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STORY

先輩社員インタビュー

商品開発から研究職へ。高知で見つけた私らしいキャリア

Profile

  • 株式会社小谷穀粉
  • イノベーション研究室

片山さん

2014年 Uターン │ 三重県 → 高知市

大学進学を機に高知を離れたからこそ、故郷の食や自然の豊かさに気づいた片山さん。就職で高知へ戻り、商品開発から研究にもキャリアを広げました。さらに、働きながら大学院にも進学。専門性を磨く仕事と、背伸びをしない暮らし。その両方がかなう日々を伺います。

高知の「当たり前」は、県外では当たり前ではなかった

大学進学を機に、高知市から三重県へ。高知へ戻りたいという気持ちが強くなったのは、県外で暮らし始めてからでした。近所の川に蛍がいる。新鮮な魚や野菜が、いつものスーパーに並んでいる。高知にいた頃は、ごく普通の光景だと思っていたんです。でも、一度離れてみると、それは決して当たり前ではありませんでした。

そのことを象徴するのが、大学の研究室へ持っていった高知の芋けんぴです。仲間たちから「ほかで買うものとはクオリティーが全然違う!」と喜ばれ、こちらが驚きました。県外の居酒屋でカツオのたたきを食べたときも、「高知のスーパーで買うものの方がおいしい」と感じたほど。高知を離れてみて、高知の日常には、まだ広く知られていない全国に誇れる魅力が数多くあることに気づきました。

まだ知られていない高知の魅力を届けたい

日本一の森林率を誇る高知で、何か役に立てればと思い、大学の研究室では木材化学を専攻。しかし、県内の林業は体力を必要とする仕事が多く、就職活動では魅力を感じていた「食品」に携わる企業を中心に探しました。そこで出会ったのが、お茶や穀物製品を手掛ける小谷穀粉です。

実は、県内の企業なのに会社説明会へ参加するまで、会社のことを詳しく知りませんでした。ところが、意識してスーパーを見てみると、小谷穀粉の商品がいくつも並んでいたんです。身近にあったのに、その魅力を知らなかった。県外へ出て初めて高知の良さに気づいたときと、どこか似ていると感じました。

「高知には、まだ知られていない良いものがたくさんある。それを県外の方にも届けたい」その思いが、入社の決め手になりました。

研究者としての経験を活かせるポジションへ

入社後は、マーケティング部門で商品開発を担当しました。お客さまへの提案の際に素材の栄養素や効能に関する論文を探してエビデンスにするなど、大学での研究経験を部分的に活かせる場面もあったものの、当時の社内には研究部門はありませんでした。転機になったのは、高知県と高知大学が主催する土佐フードビジネスクリエイター(https://tosa-fbc.jp/)に参加させてもらったこと。食品に関する研究開発のリーダーを育てるための取り組みで、基礎から発展まで幅広く知識を習得できました。

社会的に機能性表示食品制度(※)が厳格になり、社内にも研究開発部門が必要という機運が高まったところで、社長直下のイノベーション研究室が立ち上がり、初期メンバーとして配属されることになったのです。

※機能性表示食品制度…国の定めるルールに基づき、事業者が食品の安全性と機能性に関する科学的根拠などを届け出れば、機能性を表示することができる制度

高知でつくった一杯が、誰かの日常を豊かにしている

現在はお茶の機能性に関する研究と、取引先のプライベートブランド商品の開発を並行して行っています。
実は、小谷穀粉が手掛けた商品は、全国展開する大手ブランドの店舗にも並んでいます。高知でつくった一杯が、遠く離れた地域の暮らしに溶け込んでいく。そう考えると、やはり誇らしい気持ちになります。
地方にいるからといって、仕事の規模まで小さくなるわけではありません。高知に根を張りながら、全国のお客さまに届く商品をつくれることに、大きなやりがいを感じています。

「体に良い」を確かな価値に変えるために、大学院へ

研究に携わる中で、健康茶の価値を科学的に明らかにしたいという目標が生まれました。昔から体に良いといわれていても、十分な科学的根拠が見つからない素材は少なくありません。それなら、自分たちの研究で明らかにしたい。そして、機能性表示食品として届けたい。そう考え、2023年に社会人修士として高知大学大学院へ進学しました。

進学について相談した際、社長から返ってきたのは「ぜひ挑戦してほしい」という言葉でした。大学院で一日実験する日は、同僚がメール対応や日常業務を引き受けてくれました。自分一人の力では、2年間の研究生活を続けられなかったと思います。

大学院修了後も高知大学との共同研究を続けており、研究テーマの一つは、機能性表示食品として届け出るための準備段階に入っています。時間をかけて実験を積み重ね、仮説と結果がぴたりと重なる。その瞬間に、研究ならではの醍醐味を感じます。

挑戦も、家庭との時間も大切にできる職場

小谷穀粉では、一人ひとりの意思や専門性を踏まえて、仕事を任せてもらえると感じています。役割や評価について、性別を意識したことはほとんどありません。また、産休・育休を経て復職し、活躍を続ける社員や、育児休業を取得した男性社員もいます。子どものお迎えに合わせて定時で帰る姿も、珍しい光景ではありません。家庭の事情を特別視せず、その人にとって必要なこととして周囲が受け止める。挑戦したいときにも、暮らしを大切にしたいときにも、自分なりの選択ができる環境だと感じています。

愛犬と過ごす時間が、仕事モードをほどいてくれる

実験や論文に集中した後、気持ちを切り替えてくれるのが、実家で暮らす2匹の愛犬です。私はインドア派なので、休日は遠くへ出掛けるより、家で一緒にのんびり過ごしています。

大学院へ通っていた頃も、家族の近くで暮らせたことに助けられました。一人暮らしではなく実家で暮らすことを選んだのも、愛犬にとって過ごしやすく、自分も安心して研究に向き合えると考えたからです。大切な存在のそばにいる。その安心感があるからこそ、仕事では思い切り集中できるのだと思います。

選択肢が多すぎないから、自分に合うものが見えてくる

三重県にいた頃は、少し足を延ばせば名古屋や大阪へ行けました。もちろん便利でしたが、「暮らす場所」として考えると、私には高知の方がしっくりきます。都会に比べれば、衣食住の選択肢は少ないかもしれません。でも、あれこれ迷う時間も少なくなる。その分、一つひとつをじっくり見て、自分に合うものを選べます。

それが、私の考える「背伸びしすぎない、ちょうどいい暮らし」です。

高知に興味がある方には、まず一度訪れてみてほしいですね。食べ物のおいしさや空気、自然との距離は、実際に来ることで初めて分かるものがあります。高知へ戻ったことで、私は大切な存在のそばで暮らしながら、商品開発や研究に打ち込む道を見つけました。地方へ移ることは、何かを諦めることとは限りません。これまでの経験を活かしながら、自分なりの働き方や暮らし方を見つける選択にもなると思います。

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