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コラム・事例・インタビュー

連載 現役の中途採用担当者が語る 覆面リアルトーク

第1回:転職先でも活躍できる人の条件とは?

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中途採用担当者は、転職希望者の何を見て、どう評価し、採用の合否を決断しているのだろうか。その答えを探るべく、現役の中途採用担当者に顔と実名を伏せることを条件に本音で語ってもらう『覆面座談会』を実施しました。今回集まってもらったのは、業種も企業規模も異なる三人。彼らの視点を徹底的に学び、転職を成功させるコツをひも解きます。連載第1回は、「活躍できる人の条件」から。

参加者のプロフィール

西田雄也(仮名)
34歳
アパレル
人事歴9年
西田雄也(仮名)の写真
木村智久(仮名)
33歳
システム開発
人事歴11年
木村智久(仮名)の写真
安藤真子(仮名)
31歳
化学系一般消費材メーカー
人事歴9年
安藤真子(仮名)の写真

中途採用担当者から見た、転職先でも活躍できる人

DODA編集部(以下、編集部): 本日はお忙しい中、ありがとうございます。これまで数百、数千人と選考を行ってきた皆さんにまず伺いたいのは、入社後に活躍できる人とできない人の違いについてです。

安藤: はい。自社のケースでお話させていただきますと、うちの会社で何をしたいのか「仕事をする目的・動機」が明確にあるかどうかだと思います。それが必ずしも具体的でなくていいんです。ただ、何の目的もなく入社した人や、前の職場が嫌だったという理由だけで転職をした人は、その後も活躍できず早期退職につながりやすいと思います。

西田: 同感です。転職希望者は、「自分はこの会社と合うか」という会社とのマッチングを意識しますよね。でも100%希望とマッチする会社なんてそうそうないと思うんです。それでも辞めずに踏みとどまれるのは、目的意識の有無によるところが大きいでしょう。目的意識がないとせっかく90%マッチしていても、残り10%に引っ張られて辞めてしまうことがあるでしょうし、70%しかマッチしていなくても職業観や働く価値観などの大きな目的が会社と一致していれば踏みとどまれることが往々にしてあるのではないかと。当然、目的意識を持って仕事ができる人の方が活躍できると思いますね。

木村: うちも同じですね。うちの会社は独立心が強い人が多いので、ギラギラした目的意識を持って働く野心家タイプが歓迎されやすいですね。仕事を通じて何がしたいかやどうなりたいかという目的よりも、給与などの条件にこだわる安定志向タイプは活躍しにくいです。

編集部: みなさん共通で「目的意識」というキーワードが出ました。では、社会人経験が浅く自分の守り方も分からない20代の若者だとどうでしょう。目的意識を持つ前の段階で、ハードワークを理由に転職を検討することもないとは言えません。転職すべきではないのでしょうか?

座談会の様子

安藤: ハードワークが原因で体調に変化が見られるようなら、辞めるべきだと思います。

木村: 20代中盤までなら、辞めるなら早いほうがいいでしょう。僕は最初の会社で学んだことが、その人の仕事の価値観を形成すると思っています。だからこそ1社目で無理をしすぎると、「無理」することも含めてクセづいてしまう。会社の常識と世の中の常識にはズレがあるものだし、1社に固執すると、転職後そのズレやギャップを受け入れづらくなります。そうなる前に新たな一歩を踏み出した方が、次の会社もその人を受け入れやすいと思います。

西田: 日本は頑張ることを良しとする文化があります。確かに半分は正しくて、頑張るからこそ得られるものはあると思います。けれど「自責」にとらわれすぎるのも良くない。「自責」ってとても曖昧なものなんです。明確な定義なりロジックがないので、特にガッツがある若い人は制限なしに無理してしまう。だから、第三者の目が必要だと思います。友達でも転職エージェントでも、オブザーバー的立場の人に状況把握をしてもらって自分の現状に対して判断を委ねてみる。これができている人の方が、目的意識もしっかり語れることが多いと感じます。

