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【最新調査】異業種への転職が多い業種は?異業種へ転職している人はどんな人?

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商社、メーカー、IT、サービス…異業種からの転職者を多く受け入れているのはどんな業種なのでしょうか。また、異業種への転職を遂げたのはどんな人たちなのでしょうか。2020年7月~2021年6月の間にdodaエージェントサービスを利用して転職した約30,000人のデータから「異業種転職の実態」を明らかにします。

異業種からの転職の割合が高い業種は「商社」と「サービス」

業種別「異業種からの転職」の割合/グラフ

今回の調査では「商社」「サービス」「インターネット/広告/メディア」「小売/外食」「メディカル」「建設/不動産」「メーカー」「金融」「IT/通信」の9つ(「その他)を除く)に業種を分類し、それぞれ異業種からの転職をどのくらい受け入れているか、その割合を集計しました。

その結果、異業種転職の割合が80%を超えたのが「商社」と「サービス」です。続くのが「インターネット/広告/メディア」と「小売/外食」でともに70%台。9業種中最下位の「メーカー」でも異業種受け入れ率は51.5%と全体の半数を上回っています。また、「金融」「メディカル」「IT/通信」「建設/不動産」は50%台後半~60%台前半という結果になりました。

年齢が上がると、別業界への転職は難しい?【年代ごとで見る異業種転職者の割合】

次に、年代別に異業種転職の割合を見てみましょう。以下のグラフは異業種からの転職の割合をまとめたものです。

年代別「異業種からの転職」の割合/グラフ

全年代で「異業種からの転職」の割合は60%を超えており、最も高い24歳以下では72.8%でした。最も割合が低い35~39歳でも64.3%。また40歳以上では、65.9%と再び割合が高まっています。2014年(2014年3月~8月)にdodaが実施した同様の調査では、異業種転職の割合が70%を超えた年代はなく、最も割合の高かった24歳以下でも66.5%でした。

今回の調査期間は2020年7月~2021年6月ですが、この7年近くで大幅に異業種転職の割合が高まったことが分かります。なかには「異業種転職が可能なのは20代まででは?」「年齢を重ねると異業種転職は難しいのでは?」といったイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんが、実際には幅広い年代の人が異業種に転職しています。

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コロナ前とコロナ下の違いは「ミドル層以上の増加」

異業種転職における転職者の年齢分布/グラフ

コロナ前とコロナ下の「異業種転職における転職者の年齢分布」を比較してみましょう。前回調査(2019年7月~2020年6月)から割合が増えたのは「30~34歳」「35~39歳」「40歳以上」で、いわゆるミドル層以上の割合でした。その分、「24歳以下」「25~29歳」の割合が減っています。

全年代で「異業種からの転職」の割合は高まっていますが、そのなかでもミドル層以上の増加幅がひと際大きかったことが、この結果につながったと考えられます。また、転職成功者の平均年齢自体が高くなってきていることも結果と関連しているでしょう。

業種別に異業種転職した人の詳細をチェック

今回調査対象となった9業種ごとに、転職前の業種の内訳を見てみましょう。
「異業種」と言っても、例えば「IT/通信」業界のSIerから「サービス業」に分類される業務コンサルタントへの転職などのように、業種という切り口での分類は違っても、もともと相性がいい、転職可能性が高いパターンというものはあります。業種別に受け入れた“異業種転職”の内訳を、職種別のデータと重ね合わせて、異業種転職の割合が高い順に検証していきましょう。

商社

商社に転職した人の転職前の業種内訳/グラフ

9業種の中で最も異業種からの転職を受け入れている割合が高い業種は「商社」です。中でも「メーカー」の割合が高く、次に「サービス」が続きます。この2業種は、同業種転職である「商社」の割合を上回っており、それだけ異業種転職を受け入れる土壌が整っている業界であることが分かります。

職種別に見ると、「営業系」の職種の異業種・同職種転職の割合が最も多いです。また、「IT/通信」や「メーカー」といった業種の「技術系(IT/通信)」の職種から、「商社」の「技術系(電気/電子/機械)」の職種への転職など、「技術系」の職種内での異業種・異職種転職も見られました。営業ノウハウや技術への理解など、業種を超えて利用できるスキルは、やはり異業種あるいは異職種転職の助けとなります。

