転職で異業種の企業を志望したり、ほかの業界に興味を抱いたり、その一方、「異業種からの転職は難しいのではないか」と不安を持つ方もいるでしょう。本記事ではdodaエージェントサービスを利用して転職した人のデータをもとに「異業種転職の実態」をご紹介します。異業種転職の割合が高い業種や年代別の割合、年収アップした人の割合などを踏まえ、異業種転職を成功させるヒントをつかみましょう。
ザックリまとめると
- 9業種で最も異業種から転職した人の割合が高い業種は「商社」
- どの業種の転職者も半分以上は異業種へ転職している
- 24歳以下~40歳以上の5つの年代別すべてで、転職者の半分以上は異業種へ転職している
最も異業種転職の割合が高い業種は? 異業種転職と同業種転職のどちらが多い?
今回の調査では「商社」「インターネット/広告/メディア」「サービス」「小売/外食」「メディカル」「建設/プラント/不動産」「IT/通信」「金融」「メーカー」の9つ(「その他」を除く)に業種を分類し、「異業種からの転職」「同業種からの転職」それぞれの割合を集計しました。
【業種別】異業種からの転職の割合
9業種すべてで「異業種からの転職」が50%を超えており、異業種からの転職は、同業種からの転職よりも多いことが分かりました。特に「商社」では、異業種転職者の割合が最も高く、84.8%を占めています。次いで「インターネット/広告/メディア」が70.8%、「サービス」が68.6%と続きます。
年収アップした人のうち異業種転職の割合は65%を超える
2023年8月~12月にdodaエージェントサービスを利用して転職に成功した人のデータによると、転職で年収アップした人の65.6%が転職の前後で業種を変えています。そのうち「異業種・同職種」は36.6%で、「異業種・異職種」は29.0%でした。
転職で年収アップした人のうち業種・職種の割合
一方、転職の前後で業種が同じ人は「同業種・同職種」が25.9%、「同業種・異職種」が8.5%となっています。
転職者の平均的な年収アップ金額や、転職で年収アップする人の傾向についての詳細が気になる方は、ぜひ次の記事もご覧ください。ここでは、転職を成功に導くための具体的なデータや情報を提供しています。
異業種への転職は何歳からでも可能 全年代で異業種転職の割合は半分を超える
「異業種への転職が可能なのは20代まででは?」「年齢を重ねると異業種転職は難しいのでは?」といった不安を抱える方は少なくないかもしれません。
しかし、実際に異業種転職に成功している方々を見ると、さまざまな年齢層に及んでいます。最も異業種からの転職の割合が高かったのは「24歳以下」で68.7%ですが、異業種から転職が成功した人の割合は「40歳以上」で56.4%、「35~39歳」で58.9%と、調査対象として区分した5つの年代すべてで半数を超えています。
【年代別】異業種からの転職の割合
キャリアアドバイザーが教える異業種転職を成功させるための4つのポイント
異業種転職は幅広い業種や年代で行われており、決して難しい選択肢ではありません。
キャリアチェンジ転職(未経験の業界や職種への転職)をはじめ、毎年多くの方の転職をサポートしているdodaキャリアアドバイザーが異業種への転職を成功させるために意識すべき4つのポイントをアドバイスします。
ポータブルスキルや専門知識をアピールする
異業種転職では、どの業界でも役立つ「ポータブルスキル」やこれまでのキャリアで培った専門知識を転職先でどう活かせるのか、具体的な経験とともにアピールしましょう。例えば、課題解決のための論理的思考力や、コミュニケーションやマネジメントのスキル、情報収集やリサーチに関する知見などがポータブルスキルとして挙げられます。また、仕事に取り組む姿勢や情熱も評価されるポイントです。
転職の動機を明確に説明する
転職理由や志望動機は転職活動において必ず聞かれる項目です。特に異業種転職では「なぜ違う業界で働きたいのか」「異業種転職で何を達成したいのか」について、採用担当者に納得感のある説明ができるよう準備をすることが求められます。異業種に対する漠然としたあこがれからではなく明確な目的を持って志望していると面接官にも納得してもらえるように、転職理由と志望動機を一貫性のあるストーリーで伝えることを意識して言語化しましょう。
志望する業界の特徴や企業が求める人物像を研究する
