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転職ストーリー

営業事務・総務・秘書から農林水産省へ。
「支える経験」がつないだ新たなキャリア

短期大学の家政科食物専攻で食や栄養について学んだ後、営業事務や総務、秘書として約20年にわたり民間企業で経験を重ねてきた戸早さん。転機となったのは、ハローワークで見つけた農林水産省の求人でした。「心が躍った」と振り返る出会いをきっかけに、42歳で新たなキャリアを歩み始めます。戸早さんの歩みから、縁遠く感じられがちな国の機関も、これまで積み重ねてきたキャリアの延長線上にあることが見えてきました。

PROFILE

戸早 美貴さん

農林水産省 農産局 穀物課 米麦消費拡大推進室 穀物安定供給対策班/係長
2026年4月入省

求人を見た瞬間、心が躍った。約20年越しに「食」の仕事へ

もともと「食」に関する興味はお持ちだったと伺いました。

中高生のころ、時々家族に食事を振る舞うことがあり、そのたびに家族がとても喜んでくれたことがきっかけです。少し大げさに反応してくれていたのかもしれませんが、とてもうれしかったんですよね。自分自身、作ることも食べることも大好きだったので、短期大学では家政科食物専攻に進みました。

卒業後は食品関連ではなく、電気機器関連企業に入社されたのですね。

当時は就職氷河期で、なかなか内定を得られなかったため、業界を問わず幅広く就職活動をしていました。最終的に食品関連企業と電気機器関連企業から内定をいただきました。食品関連企業は短期大学で学んだことを生かせる一方、当時住んでいた千葉からは通勤しにくい場所にありました。もう1社の電気機器関連企業は丸の内にあり、若かったこともあって、「丸の内で働いてみたい」という憧れの方が勝り、電気機器関連企業への入社を決めました。

その後はどのようなキャリアを歩まれたのでしょうか?

電気機器関連企業では、営業事務として約10年間働きました。受発注業務や顧客対応、メーカーとの調整に加え、支店の立ち上げや後輩育成にも携わり、「一通りやり切った」という達成感があったんです。

その後は、より生活に身近な「住」に関わりたいと考え、不動産業界へ転職しました。不動産会社2社で計約9年、総務事務や部署のサポート、部長秘書などを経験し、さらに別の企業で社長秘書も務めました。振り返ると、約20年にわたり、一貫して誰かを支える仕事に携わってきたことになります。

「食」とは異なる分野でキャリアを重ねる中、農林水産省の求人にどのようにたどり着いたのでしょうか?

不動産会社で働いていた約9年間は契約社員だったため、40代からは正社員として働きたいという思いが強くありました。一方で、「食に携わる仕事がしてみたい」という気持ちもずっとあり、次は「食」を軸に転職先を探そうと考えたんです。

秘書の仕事を退職した直後の9月、ハローワークで農林水産省の求人を見つけました。目にした瞬間、「運命だ」と思いましたね。ハードルの高さはあまり考えず、「やるしかない」と。心が躍ったんです。「これは絶対に自分がやりたい仕事だ」と感じたので、駄目でもともとのつもりで挑戦してみようと思いました。

食への思いと民間経験を、農林水産省の仕事へ

求人を見つけてから選考までは、どのくらいの準備期間がありましたか?

1カ月余りだったと思います。説明会にすぐ申し込み、エントリーシートや小論文の作成に取りかかりました。当時は仕事をしていなかったので、準備に集中できたのは良かったです。

一次審査では、エントリーシートと職務経歴書を提出しました。通過後は、「これまでの経験を農林水産省でどう活かすか」をテーマに、2,000字の小論文に取り組みました。小論文は、市役所で働く姉にも見てもらったんです。「公的な立場で働くとはどういうことか」「そこで何を求められるのか」という視点からアドバイスをもらい、自分の経験と農林水産省の仕事とのつながりが伝わるよう、何度も推敲を重ねました。

これまでの民間経験と農林水産省の仕事を、どのように結び付けて伝えたのでしょうか?

