エグゼクティブ転職トップ > エグゼクティブ成功ガイド > エグゼクティブの行動転職理論 vol.07

十分な報酬を手にした、社内のポジションにも満足。仲間にも恵まれている。そんな、ある意味の安定を捨てて、転職を決断する人たちがいる。彼らの胸に去来する思いとは? DODAエグゼクティブ取材班が追った、ノンフィクション・ドキュメンタリー

エグゼクティブの行動転職理論 即戦力として招かれたエグゼクティブの声と思いに迫る

欲しいのは、お金じゃない経験を活かせるポジションと、より大きな責任 Vol.07 大手電機メーカー系列エンジニアリング会社→中堅化学メーカー 転職年齢:49歳 武藤義之(仮名)

「入社したらびっくりしちゃって。もうね、ぐっちゃぐちゃなんですよ。こんな光景があるのかと思って。でもそれがまた楽しくてねえ」。武藤は笑顔で、転職先の感想をそう語った。

大学時代は物理を学び、研究に没頭した。卒業後は、大手企業のグループ会社に、コンピュータのハードウエア設計・開発職で入社。最先端の仕事がしたいと考え、入社後すぐ希望した親会社の研究所に出向した。入社前の夢は「自分の研究結果を商品にすること」だったが、その夢は意外に早く、入社3年目にかなった。その後も、人工知能や手書き文字認識の研究などに携わり、約10年充実した研究者生活を続けた。

変化が起きたのは、会社のトップから「社内の総務・経理の仕事にコンピュータを導入したいので、システム設計をしてくれないか」と依頼を受けたことがきっかけだった。1990年代後半、まだネットワークという言葉自体、あまり聞かなかった時代だったが、もともと何かを作るのは嫌いではない。「1年間の期限付き」で引き受けることにした。管理部のいちスタッフという立場だったが、この異動が武藤の人生を変えた。

「昼間は総務の仕事をして業務内容を覚え、17時以降にシステム設計をする日々でした。予定通り1年ぐらいでパソコンを使った実務の仕組み作りは終わったのですが…」。同僚の退職などもあり、ズルズルと延長。そうこうしているうちに、グループ複数社が合併することになり、武藤は全社のあらゆる制度設計を担当することになった。就業規則、給与体系、人事制度、退職金制度…。部長はいたが、実質的な責任者として制度を組み上げていった。これが面白かった。寄せ集められたメンバーが、チームになっていく過程が楽しくて仕方なかった。

稼がないのだから、会社のメイン・セクションでは決してないけれど、"稼ぐ人"を制度で支えることはできるだから"稼ぐ人"は、安心して精いっぱい働ける

ほかの部署からは、新しい制度について「前の会社に比べると良くない…。今まではこうだったのに…」というクレームも多かった。でもそのたびに「その単語はもう使わないでください。私たちがいた前の会社はすべてもうなくなったんです。新しい会社になったんです」と言って説得を続けた。命令するような言い方はせずに、相手が納得するまで説明した。そうやって議論を重ねるうちに「総務が近い存在になった」と言われるようになり、それが何よりうれしかった。

振り返れば本当にきつい日々だったが、一方で「これは自分にしかできない仕事だ」という思いも日増しに強くなった。総務として走り続けて10年、気がつけば社内は安定し、後輩が育ち、自身は新卒入社の社員として到達できる最高職位に就いていた。49歳、今後は少し楽をして…。そう考えても不思議ではない。だが武藤はそうは思わなかった。自分の経験を、アーリーステージ(初期段階)にある会社で活かしたいと考えたのだ。100万円程度なら年収が下がっても構わない。それよりも、小さい組織の中で、より大きな仕事がしたい。その結果、規模の拡大や組織の安定化をもたらすことができれば、自分をここまで育ててくれた社会への恩返しにもなる、と。

そして転職したのは2013年1月1日。入社して3カ月だが、決算が近いこともあり、まだ社内での立ち位置がはっきりしない。だが不満はない。これこそが改善すべき点だからだ。「もう、いい加減にして!って感じですよ」と、言葉とは裏腹な表情で話す武藤は、生涯をかけて取り組む仕事と出会えた喜びに満ちあふれていた。

転職決断のプロセス

「数十万人規模の会社から従業員200人の会社への転職で、しかも年収が下がるわけですから、簡単な決断ではなかったと思います。ただ、武藤さんの場合『アーリーステージにある会社を支援したい』という志が固かったので、この会社しかないという絶対の自信がありました」。担当キャリアアドバイザーの中野は、そう振り返る。実は中野が案件を紹介する前に、すでに武藤は3社の内定をもらい、「この中から選ぶならここかな」と感じた1社に行くことをほぼ決めていた。そのため、面接もあまり乗り気ではなかった。しかし、中野の「間違いなく双方にとって幸せな転職だ」という強い信念に基づく提案により、面接を受けることを決断した。初回面接の数日後にはすぐに社長面接。お互いの求めることを語り合ううちに、武藤は「自分が活きる場所はここだ」と感じ始めた。面接後「少しここで待っていてください」と言われ待つこと数十分、再び部屋に入ってきた担当役員は、武藤に「採用します」と告げた。

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