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転職ストーリー

創薬ベンチャーからAMEDへ。
研究成果を医療につなぐ、新たなキャリア

大学での研究、大学発ベンチャーでの創薬研究開発、そして医療分野の研究成果を実用化へつなぐ日本医療研究開発機構(AMED)での研究支援と人事戦略。佐々木さんは、役割を変えながら一貫して医療の発展に関わり続けてきました。「研究者」「研究支援者」と立場にこだわるのではなく、それまでの経験や強みをどう活かせるかを考えてきたという佐々木さん。研究者から研究支援、そして組織づくりへと広がったキャリアの軌跡を伺いました。

PROFILE

佐々木 貴之さん

国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED) 理事長特命室 課長
大学発創薬ベンチャーを経て、2015年のAMED設立と同時に入構

研究成果を医療へつなぐ。その過程に見つけた自分の強み

前職ではどのようなお仕事をされていたのでしょうか。

大学で医療研究に携わった後、博士課程在学中に立ち上がった大学発ベンチャーへ創業メンバーとして参加しました。主に、ビフィズス菌を活用した新しいがん治療法の研究開発に携わり、10年近く創薬研究を続けました。研究自体はとても面白かったです。もともと新しい治療法や医薬品開発に興味があって医療研究の道に進んだこともあり、自分が携わる研究が将来的に医療につながる可能性があることに大きな魅力を感じていました。

当時は、研究者として研究を続ける選択肢もあったと思います。なぜ違う道を選ばれたのでしょうか。

ベンチャーで担当していた研究テーマについて、米国で臨床試験を始めるための申請が認められ、実際に試験を開始できる段階まで進みました。当初より目標としていた臨床開発段階に研究開発が移行したことから、自分が研究開発担当者として担ってきた役割には、一つの区切りがついたと感じました。同時に、今後のキャリアや自分の適性を考えるようになったタイミングにもなりました。

研究に携わる中で、新しい知見を生み出すことだけでなく、その成果を医療技術や医薬品として実用化していく過程にも、強くひかれている自分に気づきました。特に、さまざまな関係者と調整しながら、実用化に向けた課題を一つひとつ解決し、物事を前に進めていくことにやりがいを感じ、自分の強みを活かせると思うようになったんです。

優れた研究成果が生まれても、それだけで医療現場に届くわけではありません。研究者の卓越した成果を患者さんへ届けるためには、研究者をはじめ、企業や医療機関など、多様な関係者との連携が必要です。また、当時はベンチャーならではの時間的な制約などもあり、日本ですぐに臨床開発を始められる状況ではありませんでした。だからこそ、日本発の研究成果が社会に届くまでの過程を支える仕事に興味を持つようになりました。そんな時に出会ったのが、設立準備中だったAMEDでした。

研究する人から、研究を支援する側へ

AMEDのどのようなところに魅力を感じましたか?

AMEDは2015年に設立された組織で、大学や研究機関で生まれた研究成果を、臨床研究や実用化へつなげる研究開発を支援しています。基礎研究から実用化まで、研究開発の各段階を切れ目なく支えることで、新しい医療技術や医薬品を患者さんへ届けることを目指しています。

AMEDを知った当時の私には、研究を日本ですぐに臨床開発へ進められなかったことに心残りがありました。そうした経験があったからこそ、実用化を見据えて研究開発を支援するAMEDの構想に強くひかれました。「日本発の研究成果を、革新的な医療技術や医薬品として世の中へ届ける仕事に携われる」と知り、自分がやりたかったことと重なる、運命のようなものを感じました。

AMEDに入構後、現在までの担当業務について教えてください。

入構から約5年間、がん研究分野の研究支援を担当しました。研究費の配分や進捗管理を行いながら、研究者や企業の方々と一緒に研究開発を前に進めていく仕事です。

アカデミアと企業では、例えば、データに対する考え方や、必要とされるデータの取り方が異なる場合があります。基礎研究では研究者の自由な発想が重要ですが、医薬品として実用化する段階では、開発のために取得すべきデータや進め方があります。

