近年、働き方の多様化が進む中、副業を認める企業や副業をしている人のニュースを聞く機会が増えてきました。しかし、以前より身近になってきてはいるものの、実際にはどのくらいの人が副業をしているのか、疑問に思っている方も多いのではないでしょうか? そこで本記事では、社会人15,000人へのアンケート調査結果から、副業をしている会社員の割合や、どんな副業をしているのか、いくら稼いでいるのか、いつ副業をしているのかなどをデータとともに紹介します。併せて、副業が認められている企業の割合も紹介します。
副業とは?
以前に比べると少しずつ身近になってきた「副業」。複数の仕事を持つことは「副業」「複業」「兼業」など、さまざまな言葉で表現されていますが、それぞれに明確な定義があるわけではありません。副業とは、一般的には「本業を持っている人が、収入を得ることや経験を積むことを目的に本業以外の仕事をすること」を意味します。
働き方の多様化が進むとともに、副業解禁に関しては国の後押しも進んでいます。厚生労働省は2019年に「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を策定し、副業のルールを発表しました。2022年7月には2回目の改定も実施されています。
副業に対する関心が高まる中、現在会社員として働く人のうちどのくらいの人が、どのような副業をしているのでしょうか。本記事では以下の15項目における副業の実態について調査しました。
- サービス業(接客・販売)
- ホームページ・CGなどの制作
- ネットビジネス(通販・アフィリエイト・ネットショップ運営)
- 病院事務/薬局業務
- 講師/家庭教師/試験監督
- 警備/軽作業
- 製造/土木作業
- 株/FX
- 運送/配達(Uber Eats など)
- PC・回線設定/プログラミング
- コールセンター
- 事務作業
- チラシ配り
- マーケティング・広報・編集・ライター
- ハンドクラフト(手づくり)品の販売
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副業をしている人の割合はどのくらい? 月5万円以上稼げる?
副業をしている人の割合
2022年8月に転職サービス「doda」が社会人15,000人に対して行った調査によると、「あなたは今、副業をしていますか」という質問に対し、「している」と答えた人が前回より0.2pt増え8.2%、「検討中」と答えた人も前回より0.6pt増え18.4%でした。一方、「していない」と答えた人が前回より0.8pt減少し73.4%となりました。前回調査時に比べて、実際に副業をしている、または検討中の割合が増えていることから、副業への興味や関心が少し高くなった様子がうかがえます。
副業でどれくらい稼いでいる?
副業の月収はいくらですか【年代別】
全体 | ||
---|---|---|
51,218円 | ||
20代 | 30代 | 40代以上 |
34,883円 | 35,208円 | 65,284円 |
副業の月収で最も割合が多いのが1万円未満で29.1%、次に多いのが10万円以上で15.9%、3番目に多いのが1万円台で15.4%でした。特に10万円以上の層は、34.4%だった前回調査に比べると半分以下の割合に大幅ダウン。全体では4万円以上の層で減少傾向が見られた半面、1万円未満が大幅に増えました。
年代別で見ると、20代・30代の平均は3万5千円前後なのに対し、40代は平均6万5千円となり、3万円近く高くなっています。全体の平均額は5万1,218円で、年代による差はあるものの、副業の平均月収は約5万円となりました。
副業の内容は?
副業の内容として最も多いのは「サービス業(接客・販売)」の20.8%、次に多いのは「株/FX」で19.4%、3番目に多いのは「ネットビジネス(通販・アフィリエイト・ネットショップ運営)」で11.4%でした。前回調査と比べると1位と2位が逆転し、「サービス業(接客・販売)」が前回の17.9%から2.9ptアップしています。背景には、コロナ禍で縮小していた対面での接客や販売が少しずつ復活してきている影響があるのかもしれません。
男女別で見ると、「サービス業(接客・販売)」は女性、「株/FX」と「ネットビジネス(通販・アフィリエイト・ネットショップ運営)」は男性の割合が多くなっています。
会社員で副業ができる人の割合はどのくらい?
副業が認められている会社の割合は?
勤務する会社で副業が認められているかどうかについては、約4分の1の25.3%の人が「認められている」と回答しました。一方、「禁止されている」は49.8%と約半分を占めています。副業解禁が少しずつ広がっている動きはあるものの、現実的にはまだハードルが高い様子がうかがえます。
どんな業界が副業を認められている?
