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連載 ホンネの転職白書 2013.8.26更新

転職で年収を100万円アップさせたい!?アベノミクスで希望年収はどう変わった?

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【推移】転職で年収を100万円アップさせたい!

2007年1月~2013年6月の年収と希望年収との差を見ると、2007年~2010年までは50万円前後で推移していますが、2011年は72万円、2012年は82万円、2013年1~3月は80万円、そして2013年4~6月は、過去6年半で最も大きい96万円まで広がってきています。

これには以下の理由が考えられます。まず2011年、2012年は、東日本大震災や欧州危機、デフレなどの影響で、実際の年収が大きく減少した時期です。なかなか明るい兆しが見えにくい状況だったということもあり、希望年収はそれほど上昇していません。その結果、希望年収の増加率よりも年収の減少率の方が大きくなったため、年収と希望年収との差が大きくなったようです。

一方、2013年4~6月は、一部企業での給与アップなど、アベノミクスの影響が出始めた時期です。実際の年収が減少傾向であるにもかかわらず、世の中の好景気感に希望を持ち、転職で大幅な年収アップを期待するビジネスパーソンが増えたため、年収と希望年収との差が広がってきていると言えそうです。

年収と希望年収との差
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【年齢別】20代は135万円アップを期待!?

2013年4~6月の年収と希望年収との差を年齢別に見ると、24歳以下は135万円、25~29歳は72万円、30~34歳は74万円、35歳以上は38万円と、年齢が上がるにつれて、差が小さくなる傾向です。特に、40歳以上は25万円となっており、24歳以下と40歳以上の差は5倍以上となっています。

これは若い年代が、一般的に年収が低いためその分、大幅な年収アップを期待することや、転職してすぐではなく、数年後には100万円アップしたいなど、将来を見据えた年収を希望したり、また、今よりも高い年収がもらえる異業界への転職の可能性が大きいことなどが要因として考えられます。一方、40歳以上になると、自分の経験やスキル、また職種や業界の相場観が分かるようになることなどから、大幅アップよりも現状維持にシフトするようです。

年齢別:年収と希望年収の差(2013年4~6月)
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【職種別】大幅な年収アップを望む職種はメディカル系

2013年4~6月の年収と希望年収との差を職種別に見ると、技術系(IT・通信)、企画/事務系、営業系が60万円前後で、技術系(建築/土木)、販売/サービス系、技術系(メディカル/化学/食品)が120万円を超えています。最も差が小さい技術系(IT・通信)は、年収アップよりも、特定の技術が扱えることや労働環境面での改善を希望する方が多い傾向にあります。そのため、年収と希望年収との差は小さいと考えられます。一方、最も差が大きい技術系(メディカル/化学/食品)は、全体的に年収が高い職種なので、高年収の人が身近にいて、自分も同じぐらいの年収を稼ぎたいと希望する方が多いと思われます。

職種別:年収と希望年収との差(2013年4~6月)
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まとめ

先日の参院選の結果にも表れているように、世の中がアベノミクスを好意的にとらえ始めている今、その効果は転職時の希望年収にも広がってきているようです。そして、年齢別のデータで分かるように、その期待感は若い年代ほど大きいと言えそうです。

転職ノウハウの面から希望年収を見ると、以下のポイントがあります。まずは、採用面接などで「転職の一番の目的が年収アップ」とアピールするのはマイナスの印象になってしまうということです。単に「50万円上げたい」と言うのではなく「入社後にこれだけ活躍するので、50万円アップさせたい」などと、年収アップの根拠を伝えることが重要です。

「年収アップ=転職成功」とは限りません。たとえば転職時の年収が前職より低かったとしても、その後の活躍次第で、数年間のトータルの収入が、転職前の会社で働き続けるよりも多くなるということもあります。だからこそ、転職時には、提示される年収だけでなく、「長期的に自分の実力が発揮できる環境かどうか」という観点でも企業を探していくことが大切です。

調査概要

転職で年収はどのぐらいアップしたい?転職をするからには年収を上げたいと考える方は多いと思いますが、転職希望者は実際、どのぐらいのアップを希望しているのでしょうか。2007年1月~2013年6月の6年半の間に、dodaエージェントサービスに登録したビジネスパーソン約15万人の年収と希望年収との差を調査しました。また最新の2013年4~6月分について、年齢、職種ごとに分析しました。

【対象データ】2007年1月~2013年6月の6年半の間に、dodaエージェントサービスに登録したビジネスパーソン

【有効回答数】約150,000件

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