転職ストーリー
人事・総務職からデジタル庁へ。
国全体のDX化への挑戦
国のデジタルインフラの構築を推進するデジタル庁。国民一人ひとりがデジタル化の恩恵を受けられる社会を目指し、さまざまな施策に取り組んでいます。今回は、民間の研究機関からデジタル庁へ転職した佐藤さんにお話を伺いました。前職でのジョブチェンジが転機になったという佐藤さんの、人事・総務職を経験したからこそ見出せたキャリアや現在のやりがいとは――。
佐藤 遼河さん
デジタル庁 戦略・組織グループ 統括監理担当
2023年、人事院の経験者採用試験を経てデジタル庁に入庁
ユーザーは国民全員。規模の大きさがやりがい
まずは、佐藤さんの現在の業務内容を教えてください。
戦略・組織グループ内、政府情報システム全体のプロジェクト監理を所管するチームで、総括および企画業務を担当しています。政府情報システムは全部で1000以上存在していて、利便性向上や効率化に向けた取組が常に進められています。それら各プロジェクトの計画書を見ながら、国民から託された大切な税金を効果的に投じて、より良いシステムを作るための全体的な方針を考えるのが今の部署の主な仕事です。
現在の部署を含め3つのポジションを経験されたそうですね。印象に残っているプロジェクトを教えてください。
入庁1年目に経験した、マイナンバーカードのリニューアルの仕事です。デジタル庁は発足以来、マイナンバー制度の運営に深く関与し、確定申告など行政サービスのオンライン化という形で便利な暮らしづくりに貢献してきました。カードの保有率はいまや国民の8割に迫っていることから、マイナンバーカードは約1億人のユーザーを抱える巨大なサービスといえます。スケールの大きさにやりがいを感じながら、機能拡充やデザイン刷新の議論に参加しました。
また、2年目には政務官の秘書官として、スケジュール管理や国会答弁のチェックなどを通じ、国会議員である政務官を全力でサポートしました。国会審議の際には、審議対象の法案や答弁のテーマに関する政策について毎回調べる必要があり非常に大変でした。でも、まさに政府の営みに携わっているという手ごたえは格別で、充実感のほうが遥かに大きかったです。
やりたい仕事は、社会人経験を通じて見えてきた
前職での仕事と、転職を決めた経緯を教えてください。
新卒では民間の研究機関に入職し、総務と人事を経験しました。転機となったのは、グループ企業の健康保険組合への出向です。それまで研究機関の職員500名程度だったサポート対象が一気に健保組合の被保険者15万人、被扶養者を含めると30万人にまで膨らんだのです。この規模の大きさに手ごたえを感じ、もともと持っていた、人を支える仕組みづくりへの興味がより強くなりました。そこで、さらに多くの人に影響を与えられる公益性の高い仕事がしたい、と考えて転職先を探し始めました。
なかでも、なぜデジタル庁を選択したのでしょうか。
前職の経験からITに興味を持ったことが理由です。健保組合の担当者として健診の管理システムの改修を発注した際、専門用語への理解不足が原因でイメージ通りに仕上がらなかったことがありました。この出来事への反省から、ノンエンジニアであってもITの知識を備えることの重要性を感じて学び始め、応用情報技術者と情報処理安全確保支援士の資格を取得しました。基礎知識を身につけたことで社会のデジタル化への課題意識と期待が生まれ、国のDXをつかさどるデジタル庁に惹かれるようになりました。
IT系の資格を取得されているほか、デジタル庁の採用試験にあたっても猛勉強されたそうですね。勉強はもともとお好きなのでしょうか?
いいえ、学生時代はむしろ机に向かうことに苦痛を感じるタイプでした。ところが、社会人になってから知識不足のために業務がうまくいかないなどの事態に直面したとき、学ぶことの意味や価値を痛感し、初めて前向きに学べるようになりました。働きながら公務員試験の対策をするのは本当に大変で、連夜日付が変わるまで問題集に向き合う日々でした。目的意識さえあれば、案外やり抜けるものですね。
ユーザーを思うマインドセットで、一段上がった視座
デジタル庁での仕事を通して、ご自身に変化を感じたことはありますか?
一番大きな変化は、ユーザーを思いやれるようになったことです。振り返ると以前は公益性の高い仕事を手掛けること自体を重視している節がありましたが、いまはサービスの受け手である国民一人ひとりに満足してもらうことに意識を向けています。きっかけとなったのは、前述のマイナンバーカードのリニューアルプロジェクトでの出来事でした。長い時間を掛けて進めてきたものがニュースになったことに達成感を覚えました。しかし一方で、ネガティブなものを含むさまざまな反応が返ってきたことにハッとしたのです。ユーザーの率直なフィードバックを得るのは私にとって初めての体験で、このときから「どうしたらもっと喜んでもらえるか」「どうしたらもっと便利に感じてもらい豊かな暮らしの助けになれるか」に軸足を置けるようになったと感じています。
改めて、今後の目標を教えてください。
目指しているのは、システム開発・運用と行政事務の両方に精通した人材になることです。発注側と開発側の架け橋となり、的確なデジタルインフラの構築に貢献したいです。そのためにはまず、さまざまな部門で知見を広げることが大切だと考えています。秘書官として国会答弁を扱った経験は現在の部署で国会関係の資料収集の場面で活きていますし、前職での総務や人事業務の経験は組織構造を俯瞰して立ち回る力として大いに役立っています。部署を横断した経験を蓄え、糧にして、デジタル庁の掲げる「誰一人取り残されない、人に優しいデジタル化」を実現したいです。
キャリアの変遷
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民間の研究機関で、総務や人事を経験 30万人を支える健保組合の運営を経験し、公益性の高い仕事に興味を持つ
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ITに興味を持ち資格を取得 勉強嫌いから一転、ITの活きた知識を身につけるおもしろさに目覚めた
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デジタル庁へ入庁 マイナンバーカードのリニューアルなど、やりがいのあるプロジェクトを多数手掛けた
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「人に優しいデジタル化」のためにさまざまな分野に挑戦 発注側とベンダー側の架け橋役となり、国民全員が豊かさを享受できるデジタルインフラを作っていく







