5000人の転職事例から探る
異業種転職を受け入れる可能性の高い業種は?

2014.9.29更新

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調査概要

転職市場が活発化し、業界未経験者のチャレンジを歓迎する企業の求人も増えています。どの業種が異業種からの転職者を多く受け入れているのか、異業種からの転職を遂げたのはどんな人たちなのか、2014年3月~8月の間にDODAエージェントサービスを利用して転職した約5000人のデータをもとに明らかにします。

異業種からの転職の割合が高い業種「商社・流通」

異業種からの転職の割合が高い業種「商社・流通」

今回の調査では業種を9つに分類し、それぞれの業種が異業種からの転職をどのくらい受け入れているか、その割合を集計しました。結果は、“異業種受け入れ率”が最も高かったのが「商社/流通」、次いで「サービス」「メディア」という順になりました。逆に、異業種受け入れ率が最も低かったのが、「IT/通信」。ただし、受け入れやすい業種と受け入れにくい業種にはっきり二極化するわけではないようです。

次は、各業種が受け入れる“異業種転職”の内訳を見てみます。どんな人たちが異業種転職を遂げているのかを紐解いていきましょう。

業種別に分解!異業種転職しているのはこんな人たち

「異業種」と言っても、例えば「IT/通信」業界のSIerから「サービス業」に分類される業務コンサルタントへの転職などのように、業種という切り口での分類は違っても、もともと相性がいい、転職可能性が高いパターンというものはあります。そこで、業種別に受け入れた“異業種転職”の内訳を、もう少し詳しく見ていきましょう。

◆IT/通信

IT/通信

「IT/通信」業界は、同業種からの転職が58.8%を占め、その9割が同職種への転職です。異業種からの転職においては、メーカーやコンサルティング、人材サービスなどのサービス業を中心とする幅広い業種から、営業経験を活かしてSIer、ITベンダー、Web広告などの法人営業に転職するケースが目立ちます。技術系では、メーカーでのシステム・回路設計経験者がアプリケーション開発などの技術系職種へ転職するケースが大半です。また、メーカーやメディアなどでクリエイティブ系職種を経験した後にWebサービス・Webメディアのクリエイティブ系職種へ転職するケースも多くなっています。

◆メディア

メディア

「メディア」業界も、異業種からの受け入れが68%と、9業種の中では3番目に異業種からの転職が多い業種となっています。同業種間の転職では、クリエイティブ系職種経験者が、同じクリエイティブ系職種または広告代理店・広告制作会社の営業に転身するケースが目立っています。異業種からの転職で最も割合が高いのはサービス業、次いでIT/通信からの転職ですが、そのほかの業界も含め幅広い業種から異業種転職を受け入れ、職種は営業職または企画・管理系職種が中心となっています。

◆金融

金融

「金融」業界は、IT/通信業界に次いで異業種からの受け入れ割合が少ない業種となっています。同業種からの転職では営業経験者の転職が約7割を占めますが、そのまま営業職へ転職するケースと、運用・バックオフィスなどの専門職や金融事務を中心に事務系に転身するケースに分かれます。異業種からはIT/通信、サービス業からの転職割合が比較的高いですが、IT/通信業界からの転職は技術系・社内SEへの転職が中心です。それ以外は、サービス業だけでなく幅広い業界から営業経験を活かして営業職へ転職するケースが多くなっています。

◆メディカル

メディカル

「メディカル」業界は、異業種からの受け入れ割合が62.1%。同業種間の転職においては、営業職が約45%、CRAを中心とする医療系専門職種への転職が同じく約45%となっています。異業種転職では、MR、医療機器営業など営業職への転職が約6割に上り、メーカー出身者を中心に、サービス、小売・外食など幅広い業界から転職を受け入れています。医療系専門職種としての転職は、異業種転職の10%程度にとどまり、メーカー出身の企画・管理系職種のほか、メーカーから医療機器の設計・開発や、IT/通信業界から社内SEとしてITエンジニアを受け入れるケースも目立っています。

◆メーカー

メーカー

「メーカー」は、異業種からの転職受け入れは49.0%にとどまり、9業種の中では3番目に少ない比率です。同業種の転職ではその約7割が技術系から技術系、残りは営業職、企画・管理系職種で、ほとんどは同職種への転職です。異業種転職においては、技術系、営業職への転職がともにその約3割を占め、次いで企画・管理系職種が22%となっています。営業職の多くは商社/流通、建設/不動産業界での営業経験者で、サービス業出身者は企画・管理系職種に目立ちます。また、IT/通信業界でエンジニア経験を積んだ方が、メーカーの社内SEへの転職するケースも比較的多く、異業種転職者の約11%を占めています。

