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転職ストーリー

まちをつくり、生活を守る。
ゼネコン出身の私が歩んだ公務員への軌跡

佐藤 賢太郎さん

「まちは誰かの仕事で支えられている」――幼少期に抱いたその思いが、公務員への道を歩む原動力となったという佐藤さん。学生時代は土木を専攻し、鉄道系ゼネコンでの現場経験を経て墨田区に入庁しました。民間企業から行政へ踏み出した決断の背景や、錦糸町駅周辺のまちづくりプロジェクトを通じて感じた公務員としてのやりがいとは。

PROFILE

佐藤 賢太郎さん

墨田区 都市整備部立体化・まちづくり推進担当 まちづくり調整課 主査
※インタビュー当時
鉄道系ゼネコンでの現場施工管理を経て、2016年墨田区に入庁

ゼネコンから墨田区へ。公務員を志した理由

公務員を目指したきっかけを教えてください。

幼い頃、実家近くで行われていた交差点整備を毎日のように眺めていました。都道と国道が交わるまちの大動脈が、日々の工事で少しずつ形を変えていく。その光景は、子ども心にも「まちは、人の手でつくられている」という気づきを与えてくれました。あるとき工事を担当する行政の方と話す機会があり、そこで初めて“行政がまちの暮らしを支えている”という事実を知りました。それが公務員の仕事を意識した原体験です。大学3年時には東京都水道局のインターンにも参加しました。

新卒での就職活動時は公務員試験に合格できなかったとのことですが。

はい。第一志望の東京都の試験には届きませんでしたが、「社会の基盤を支える仕事をしたい」という軸は揺らぎませんでした。土木業界に精通していた父や祖父からの「鉄道の仕事は、社会の基盤を守る仕事だ。景気にも左右されにくい」といった助言もあり、鉄道工事に特化したゼネコンに入社しました。

前職ではどのような経験を積まれたのでしょうか?

主にJR常磐線の利根川橋りょう架け替えや、JR常磐線上を跨る東京外環自動車道整備の現場で施工管理を担当しました。夜間作業に追われることもありましたが、仲間とともに鉄道インフラを支える構造物をつくり上げる達成感は、何ものにも代えがたいものでした。

再び公務員を目指したきっかけは何ですか?

単身赴任で家族との時間が取れない上司の姿を通して将来像を見つめ直す中で、「身近な暮らしも大切にしながら社会に貢献したい」という思いが次第に強まりました。その根底には、家族との時間を大切にしていた父の姿が影響しています。そんな折に特別区職員の募集を知り、「公務員として働きたい」という想いが、現実的な選択肢として再び浮かび上がってきたのです。自治体で働く友人の話も後押しとなり、やりがいとワークライフバランスの両立に確信を持ち、再挑戦を決めました。

佐藤さん

錦糸町が持つ多様性を失わず、市民にも訪問者にも愛されるまちへ

現在の仕事について教えてください。

まちづくり調整課で錦糸町駅周辺のまちづくりを担当しています。2030年代半ばに、有楽町線の豊洲駅〜住吉間が延伸されるとともに、半蔵門線を経由した東武線との相互直通運転が予定されています。この延伸を契機に、従来の総武線・半蔵門線によるアクセスに加え、湾岸方面とも結ばれることで錦糸町を含むエリア一体は“東京東部の結節点”へ進化し、来街者数の増加が見込まれます。現在は、地域の方々が練り上げた「錦糸町まちづくりビジョン~2040年の錦糸町~」、その想いを継承し、錦糸町のまちの将来像や方向性を定める“まちの羅針盤“となる行政計画の策定を進めています。

住民の方々が作り上げたビジョンが計画のベースになるんですね。

行政主導ではなく、市民の“生の思い”から計画を作り上げていくプロセスは、他のまちづくりではなかなか経験できない貴重な取り組みです。生活者の声をどう行政計画に落とし込むか。その翻訳作業には難しさもありますが、想いを具体的に形にしていく仕事の重要性を強く実感します。

錦糸町エリアの特徴と課題は何ですか?

