スマートフォン版で表示

現在、お知らせはありません。

転職ストーリー

銀行員からJICAへ。
「国」と「人」の想いをカタチにするために

藤井 輝明さん

「困っている人のために何かしたい」――幼少期に抱いたその思いが、国際協力の道を歩む原動力となったという藤井さん。大学時代はバックパッカーとして諸国を渡り歩き、大手銀行での海外勤務を経てJICAに入構しました。バングラデシュでのプロジェクトを通じて感じた、「国創り」ともいえる仕事のやりがい。そして国境を超えて信頼を築いたエピソードについて語ってもらいました。

PROFILE

藤井 輝明さん

独立行政法人 国際協力機構 南アジア部 南アジア第四課 企画役
2014年 メガバンクでの海外勤務を経てJICAに入構

「人のために頑張りたい」。それが自分の核だった

まずは、転職先にJICAを選んだ理由について教えてください。

幼少期にテレビで紛争地域のニュースを見て、「外国で困っている人のために何かしたい」と思ったことが、海外への興味を抱いた原体験です。それから国際協力に興味を持ち始め、学生時代はバックパッカーとしてアジア・中東諸国を回りました。この経験を活かすべく、実は新卒当時もJICAに就職を希望していたのですが、残念ながら縁が繋がらず……。転職という形で再チャレンジしての入構です。

新卒ではどのような会社に入社したのですか?

大手都市銀行です。専攻が経済系だったので、JICA以外では金融系の企業を中心に就職活動をしていました。最終的に入社を決めた銀行は、面接を通して「ここなら、人や社会のためになる仕事ができる」と考えたからです。信頼できる上司・同僚たちに囲まれ、「海外勤務がしたい」という希望も叶えてもらい、マレーシアで融資担当の法人営業としても働きました。現地の邦人コミュニティの方々とも仲良くしていただいて、充実した生活を送っていましたね。

恵まれた環境のように思えますが、何が転職のきっかけになったのでしょうか?

心のどこかに、「本当にこれで良いのか?」という思いがあったのだと思います。仕事は「金融という仕事を通して社会に貢献している」というやりがいを実感できるものでしたが、ライバルたちとの厳しい競争の中に身を置かなければならないのも事実です。「この先20年以上ずっと続けていけるか?」を考えるようになったのと同じタイミングで、たまたまJICAの中途採用の募集を見かけて。悩みを脱するきっかけになればと思い応募したのが契機になりました。

一度試験に落ちた組織に応募するには、勇気が必要だったのでは。

背中を押してくれたのが、当時の会社の先輩だったんです。「君は、競争よりも誰かのために汗をかく仕事の方が合っているよ」と。本当に私の人間性を見ていてくれたからこその言葉とわかって、嬉しかったですね。JICAへの転職が叶わなかったとしても、何らかの形で国際協力に携わる道を選ぼうと心が決まりました。同僚も「どんな結果になっても、色々な国で幸せそうに働く藤井の姿が浮かぶよ」とエールを贈ってくれて、ありがたかったです。当時の会社で出会った方々は素晴らしい人たちばかりで、皆さんに成長させてもらえたから今の私があると思っています。

インタビューに応じる藤井さん

人と人とが繋がって、国の想いを形にする

現在の仕事について教えてください。

南アジア部にて、バングラデシュへの円借款・技術協力・無償資金協力などの案件を担当しています。日本とバングラデシュには50年を超える緊密な協力関係があり、インフラや教育をはじめとするさまざまな開発支援を行ってきました。直近担当した案件では、食品安全性の向上や食品加工業の振興を目的に、バングラデシュ初の国際標準の食品安全検査施設整備を目指す事業を進めました。その他、頻発するサイクロン等による自然災害から農村部の住民の生活を守る堤防や道路整備を行う開発事業等を並行して進めています。年に4~5回ほどは現地に足を運んでいます。

念願だった国際協力の仕事。実際に携わって、どんなやりがいを感じていますか?

