 9.9%
【育成・定着】管理職育成を強化 8.8%
【業務改善】業務の優先順位や分担の見直し 7.7%
【働き方・待遇改善】副業・兼業の許可 7.1%
【育成・定着】キャリア開発・キャリア支援制度を充実させている 7.1%
【育成・定着】エンゲージメント向上施策の実施 7.1%
その他 0.7%
分からない、特に施策は行っていない 13.3%

人材不足の今後の見通しについては、「現状と同程度の状態が続く見込み」が37.3%で最も多く、「今より深刻化する見込み」の17.0%と合わせると54.3%で、半数を超える結果となりました。

これに対し、「1年程度で改善する見込み」は6.8%、「数年以内に改善する見込み」は22.7%で、合わせて29.5%となりました。

人材不足への対応は進められているものの、多くの企業は短期間での解消には至らないと見ていることがうかがえます。

正社員の途中採用で確保したい人材の不足・人手不足は、今後どのような状況になるとお考えですか。

正社員の中途採用で確保したい人材の不足・人手不足について、今後の見通しを調査した結果のグラフ。「1
年程度で改善する見込み」が 6.8%、「数年以内に改善する見込み」が 22.7%、「現状と同程度の状態が続く見込
み」が 37.3%、「今より深刻化する見込み」が 17.0%、「分からない」が 16.2%。
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1年程度で改善する見込み 6.8%
数年以内に改善する見込み 22.7%
現状と同程度の状態が続く見込み 37.3%
今より深刻化する見込み 17.0%
分からない 16.2%

doda 編集長解説

今回の調査では、多くの企業が人材不足を感じている中で、抱えている課題は一様ではないことが分かりました。不足している人材は、即戦力となる経験者、若手人材、長期的に定着・活躍できる人材など、企業や業種によって異なります。そこで企業側も、新たな人材の確保に向けて、経験者採用の強化や未経験者の採用、採用条件の見直しなどを進めています。また、既存社員の定着や職場全体の生産性の向上のために、待遇改善、人材配置の見直し、DX・自動化といったさまざまな方法でも対応を進めています。

ただし、採用の間口を広げる動きがあるからといって、転職が一律に容易になっているわけではありません。転職市場では、2025年後半ごろから企業が求める人材要件に変化が見られています。コロナ禍の収束後、未経験者採用などを積極的に進めた企業の中には、採用後の育成や戦力化に想定以上の時間がかかったと感じる企業もありました。そのため、未経験者を採用して育成する企業がある一方で、求める要件に合わなければ無理に採用しないという姿勢も見られます。

2026 年 9 月の「転職求人倍率レポート」によると、求人数は引き続き増加傾向にあることが分かります。売り手市場が続いていることは事実ですが、「人材不足だから採用されやすい」と単純に捉えることはできません。企業は事業環境や将来の人員構成を踏まえ、採用する人材をより慎重に見極めるようになっていると考えられます。生成AIをはじめとするテクノロジーの進化も、企業が求める人材像に影響しています。今後は、これまでの経験を活かすだけでなく、テクノロジーを活用して自分や組織の生産性を高められる人材への注目も強まるでしょう。

転職を考えている方は、市場が大きく変わってから動くのではなく、今のうちから経験やスキル、仕事で上げた成果を棚卸しし、自分の強みを言葉にしておくことが大切です。加えて、同じ業界・職種の求人を定期的に確認し、求められる経験やスキルの変化を把握しておくとよいでしょう。

現職での評価と、転職市場での評価は必ずしも一致しません。今すぐ転職する予定がない方も、ときどき外に目を向けて自分の現在地を確かめ、必要な経験やスキルを身につけておくことが、将来の選択肢を広げることにつながります。

転職マーケットの“今”を知る! 転職求人倍率レポート【最新版】

調査概要

【対象者】20代以上の男女。会社勤務の管理職、経営者・役員

【雇用形態】会社勤務(管理職)、会社経営(経営者・役員)

【調査方法】利用調査サービス:QiQUMO

【調査期間】2026年9月2日

【有効回答数】2,000人

※記事中の割合データは、小数点以下第二位を四捨五入しているため、合計値が100%にならない場合があります。

※データのご利用について:引用・転載の際は、出所が転職サービス「doda」であることを明記し、Webメディアの場合は以下のリンクを貼ってください。

・出典:転職を考えている人に知ってほしい 調査から見えた人材不足の実態

・提供元:転職サービス「doda」

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