面接の日程調整はどう進む?
そもそも、面接の日程調整はどのように進むものなのでしょうか。初めての転職の場合、面接の日程調整の具体的な流れを知らない人も多いかと思います。
そこで、まずここでは、面接の日程調整の一般的な流れについてご紹介します。
1.応募先から候補日程が送られてくるor提示を求められる
面接の日程調整については、大きく分けて以下の2つの方法があります。
- 1. 応募先から複数の候補日が送られてきて、その中から選択する方法
- 2. 応募先から希望日を求められて、こちらで候補日を提示する方法
どちらの方法が指定されるかは企業によって異なるため、メールの内容を確認して応募先から指定された方法で対応しましょう。なお、転職サービスなどを利用している場合は、日程調整をWeb上で行うケースもあります。
2.応募先に候補日程を伝える
応募先から複数の候補日が送られてきた場合は、候補日を確認し、希望の日程を伝えます。一方、応募先から希望日を求められた場合は、自身のスケジュールを確認した上で、複数の候補日を伝えます。
こちらの回答によって、応募先も面接のスケジュール調整に入ることになるため、候補日は確実に参加できる日を提示しましょう。
3.応募先からの返信で日程が決定する
応募先からの返信によって、正式な面接日が通知されます。基本的には、ここで通知された日程で面接日は確定するため、自身のスケジュールも含めて最終確認を行いましょう。
4.日程確定メールに返信する
応募先から日程確定メールが送られてきたら、了承の旨を返信しましょう。その後は、応募先からの指示(面接当日の持ち物や面接会場の案内など)に従って、面接の準備を進めます。
面接の日程調整メールを送る際の基本マナー
面接の日程調整とはいえ、応募企業に良い印象を持ってもらえるよう、マナーにも気を配りましょう。
ここでは、面接の日程調整メールを送る際に押さえておきたい基本マナーについてご紹介します。
会社のメールアドレスは使用しない
応募先とメールのやり取りをする際に、在職企業の社用アドレスを使用するのは避けましょう。
当然ながら、社用アドレスは勤務先の業務で使用するものです。在職中の社用アドレスで応募先企業とやり取りをしてしまうと、応募先から社会人としてのリテラシーがないことを懸念され、印象が悪くなる可能性があります。また社用アドレスは在職企業の管理下にあるため、転職活動をしていることを知られてしまうリスクもあります。
このように、在職企業の社用アドレスを使うのはリスクが大きいため、応募先とのやり取りは必ず個人のアドレスを使用しましょう。
原則24時間以内に返信する
応募先とのやり取りはできるだけスピーディーに行うことが重要です。原則24時間以内に返信することを心掛けましょう。
返信が遅れると、「入社意欲が低いのではないか?」と受け止められる可能性があります。万が一、返信が遅れてしまった場合は、お詫びも添えて返信しましょう。
面接の場で聞いたほうがいいことはメールで確認しない
面接の準備をしていると、気になることや知りたいことが出てくるかもしれませんが、面接前に問い合わせる場合は、事前に確認したほうがいい内容かよく考えた上で問い合わせるのがいいでしょう。特に、調べればすぐに分かる内容や福利厚生面についてばかり聞くと、入社意欲を感じてもらえず、面接で会う前に印象が悪くなってしまう可能性があるため注意が必要です。
面接の日程調整をする際の注意点
面接の候補日程を挙げる際は、注意すべきポイントがいくつかあります。
ここでは、面接の候補日程を挙げる際の注意点についてご紹介します。
候補日程は複数提示する
面接日程をこちらで指定できる場合は、1つの日程に限定するのではなく、3つ程度の候補日を提示しましょう。応募先もほかの応募者との日程調整を同時に行っている可能性があります。候補日が1つしか提示されておらず日程調整がスムーズに進まないと、ほかの応募者が先に選考に進んでしまうリスクがあります。また日程調整がスムーズに進まないことで、企業からの印象が悪くなる可能性もあります。
どうしても限定的な日程でしか都合がつかない場合は、一言添えて送りましょう。
併願企業で調整中の候補日程を提示しない
転職活動中は、複数の企業の選考が同時進行するケースも珍しくありませんが、その場合、ほかの応募先で提示している日時は候補日から外しましょう。
当然ながら、併願企業で調整中の候補日を提示してしまうと、ダブルブッキングが起こる可能性があります。日程が重複する可能性はそれほど高くないかもしれませんが、万が一重複してしまうと、再度調整が必要になり、企業からの印象が悪くなる恐れがあります。
面接前に印象を下げないためにも、ほかの応募先で提示している日時は候補日から外しておくのが賢明でしょう。
候補日程をすぐに提示できない場合は返信日の目安を連絡する
候補日をすぐに提示できない場合には、その旨を伝えた上で、いつごろまでに提示できるかの目安を連絡しましょう。
応募先とのやり取りはできるだけスピーディーに行う必要があります。どうしても回答が難しい場合は、いつごろに回答できそうか応募先に連絡を入れると好印象です。
逆に、提示できないからといっていつまでも返信をしないと、応募先からの印象も悪くなるため避けましょう。
面接の日程調整メールの書き方・返信マナー
メールで面接の日程調整をする際は、メールの書き方にも注意が必要です。ここでは、面接の日程調整メールの書き方をご紹介します。