その国の将来を背負う優秀な相手国の行政官の方々とともに、「国創り」に協力できるという点は何にも代え難いやりがいです。そして、その仕事には本当に多くの方々の力が結集しているのだということを実感しています。たとえばインフラ整備を例に挙げても、技術的な知見のない私一人では前に進めることができません。十数年という長期的なスパンで開発を行う案件なら、成果を積み重ねて後を引き継ぐ人にバトンを渡していく必要もあります。それぞれのスペシャリティを持つ人が繋がり合うことで、日本とバングラデシュ両国の想いを形にしていく仕事なんです。

“人を巻き込んでいく力”が求められそうな仕事ですね。

まさに、その点がポイントになります。異なる国のさまざまなポジションの人間が関わるので、お互いが「何を前提に話をしているのか」を確認したうえでコミュニケーションを取ることが大切と考えています。誰に・いつ・どんな風に話をするのかでも物事の進み方が変わってきます。コミュニケーション力と段取り力が求められますが、私の場合は銀行時代に鍛えられた力がそのまま役立っている。“たられば”の話になりますが、もし私が新卒でJICAに入構していたら苦労していただろうなと思いますね(笑)。

階段に立つ藤井さん

真剣にぶつかり合ったから生まれた信頼

仕事での思い出深いエピソードをご紹介いただけますか?

まさに先ほど挙げた、円借款で支援した食品安全検査施設の件でのことです。バングラデシュ側の主担当者とさまざまな議論をしながら進める中で、両国の立場の違いからくる衝突も多くありました。日本の皆さんの税金を原資として開発事業を進める以上、私たちとしてはプロジェクトを最大限に意味のあるものにしたい。一方、バングラデシュにも守りたい優先順位やルールがありますし、円借款での借入は資金の返済が必要となり先方側でも説明責任が生じるため、日本側の提案を一方的に受け入れるわけにはいかない。難しい議論が続き、ほとんど喧嘩のような状態で打ち合わせしたこともあります(笑)。会議の後は声が枯れている……なんてことも、ありました。

先ほど仰っていた、「両国の想いを形にする」ための苦労ですね。

はい。しかし、真正面からぶつかり合えて本当に良かったと思っています。現地での協議も無事に終えてバングラデシュから日本へと発つ際、バングラデシュ主担当の方からメールが届いたんです。内容はこうでした。「一緒に仕事ができて良かった。藤井さんが、日本のことと同じくらいバングラデシュのことを真剣に想ってくれていたことは、わかっているよ。またバングラデシュに来るときはぜひ連絡がほしい」。そのメールを読んで、震えました。同時に、「最後にこんなメッセージをくれるなんて、彼の方が一枚上手だったな」と。国を背負った方々と真剣に向き合う仕事のおもしろさを改めて感じた、忘れられないエピソードです。

この、得難い経験ができる仕事に挑戦したいという方々にアドバイスはありますか?

たくさんの人とともに歩んでいく仕事だからこそ、自分ならではの“軸”を持つことが大切だと思います。現在どんな業界でどんな仕事をしていようとも、真面目に取り組んでいれば自分の軸となり得る力は必ず伸びてくるはず。将来、今の経験が必ず活きると信じて、進んでいただければと思います。

CAREER JOURNEY キャリアの変遷

  1. POINT01

    バックパッカーに費やした学生時代 旅とアルバイトに勤しんだ大学生活。アメリカ・ミネソタ州へ1年間の交換留学も経験。

  2. POINT02

    大手都市銀行へ就職 国内の支店を複数経験後、マレーシア勤務に。現地でやりがいも厳しさも味わった。

  3. POINT03

    JICAへ入構 「世の中を良くしていきたい」という想いで働いている人が多く、優しい雰囲気が気に入っている。

  4. NOW!

    国際協力の領域でキャリアを築く 途上国の課題が時代によって変化する中、どのような付加価値をもって貢献できるか模索中。

ステップで分かる転職ノウハウ

  • 共働き夫婦の実態~世帯年収や仕事・転職事情についての調査~

転職サイトdodaをシェア

<a href="https://doda.jp/">転職サイト「doda」</a>