2013年に転職した人はどれくらい?
■2013年に転職活動を行った人は15.8%、実際に転職した人は5.6%
2013年に転職活動を行った人は全体の15.8%で、昨年に比べ0.4ポイント増加しました。また、2013年に転職を検討した人(実際に活動はしなかった人を含む)は36.7%で昨年比+1.6ポイントと、転職に積極的な人が増えたことがわかりました。
一方、実際に転職をした人は5.6%で、昨年より1.7ポイント減少しています。つまり、転職活動を行った人のうち実際に転職した人の割合は35.3%で、昨年の46.9%から11.6pt減少しています。転職活動者が増えたにもかかわらず、実際に転職した人が減ったということは「1.転職しにくい状況だった」、「2.転職を焦らない状況だった」、のどちらかの理由が考えられます。
まず、「1.転職しにくい状況だった」については、2013年は景気回復により企業の採用ニーズも高まり、求人数は2008年以降最多を記録(doda転職求人倍率レポートより)したこともあり、採用条件を緩和する企業も見られ、転職者にとっては売り手市場の状況であったことから当てはまらないと考えられます。
次に「2.転職を焦らない状況だった」についてですが、2013年に転職した人の転職理由(doda転職理由ランキング2013より)を見てみると、「倒産/リストラ/契約期間満了」という理由が昨年に比べて大幅に減少しており、今すぐ転職先を決めなければいけないという人が減ったと考えられます。また、「ほかにやりたい仕事がある」という転職理由が増えており、今より良い仕事・職場があれば転職したいという、妥協せず長期的に転職活動を行う人が増えたことが背景にあると推察されます。
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男性より女性、30代より20代の方が、転職を実現させる人が多い
■転職した人は、男性5.1%、女性6.5%
男女別に見てみると、2013年に転職を検討した人は、男性で35.0%(前年比+2.5pt)、女性は39.9%(前年比+3.9pt)で、いずれも前年より増えていますが、女性の方がより転職を考えた人が多いことがわかりました。
一方、実際に活動を行った人は、男性で16.8%(前年比+1.1pt)、女性は15.3%(前年比-0.5pt)で、男性の方が転職を検討してから実際の活動へ移る人の割合は多いようです。
さらに、実際に転職した人を見ると、男性で5.1%(前年比-2.5pt)、女性は6.5%(前年比±0pt)と女性の方が多い結果となりました。つまり、転職活動を行った人のうち実際に転職した人の割合を見てみると、男性は31.2%、女性は42.6%。このことから、女性は男性より、活動を始めると実際に転職する人が多い傾向がわかりました。
■2013年は、20代の転職活動が活発化
年代別に見てみると、2013年に転職を検討した人は、25~29歳で46.0%(前年比+9.1pt)、30~34歳で35.3%(前年比+0.4pt)、35~39歳は31.7%(前年比+0.5pt)と、特に20代で転職を考える人が増えたことがわかります。
また、実際に活動を行った人は、25~29歳で19.6%(前年比+2.1pt)、30~34歳で16.3%(前年比+0.8pt)、35~39歳は12.9%(前年比-1.4pt)。転職を検討してから実際に活動を行った人の割合を見てみると、25~29歳で42.6%、30~34歳で46.3%、35~39歳は40.7%と、転職を検討してから実際の活動へ移る人の割合は30代前半が最も多いようです。
さらに、実際に転職した人は、25~29歳で7.0%(前年比-0.7pt)、30~34歳で5.7%(前年比-1.3pt)、35~39歳は4.6%(前年比-2.6pt)で、実際に転職したのも20代が多い結果となりました。ただし、転職活動を行った人のうち実際に転職した人の割合を見てみると、25~29歳が35.7%、30~34歳は34.9%、35~39歳が35.3%で、年齢によって大きな差は見られませんでした。
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最も転職活動が活発だった業種は?