実は、不動産会社では食と農に関する貢献施設の建設プロジェクトでアシスタントを担当し、若手の生産者の方々と交流する機会がありました。人手不足が課題となる中、地域や農業を盛り上げようと一生懸命に取り組む姿に、とても心を打たれたんです。国の立場から、そうした方々を支える仕事に携わりたいと思うようになりました。その思いを、小論文や面接でも伝えました。

また、食に関する職務経験がほとんどなかった分、農林水産省の業務についてできる限り調べ、仕事への熱意を自分の言葉で伝えることを意識しました。約20年間の民間企業での経験と、食に携わりたいという思いの両方を示せたことが、入省につながったのではないかと感じています。

公的な立場で働く上で、特に大切だと考えたことは何でしょうか?

官公庁の仕事では、国民の目線に立ち、何を求められているのかを考えることが大切だと思います。「今、誰が何に困っているのか」「何が足りないのか」「何を必要としているのか」を捉え、必要な施策につなげていく仕事だと理解しています。

内定の知らせを受けたときは、どのような気持ちでしたか?

泣きました。駄目でもともとのつもりで挑戦していたので、内定をいただけたことが本当にうれしかったですね。

民間で培った「支える力」を、国民のために

現在は、どのような業務を担当されていますか?

現在は、学校給食やこども食堂、こども宅食、フードバンクなどに、食育の一環として政府備蓄米を無償で交付する事業を担当しています。具体的には、申請書類の審査や予算要求のほか、関係団体や一般の方からの問い合わせに対応しています。

仕事のやりがいを感じるのは、どのようなときですか?

この事業では、学校給食などを通じて、お米や米食への理解を深める「食育」も大きな目的の一つです。こども食堂等から届く報告書には、子どもたちが食育をしながら食事をしている写真が添えられ、お米を喜んで食べる様子が、うれしい言葉とともに紹介されています。また、食材を確保すること自体が大変な団体も多く、「この制度を続けてほしい」という声も届きます。こうした業務の中でその先にいる子どもたちや団体の方々を身近に感じられ、やりがいを感じています。

民間企業での経験は、現在の仕事にどう活きていますか?

民間企業での経験は、現在の仕事にも役立っています。特に、総務で会社の代表電話を受けていた経験です。分からない問い合わせがあれば、自分で調べ、試行錯誤しながらマニュアルにまとめていました。そこで培った対応力は、現在の問い合わせ対応にも活きています。また、不動産会社で身につけた文書作成のスキルも役立っています。

これまで一貫して、誰かを支える仕事に携わってきました。民間企業で働いていたころと比べ、今は支える対象が国民や生産者、制度を利用する団体へと広がりましたが、相手のために何ができるかを考える姿勢は変わりません。さまざまな業務に向き合ってきたからこそ、「案外なんとかなる」と思える度胸もつきました。

今後、どのような職員になりたいと考えていますか?

農林水産省では、おおむね2年単位で異動があると聞いています。まずは現在の業務に全力で取り組みたいです。その上で、異動を通じてさまざまな分野を経験し、知識の幅を広げていきたいですね。周囲の方々から日々学びながら、いつか自分なりの専門性を持つ職員になりたいです。この年齢で、これほど意欲を持って仕事に取り組めていることを、本当にありがたく感じています。

最後に、これまでのキャリアを振り返って、今感じていることを教えてください。

私自身、短期大学で食物分野を学んだことを除けば、食に直接つながる職務経験はほとんどありませんでした。それでも、営業事務や総務、秘書として積み重ねてきた経験は、現在の仕事につながっています。 入省前から、壮大な夢や強い使命感を持っていたわけではありません。仕事に取り組む中で新たな目標が生まれ、責任感や使命感が少しずつ育っていくこともあるのだと思います。これまでの経験を一つひとつ生かしながら、私自身もさらに成長していきたいです。

CAREER JOURNEY キャリアの変遷

  1. POINT01

    「食」を学び、民間企業へ 短期大学で家政科食物専攻を学び、卒業後は電気機器関連企業に入社。営業事務として約10年間働く

  2. POINT02

    不動産業界などで経験を広げる 不動産会社2社で計約9年、総務事務や部署のサポート、部長秘書を担当。その後は社長秘書も経験

  3. POINT03

    農林水産省の求人に出会う 2025年9月、ハローワークで求人を発見。求人を見て「心が躍り」、すぐに選考準備を開始

  4. NOW!

    農林水産省で日本の食を支える 2026年4月に入省。政府備蓄米の無償交付に関する審査や問い合わせ対応に携わる

ステップで分かる転職ノウハウ

  • 【doda独自調査】営業職求人に見る「個人完結」から「巻き込み型」への変化の兆し

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