転職ストーリー
旅行会社から滋賀県庁へ。
防災、そしてパラスポーツへ。転職で広がった未来
旅行会社で社員旅行や修学旅行の企画・提案などに携わっていた岩﨑凌さん。仕事にやりがいを感じながらも、コロナ禍を機に将来のキャリアを見つめ直し、30歳を前に滋賀県庁への転職を決意しました。現在はスポーツ課でパラスポーツ推進を担当し、誰もがスポーツを楽しめる環境づくりに取り組んでいます。旅行会社から公務員へ転身した理由や、転職後に感じた仕事の魅力、今後の目標について伺いました。
岩﨑 凌さん
スポーツ課/パラスポーツの普及・環境整備/主任主事
30歳を前にキャリアを見つめ直し、旅行会社からの転職を決意
新卒では、旅行会社一本で就職活動をしていたそうですね。
はい。もともと旅行が好きで、旅先で人が喜んでいる姿を見ることにも魅力を感じていました。旅行会社を志望したのは、「旅行を通して人を笑顔にできる仕事がしたい」という思いがあったからです。就職後は、企業の社員旅行や学校の修学旅行の企画・提案、プロスポーツチームの遠征手配などを担当していました。仕事は本当に楽しかったですし、天職だと感じていましたね。
公務員への転職を意識したきっかけは何だったのでしょうか。
最大のきっかけは新型コロナウイルスの感染拡大です。社員旅行や修学旅行が次々と中止になり、“自分ではどうすることもできない外的要因”によって仕事が大きく左右されることに不安を感じるようになりました。ちょうど30歳を前にした時期でもあり、キャリアを真剣に見つめ直しました。そこで思い浮かんだのが、安定した環境で長く働ける公務員という選択肢だったんです。
公務員試験にはどのような対策で臨んだのでしょうか。
法律や経済学などはほぼゼロからのスタートだったので、一から学ぶ必要がありました。仕事を続けながら資格学校に通っていたのですが、十分な勉強時間を確保できず、一度目は不合格。「このままでは難しい」と感じ、旅行会社を退職し、実家に戻る決断をしました。
自宅だと集中できないタイプだったので、予備校に通い、強制的に勉強する環境をつくりました。1日10時間近く勉強していたと思います。模試でA判定が出るようになったのは試験の4カ月ほど前です。そこではじめて手応えを感じました。大変な時期ではありましたが、あの時にしっかり勉強に集中したことが、合格につながったと思っています。
なぜ滋賀県庁を選んだのですか。
一番の理由は、「地元の滋賀県に貢献したい」という思いでした。
前職では全国転勤があり、さまざまな地域で生活しながら仕事をしてきました。その中で、それぞれの地域に魅力や課題があることを知ると同時に、改めて滋賀県の豊かな自然や暮らしやすさ、人と人とのつながりといった地元ならではの魅力を実感したんです。
また、国家公務員も受験しましたが、より住民の方々に近い立場で地域に関わりたいという思いが強くなりました。滋賀県には人口減少や地域活性化、福祉、子育てなどさまざまな課題があります。県民の方々や市町、企業、関係団体と連携しながら、そうした課題の解決に取り組み、滋賀県をより良くしていく仕事がしたいと考え、滋賀県庁を選びました。
防災からパラスポーツまで。新たな挑戦の連続だった
入庁時は観光関係の部署を希望していたのだとか。
はい。旅行会社の経験を活かせるのではないかという思いがあったためです。ただ、実際に配属されたのは防災危機管理局でした。担当したのは原子力防災に関する業務。経験も知識もなかったので、正直、最初は戸惑いもありました。しかし原子力防災という県民の安全に直結する業務に携わる中で、行政の仕事の責任の大きさや社会的意義を実感しました。
実際に働いてみると、公務員の仕事は想像以上に幅広くて驚きました。前職は、旅行という一つの分野を深く学んでいく仕事だったのに対し、県庁では法令や制度の知識に加え、関係機関との調整なども求められます。1年目はとにかく勉強の毎日でしたが、その分、自分の視野も広がったと感じています。
現在のスポーツ課への異動の経緯を教えてください。
毎年、希望する部署などを伝えられる人事面談があり、スポーツ課への異動希望を出していました。スポーツが好きだったことに加え、前職でプロスポーツチームの遠征手配を担当していたこともあって、経験が活きると思ったんです。結果、防災危機管理局で2年間勤務した後、スポーツ課への異動が叶いました。
現在はパラスポーツ推進担当とのこと。どのような仕事をするのですか?