編集部: 転職を希望する場合、退職理由がネガティブだと応募先の会社にどう言おうか悩む方もいらっしゃると思います。何もかも包み隠さず話すのは勇気がいることですしね。

木村: 会社を辞めるきっかけがネガティブなものだったとしても、応募する会社やポジションを決めた理由はまた別にあるはずです。「新たな職場でこんなことにチャレンジしたい」などの希望も持っているはずなので、それを存分に語ってもらえれば、OKですね。語る上で多少ネガティブな理由が含まれる分にはまったく問題ないです。むしろ本音でしゃべってくれない人のほうが、もしかしたらこの人、仕事でも嘘つくんじゃないか…って不安になっちゃう(笑)。

西田: 分かります。たまにマニュアルみたいな“キレイなこと”を言う人がいますよね。かえって信用できないな。

木村: 本音じゃないなっていうのはすぐに分かっちゃいます。「大変よく準備できました」って心の中で思うだけなんですよね。

西田: マニュアル的に準備されたことを言われてもいまいち心に響かない。たとえ退職理由がネガティブだとしても、腹を割って話してくれる人はいいなと思います。結局のところ転職を希望するときって「その人が大事にしたいことと実際のいまの環境や仕事内容が違っただけ」だと思うんです。何が違って、次は何を大事にしたいかをちゃんと説明できれば何の問題もないですね。

座談会の様子

編集部: 一方で転職理由を聞くと、とてもポジティブな人もいますよね。「自分はもっと上を目指せるはず」「この会社では成長できない」といった向上心が高い人をどう評価しますか。

木村: そういう人は何かのきっかけでテンションが上がって、自分の今の会社での状況や次の会社に求めるものを冷静に見ていない可能性もあるので、こちらで温度を0度に下げてから話を聞きます(笑)。「成長できない」って本当ですか、と。なぜそう思ったか冷静に聞かないと、自社に合う人か長く頑張ってくれる人か分からないので。

安藤: 私は、今の会社の退職理由を明確に説明できて「仕事をする目的・動機」がある人なら、合格にしちゃいます。ただあまりに短期間で結論を出しているようだと、慎重さや持続力に欠けるタイプ?って疑っちゃいますけど(笑)。

編集部: 短期間といいますと、例えば入社3カ月の場合はどうですか。「なぜ入社前に気付けなかったの」と突っ込みたくはならないですか。

木村: 3カ月でも1年でも、なります。仕事に飽きるとすぐ別のキラキラしたものを見つけたがる人って少なくないと思うんですよ。“慢性キラキラ病”では困りますから、僕は面接のときに必ず就職活動やファーストキャリアの内容を確認します。学生時代にどんな就活をして、なぜその会社に入ったのか。在職中はどんな目的意識を持って仕事に取り組み、なぜ転職に踏み切ったか。それらがきれいに一直線上にあるべきとも思ってないのですが、あまりに一貫性がないと「大丈夫? 単に現状に飽きて、他が良く見えてるだけじゃない?」と感じてしまうかもしれません。

西田: 僕もその人の本質を探るために、前職の実務内容と職業観についてあの手この手で聞いていきます。持論ですが、職業観は仕事での経験を通じて形成されるのが7割、そもそもの性格によるものが3割だと思っているんです。多分こういう人だろうと仮説を立て、別の質問をぶつけながらリアクションや表情を見てその人の仕事への本質的な姿勢を探っていきます。スキルや専門的なことは現場の人間に聞いてもらいますが、経営理念やポリシーに共感してもらえているか、同じ目的を追える人なのかを見抜くのは中途採用担当の仕事であり、それこそが人事の価値だと思っています。

座談会まとめ

大切なのは働く「目的意識や動機」という意見が共通しており、退職理由がネガティブであったり、就業期間が短くても、大事なのは目的意識や動機に沿った一貫性のようです。

編集部
アドバイス

  • 転職では、退職理由と転職理由は分けて考えましょう。前者がネガティブでも、後者を自身の働く動機や目的と共に話せることが大切です。
  • 第三者と話すこと自分以外の状況や意見を知り、自身の状況や環境を冷静に見つめ直しましょう。

