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転職が難しいと感じるのはなぜ? 4つの要因と打開策を解説

いざ始めてみると想像以上に難しさを感じる転職活動。昨今はコロナの影響もあり、思うように進まないことに不安を抱えている人も多いのではないでしょうか。この記事では、実際に多くの人が直面する転職の難しさを4つに分類して、それぞれ具体例を挙げて打開策を提示します。変化する転職市場の今を把握して、自分自身を見つめ直すことができれば、困難に柔軟に対応することができるでしょう。

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多くの人が転職で「困難」に直面している

転職は難しいと思う人は多いようです。dodaが転職希望者に行った調査(※)でも、転職のさまざまな困りごとが挙がってきました。

〈転職の困りごと上位10〉

  • 1位 転職してうまくいくかどうか不安(48.3%)
  • 2位 転職できるかどうか漠然とした不安(47.7%)
  • 3位 本当に今の職場を辞めてしまってよいのかどうか(29.2%)
  • 4位 転職先の人間関係がうまくいくかどうか(28.5%)
  • 5位 自分の経験で条件に合う転職先が決まるかどうか(22.5%)
  • 6位 ブラック企業にあたってしまわないか(21.9%)
  • 7位 転職活動は大変そうな気がするが、何を備えておけばいいのかわからない(18.7%)
  • 8位 転職先の社風や実態がわからない(18.4%)
  • 9位 転職先で自分の能力が通用するかどうか(17.9%)
  • 10位 自分の市場価値について知りたい(15.9%)

※2019年4月doda調べ「転職の困りごとについて感じている(感じた)こと」(n=482)複数回答

このように、多くの人が転職に何らかの「難しさ」を感じていることが分かりました。

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転職が難しいと感じる4つのポイントと解決方法

実際に転職活動を始めたときに、転職の難しさに直面して困惑する人も多くいます。パーソル総合研究所で「転職学」を研究する小林祐児上席主任研究員の調査・分析によると「転職の難しさ」は次の4つに分類することができます。

〈転職が難しいと感じるポイント〉

  • ①情報収集の難しさ
  • ②自分に合う求人の少なさ
  • ③自分の市場価値の低さ
  • ④選考過程の難しさ

ここでは、実際に転職希望者が体験した「難しさ」について紹介しながら、この4分類それぞれにキャリアアドバイザーから具体的なアドバイスを伝えてもらいます。

難しいと感じるポイント① 情報収集の難しさ

転職活動に必要な情報が得られにくいことに難しさを感じている人も多くいます。企業情報の収集、転職市場の動向、転職活動の進め方など、どうやって調べたらいいのか分からないこともいろいろと出てくるでしょう。

●転職希望者Aさん
「まわりに転職活動経験者がおらず、どう進めていいのか困ってしまった。コロナ禍で友人にも相談しづらく孤独だった」

初めての転職活動は、選考の流れが分からなかったり、自分にどのような企業が合うのか迷うこともあるでしょう。仕事をしながら進める人も多く、もっとよいやり方はないのかなど、いろいろな悩みが出てきます。特にコロナ禍で以前より気軽に人と会えなくなったぶん、その悩みを一人で抱える人も増えています。

またネットで検索するといろいろな情報にふれることができる半面、何を信じてよいか分からなくなることもあります。

求人の状況は絶えず変化します。応募企業ごとにアピールすべき経験や強みも異なりますので、情報収集のために転職エージェントを活用するのもおすすめです。キャリアアドバイザーに相談すれば、一人ひとりの状況に合った情報を提供してもらえます。

転職市場や企業の情報収集は転職エージェントサービスを頼ろう

●転職希望者Bさん
「現職を離れるにあたって家族の反対があり、困りごと・悩みごとの解消がしづらかった」

家族がいると転職は一人だけの問題ではなくなります。一般的に入社の承諾・辞退の回答期限は内定後1週間程度。内定が出てはじめて家族に相談するのでは回答期限に間に合わないケースも出てきます。転職活動をスタートする際には転職したい理由を含めて家族に伝えておくとよいでしょう。

転職経験のない家族だと、「転職するかどうか決めていない・迷っている」という状況で相談すると「迷うくらいならやめておけ」と止められる傾向があります。「転職活動を始めようと思う」と意思を伝えた上でフラットに意見を聞くとよいでしょう。