北側は再開発によりまちの雰囲気が変わった一方で、南側には昔ながらの繁華街が広がり、「ディープな錦糸町」といわれる多様な文化が共存しています。この南北で異なる雰囲気が展開される“ごちゃまぜ”こそが錦糸町の魅力と考えます。一方で、鉄道施設や幹線道路でまちが分断されており、回遊性の低さが課題になっています。また、地域からは治安やマナー向上を求める声が多く、安全・安心なまちづくりが求められています。

前職の経験を活かす場面はありますか?

錦糸町駅周辺のまちづくりは、地上の道路ネットワークや駅前広場、バスターミナルだけでなく、地下鉄とJRとの乗換動線など、結節点ならではの“立体的な交通空間”を同時に考える必要があります。計画段階から鉄道事業者との調整や動線のシミュレーションを重ねていくことになりますが、鉄道インフラを深く理解しているからこそ携われる部分も多く、前職経験がダイレクトに活かせる点にもやりがいを感じています。

佐藤さん

未来のまちを描き、暮らしを支え続ける——行政が持つ本当の価値

錦糸町プロジェクトの計画策定にはどのくらいかかるのでしょうか?

今年度、計画策定に向けた委員会を立ち上げたばかりで、取りまとめまでおよそ2年を見込んでいます。いまは「2040年代頃を目標とした計画をどう実現するか」という大枠の検討段階で、住民の方々等が参加する会議体と、交通事業者等が参加する会議体を並行して開催しながら計画を練っています。“ゼロからルールをつくり、未来のまちを描いていく”まちづくりの醍醐味を日々感じています。

改めて行政の立場から土木に関わるやりがいを教えてください。

以前担当した東武鉄道伊勢崎線の高架化事業で、踏切除却前の最終列車が通過した後、集まった方々から割れんばかりの拍手が起こり、踏切除却を望む地域の期待に応えることが出来たと強く感じました。こうした数字では測れない暮らしの変化は、行政の現場で働くからこそ味わえるものです。また、まちづくりは数年から十年以上の時間軸で進むため、役職異動があっても計画は続き、想いが後任へと受け継がれていきます。いまの課題に向き合うだけでなく、未来のまちづくりの基盤やルールなどの土台をつくる役割を担えるのは、行政職ならではですね。

行政で働くうえで、大切にしている価値観はありますか?

行政の仕事は、多くの人と協働しながらまちの未来を形にしていく仕事です。だからこそ、自分の軸——「誰の、どんな暮らしを、どう良くしたいのか」を持つことが重要だと感じています。私自身の軸は、「移動と安全を起点に、日常の当たり前を底上げすること」です。民間で培った施工管理の経験は、関係者をつなぎ、段取りを整え、物事を一歩ずつ前に進める力として活きています。どの業界にいても、真摯に積み重ねてきた経験は、必ず公共の現場で活きてきます。民間で培った力を公共のフィールドで発揮し、まちの未来に寄与できること。その実感こそが、公務員として働く醍醐味だと思います。

CAREER JOURNEY キャリアの変遷

  1. POINT01

    公務員を志すも縁繋がらず 東京都水道局でのインターンシップを経験。公務員試験には不合格となり、土木の専攻を活かして鉄道系ゼネコンへ。

  2. POINT02

    鉄道系ゼネコンで現場施工管理 JR常磐線の橋りょう架け替え工事や道路整備を担当。昼夜勤務でやりがいも厳しさも味わい、将来のライフプランを見つめ直す。

  3. POINT03

    2016年に墨田区へ入庁 東武鉄道伊勢崎線の連続立体交差事業で前職の鉄道知識を活かし、発注者としての視点を習得。「地域に密着した仕事」の手応えを掴む。

  4. NOW!

    錦糸町のまちづくりでキャリアを築く 地下鉄延伸を契機に、2040年の錦糸町ビジョン実現へ。管理職選考にも合格し、次世代の育成にも意欲を見せる。

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