サービス

サービスに転職した人の転職前の業種内訳/グラフ

全業種の中で2番目に異業種転職の割合が高い業種である「サービス」。グラフを見ると、「エネルギー(電力・ガス・石油・新エネルギー)」「農林水産・鉱業」「公社・官公庁・学校・研究施設」などの業種がまとめられた「その他」の割合が、他業種に比べて顕著に高いことが分かります。「その他」以外では、「IT/通信」「メーカー」から「サービス」への異業種転職が多くなっています。

職種別にみると、「IT/通信」業種の「技術系(IT/通信)」の職種から、「サービス」業種の「技術系(IT/通信)」の職種への異業種・同職種転職が高い割合を占めます。また、「IT/通信」業種の「技術系(IT/通信)」の職種から「サービス」業種の「技術系(建築/土木)」の職種への異業種・異職種転職も目立ちます。

インターネット/広告/メディア

インターネット/広告/メディアに転職した人の転職前の業種内訳/グラフ

「インターネット/広告/メディア」では、26.0%を同業種からの転職が占めます。異業種転職で最も多かったのが「サービス」。続くのが「IT/通信」でした。反対に割合が比較的低かったのは「商社」「建設/不動産」「メディカル」などの業種です。

職種別にみると、BtoB営業などが該当する「営業系」、Webエンジニアなどが該当する「技術系(IT/通信)」からの異業種・同職種転職が多いのが特徴です。また、「サービス」業種の「販売/サービス系」の職種から、「インターネット/広告/メディア」業種の「営業系」の職種への転職も多く見られました。「販売/サービス系」の職種と「営業系」の職種の間にも“コミュニケーションスキルが問われやすい”という点で共通する要素が見いだせます。

小売/外食

小売/外食に転職した人の転職前の業種内訳/グラフ

「小売/外食」業界は「サービス」や「メーカー」からの異業種転職が多くの割合を占めているのが特徴です。「サービス」からの異業種転職者の割合は19.5%、「メーカー」からの異業種転職者の割合は16.2%となっています。また「その他」の割合も9.4%とやや高めです。

職種別にみると、「企画/管理系」内の同職種転職や「販売/サービス系」の職種から「企画/管理系」の職種への異職種転職が多く見られます。また、「インターネット/広告/メディア」から「小売/外食」への異業種転職に着目すると、「クリエイティブ系」の職種の同職種転職や、「クリエイティブ系」の職種から「企画/管理系」への転職が多いことが分かります。

メディカル

メディカルに転職した人の転職前の業種内訳/グラフ

「メディカル」の同業種転職の割合は35.6%と今回調査した9業種のなかでほぼ中央に位置します。「商社」と同様に「メーカー」から人材を受け入れる割合が高いことが特徴として挙げられます。それに「サービス」が続き、その2業種で「メディカル」への転職全体の30%以上を占めています。

職種別にみると、「メーカー」業種の「技術系(メディカル/化学/食品)」や「技術系(電気/電子/機械)」の職種の技術者が、「メディカル」の業種へ異業種・同職種転職をする割合が高いです。技術者以外では、「サービス」をはじめ幅広い業種から「メディカル」の「営業系」「企画/管理系」などの職種に異業種・同職種転職する例がみられます。経験が活かせる同職種であれば、「メディカル」という専門性の高い業種への異業種転職も受け入れられやすいのでしょう。

建設/不動産

建設/不動産に転職した人の転職前の業種内訳/グラフ

「建設/不動産」の同業種転職の割合は40.6%で、9業種のなかでは上から4番目です。異業種からの転職では「サービス」「メーカー」の割合がともに14%台と多くを占めています。また、「メディカル」の割合は1.7%で、ほかの業種と比べて最も低くなっています。

職種別にみると、「営業系」の職種内の同職種転職や「販売/サービス系」の職種から「営業系」の職種への異職種転職が多く見られます。また、「技術系(建築/土木)」の異業種・同職種転職も多くなっています。「メーカー」から「建設/不動産」へ異業種転職を果たした人々の職種に目を向けると、「技術系(電気/電子/機械)」内の同職種転職や、「技術系(電気/電子/機械)」から「技術(建築/土木)」への異職種転職が盛んであることが分かります。「技術」という専門性は、異業種転職を成功させるにあたって大きな武器となるようです。