難しいと感じるポイント② 自分に合う求人の少なさ

自身の希望やスキル・経験に合う求人が少ないことに難しさを感じている人は多いようです。

●転職希望者Cさん
「希望が全部かなう求人はなかなかないですね」

希望条件の数が多すぎて、応募したいと思う求人をなかなか見つけられないという声はよく聞きます。「この先、何度も転職をするわけじゃないから、自分に合った転職先を見つけたい」。そんな思いであれこれと希望を出していって、条件だらけになってしまう人もいます。

その場合は、希望条件に優先順位をつけ、絶対にかなえたい「MUST」と、できればかなえたい「WANT」に整理してみるといいでしょう。「MUST」は転職理由に結びつくものが多いようです。求人票を見ただけでは分からないことも多いので、「MUST」がかなえられそうな求人には積極的にエントリーして、面接で判断していくようにすると転職活動が前進します。ただし、条件面だけに目がいくと仕事のやりがいなどがおろそかになり、入社後にミスマッチを感じる例もあります。会社の事業や仕事内容もバランスよく見ることが必要です。

エージェントサービスなら希望や経歴に沿って求人を紹介してもらえます

難しいと感じるポイント③ 自分の市場価値の低さ

選考になかなか通らないことで、今の自分のスキルや経験には市場価値がないのだろうかと感じる人も多いようです。

●転職希望者Dさん
「実店舗で販促をしていたのでECサイトの販促企画に応募しましたが、オンラインの経験がないと難しいようでした」

市場価値の定義はさまざまですが、汎用性と専門性という2つの切り口があると考えられます。汎用性があるのは「需要が高いスキルや経験」、専門性があるのは「希少性が高く代替がききにくいスキルや経験」です。

昨今はAIやシステム導入、在宅ワークなどの働き方の変化があり、需要のある仕事や求められる専門性が変わってきています。需要が高まっている仕事は経験が浅くてもチャレンジすることができ、将来的に市場価値を高められるチャンスでもあります。自分が身につけているスキルや経験が、「汎用性」と「専門性」のどちらに近いかによって市場価値は変わってきます。今までやってきたことを細かく棚卸しすると新たな市場価値の発見につながるかもしれません。

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難しいと感じるポイント④ 選考過程の難しさ

書類審査や面接に通らず、選考の難しさを感じることもよくあります。特に面接の方法がオンラインに変わったことに戸惑う人もいるでしょう。

●転職希望者Eさん
「20社ぐらい応募したけど、こんなに応募しても通過できないものなんですか?」

新卒の就活や好景気下の大量採用とは異なり、社会人の中途採用は欠員補充や事業拡大などにともなう増員のために行われます。そのため、求められるスキルが明確で、かつ1人のみ採用というケースが多いのが実情です。

そうなると、「この人は活躍してくれそうだ」と書類から読み取れる人でなければ、書類選考を通過することができません。未経験の業界や職種にチャレンジする場合は、さらにハードルが上がります。「できること」「求められること」「やりたいこと」を整理して、その3つが重なる求人にエントリーすると通過率が上がることが期待できます。

●転職希望者Fさん
「初めてのオンライン面接で操作に戸惑い、頭が真っ白になってしまった」

コロナ禍でオンライン面接が一般的になってきました。操作に慣れていないと、焦って面接に集中できないままスタートしてしまうケースもあります。事前に操作を試して不安材料をなくしておきましょう。

またオンライン面接では、視線や服装、背景などをどのようにしたらよいか迷うことも多々あります。キャリアアドバイザーはオンライン面接対策の相談にも応じることができるので、転職エージェントに問い合わせてみてもいいでしょう。

●転職希望者Gさん
「面接では端的に話したほうがよいと思い、短い回答を心がけたところ、アピール不足で落ちてしまった」

面接で業務内容や仕事の詳細を確認された際には、聞かれたことに対して端的に答えることが必要ですが、自己PR・強み・志望動機など、自分で話す内容を選べる場合には、アピール材料を盛り込んで具体的な話をすることをおすすめします。

面接はスキル・人柄・熱意の3ポイントで評価されますが、端的に答えようとしすぎて一言で終わってしまうと熱意が伝わらない恐れがあります。面接の最後に志望度の高さを伝えることで熱意を伝えましょう。

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35歳からの転職が難しくなるというのは本当?