志望する業界の特徴や企業の業務内容や文化とマッチする人材かどうかは、転職の成功を大きく左右する要素です。外部から見たイメージと実際にその業界で働く人の目線とのギャップをできる限り減らせるように、書籍やWeb、その業界で働く友人などから情報収集し、企業研究しましょう。また、キャリアカウンセリングで専門知識を持つキャリアアドバイザーに相談することも、具体的な情報を得るために有効な手段です。
長期的なキャリアプランを策定する
5年後や10年後に自分はどうなっていたいのか、長期的なキャリアプランを策定することも重要です。これまでと仕事のやり方や社風が異なる業界に飛び込むための準備として、どのようにして転職先でスキルやノウハウを獲得していくのかのキャリアプランを定めましょう。面接で自身のビジョンを伝え、企業が期待する役割を把握しておくことで、入社後も環境の変化に戸惑うことなく活躍しやすくなるはずです。
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【業種別 詳細データ】異業種転職した人の転職前の業種内訳
今回調査をした9業種ごとに、転職前の業種の内訳を見てみましょう。どの業種からどの業種への異業種転職が多いのか。データを押さえて戦略を立てることは、異業種転職を成功させ、希望の働き方を実現するために役立ちます。
商社
「【業種別】異業種からの転職 割合」のグラフで示した通り、9業種で異業種から転職した人の割合が最も高い業種は「商社」です。転職前の業種で一番割合が高いのは「メーカー」(24.3%)で、次に「サービス」(17.6%)が続きます。この2業種は同業種転職である「商社」の15.2%を上回っています。業種別で見た場合、異業種からの転職割合が上回っているのは9業種のうち商社のみであり、特に商社が異業種からの転職が盛んな業種であることが分かります。
一方、「商社」で最も割合が低かった転職前の業種は「インターネット/広告/メディア」(3.3%)で、それに「メディカル」(3.7%)が続きます。
商社に転職した人の転職前の業種内訳
インターネット/広告/メディア
9業種中、2番目に異業種から転職した人の割合が高い業種は「インターネット/広告/メディア」です。転職前の業種で一番割合が高い異業種は「サービス」(17.2%)で、それに「IT/通信」(14.6%)が続きます。なお、転職前の業界も同じ「インターネット/広告/メディア」だった同業種転職の割合は29.3%です。
一方、「インターネット/広告/メディア」で最も割合が低かった転職前の業種は「メディカル」(3.1%)で、それに「商社」(3.6%)が続きます。
インターネット/広告/メディアに転職した人の転職前の業種内訳
サービス
9業種中、3番目に異業種から転職した人の割合が高い業種は「サービス」です。転職前の業種で一番割合が高い異業種は「メーカー」(13.0%)で、それに「IT/通信」(11.6%)が続きます。なお、転職前の業界も同じ「サービス」だった同業種転職の割合は31.4%です。
一方、「サービス」で最も割合が低かった転職前の業種は「商社」(3.5%)で、それに「インターネット/広告/メディア」(4.8%)が続きます。
サービスに転職した人の転職前の業種内訳
小売/外食
9業種中、4番目に異業種から転職した人の割合が高い業種は「小売/外食」です。転職前の業種で一番割合が高い異業種は「サービス」(19.4%)で、それに「メーカー」(13.9%)が続きます。なお、転職前の業界も同じ「小売/外食」だった同業種転職の割合は33.7%です。
一方、「小売/外食」で最も割合が低かった転職前の業種は「金融」(2.7%)で、それに「メディカル」(4.1%)が続きます。
小売/外食に転職した人の転職前の業種内訳
メディカル
9業種中、5番目に異業種から転職した人の割合が高い業種は「メディカル」です。転職前の業種で一番割合が高い異業種は「メーカー」(17.4%)で、それに「サービス」(14.7%)が続きます。なお、転職前の業界も同じ「メディカル」だった同業種転職の割合は37.3%です。
一方、「メディカル」で最も割合が低かった転職前の業種は「金融」(1.9%)で、それに「インターネット/広告/メディア」(3.1%)が続きます。
メディカルに転職した人の転職前の業種内訳
建設/プラント/不動産
9業種中、6番目に異業種から転職した人の割合が高い業種は「建設/プラント/不動産」です。転職前の業種で一番割合が高い異業種は「サービス」(15.5%)で、それに「メーカー」(13.0%)が続きます。なお、転職前の業界も同じ「建設/プラント/不動産」だった同業種転職の割合は41.4%です。