◆商社/流通

商社/流通

「商社/流通」業界は、8割を超えて異業種からの転職を受け入れている業界です。同業種間転職の約6割が営業職、それ以外は企画・事務系で、いずれもその大半は同職種の経験者です。異業種間転職においては、技術営業も含めると半数近くが営業職としての受け入れとなっており、さらにその半数近くはメーカー出身者となっています。また、エンジニア経験者が技術営業に転職するケースも少ないながら目立ちます。それ以外に、企画・事務系職種もアシスタントを含めると約3割、こちらもメーカーのほか、サービス、建設/不動産業界など幅広い業種からの転職を受け入れています。

◆小売/外食

小売/外食

「小売/外食」業界も異業種からの転職を比較的多く受け入れる業界で、割合は66.1%。同業種の転職の8割近くは、店舗・販売系の職種です。販売スタッフから店長やエリアマネジャーへのステップアップを遂げた転職事例も少なくありません。異業種からの転職では、幅広い業種から転職を受け入れていますが、サービス業出身者は店舗でのサービス系職種から販売系への転職が中心ではありますが、メーカー、金融、建設/不動産業界などの営業職経験者も多数販売系職種への転職を遂げています。全く違う職種の技術系職種から転身するケースも少ないながら見受けられます。また、企画・事務系職種においても、IT/通信、メーカーなどの同職種経験者が転職を果たしています。

◆サービス

サービス

「サービス」業界は、商社・流通業界に次ぐ高い割合の74.8%を異業種から受け入れています。サービス業への転職をさらに分解すると、割合が一番大きいのが、人材サービス関連への転職で6割に上ります。この中には、人材紹介・人材派遣などの人材サービス企業の営業職や企画・事務系職の場合と、特定派遣の会社に正社員として転職して顧客の元に派遣されて働くケースがあります。コールセンターなどのアウトソーシングスタッフが含まれます。次いで多いのが、コンサルティング会社、リサーチ会社、会計士・税理士・特許などの専門事務所です。これらの企業については、さまざまな業界の顧客に対応するため、同業種・異業種を問わず幅広い業界経験者を採用しています。それ以外には、学習塾、運輸・物流、旅行・ホテル・ウェディングなどのホスピタリティ業界でも、異業種からの転職が多数見受けられます。

◆建設/不動産

建設/不動産

「建設・不動産」業界の異業種受け入れ比率は、60.2%でした。同業種転職のうち約半数は、主に設計や施工管理などの技術職、次いで多いのが個人/法人向けの営業職で、同業種転職の約3割近くに上ります。しかし異業種からの転職にフォーカスしてみると割合は大きく変わります。技術系職種は4分の1程度にとどまり、営業職や企画・管理系、事務系アシスタント職の割合が高まります。また、IT/通信業界から社内SEへの転職や、プロパティマネジメント、マンション、ビルなどの不動産管理の職種へ異業種から転職を遂げるケースも少なからず見受けられます。

異業種転職は特別な転職ではない

「異業種への転職」というと、「今の仕事とは全く別の仕事」「経験が活かせない転職」をイメージされる方もいるかもしれません。しかし、転職全体における異業種転職の割合は61.3%に上ります。業種ごとにつぶさにその内容を見ていけば、異業種転職は必ずしもそれまでの経験が活かせない転職ばかりではありません。

業界自体が今後成長していくかどうかという視点で転職先を検討することは大切ですが、それぞれの業界にも異業種を多く受け入れる傾向のある業種・職種があることも確かです。ぜひ上記を参考に、自分の経験が活かせそうか、業界研究をしてみてください。

年齢が上がると、異業種転職は難しい?

最後に、年代別に異業種転職がどの程度の割合を占めるかを見てみましょう。異業種転職の割合は、24歳以下の年代では66.5%を占めますが、年齢が上がるにつれて割合が低くなり、40~44歳では51.0%まで下がります。採用企業側としては、転職希望者の社会人経験が浅くても「入社後に育てればよい」「ポテンシャルに期待する」として、そこまで厳選せずに採用するケースも多くあります。逆にキャリアを重ねるほど、その人の専門性や即戦力への期待が大きくなることが、この数字の背景にあると言えます。では、30代・40代の人にとって異業種転職は難しいことなのでしょうか?

年代別「異業種からの転職の割合

上のデータを見る限りでは、40歳代に入っても半数以上が異業種へ転職しています。前回3月に実施した異業種転職に関する調査のデータ(2013年3月~2014年2月の転職者)と、今回対象としたデータ(2014年3月~8月の転職者)で、異業種転職を遂げた人の年齢層の比率を見てみると、むしろ35~44歳までのミドル層の転職が、異業種転職全体の中でも割合として増えていることが分かります。

異業者転職における転職者の年齢分布

これから大手企業を中心に多くの企業が下期に入り、上期の採用状況をもとに年度末までの採用計画が見直されます。上期での採用が難しかった高い専門性の求められる求人が採用を継続するケースも多く、経験豊富なミドル層にとっても同業種・異業種も含め選択肢の多い、目の離せない転職市場が継続しそうです。

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