世の中では「35歳を過ぎると転職が難しくなるのでは」と考える人が多いようです。

●転職希望者Hさん
「自分が1社で長年培ってきた知識やスキルが、世間一般の企業では活かしづらいことに驚きました」

●転職希望者Iさん
「スキルがあれば仕事が見つかると思っていましたが、実際にはスキルよりも年齢重視のように感じます」

会社によって違いはありますが、組織構成上20代はスタッフ、30~35歳はリーダー候補、35歳以上はマネジャーやその候補という求人が増えるため、年齢を重ねていくにつれて経験が合致していないと受かりづらくなる傾向があります。

自身の経験やスキルが企業に求められるものと少し違っていても、リーダーシップやマネジメント力があることをアピールできたことで合格する事例もあります。スキル・経験において自身のできること、やってきたことを棚卸しするとともに、企画力・マネジメント力・運営力などのポータブルスキル(業種や職種にかかわらずどのような仕事・職場でも通用するスキル)も振り返ってみましょう。その上で、年代に応じてどのように組織貢献できるかを具体的な事例を用いて伝えることも大事です。

転職が難しいと感じたときにするべきこと

転職経験者のさまざまな声にあったように、実際に転職活動を進めていくと「思ったよりも難しい」と感じることがあるかもしれません。しかし、難しいと感じている転職活動も、その要因を一つひとつクリアにしていけばきっと前進するはず。一人で考えこまずに誰かに相談してみるのもいいでしょう。キャリアアドバイザーに客観的に助言してもらうことも有効です。

自分自身をよく知る/転職市場を知る

転職活動が難しいと感じる原因の多くは、思ったより選考に通過しなかった…、思うような求人が見つからない…など転職活動を取り巻く環境と自分自身にギャップを感じるからです。

「転職活動を取り巻く環境」とは、転職市場のニーズや傾向のこと。「自分自身」とは、自分の強み・弱み、やりたいこと、できることです。この2つを十分に把握しないで活動をすると、「自分はもっとできるはず」「世の中にやりたい仕事がない」という感じ方になってしまい、転職を難しく感じてしまいます。

つまり、自分自身をよく知って、転職市場をよく知ることができれば「難しさ」の解消につながります。とはいえ、どちらも自分で把握するには限界があります。転職エージェントを頼ることで、より理解を深められるでしょう。

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転職活動をチェックリストで振り返る

転職活動が思うように進まないときは、これまでの転職活動を一つひとつ振り返ってみましょう。どこでつまずいていたのか課題が分かれば、対策を立てやすくなります。チェックリストのなかでなんとなく不安な項目があれば関連リンクから詳細な対応策を確認してみてください。

【転職のつまずきチェックリスト】

  • 転職のゴールは整理できていますか?
  • 転職活動の期間は十分ですか?
  • 応募した社数は十分ですか?
  • 応募先の企業・業務内容は自分の経験・スキルと合っていますか?
  • 書類選考は通過していますか?
  • 面接は通過していますか?
  • 志望する業界の採用活動は活発ですか?

「転職が決まらない」悩みを解決するための7つの分析
応募期間や応募書類の書き方など、あなたはどこでうまくいっていないのかを分析して解決

<まとめ>

転職活動では、誰しもが難しさを感じてしまうもの。これまで紹介した「情報収集の困難」「自分に合う求人の少なさ」「自分の市場価値の低さ」「選考過程の難しさ」の4つのポイントについて、振り返ってみてください。自分の強みやできることと、企業が求めているものをすり合わせたところに、転職活動の道筋が見えてくるでしょう。

取材協力

取材協力

小林 祐児(こばやし・ゆうじ)

パーソル総合研究所 上席主任研究員

上智大学大学院総合人間科学研究科社会学専攻博士前期課程修了。NHK 放送文化研究所に勤務後、マーケティングリサーチ・ファームを経てパーソル総合研究所に入社。専門は理論社会学・人的資源管理論・社会調査論。テレビ・ラジオ出演・各種新聞などへの寄稿多数。主要著作に『働くみんなの必修講義 転職学』(KADOKAWA、共著)、『残業学──明日からどう働くか、どう働いてもらうのか?』(光文社、共著)、『会社人生を後悔しない 40代からの仕事術』(ダイヤモンド社、共著)など。

この記事を監修したキャリアアドバイザー

キャリアアドバイザー

入間 麻美(いるま・あさみ)

米国CCE,Inc.認定 GCDF-Japanキャリアカウンセラー
国家資格キャリアコンサルタント

【経歴】
2007年新卒で株式会社インテリジェンス(現パーソルキャリア株式会社)に入社。一貫して企画・管理部門のキャリアアドバイザーに従事。出産を経て復職し、現在は同部門での管理職として、企画マーケティング領域の方の転職支援を行う。
【メッセージ】
常に変化する転職マーケットの今をとらえ、お客さまらしさを実現する提案を心がけています。子育てをしながら働いている経験も活かし、長期的な視点にたったキャリアプランの実現をサポートしたいと考えています。

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