全体:転職求人倍率は‐0.09ptの2.57倍。求人数、転職希望者数は増加。転職希望者の増加のほうが大きく、転職求人倍率は下降。
2024年5月の転職マーケットの概要
- 2024年5月の転職求人倍率は2.57倍(前月差‐0.09pt/前年同月差+0.37pt)。
- 求人数は前月比100.5%、前年同月比119.4%。
- 転職希望者数は前月比104.1%、前年同月比102.1%。
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業種別では、求人数が前月比で12業種(「その他」は除外)のうち6業種で増加。
前月比で求人数の増加率が最も大きかったのは、「コンサルティング」(前月比104.3%)、次いで「メディカル」(前月比102.3%)。
前年同月比で増加率が最も大きかったのは「エネルギー」(前年同月比134.9%)、次いで「建設・不動産」(前年同月比132.8%)。 -
職種別では、求人数が前月比で11職種(「その他」は除外)のうち7職種で増加。
前月比で求人数の増加率が最も大きかったのは、「専門職(コンサル・金融)」(前月比103.0%)、次いで「専門職(建設・不動産)」(前月比102.6%)。
前年同月比で増加率が最も大きかったのは、「事務・アシスタント」(前年同月比134.4%)、次いで「エンジニア(機械・電気)」(前年同月比132.1%)。
2024年5月の転職マーケット
5月の求人数は前月比で微増し、引き続き高い水準で推移しました。業種別で求人数の増加率が最も大きかった「コンサルティング」では、DXやAIに関する戦略策定支援の需要の高まりから、IT戦略コンサルティングのポジションで増加しました。次いで大きかった「メディカル」では、製薬会社でのバイオ医薬品などの開発が活発な背景から、CRO(医薬品開発業務受託機関)で、特に治験に関わるCRA(臨床開発モニター)の求人が増加しました。今年度は、これまで活発だった未経験者採用の動きから育成に主眼を置く企業も多く、即戦力となる経験者採用のニーズがより高まっています。転職希望者数は、例年夏の賞与後の転職を目指して活動を始める人が増える傾向にあるため、増加したと考えられます。求人数、転職希望者数ともに増加しましたが、転職希望者数の増加率のほうが大きかったため、転職求人倍率は下降しました。
業種別:求人数の増加率が前月比で最も大きかったのは「コンサルティング」、次いで「メディカル」。
転職求人倍率は、前月差では12業種(「その他」は除外)のうち1業種で上昇し、前年同月差では12業種(「その他」は除外)のうち11業種で上昇しました。
求人数は、前月比で12業種(「その他」は除外)のうち6業種で増加しました。
前月比で求人数の増加率が最も大きかったのは「コンサルティング」(前月比104.3%)、次いで「メディカル」(前月比102.3%)でした。
職種別:求人数の増加率が前月比で最も大きかったのは「専門職(コンサル・金融)」、次いで「専門職(建設・不動産)」。
転職求人倍率は、前月差では11職種(「その他」は除外)のうち3職種で上昇し、前年同月差では11職種(「その他」は除外)のうち8職種で上昇しました。
求人数は、前月比で11職種(「その他」は除外)のうち7職種で増加しました。
前月比で求人数の増加率が最も大きかったのは「専門職(コンサル・金融)」(前月比103.0%)、次いで「専門職(建設・不動産)」(前月比102.6%)でした。
2024年6月以降の転職マーケット
6月の求人数は、欠員補充のための募集や、新卒の採用・入社が一段落する時期でもあり、例年第二新卒向けの求人が増える傾向にあるため、増加が見込まれます。転職希望者数も、引き続き、夏の賞与後の転職を目指し、活動を始める人が増えるため増加が見込まれます。例年の傾向から、転職希望者数の増加率よりも求人数の増加率のほうが大きい可能性が高いため、転職求人倍率は上昇すると推測されます。(doda編集長:桜井 貴史)
doda転職求人倍率の定義
「doda転職求人倍率」は、dodaの会員登録者(転職希望者)1名に対して、中途採用の求人が何件あるかを算出した数値です(小数第三位を四捨五入)。
【算出式】doda転職求人倍率 = 求人数(採用予定人員)÷ 転職希望者数
※求人数/転職希望者数はdoda独自の定義により算出したものです。
※転職希望者の「業種」「職種」は、希望する業種・職種ではなく、直近の仕事の業種・職種です。