■小売/外食、ITで転職活動が活発
業種別に見てみると、2013年に転職を検討した人が最も多かったのは「小売/外食」で44.1%。doda転職理由ランキング2013によると、この業界は「残業が多い/休日が少ない」を理由に転職する人が増加傾向にあります。消費行動が活発になったことに加え、アルバイトやパートなどの人材確保に苦労している店舗も多く、一社員の労働時間や負担が増えていることが、転職を考えるきっかけになっていると考えられます。
また、最も転職活動が活発に行われたのは「IT」の20.5%。継続的にマーケットが拡大しているECやSNS、スマートフォンなどの分野に加え、企業の積極的なIT投資の動きを受け、IT業界全体で人材不足が深刻化している昨今。転職者にとって売り手市場であることから、より自身のキャリアアップに繋がる職場や、待遇の良い企業へ転職しようとする人が多かったと考えられます。
一方、実際に転職した人が多かった業種は「メディカル」。転職活動を行った人の割合は最も低かったにもかかわらず、転職した人が最も多い背景には、IT業界以上に売り手市場であるメディカル業界では、好条件を提示して人材を確保しようとする企業が多く、転職の意志を固める人が多かったと推察されます。
2013年の転職活動 | 転職を検討した | 転職活動をした | 転職した |
---|---|---|---|
小売/外食 | 44.1% | 16.7% | 7.0% |
IT | 40.5% | 20.5% | 6.0% |
商社 | 39.6% | 16.5% | 6.3% |
広告・メディア | 39.2% | 15.0% | 5.3% |
サービス | 38.7% | 16.7% | 6.4% |
金融 | 37.5% | 14.1% | 5.9% |
メディカル | 35.5% | 13.6% | 9.0% |
建設・不動産 | 34.5% | 14.6% | 4.8% |
メーカー | 32.1% | 14.3% | 4.0% |
■9業種中、最も割合が多い業種 ■2番目に割合が多い業種
■9業種中、最も割合が低い業種 ■2番目に割合が低い業種
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アベノミクスの影響で、転職が活発化した職種は?
■金融、営業、建築/土木系で転職活発
職種別に見てみると、2013年に転職を検討した人が最も多かったのは「金融系専門職」で41.6%(前年比+10.6pt)。アベノミクス効果により金融マーケットが活性化したことで、リーマンショック以降、下がり続けていた給与・ボーナスへの不満を転職によって解消しようと考える人が増えたと考えられます。
最も転職活動が活発に行われたのは「営業系」で19.7%(前年比+3.0pt)。需要の増加によって、今年度に入ってから採用ニーズの高い状態が続いている営業職は、年収アップを狙い、成長企業や好待遇の職場へ転職しようとする人が増えたことが背景にあります。
また、実際に転職した人が多かった職種は「建築/土木」の7.7%。増税前の駆け込み需要で盛り上がるマンション・住宅の建築、さらに2020年に向けたインフラや施設の建造など、慢性的な人手不足に悩まされている建築/土木系の技術職。長時間労働や休日の少なさ、給与の低さなどが一向に改善されないことから、待遇改善を求めて転職する人が後を絶たず、人材の流動が活発に行われている職種であることが伺えます。
2013年の転職活動 | 転職を検討した | 転職活動をした | 転職した |
---|---|---|---|
金融系専門職 | 41.6% | 15.6% | 6.9% |
営業系 | 40.9% | 19.7% | 7.1% |
クリエイティブ系 | 40.3% | 15.4% | 5.4% |
建築/土木系 | 36.8% | 13.8% | 7.7% |
販売・サービス系 | 36.7% | 15.8% | 5.6% |
IT系エンジニア | 36.0% | 17.5% | 5.0% |
医療/食品/化学系 | 35.2% | 7.7% | 1.4% |
企画管理系 | 35.1% | 15.3% | 5.0% |
事務・アシスタント系 | 34.5% | 13.7% | 3.7% |
機械系エンジニア | 31.4% | 13.6% | 3.0% |
■10職種中、最も割合が多い職種 ■2番目に割合が多い職種
■10職種中、最も割合が低い職種 ■2番目に割合が低い職種
調査概要
25~39歳のビジネスパーソン5000人に、2013年の転職活動の状況についてアンケート調査を実施しました。
【対象者】25歳~39歳のホワイトカラー系職種の男女
【雇用形態】正社員、契約社員
【調査手法】ネットリサーチ会社を利用したインターネット調査
【実施時期】2013年11月6日 ~ 2013年11月10日
【有効回答数】5,000件