優れた研究成果であっても、医薬品として実用化するためには、研究面に加えてさまざまな視点から研究開発を進めることが必要となります。私自身、アカデミアでの研究とベンチャー企業での研究開発の双方を経験していたことで、それぞれの立場や課題を理解しながら、研究成果を実用化につなげるための支援に関わることができたと実感しています。

その後、約4年間、部・課全体の運営に関わる業務の取りまとめや機構内外との各種調整などを担当しました。その後、経営企画課に異動となります。関係府庁との連絡・調整や機構内の重要事項に係る総合調整など、業務は大変でしたが、貴重な経験ができました。事業部門での経験を管理部門でどう活かせるかを考えながら業務にあたる中で、組織全体を俯瞰的に捉える視野が広がったと思います。

研究者ではなくなった。それでも医療の発展に関わり続けられる

現在は人事戦略の仕事を担当されています。

はい。現在は理事長特命室で、AMEDを今後さらに強い組織にするために、どのような経験を持つ人材を迎え、どの仕事や部署で力を発揮してもらうかといった人事戦略を考えています。

創薬支援とはまったく違う仕事に見えるかもしれませんが、自分の中ではそこまで考え方が大きく切り替わった感覚はありません。なぜなら、どの部署にいても目指しているものは同じだからです。

研究支援も、経営企画も、人事も、最終的にはAMEDという組織をより良くし、日本の医療研究開発を前進させることにつながっていると思っています。

AMEDならではのやりがいはどこにありますか。

研究そのものを支援するだけでなく、その先にある実用化まで見据えて関われることですね。医薬品開発には10年、15年という長い年月がかかることも珍しくなく、自分が担当している間に成果が実用化へ至るとは限りません。それでも、自分が関わった事業から生まれた研究成果が、その後企業へ引き継がれ、長い開発期間を経て承認などの成果につながったと知ると、「支援してきた研究が、患者さんへ届くところまで大きく前進したんだな」とうれしく感じます。

実際に研究や開発を行うのは研究者や企業の方々ですが、研究成果が患者さんへ届くまでの過程に関われるのは、AMEDならではの大きなやりがいだと思います。

AMEDに興味をお持ちの方へメッセージをお願いします。

研究職の方の中には、「これまで培ってきた専門性や経験を活かすには、研究者としてキャリアを歩み続けることが自然な選択だ」と感じている方もいるかもしれません。ですが、研究経験を活かせる場所は研究室の中だけではありません。

実際に、AMEDにも企業やアカデミア、省庁出身者など多様な経験を持つ人が集まっていて、そこで化学反応を起こすことにも大きな意義があると考えています。私自身、研究開発の現場だけでなく、事業の取りまとめや経営企画も経験してきました。多様な人材が集まり、一人ひとりが培ってきた経験や専門性を、それぞれの強みを活かせる役割の中で発揮していくことは、日本の医療研究開発を前進させるために欠かせないと考えています。また、そうした多様な人材が互いの強みを活かしながら活躍できる組織こそが、より大きな価値を生み出せると思います。

まずは面白そうだと思ったことに向かって、一歩踏み出してみる。その経験が、後から思いがけない形でキャリアにつながっていくこともあるのではないでしょうか。

CAREER JOURNEY キャリアの変遷

  1. POINT01

    理学部から医学部へ 理学部在学中に、医療研究の面白さに魅了され、医学部研究室で研究を開始。医学系博士課程へ進学

  2. POINT02

    大学発ベンチャーで創薬研究 博士課程の途中、創薬ベンチャーの立ち上げに参画。米国で臨床試験を開始できる段階まで到達

  3. POINT03

    AMEDに入構、研究支援という新たな挑戦 AMED設立と同時に入構し、アカデミアと企業の間で研究開発を支援。研究を直接支援する立場から、部・課全体の取りまとめや経営企画なども経験

  4. NOW!

    人材戦略で組織を強くする立場へ 理事長特命室で人事戦略を担当。AMEDが世の中にとって必要な組織であり続けるために、人事として組織の成長を支えていく

ステップで分かる転職ノウハウ

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