転職先で活躍できるかどうかの鍵は、スキルよりスタンス

編集部: 自社で採用する人をどのように見極めていますか? 判断のポイントを具体的に教えてください。

木村: ポジションによりますが、20代は業務に向かうスタンスと社風とのマッチを見ています。30代からは、具体的な実績がないと採用できないかな。

西田: スタンスは大前提だと思います。うちの会社だと、どれだけキャリアやスキルがあってもスタンスが合わない人は採りません。本当にスキルだけが必要なら「アウトソーシングで良いのでは?」となっちゃうので。

木村: 僕はピラミッド型「3層」で評価しています。西田さんが言うようにスタンスはとても大事なので、順番でいうと1層目が目的意識や価値観などの「スタンス」、2層目がどの会社でも共通して必要な「ビジネススキル」、3層目が職種や業界によって培われる専門性「スペシャリティ」ですね。同じように転職希望者の方々も、この3層の視点と割合で自分に合った企業を探されると長く楽しく頑張れる会社が見つかるかもしれませんね。

選考で見る3階層

選考で見る3階層

編集部: 社会人年数とスキルのバランスで、3層目(スペシャリティ)が大事になってくるのは若手だと何歳までですか?

木村: う~ん、難しいですね……。うちの会社は20代中盤ですかね。例えば第二新卒は2層目で大体判断がつくのですが、アラサーになってくるとスペシャリティは必要だと思います。

安藤: うちは30歳からです。

西田: うちの会社の本部の中途採用の場合は、スペシャリティは必須となるので3層揃ってないと難しいかな。店舗での採用の方でしたら安藤さんと同じ30歳までですかね。

編集部: ちなみに、入社後に早く活躍できる人に共通する特徴ってありますか?

安藤: なんでも自分で解決しようという意識を持って行動できる人ですね。採用したときは、人事がその部署に必要な人材だと判断して各々の部署に送り込むわけですが、実際に配属してみると入社当初と業務状況や教育環境が若干変わることは正直あります。そんなとき、自分で考えて動ける人は早いですよ。受け身だったり環境に流されると、活躍できないままずっと低空飛行してしまう傾向にあります。

木村: 先ほどお話しした三角形が「逆三角形」の人は活躍するまで時間がかかると思います。僕の会社は金融機関向けのITシステムを開発しているんですけど、「前職で経験してるので、指示してくれれば作ります!」みたいな“指示待ちの作業者”タイプは活躍できないですね。例えば、前の会社と同じシステムを作っているはずなのに、前の会社でできて今の会社でできないとなったときに「指示をくれる人がいない」とか、「指示のされ方が違う」なんて不満に行き着く人。図でいう「スタンス」の部分が弱い人、つまり自分で考える力がない人はなかなか成果を出せないかもしれません。

活躍するまでに時間がかかる逆三角形型の3階層

活躍するまでに時間がかかる逆三角形型の3階層
座談会の様子

西田: 最近、物流系のITチームに、ITシステムの開発経験ゼロの人を採用したのですが、その人は大活躍しています。ITの知識は薄くても物流業務については詳しくて、さらに目的思考で物事を捉える能力が高かったんですよね。システムのことが分かんなくても、勉強しようだとか、誰かの力を借りながら業務改善を図るマインドがある人は強い。逆にITのことは分かるんだけど“指示待ちの作業者”に徹する人は伸び悩みますね。システムを作ることにフォーカスしてしまって、業務自体を変革する感覚がない人は、結局はできることの幅が広がっていかないんですよ。

木村: 野球に例えると、草野球チームでスカウトするときに、長い野球経験があると嬉しいじゃないですか。でも長くやっていても、自分で何も考えず監督に言われるままに練習して万年補欠の人もいます。そういう人よりは、運動神経(スタンスやビジネススキル)はいいんだけど野球(スペシャリティ)はやったことがない人の方が伸びますよね、っていう感覚です。

