2011年は「耐え忍ぶ」年だった!?
1位は「耐」、昨年の4位から大きく上昇「学」「変」「考」が新たにランクイン
2011年の仕事観を表す漢字として最も多くの人に選ばれたのは「耐」で、昨年の4位から大きく順位を上げています。選んだ理由を見ると、「震災復興のためならと、普段なら耐えられない状況を乗り越えてきたため」という2011年の出来事が反映された回答と、「忍耐強く、仕事をすることが重要だと感じているから」という仕事に対する姿勢を表す回答の2種類に大きく分かれました。
2位は「楽」で、投票理由のうち「仕事を楽しもうとしているから」という回答が約5割、「今の仕事が楽しいから」が約3割、「仕事が楽(らく)だから」が約2割を占めています。3位の「忍」は「今年は震災・円高・タイ洪水などが続き、“耐え忍ぶ1年”と覚悟して臨んだため」や「仕事には忍耐力が必要不可欠だと思うから」という、「耐」の回答理由と似た内容が目立ちます。
また、昨年はランクインしていなかった「学」「変」「考」が、2011年はTOP10に入っています。それぞれの投票理由を見てみると、「学」は「震災によって、リスクマネジメントや節電の重要性など、色々と学んだことも多かったため」、「変」は「震災の影響で、仕事に対する気持ちが大きく変化したため」、「考」は「震災以降、仕事に対する取り組み姿勢を、いろいろと考えさせられる1年だった」といったコメントが見られました。このように2011年の仕事を取り巻く状況は、震災による影響に耐え忍び、また震災を経験して、学び、変わり、考えさせられる人が多かったことがうかがえます。
【2011年の仕事観を表す漢字は?】
順位 | 前年比 | 2011年 | 2010年 |
---|---|---|---|
1 | ↑ | 耐 | 楽 |
2 | ↓ | 楽 | 忍 |
3 | ↓ | 忍 | 苦 |
4 | ↓ | 苦 | 耐 |
5 | ↑ | 忙 | 生 |
6 | ↓ | 生 | 無 |
7 | New | 学 | 忙 |
8 | New | 変 | 金 |
9 | ↑ | 努 | 誠 |
10 | New | 考 | 努 |
漢字 | 投票理由 |
---|---|
耐 |
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楽 |
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忍 |
|
苦 |
|
忙 |
|
生 |
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New 学 |
|
New 変 |
|
努 |
|
New 考 |
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地域、業種による差が顕著に…
【地域別】東は「耐」、西は「苦」関東のみ「楽」が1位に
地域別に1位の漢字を比較してみると、北海道、東北など東日本は「耐」、関西、九州・沖縄など西日本は「苦」の文字が選ばれました。東日本の「耐」は、「震災の影響に耐え忍んだ」という投票理由が多く、西日本の「苦」は、「経済情勢が厳しく苦労した」という投票理由が目立ちます。一方、関東は「楽」が1位に選ばれ、「大変な状況でも仕事を楽しみたい」というコメントが見られるなど、地域によって傾向に違いがありました。
【地域別】2011年の仕事観を表す漢字は?
地域 | 漢字 |
---|---|
北海道 | 耐 |
東北 | 耐 |
関東 | 楽 |
東海 | 耐 |
関西 | 苦 |
中国・四国 | 忍 |
九州・沖縄 | 苦 |
【業種別】メーカーは情勢変化による「忙」、建設/不動産は仕事が少なく「楽(らく)」
次に、業種別に比較すると、メーカーは「忙」が1位で、「震災、節電、円高、タイ洪水など、情勢の変化に合わせて自身の仕事も変化したため、忙しい1年だった」という声が目立ちました。一方、建設/不動産は「仕事が少なく楽(らく)だった」という理由で「楽」が1位に。ただ、「今後は被災地復興のために、建設業は仕事が増えそう」という声も見られました。
商社/流通、小売/外食、サービスは「耐」が1位で、「震災により、モノやサービスの需給バランスが崩れた状態に耐えた」という回答理由が目立ちます。このように、震災の影響は業種によって異なることがわかりました。また、IT、金融は、震災の影響を直接受けたという声は少ないですが、「経済情勢が厳しく苦労した」という「苦」が1位となっています。
【業種別】2011年の仕事観を表す漢字は?
業種 | 漢字 |
---|---|
メーカー | 忙 |
IT | 苦 |
金融 | 苦 |
建設/不動産 | 楽 |
商社/流通 | 耐 |
小売/外食 | 耐 |
サービス | 耐 |
調査概要
2011年も残すところあと1カ月。今年は、東日本大震災や、円高、タイの洪水など、日本経済に大きな影響を与える出来事が多数ありましたが、ビジネスパーソン一人ひとりの仕事を取り巻く状況はどうだったでしょうか?正社員として働く25〜39歳のビジネスパーソン1,000名を対象に、今年の仕事観を表す漢字一字を聞きました。
【対象者】25歳〜39歳のホワイトカラー系職種の男女
【雇用形態】正社員
【調査手法】ネットリサーチ会社を利用したインターネット調査
【実施時期】2011年10月22日〜23日
【有効回答数】1,000件