転職ストーリー
声優を目指していた私が、自衛官の最前線へ。
夢が変わっても挑戦はつづく。
大災害時の支援や国際平和への活動に取り組む自衛官。その自衛官のバックグラウンドは実にさまざまです。「自衛官って体力に自信がないと難しそう」「きびしい訓練ばかりで大変そう」——今回お話を伺った古賀さんも入隊前は同じイメージを持っていたそうです。しかし、ひょんなことから自衛官に興味を持ち、今ではその印象が大きく変わったといいます。彼女の心の変化をたどりました。
古賀 環さん
輸送隊 陸士長
2023年に入隊。トラックによる物資や人員の輸送任務を担当。
声優を目指して上京。一人で生計を立てる厳しさを痛感した
自衛官になる前はどんなことをされていましたか?
前職は不動産会社で事務として働いていました。でも、もともとは声優を目指しており、ほとんど所持品もないまま東京に飛び出してきました。もちろん声優になることは簡単ではなく、父の知人に紹介してもらった不動産会社で働き始めました。
不動産事務から自衛官に興味を持ったきっかけは何だったのでしょうか?
一番の理由は、生活にかかるお金に対して、毎月の収入に不安があり、今後の人生が心配になったからです。一人で暮らすには、家賃、食費、光熱費をすべて自分で払わなければいけません。毎月の固定費だけで精一杯で、「どうやったら生活費が浮かせられるのだろう?」と考えていました。そんなとき、たまたまYouTubeで元自衛官の方の動画に出会いました。興味本位で見ているうちに、少しずつ自衛官として働くメリットがイメージできるようになりました。自衛官として働くと、生活費がほぼかからず、収入の面でも安定していると知り、「選択肢としてありかもしれない」と思うようになりました。そこで、すぐに自衛官の採用サイトで詳しい情報を集めました。
自衛官になることに迷いはありませんでしたか?
体力的な不安はありました。でも、私は一度「これだ!」と決めたら、とことんやってみたいと思う猪突猛進タイプです。採用サイトに書いてあった電話番号に連絡して「自衛官の試験を受けたいのですが、どうすればいいですか?」と開口一番に聞きました。電話口の方が驚いていたのを覚えています。その後、広報官につないでいただき、採用試験の流れを教えてもらいました。
入隊後は、「意外とできる」の連続だった
入隊後、不安だったことは解消されましたか?
入隊が決まってからも体力面の不安はありました。運動部の経験もほとんどなく、唯一身体を動かしていたのは高校の和太鼓部くらい。「本当に務まるのだろうか」と思っていました。入隊前に広報官へ相談すると、「ガッツがあれば大丈夫!」と明るく言われ、その言葉に少し救われました。新しい環境に飛び込むとき、最後に必要なのは、やはり勇気なのかもしれません。
入隊前と入隊後で、ギャップはありましたか?
たくさんありました。良い意味で驚いたのは、休みがしっかり取れることです。夏休みや冬休みは10日以上あり、民間の企業に引けをとらないほど、お休みを長くもらえているかもしれません。(自衛官の1年間の休日は149日※2024年実績)前職では、土日出勤もあり、日付をまたぐ時間まで働き、夜は寝るだけの生活だったので、プライベートの時間は格段に増えました。今は土日祝が休みで、休みの日は駐屯地の外に遊びに出掛けることもあります。
また、自衛官はミッションを遂行することが目的なので、やるべき任務がないときはしっかり身体を休める、というスタンスも新鮮でした。
体力的な大変さはありますか?
もちろん大変な場面もありますが、想像よりも「できる」ことが多かったです。入隊前は、しょっちゅう山に行って過酷な訓練をして、みんな汗だく…みたいなイメージがありました。もちろん、山で訓練するときはハードですが、毎日行くわけではありません。毎年春に行われる体力検定も、3000m走や腹筋があり、最初は「絶対きつい」と思っていたのですが、意外とこなせます。脱落していた人もいなかったです。「きつそう」というイメージが先行していましたが、意外とできることが多くて自分でも驚きました。
メリットを知って、自衛官を選択肢の一つとして考えてほしい
自衛官になって成長できたことはありますか?
「ふるまい方」や「人への伝え方」が大きく変わりました。自衛官は命令系統が明確で、報告する相手の順番が決まっています。この仕組みにより混乱が避けられ、必要な情報を正確に伝える力も自然と身につきました。俯瞰して物事を見る力や、情報を整理して簡潔に伝える力も鍛えられたと思います。
今後の目標は何ですか?
1任期が終わり、2任期目に入っているのですが、次の階級である陸曹を目指したいと考えています。上司からも色々なタイミングで「陸曹目指してみる?やめたいと思うことはない?」と聞かれるので、その度に自分と向き合い、自分がどうしたいかを考えています。陸曹になるには勉強しなくてはいけないので難しいとは思いますが、挑戦していきたいです。
自衛官について、知ってほしいことはありますか?
自衛官には多くのメリットがあります。私自身、最初は生活費を抑えたくて自衛官に興味を持ちました。実際、入隊後は家賃や光熱費がかからず、食事も無料で提供されます。さらに、任期を満了するときにはまとまったお金が支給されるため、しっかり貯金できます(1任期2年間で約865万円の収入)。生活費を抑えながら安定した収入を得られるため、効率的な働き方だと思います。
お金があれば、将来の選択肢が広がります。大学の費用を貯めるために入隊する方もよくいます。やりたいことが決まっている人にとっては、その実現のための手段になりますし、まだ見つかっていない人にとっても、これからの選択肢を増やせる場所だと思います。体力面に不安を感じる方も多いと思いますが、自衛隊には多くの職種があり、必要とされる能力もそれぞれ異なります。まずは、その職種の幅広さを知るところから始めてみてほしいです。
キャリアの変遷
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声優を目指して上京。一人暮らしの大変さを痛感 不動産事務として夜遅くまで、土日も問わず働くも、東京で一人暮らしをする大変さを知る。
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元自衛官のYouTubeを見て、採用試験に応募 自衛官は生活費が0円と知り、強く惹かれる。その勢いのまま採用試験を受け、合格する。
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入隊後、想像以上についていける自分を発見 不安要素だった訓練も意外とできる。毎日ハードな訓練を行うわけではなく、体力面の不安は徐々に解消されていく。
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次の階級である「陸曹」への昇任を目指し勉強中! 2任期目に入っている現在、上司からも勧められ「陸曹」へのステップアップを目指すように。







