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転職ストーリー

民間では出会えなかった舞台へ。
技術を愛してたどり着いた、防衛省という場所

松尾 裕美さん

防衛省南関東防衛局調達部設備課で、自衛隊施設の電気通信設備に関する設計・工事監督を担う松尾裕美さん。メーカーでの設計・工程管理11年、ビル管理会社での設備管理7年を経て現職へ。技術者家系に生まれ、幼少期から技術への興味が尽きなかった彼女が、好きという想いを極めることでたどり着いた防衛省という場所。造る側と使う側、民間と公共の両方を経験したからこそ感じる魅力を語っていただきました。

PROFILE

松尾 裕美さん

防衛省 南関東防衛局 調達部設備課 係長
自衛隊施設の電気通信設備の設計・工事監督や仕様確認・現場調整・関係各所との連携などを担当。

技術への情熱が形に。民間で磨いた“造る側”と“使う側”の視点

幼少期から技術が好きだったと伺いました。

母方の祖父が旧国鉄の機械工、母方の曾祖父と父方の祖父が大工の棟梁という技術者家系で、幼い頃から仕事のエピソードを耳にしていました。また、父が新しいもの好きで、当時いち早く買ったワープロに触れさせてくれたことも、技術が好きになったきっかけです。

自然と、大学は工学部を選びましたね。知能機械システム工学科で、ボイラーの実施設計から簡単なプログラムまで、技術の基礎を幅広く学びました。その後は教授の紹介で、制御盤など盤全般の設計製造を行うメーカーに就職しました。

メーカーではどんな仕事を経験しましたか?

設計担当として、制御盤・配電盤を中心に通信関連や照明、受配電設備まで幅広く担当しました。設計が案件の責任者として全体調整も担っていたので、工程管理の視点も鍛えられました。また、工場が本社と同じ敷地にあり、組立から検査、出荷まで一気通貫で見られる環境だったことも、技術好きな自分にはピッタリでした。図面を描けること、工程を見られること、すべてが純粋に楽しかったですね。

そんな順調なキャリアに、入社11年目で転機が訪れます。

当時は女性技術者への風当たりが強く、これ以上の昇格は難しいと言われました。それならもっと技術的知見を広げようと思い、転職先として選んだのがビル管理会社です。

ビル管理会社ではどんな仕事を経験しましたか?

首都圏の大規模物件で設備管理をトータルに経験した後、新規立ち上げ物件の入札や各種書類作成、年間予算の策定に携わり、運用定着まで伴走しました。また、立ち上げた施設では設備員や清掃員、警備員のマネジメントを担当。テナントの運用条件や保安要件、更新計画を踏まえた物件管理などにも携わり、運営側の面白さも味わいました。メーカーにいただけでは知ることのできなかった、「設備を動かす視点」を骨太に育てられた7年でしたね。

インタビューに応じる松尾さん

防衛省という新天地。民間との違いが、新たな気づきをくれた

造る側、使う側どちらの経験も積んだことになりますね。

はい。とてもいい経験ができました。ただ、もう一度技術の真ん中に身を置きたい気持ちも大きくなりました。結局、子供のころから技術が大好きなので、やっぱり現場にいたかったんだと思います。

そこで出会ったのが防衛省でした。

自衛隊施設をはじめ、民間では携わることのできない特別な建物や仕様に触れられることが、素直に面白そうだと感じました。また、ちょうど女性技術者の採用が強化され始めた時期だったこともあり、現場で知識を吸収できる機会が確保されている点も大きな魅力でした。

防衛省ではどのような仕事を担当していますか?

現在は、自衛隊施設の受電設備や電力配線の構築、照明など電気通信設備の設計と工事管理を担当しています。建物や駐屯地・基地単位で設計発注や工事発注があり、それぞれ担当する区分を分けて案件を進めます。

この仕事を進めるうえでもっとも大切なことは、仕様書どおりの施工を担保しつつ全体最適をはかること。いままで以上に責任の大きさを感じていますが、設計図面のチェックは特に好きな領域なので、全体を俯瞰しながらリスクを早めに摘み取ることに醍醐味を感じています。なにより現場を見て知識を吸収したいという希望と、図面を確認して調整する面白さの両方が叶っていることがとても嬉しいです。

民間と公共、どちらも経験したからこそ感じる一番の違いはなんでしょうか?