金融

金融に転職した人の転職前の業種内訳/グラフ

同業種からの転職が41.0%を占める「金融」。さまざまな業種から転職者を受け入れており、そのなかでも「サービス」「IT/通信」「小売/外食」などから「金融」への異業種転職者が多いです。「メディカル」「商社」からの異業種転職者の割合は2%台と、他業種と同様に低くなっています。

職種別にみると「IT/通信」業種から「金融」業種への「技術系(IT/通信)」の職種の異業種・同職種転職者の割合が高いことが分かります。また、「営業系」の職種の異業種・同職種転職が「金融」への異業種転職全体の半分近くを占めており、なかでも「営業系」内の同職種転職や「販売/サービス系」の職種から「営業系」への転職が特に多いです。

IT/通信

IT・通信に転職した人の転職前の業種内訳/グラフ

「IT/通信」の同業種からの転職者の割合は41.7%と9業種の中でも高めです。異業種転職で最も多くの割合を占めたのは「サービス」で、それに「メーカー」が続きました。反対に最も少なかったのは「メディカル」で、続くのが「商社」です。また、「金融」からの異業種転職が5.5%と、ほかの8業種に比べて高くなっています。

職種別にみると、他業種の「営業系」や「企画/管理系」といった職種から「IT/通信」への異業種・同職種転職が多く見られます。また、ITコンサルタントや社内SEなど「技術系(IT/通信)」の職種に同職種からだけでなく、「販売/サービス系」などの他職種から異業種転職するケースも少なくないようです。

メーカー

メーカーに転職した人の転職前の業種内訳/グラフ

「メーカー」は今回調査した中で最も同業種転職の割合が高い業種でした。その半数近くが同業種内での転職となっています。そのほかで最も多いのは「サービス」。それに「IT/通信」が続きます。また、「商社」から異業種転職者を受け入れる割合が6.6%と、ほかの8業種に比べて高いのも特徴的です。

他業種から「メーカー」への同職種転職で最も多かったのは「技術系(電気/電子/機械)」の技術者の転職で、全体の半数近くを占めます。また、「技術系(IT/通信)」「技術系(建築/土木)」など幅広い領域の技術者が、他業種から「メーカー」の業種の「技術系(電気/電子/機械)」の職種への異業種・異職種転職を遂げています。技術者以外では、「商社」の業種の「営業系」の職種あるいは「サービス」業種の「企画/管理系」の職種からの異業種・同職種転職が目立ちました。

異業種転職は特別な転職ではない doda編集長による解説

「異業種への転職」というと、「今の仕事とはまったく別の仕事」「経験が活かせない転職」などとイメージする方もいるかもしれません。しかし、同職種転職や、スキルに通じる部分がある職種への異職種転職など、職種や経験の質に共通した部分がある異業種転職は盛んであることがデータから分かります。
業種も職種もまったく接点のない新天地を目指すよりも、業種か職種のどちらかを固定したり、これまでの経験やスキルの中から応募先の企業でも活かせる共通項を見つけたりすることができれば、転職成功の可能性はより高まるでしょう。

今回の調査で転職全体に占める異業種転職の割合は66.6%に上ります。全体の半数を大きく上回る数の人々が異業種転職に成功しているという事実に驚かれた方も多いのではないでしょうか。「異業種転職は特別ではない」と安心して、ぜひ業界研究に取り組んでみてください。

doda編集長 喜多恭子

doda編集長 
喜多恭子(きだ・きょうこ)

1999年、株式会社インテリジェンス(現・パーソルキャリア株式会社)入社。中途採用領域、派遣領域、アルバイト・パート領域の全事業に携わり、2019年10月、執行役員・転職メディア事業部事業部長に就任。2020年6月、doda編集長就任。

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調査概要

2020年7月~2021年6月末までの間に、dodaエージェントサービスを利用して転職した方から約30,000人を対象に調査を実施
構成比は小数点以下第二位を四捨五入しているため、合計しても必ずしも100%になりません
※データのご利用について:出所が「転職サービスdoda」であること、本ページのタイトルを明記し、本ページへのリンクを掲載のうえで、利用してください

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