一方、「建設/プラント/不動産」で最も割合が低かった転職前の業種は「金融」(2.4%)で、それに「インターネット/広告/メディア」(2.6%)が続きます。
建設/プラント/不動産に転職した人の転職前の業種内訳
IT/通信
9業種中、7番目に異業種から転職した人の割合が高い業種は「IT/通信」です。転職前の業種で一番割合が高い異業種は「サービス」(15.9%)で、それに「メーカー」(11.2%)が続きます。なお、転職前の業界も同じ「IT/通信」だった同業種転職の割合は42.1%です。
一方、「IT/通信」で最も割合が低かった転職前の業種は「商社」(3.3%)で、それに「メディカル」(3.6%)が続きます。
IT/通信に転職した人の転職前の業種内訳
金融
9業種中、8番目に異業種から転職した人の割合が高い業種は「金融」です。転職前の業種で一番割合が高い異業種は「サービス」(12.5%)で、それに「IT/通信」(10.0%)が続きます。なお、転職前の業界も同じ「金融」だった同業種転職の割合は45.5%です。
一方、「金融」で最も割合が低かった転職前の業種は「商社」(2.2%)で、それに「インターネット/広告/メディア」(2.8%)が続きます。
金融に転職した人の転職前の業種内訳
メーカー
9業種中9番目、すなわち最も異業種から転職した人の割合が低い業種は「メーカー」です。転職前の業種で一番割合が高い異業種は「サービス」(13.7%)で、それに「建設/プラント/不動産」(6.9%)が続きます。なお、転職前の業界も同じ「メーカー」だった同業種転職の割合は9業種のうちで最大の48.2%でした。
一方、「メーカー」で最も割合が低かった転職前の業種は「金融」(1.8%)で、それに「インターネット/広告/メディア」(2.7%)が続きます。
メーカーに転職した人の転職前の業種内訳
編集後記
dodaエージェントサービスを利用して転職した人のデータをもとに、異業種転職の実態をご紹介しました。皆さんにも、異業種への転職は決して特別なものではないとご理解いただけたのではないでしょうか。今回調査した9業種はすべて、転職成功者の半数以上が異業種から転職しており、20代から40歳以上まで年代ごとにみてもその結果は変わりません。さらに、転職で年収アップした人のうち異業種転職の割合は65.6%と半数を上回っていました。
また、この記事では、異業種への転職を成功させるために押さえるべき4つのポイントについても解説しました。業種・業界を超えて通用する自分の強み・スキルを整理する、転職理由・志望動機を論理的に述べる、志望先とマッチする人材像やスキルを研究するなど相応の準備は転職成功には不可欠です。本記事のデータやアドバイスを参考にしてください。もっと深く自分の強みや他業種の実情を知りたいという方は、ぜひdodaのエージェントサービスをご活用ください。電話・オンラインでお気軽にご相談いただけます。
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調査概要
【対象者】2023年6月~2024年5月にdodaエージェントサービスを利用して転職した方
【有効回答数】約5万件
※データのご利用について:出所が「転職サービスdoda」であること、本ページのタイトルを明記し、本ページへのリンクを掲載の上で、利用してください
※記事中の割合データは、小数点以下第二位を四捨五入しているため、合計値が100%にならない場合があります
この記事を監修したキャリアアドバイザー
【得意としている業界・職種】 販売・サービス職/公務員(警察官/消防士/自衛隊など)
【経歴】 2020年4月に新卒でパーソルキャリア株式会社に入社。以降2023年9月まで販売・サービス領域の転職希望の方を担当し、その後は現在まで販売・サービス職や公務員の方の転職支援に従事。転職を希望する方の8割以上がキャリアチェンジになる領域において、強みや面接でアピールできるポイントを引き出し、これまで100名以上の方の転職を支援する。
【メッセージ】 キャリアアドバイザーを始めたきっかけは「自分でキャリアを決めることができる人を増やしたい」という思いであり、今もその思いを持ちサポートさせていただいております。誰しもが持っている「強み」を引き出し、その方に合った活動をご提案させていただきます。些細なことでも構いません。一度、キャリアについてお気軽にご相談くださいませ。
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