工事に対する「根本思想」だと思っています。民間の場合は「顧客満足の最大化」が目的なので、見栄えや快適性、サービスの上乗せも、合理的なら積極的に採り入れます。一方で、公共は税金を使う以上「最低限必要なもの」を過不足なく揃えるのが原則です。

たとえば建物における電気通信設備の代表例として中央監視がありますが、民間の大型オフィスでは電力監視に加え、温度・湿度・バルブ開度などを緻密に確認できる高度仕様が一般的です。しかし自衛隊施設では電力監視を重視したシンプルな構成となっています。この違いにはじめは驚きましたが、立場が異なれば求められることも違うという点は技術者としての新たな気づきとなり、勉強になりました。

立っている松尾さん

10年後もここにいたい。培った技術は新たな分野へ広がっていく

一番やりがいを感じるのはどんな瞬間でしょうか?

既存設備の改修をメインで担当していますが、配線ルートに障害物が見つかったり、記録にない機器が出てきたりと、想定外の連続です。そんなとき、施工側と代替案を練り、できる限り予算内で収められたときには、大きなやりがいを感じます。

民間での経験は活きていますか?

建物内の設備の動きを立体的にイメージしながら、盤の“要”となる部分を具体的に語れるのは、これまでの経験があるからこそだと感じます。また、ビル管理会社時代に定例会議やオーナー説明を通して身につけた「なぜ工事が必要か」を噛み砕いて伝える力や、相手の話をその場で理解して回答するレスポンス力も、発注者側としての実務で役立っています。

仕事以外で感じたギャップはありますか?

民間と異なり決裁手順が多く、権限も細分化されていることは驚きでした。ただ、これに関しては期日から逆算してルートとプロセスを設計する、工程管理の発想で臨めばスピード感は担保できます。意外なところで経験が活きているなと感じます。

ありがとうございます。最後に、今後の目標を教えてください。

一言で自衛隊施設と言っても、庁舎・住居・食堂・体育施設など、施設内の多様な建物に触れる機会があります。「自衛隊施設の工事は街をつくるようなもの」という言葉を、入省の際に教わったことがとても印象的なのですが、まさにその通り。民間では経験できなかった魅力的な案件が多くまったく飽きません。

その分、工事をトータルで理解するためには、電気・上下水道・建築・土木など、総合的な知識が求められます。私のキャリアは電気設備がベースですが、他分野についても理解しておかないと調整がうまくいかないことも多いので、まずは建築・土木へと知識を広げていきたいと思っています。

10年後も今と同じ仕事をしているかはわかりませんが、体力が続く限り防衛省にいるだろうと思えるくらい面白い案件が集まっています。これからも技術に触れることを楽しみながら、防衛省に貢献し続けたいと考えています。

CAREER JOURNEY キャリアの変遷

  1. POINT01

    幼少期から技術の世界へ惹かれる 祖父や父の影響で自然と技術に興味を持ち、工学部で基礎を幅広く学びながら“技術が好き”という気持ちを確信していく。

  2. POINT02

    メーカーで“造る側”のスキルを磨く 制御盤・配電盤を中心に幅広い設備を設計。図面から工程まで一気通貫で携わり、技術者としての基盤を確立した11年間。

  3. POINT03

    ビル管理で“使う側”の視点を身につける 大規模物件の設備管理や立ち上げ、マネジメントまで担当。運用側の視点を得たことで、技術理解がより立体的に。

  4. NOW!

    防衛省へ入省。民間では味わえないスケールで、技術を極め続ける 特殊な建物の設計・工事監理に携わり、発注者として全体最適を追求。10年後もいたいと思えるほどのやりがいを実感している。

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