2012年に転職活動した人はどれくらい?
■2012年に転職活動した人は15.4%。昨年より6.2ポイント増加
2012年に転職活動した人は15.4%で、昨年の9.2%と比較して6.2ポイント増加していることがわかりました。転職活動者が増えた背景には、リーマン・ショック→震災→洪水→円高の流れで混乱していた経済や雇用情勢が、落ち着きを見せ始めたことが関係していると考えられます。
2012年に入り、業績が好調な企業や、グローバル化や事業拡大を目指す企業で採用活動が再開され、求人の数や種類は大幅に増加。そうした動きを受け、「良い求人があれば転職したい」と考えていた層が転職活動に乗り出したと考えられます。それに加え、リーマン・ショック後に新卒の採用を縮小した企業で、入社2〜4年目の社員の不足を補うため第二新卒の採用が活発化し、リーマン・ショック後の就職氷河期に就職活動を行った世代の「リベンジ転職」が増加している傾向も見られます。
また、経済や社会情勢など外部環境が落ち着いたことで、自身の仕事に目を向ける余裕が出始め、やりがいや年収アップ、キャリアアップを目指す転職者が増加したことも影響しています。さらに2012年の後半からは、大手メーカーで行われた早期退職者の募集やリストラに伴う転職者の増加が見られました。
転職活動した人(15.4%)の内わけをみると、実際に転職した人は7.2%。それ以外は、現在転職活動中の人が5.7%、転職活動を中断した人が2.5%となっています。
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転職活動した人が多い「業種」は?
■転職活動が最も活発だった業界は「メディカル」
2012年に転職活動が最も活発だった業界は「メディカル」で、22.2%の人が転職活動を行ったことがわかりました。メディカル業界の中でも特に医薬品分野は業界再編が進み、人材の流動が活発化していることが背景にあると考えられます。また、業績低迷が続く電気メーカーなどで、メディカル系などニーズの高い領域への事業展開、人材確保に乗り出す企業が一部見られ、そうした企業への転職を目指す人も見受けられます。
次に転職活動者が多い「IT」(19.1%)は、スマートフォンやソーシャル・ネットワーキング・サービスの需要拡大により、特にITエンジニアやWebクリエイターの採用が過熱。人材確保のために好条件を提示する企業も多く、それに伴い転職活動者も増えたと推察されます。
一方、実際に転職した人の割合が最も多い業界は「金融」の9.2%。特に2012年の上期は、銀行を中心に採用活動が活発だったため、転職希望者は転職しやすい状況だったと言えます。
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転職活動した人が多い「職種」は?
■転職活動が最も活発だった職種は「販売/サービス」
2012年に転職活動が最も活発だった職種は「販売/サービス」で、19.2%の人が転職活動を行ったことがわかりました。内需の回復を反映する形で、小売/外食産業は活況になる一方、人件費削減で一人あたりの業務量は増加。「土日祝祭日に休みたい」「不規則な勤務が不安」など、就業時間に対する不満から転職する人が増加しています。また、新規ブランドの立ち上げやグローバル展開に向けた採用活動も活発になり、そうした勢いのある企業へ転職しようとする動きも見られました。
次に転職活動者が多い「クリエイティブ系」(17.8%)は、特にスマートフォンアプリやソーシャルゲームの需要拡大により、Webクリエイターの採用が活発化。さらに、企業の合併や事業提携などの動きも影響して、より将来性のある企業や高待遇を提示する企業へ転職しようとする動きが見られます。
一方、唯一昨年より転職活動者が減少した職種が「建築系技術職」。建設/不動産業界は、震災後の復興需要に加え、大都市圏での耐震工事やリノベーションのニーズも拡大し、業務量や残業時間が増加傾向にあります。そのため、転職活動に時間が割けないという人も増えていると考えられます。
転職活動した人が多い「地域」は?
■転職活動が最も活発だった地域は「関西」
2012年に転職活動が最も活発だった地域は「関西」で、18.3%の人が転職活動を行ったことがわかりました。関西本社の大手メーカーで早期退職者の募集やリストラが行われた一方、新素材や新エネルギー関連に力を入れるメーカーでは採用を活発に行っており、人材の流動が活発だったと考えられます。次に転職活動者が多い「東北」(16.5%)は、東日本大震災の復興需要による影響が大きいと推察されます。
調査概要
グローバル化や新規事業への展開など、攻めの姿勢に転じる企業で、採用活動が活発化し始めた2012年。求人数や転職求人倍率もリーマンショック以前の状態まで戻る中、世の中のビジネスパーソンのどれくらいが、2012年に転職活動をしたのでしょうか?
【対象者】25〜39歳のホワイトカラー系職種の男女
【雇用形態】正社員・契約社員
【調査手法】ネットリサーチ会社を利用したインターネット調査
【実施時期】2012年10月27日〜29日
【有効回答数】5,000件