副業が最も認められている業界は「旅行・宿泊・レジャー」の38.5%。次に割合が多い業界は「IT・通信」の36.8%、続いて「人材サービス・アウトソーシング・コールセンター」の34.7%となっています。「旅行・宿泊・レジャー」はコロナ禍で大きく打撃を受けた業界だったことも、副業の解禁の後押しになった要因の一つと考えられます。
一方、業界によって副業が認められている割合に差はあるものの、どの業界にも「禁止されている」と答える人が一定数いることが分かります。最も禁止されている割合が高いのが「金融」で63.7%。顧客の資産を扱う金融業界は、情報漏洩による自社の信頼損失のリスク回避から、副業を禁止する企業が多いのかもしれません。
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副業をしている人はどんな人? いつ活動している?
副業をしている人はどんな人?
男女別では、副業を「している」割合は女性が9.1%、男性が7.7%で女性のほうが高くなりましたが、「検討中」の割合は男性が19.6%、女性が16.2%で男性の割合が高くなりました。「している」と「検討中」を含めると男性のほうがやや高くなりますが、男女差はほとんど見られませんでした。
職種別で見ると、副業をしている割合が最も高いのは「クリエイティブ系」の15.9%、次いで「コンサルタント/不動産専門職」の12.7%、僅差で「医療系専門職」の12.6%が続きます。ただし、検討中を含めると「コンサルタント/不動産専門職」がトップになりました。一方、「していない」割合が最も高いのが「金融系専門職」で、80.8%の人が副業をしていないと答えています。
いつ副業をしている?
いつ副業をしているかについては、休日が最も多く70.2%、勤務終了後が次いで多く42.8%という結果になりました。副業をしている人の約半数が、本業の勤務終了後にも活動していることが分かります。副業を無理なく実行するためには、仕事量や副業に充てる時間をどのように管理するかがポイントになりそうです。
副業を始めたタイミングは?
副業をはじめた時期を調査すると、2019年以前にはじめた人が5割以上を占めましたが、コロナ禍が始まった2020年以降に開始した人が毎年一定数いることが分かりました。2022年は調査をした8月時点ですでに前年の2021年と同じ割合になっており、2020年からは年々増えている様子がうかがえます。コロナ禍でテレワークが普及し、オフィス以外の場所で仕事をすることに抵抗がなくなったことや、通勤時間が短くなり自由になる時間が増えるなど、副業を始めやすい環境が整備されたことも影響していると考えられるでしょう。
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doda編集長解説
今回の調査結果では、副業をしている人は男女ともに1割以下という結果になりました。メディアなどで副業のニュースが取り上げられる機会が増えてきた印象はあるものの、実際には、大多数の会社員は副業をしていないことが分かります。
また、企業の状況を見てみると、副業を禁止している企業が49.8%と約半数にのぼりました。副業を認めている企業は25.3%と4分の1にとどまりましたが、厚生労働省が「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を策定して副業を後押ししている状況もあり、今後、副業を認める流れが広がっていくかもしれません。
会社員にとって収入増だけではなく、人脈や新たなコミュニティの構築、スキルアップなどメリットが多い副業ですが、本業も含めて時間管理は個人に委ねられるため、オーバーワークになる可能性も含んでいます。実際に副業をしている人からは、「プライベートの時間がなくなる」「心身の疲労が大きい」などのデメリットがあるという意見も見られます。本業と副業、仕事以外のプライベートの時間も含めて、バランスをどう保つかが課題となるでしょう。
本調査を参考に、副業を含めた自分自身のキャリアや働き方を再考してみてはいかがでしょうか。
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調査概要
【対象者】20歳~59歳の男女
【雇用形態】正社員
【調査方法】ネットリサーチ会社を利用したインターネット調査(ネットリサーチ会社保有のデータベースを元に実施、doda会員登録の状況については不問)
【実施期間】2022年8月22日~8月30日
【有効回答数】15,000件
※ウェイトバック:正社員の地域・年代・性別に合わせて実施
※記事中の割合データは、小数点以下第二位を四捨五入しているため、合計値が100%にならない場合があります。
※データのご利用について:出所が「転職サービスdoda」であること、本ページのタイトルを明記し、本ページへのリンクを掲載のうえで、利用してください
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