STORY
先輩社員インタビュー
必要なものは全部ある。道なき道を進んだ先で見つけた高知の暮らし
Profile
- 株式会社 ISS山崎機械
- 室戸工場 生産管理課
井口さん
2017年 Iターン │ 大阪府 → 室戸市
大阪出身の井口さんは、習志野駐屯地での自衛隊勤務からキャリアをスタートし、富山や地元大阪で働くなど、仕事も働く場所も変遷を重ねてきました。「無鉄砲なだけ」と笑う井口さんですが、高知には移住して9年。なぜ今、高知で暮らし続けることを選んでいるのか、伺いました。
場所にこだわりはない。行った場所で自分ができることをやってきた
これまで住んだ場所は大阪、千葉、富山、そして高知。仕事も、自衛隊、建築会社、漁師、製造業と、一つとして同じ業種はありません。転職するときも、業種を被せたことはないですね。その場所で自分にできることなら何でもやるという感じです。高知への移住も、将来のキャリアプランがあったわけではありません。その時々で興味を持ったことに挑戦し、行ける場所へ行く。そんな生き方を続けてきました。
大阪の建築会社の営業として働いていた頃、病気が見つかり、入院のために仕事を退職することに。治療を経て、2年後に寛解した経験は少なからずその後の人生を変えたと思います。体調が戻り、次の仕事を探そうと思ったとき、大阪の人混みで働き続けるのではなく、「次は田舎がいい」という思いが強くなっていました。そして自分を見直す中で、魚が好きということで興味を持ったのが漁師でした。
漁師になるために高知へ移住
「漁師」で全国の求人を調べました。最初に目を付けたのは山口や鳥取です。ところが、倍率は30~40倍。なかなか決まりません。条件を変えて調べていく中で、高知県の「定置網漁(ていちあみりょう)」という募集に出会いました。「漁師になれるなら高知にするか」と、そんな軽い気持ちで移住を決めました。そこから高知での漁師としての生活が始まりました。朝は早くて休みも多くない仕事でしたが、毎日漁に出たあとに食べる、獲ったばかりの魚が最高においしい。漁師は2017年から5年ほど続けました。
漁師をやめても高知に残ることに。散髪屋で次の職場を紹介される
生活との兼ね合いから漁師をやめることになり、そのタイミングで引っ越す選択肢もありましたが、気の置けない友人もできていて、そのまま高知で仕事を探すことにしました。そんなとき、いつも行っている理髪店の理容師さんが「ISS山崎機械が人を探しているわよ」と。ISS山崎機械は、高知に住んでいれば名前の入ったトラックなどを見かけるので、私でも知っている会社でした。そこからは驚くほど話が早く、気がつけば入社が決まっていました。まさか理髪店から次の仕事につながるとは思っていませんでしたが、これも高知ならではの人とのつながりかもしれません。
ISS山崎機械で見つけた安定した働き方
現在は、製品の手直しや梱包、出荷前の作業を担当しています。製品の数や品質を確認しながら出荷につなげる仕事で、スピードと正確さの両方が求められます。「どうすればもっと効率よくできるか」を考えながら作業し、自分なりの工夫で時間を短縮できたときはやりがいを感じます。
休みも多く、ありがたいことに収入も上がりました。受注状況によって変動しますが、18時くらいには毎日帰れますし、家も会社から近いので身体が楽です。漁師から全く違う業界への転職でしたが、未経験でも受け入れてくれる環境があったのはありがたかったですね。
自分が関わった製品が、世の中のあらゆる場所にあるやりがい
ISS山崎機械が手がける鍛造製品は、橋や鉄道など社会インフラを支えるものにも活用されています。鉄道車輛や建設機械の部品、さらには明石海峡大橋にも使われています。普段は目に見えない部品ですが、自分が関わった製品が世の中のどこかで役立っていると思うと誇らしくなります。ブルドーザーを見かけたときなど「あの中にも使われているんだよな」と、つい想像してしまいます。個人的にも趣味のバイクで鍛造製品のパーツを使うので、意外と身近な製品です。
職場は若手からベテランまで幅広い世代が働いており、相談しやすい雰囲気があります。必要な機材の購入など、現場からの意見にも耳を傾けてもらえるため、働きにくさを感じることはありません。フレンドリーな人が多く、私のような移住者でも自然に馴染めました。
250坪の土地に、バイク3台。趣味をとことん楽しむ
休日は、もっぱらバイクで出掛けています。18歳の頃からの趣味で、今もオフロード1台、オンロード2台と複数台のバイクを所有しています。実は今住んでいる家も、バイクありきで建てました。この地域では不動産業者が少ないので、人づてで探すことが多いんです。最初の家は、市役所の移住支援の方が探してくれたんですが、次の引っ越し先を探すときは苦労しました。どうしてもバイクが置ける広いガレージがほしくて、最終的に「ないなら、作るしかないな」と思って、自分で間取りを考え、大工さんに図面を渡して建ててもらいました。現在の土地は約250坪。2LDKの家と大型のガレージがあり、それでもまだ余裕があります。大阪で暮らしていた頃は、とても考えられなかった環境ですね。東京の半分以下の価格で倍以上の広さに住めているかもしれないです。
必要なものは全部ここにある
未舗装の道を走るオフロードバイクは、高知に来てから始めた趣味です。高知は全国からツーリング目的で来る人も多いくらい、バイク好きには楽しい土地です。都会だと山道に出るまでが遠いですが、ここではすぐに山があるので、オフロードに気軽に行けるんです。地図や衛星写真を見ながら道を探し、ときには誰も通らないような場所へ入っていくこともあります。バイクが動かなくなっても歩いて帰ればいいかな、と思って、先の見通せない道にも進みます。
私は大きな覚悟を持って高知へ来たわけではありません。その時々の事情に合わせて面白そうだと思う方へ進み、できることをやってきただけです。でも気がつけば、高知には好きな趣味があって、気の合う仲間がいて、自分で建てた家がありました。都会に比べれば不便なこともあるかもしれませんが、必要なものは、もう全部ここにあります。今では移住して9年。私にとって、高知は自分らしく生きられる場所です。
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