パラスポーツ推進では、障害のある方がスポーツに取り組みやすい環境づくりや、パラスポーツへの理解を広げるための事業を行っています。スポーツを「する」「みる」「支える」の三つの視点で施策を進めていて、競技機会の創出や観戦環境の整備などに取り組んでいます。
例えば、障害のある方がスポーツを「みる」環境は、まだまだ十分とはいえません。視覚障害のある方にもスポーツ観戦を楽しんでいただけるよう、試合の実況を音声で配信する取り組みも進めています。
スポーツ課への異動は希望していましたが、パラスポーツはそれまで深く関わった経験のない分野でした。私自身、この仕事に携わるようになって初めて気づいた課題も多くあります。新しい知識を習得しながら、誰もがスポーツを楽しめる環境づくりに取り組んでいます。
民間経験を強みに、どの部署でも通用する職員へ
民間時代に抱いていた公務員のイメージとのギャップはありますか?
公務員に対して「真面目な人ばかり」「堅い職場」というイメージを持つ方も多いと思います。私も入庁前はそうでした。でも実際は、若手からベテランまで気軽に意見を言いあえるフラットな職場で、正直とても驚きました。特にスポーツ課は課全体で進めるイベントが多く、日頃から担当を超えてやり取りするため、自然とコミュニケーションが活発になります。
また、働き方の面でも良い意味でギャップがありました。私は約6カ月の育児休業を取得しましたが、育休取得が特別なことではない雰囲気があり、安心して休むことができました。むしろ、育休を取得しない場合は理由を確認されることもあるくらいです。仕事と家庭を両立しやすい環境だと感じています。
民間での経験は活きていますか?
はい、特に活きていると感じるのは、コミュニケーション力や調整力です。県庁の仕事は、一人で完結するものではありません。関係団体やスポーツチーム、県民の方々など、多くの人と協力しながら進めていく必要があります。前職でも、お客様や関係者と信頼関係を築きながら、調整を重ねて仕事を進めていました。相手の立場を考えながらコミュニケーションを取ることや、関係者を巻き込みながら物事を形にしていく力は、今の仕事にもつながっていると感じています。
今後の目標を教えてください。
これまで防災とスポーツという異なる分野を経験してきましたが、公務員にはさまざまな仕事があり、それぞれに学びがあります。幅広い業務経験を積み、どの部署でも通用する力を身に付けたいですね。
将来的には、施策の目的や意義を県民の方や関係者に分かりやすく伝えながら、多くの人を巻き込んで事業を進められる職員になりたいです。旅行会社時代も、人を笑顔にすることが仕事でした。立場は変わりましたが、「誰かのために働く」という思いは今も変わりません。
全国各地で生活し、さまざまな地域を見てきた経験を生かしながら、これからは地元である滋賀県に根ざし、地域の発展や県民の皆さんの暮らしに貢献していきたいと思っています。
キャリアの変遷
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旅行会社でキャリアをスタート 企業の社員旅行や修学旅行の企画・提案、プロスポーツチームの遠征手配などを担当
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30歳を前に公務員への転職を決意 コロナ禍を機に将来のキャリアを見直し、滋賀県庁への転職を目指して公務員試験に挑戦
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滋賀県庁に入庁。防災分野で視野を広げる 希望外の配属からスタートしたが、幅広い行政経験を通じて仕事の視野が大きく広がった
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誰もがスポーツを楽しめる環境づくりに挑戦 スポーツ課でパラスポーツ推進を担当。障害の有無に関わらずスポーツを楽しめる環境づくりを進めている