西田:うちの会社は世間一般的に大企業と思われているけど、縦割りで自分の役割だけをこなすような人は合わないんです。細かく役割分担された組織ではないですし、担当別に仕事が降ってくる世界でもない。自分から「このテーマいただき!」って手を伸ばして、「これとこれを○○さんと一緒にやろう」と人を巻き込む力が必要です。ベンチャーのごった煮感があるんですよ(笑)。活躍するためには企業規模を問わずどの会社でも、アントレプレナーシップ(起業家精神)とかベンチャーマインドといったスタンスが大事なんじゃないかと最近強く思いますね。

座談会まとめ

ビジネススキルや専門性も大切ですが、大前提の要素として仕事に対するスタンスがその人が活躍できるかどうかを決めるという意見が共通の見解でした。

編集部
アドバイス

  • 希望する企業やその事業へのスタンスをつくるために、働く目的意識や動機を持つことが重要です。前提となる自身の働く目的意識と、その会社や事業へのスタンスの一貫性を意識しましょう。
  • 自ら考え、動くことは業職種を問わず求められることです。求人を選ぶ際も、自分がその仕事や会社で、どこまで自ら考えて動くことができそうかを事前に想定してみることが、早く活躍できる仕事を選ぶための一つの手です。

会社との対等な関係の先に、幸せな転職がある

座談会の様子

編集部: 「年収を下げてでも、未経験の仕事に挑戦したい」という人もいますが、人事の目線で見ると未経験の人はどう映るのでしょうか?

木村: うちは歓迎ですね。例えば、「これまで営業職に就いていて年収500万円だった。未経験で人事をやりたいので年収が50万円ダウンしても問題ない」とおっしゃる転職希望者はいます。それに対してうちの経営陣は、未経験でもビジネススキルが高く、ビジネスパーソンとして能力が高ければ500万円のままで採用すべき、という考え方をします。職種の経験値よりビジネスパーソンとしての市場価値を測るため、「職種未経験だから年収ダウン」とは必ずしも考えていません。

安藤: なるほど。一般的に、未経験の仕事にキャリアチェンジを目指すなら年収ダウンもやむを得ないと思われがちですがそれは会社によるということですよね。年収が下がる前提で考えなくてもいいんだよ、と。

西田: 僕は職種によって評価が変わってくると思います。自社の場合でいうと、ゼネラリストとして広汎なビジネススキルが求められる職種では、未経験でも採用しています。専門性や特殊なスキルを求められる職種の場合は、採用に至らないケースが多い。ビジネススキルだけではどうしようもない世界もありますからね。

編集部: 企業側の判断基準は応募者サイドからは見えないので、「とりあえず応募してみる」姿勢も大切になってくるものでしょうか。

西田: もちろんです。興味を持ってくれたのなら積極的に行動してほしいです。採用って応募者側の立場が弱いという認識の人が多いと思いますが、あくまで転職希望者と会社は、対等な関係なんだってことです。

木村: 同感ですね。会社側が偉いわけでもなんでもありませんので。

編集部: 「今の自分には受けられない」と不安になって応募を見送る人もいらっしゃると思うので、心強いメッセージですね。

木村: さきほど、人事はスタンス、ビジネススキル、スペシャリティの3層で見ているというお話をしましたが、同じように転職希望者の方々も企業をシビアな視点で検討してほしいと思っています。個人としても会社を見極める視点を持って転職活動ができれば、きっとハッピーな転職につながるはずです。

座談会まとめ

会社と個人は対等であり、応募者である個人も、会社のことを厳しく見極める視点を持つべきという共通の意見でした。

編集部
アドバイス

  • 「3層目(スペシャリティ)」をアピールしにくい未経験の仕事への転職を検討する人は特に、「1層目(スタンス)」と「2層目(ビジネススキル)」が大事になります。その会社や事業へのスタンス、基本的なホウレンソウからプレゼン、調整、段取などのビジネススキルの2点で、自分の得意分野を洗い出し、アピールポイントを考えてみましょう。
  • 個人と会社は対等な関係です。その会社が自分にもたらしてくれるものは何かも、「給与などの条件」と「個人としてのキャリア形成」の両面でしっかりと見極め、比較して選びましょう。
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