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転職ストーリー

販売・店舗運営スタッフから行政職へ。
接客のプロが「社会への恩返し」を選んだ理由

永沢 美菜さん

接客を極めるため、世界的ラグジュアリーブランドの販売員として活躍していた永沢さん。しかし、キャリアを重ねる中で「上質なモノを売る」先にある、自身の本当の願いに気づきます。それは、かつて抱いた「誰かの役に立ちたい」という純粋な想いでした。育児と仕事を両立しながら試験対策をし、豊島区の行政職員へと転身した彼女が語る、接客スキルを公共の力に変えるやりがいと、新たな挑戦への想いとは。

PROFILE

永沢 美菜さん

豊島区子育て支援課児童給付グループ 主任
2025年4月に入職。児童給付に関連する業務を担当。

磨いた接客力を活かして、次は「社会の役に立つ」仕事がしたい

前職を選ばれた理由を教えてください。

私は元々、対話を通じて人に感謝されることが好きでした。大学時代のアルバイトで、受験でお世話になった予備校に講師として戻ったのも、「誰かの力になりたい」一心から。同じ授業でも、生徒によって受け取り方や理解度はさまざま。一人ひとりに合わせた指導を考える時間は、私にとってやりがいを感じるものでした。就職活動では、多くの方と対話することで得られる発見や、心の通い合いが生む関係構築に魅力を感じ、接客業を志しました。「やるなら一番レベルの高い環境で自分を試したい」。その思いで、高い専門性が求められるハイブランドの世界を選んだのです。

現場で学んだ「接客の極意」とは何だったのでしょうか?

高額なバッグを「お求めやすい」と感じる方もいれば、「結婚記念日の特別な品」として買う方もいます。大切なのは、短い時間で相手が求める“刺さる情報”を見極めること。耐久性を重視するのか、デザインに惚れ込んでいるのか、相手に合わせてアプローチを細かく変えるスキルを磨き続けました。その結果、入社6年目には各カテゴリーの責任者を任せていただけるようになりました。メンバーの育成や売上管理など、店舗運営の根幹に携わる経験は、私の財産になっています。

順調なキャリアの中で、なぜ転職を考えられたのでしょうか。

顧客の満足や笑顔は大きなやりがいでしたが、キャリアを重ねる中で「このスキルを、生活の根幹を支えるために活かせないか」と考えるようになったんです。学生時代に感じた誰かの役に立てる手応えを思い出し、自分の力をより公共性の高い場所で使いたいという想いが強くなりました――その想いが転職への第一歩です。

インタビューに応じる永沢さん

コロナ禍での出産が転機に。子どもへの「宣言」を覚悟に変えた

転職を決意した決定的な出来事はありましたか?

2020年の出産です。コロナ禍で一歩も外に出られない不安な時期、自治体の相談支援や経済的援助に本当に救われました。「今度は私が支える側に回りたい」と強く実感した出来事です。また、これまではシフト制で夜が遅くなることもありましたが、子育てをしながら長く働き続けることを考え、仕事と家庭を両立するための制度が整った行政職に惹かれました。豊島区は子育て支援の先駆け的な区であり、民間出身の女性区長が活躍されている点も、キャリア入職を目指す私にとって大きな安心感となりました。

民間から官公庁への転職は大きな決断だったと思います。試験対策はどのように進めたのですか?

事務経験も知識もゼロだからこそ、「公務員試験科目と面接試験で公平に評価してもらえる」点は私にとってチャンスでした。オンライン予備校を活用し、子どもが就寝した後の1〜2時間や、通勤・送迎中にイヤホンで講義を聴き続け、コツコツと勉強を重ねました。心がけたのは、自分を逃げられなくする「外堀を埋める」作戦。子どもに「ママは来年からここで働くんだよ!」と豊島区の区役所庁舎を見せて言い聞かせ、自分を追い込みました(笑)。夫も全面的に協力してくれて、家族一丸となって勝ち取った合格でした。

実際に豊島区役所で働いてみて感じる「豊島区らしさ」はありますか?

豊島区職員のバックグラウンドも実に多彩です。民間出身の区長をはじめ、異業種から転身した先輩方が多く活躍されているので、私の「接客経験」も一つの確かな専門スキルとして尊重してもらえました。新しい挑戦を“特別なこと”としてではなく、行政サービスを良くするためのポジティブな強みとして受け入れてくれる風通しの良さが、何よりの心強さに繋がっています。

階段に立つ永沢さん

「選べない」行政サービスだからこそ、誠実に向き合う力が活きる

前職経験を活かせていると感じる瞬間は?

現在担当する『ひとり親手当』の窓口業務では、離婚や死別などで人生の岐路に立った方々と向き合います。行政サービスは民間のように「気に入らなければ別の店へ」という選択ができません。豊島区に住む方にとって、ここは唯一の窓口。だからこそ、プロとして安心を届ける責任があると考えています。

制度上、法的根拠は絶対であり、個人の感情でルールを変えられません。しかし、マニュアル通りの説明だけでは、相談者の不安を解消するのが難しいのも現実です。ここで活きるのが、前職で培った「相手の仕草や表情からニーズを察する力」です。制度を正しく伝えつつ、相談者の心境に寄り添った言葉を選ぶ。少しでも晴れやかな気持ちで一歩を踏み出していただくための対話スキルは、公共サービスの質を高めるための不可欠な武器になっています。

同僚の方とは、日頃どのように連携されていますか?

まだまだ判断に迷う場面も多いですが、ベテランの方や育休から復帰された方など、多様な背景を持つ同僚がいつでも相談に乗ってくれる風通しの良さに救われています。

普段の連携が特に試されるのが、年に一度の現況届の処理時期です。現況届とは、受給資格を確認するために毎年提出する書類のこと。すべての受給者から提出される届出を4人のメンバーでミスなく処理し、確実に審査を行い、適切な給付へと繋げる。質・量ともに高い対応力を求められるこの業務は、メンバーのチームワークが不可欠です。緻密な役割分担で山場を乗り越え、無事に処理が完了した時の達成感は何物にも代えがたく、チームの絆がさらに深まるのを実感しました。

公務員を目指す方へのメッセージをお願いします。

「ハードルが高い」と思うかもしれませんが、状況を察する力や対話力は、行政の現場でも武器になります。「誰かの役に立ちたい」という想いがあれば、道は開けます。勇気を持って、飛び込んでみてください!

CAREER JOURNEY キャリアの変遷

  1. POINT01

    大学時代は予備校講師として「対話」の面白さを実感 大学時代のアルバイトを通して、一人ひとりのニーズにコミットする「喜び」を学ぶ。

  2. POINT02

    最高峰の接客を求め、ブランドの世界へ挑戦 接客を極めるためハイブランドの世界へ。入社6年目には各カテゴリーの責任者を任され、管理職としてのスキルも磨く。

  3. POINT03

    出産を機に行政の価値を実感。猛勉強で転身 コロナ禍で産育休を経験。行政支援のありがたみを肌で感じ「支える側」を志望。育児の合間に試験対策を行い、家族の応援を背に豊島区へ。

  4. NOW!

    接客力を活かして、区民の「安心」を支える存在へ 現在は、ひとり親手当の給付業務を担当。磨いたコミュニケーション能力を武器に、区民に寄り添う公共サービスのあるべき姿を追求中。

ステップで分かる転職ノウハウ

  • 40代の転職エージェントの活用法は?利用するメリットや40代の転職事情も解説

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