宛先は正式名称を使用する
宛先の企業名・部署名・担当者名などは略さずに、必ず正式名称を明記しましょう。会社名の前や後に付ける「株式会社」も相手の名称の一部であり、「㈱」と省略するのは失礼にあたります。
なお、応募先の担当者名が分からない場合は、「採用ご担当者様」と記載すれば問題ありません。
件名はそのまま使用する
応募先とやり取りをする際は、メールの件名は変えずにそのまま使用しましょう。
企業側は日々の業務で多くのメールをやり取りしており、件名を変えてしまうと、どの相手とのやり取りかが分かりづらくなってしまいます。よほどの事情がない限り、メールの件名は変えないようにしましょう。
返信元の本文を残す
返信の際、応募先から送られてきたメールの本文は消さずにそのまま残しておきましょう。メールの本文はやりとりの履歴にもなり、消してしまうと、これまでのやりとりの流れが分からなくなる可能性があるからです。
本文を残したままではメールが長くなりがちですが、やりとりが記録として残っているほうが転職活動においては効率的です。気にせずこれまでの本文を残した状態で返信しましょう。
本文にお礼の文言を入れる
面接の調整や面接そのものに時間を割いてもらっているということを踏まえると、その都度、メール本文にお礼の文言を入れたほうがよいでしょう。
どんなささいなことであっても感謝の気持ちを伝える姿勢は、ビジネスシーンにおいても大切です。選考には直接影響しないかもしれませんが、採用担当者にポジティブな印象を与えられるため、お礼の文言はその都度入れることをおすすめします。
本文は簡潔にまとめる
メールの本文は分かりやすさを意識して、簡潔にまとめることが大切です。伝えたい要件やお礼など要点を絞って、シンプルにまとめましょう。
どうしても本文が長くなってしまうという人は、最低限伝えるべき内容を箇条書きにして、そこから本文を組み立てていくといいでしょう。
文末には署名を入れる
やり取りをしている相手が誰なのか分かるようにするためにも、メールの文末には署名を入れましょう。
文末に署名を入れることは、ビジネスメールにおける基本的なマナーの一つです。また、文末に署名を入れることによって、相手に本文が終了したことが伝わります。
なお、同姓の人がいる可能性も考慮して、署名はフルネームで記載するほか、電話番号やメールアドレスも併記しておくのが一般的です。
【メール例文】面接の日程調整をする場合(ケース別)
実際にメールで日程調整を行う際は、例文やテンプレートを参考にすると便利でしょう。ここでは、想定シーン別に面接の日程調整メールのテンプレートをご紹介します。
応募先に提示された候補日程から選ぶ場合
想定シーン
応募企業から面接の候補日程がいくつか提示され、その中から都合のいい日程を選んで返信する。
アドバイス
いくつか提示された中から、できれば第1希望、第2希望、のように複数の日程を選択して返信しましょう。
例文(サンプル)
- ●●●株式会社
人事部 ●●様 - お世話になっております。
○○○○(フルネーム)です。 - 面接日程のご連絡ありがとうございます。
ご提示いただいた日程の中から、希望日程をお知らせいたします。 - 1第1希望: ○月○日(○) ○:○開始~○:○終了
第2希望: ○月○日(○) ○:○開始~○:○終了 - ご検討くださいますよう、よろしくお願いいたします。
- 2○○○○
TEL:090-1234-****
MAIL:taro_nakayama@******.com
- 1特に指示がない場合でも複数の日程を選択したほうがよいでしょう。
- 2署名はフルネーム、携帯電話番号、メールアドレスの3点セットで。
応募先に候補日程を求められた場合
想定シーン
自分の都合の良い日時を選び、複数の日程を応募先に提示する。
アドバイス
自分の都合の良い日程から、第1希望から第3希望くらいまでを提示します。
面接時間は「面接開始時間」なのか「面接終了時間」なのかを明記するとよいでしょう。
例文(サンプル)
- ●●●株式会社
人事部 ●●様 - お世話になっております。
○○○○(フルネーム)です。 - 面接の機会を設けていただき、ありがとうございます。
面接の希望日程は、下記のとおりです。 - 1第1希望: ○月○日(○) ○:○開始~○:○終了
第2希望: ○月○日(○) ○:○開始~○:○終了
第3希望: ○月○日(○) ○:○開始~○:○終了 - お忙しいところ大変恐縮ですが、何卒よろしくお願いします。
- 2○○○○
TEL:090-1234-****
MAIL:taro_nakayama@******.com
- 1複数の日程(3つほど)を提示した上で、開始時間なのか終了時間なのかを明記したり、時間帯に幅を持たせたりするとよいでしょう。
- 2署名はフルネーム、携帯電話番号、メールアドレスの3点セットで。
応募先に提示された候補以外の日程を打診する場合
想定シーン
応募企業から面接の候補日程を提示されたが、どうしても都合がつかず、代わりの日程を打診する。
アドバイス
提示してもらった日程から選べなくて申し訳ないという気持ちを表しましょう。
ピンポイントの一択にならないように、複数の日程を挙げて打診しましょう。
候補の日程をいくつか挙げる場合、「10/2(月)の13時か18時」というピンポイントな提示はNGです。日付を決め打ちすると選べないからです。
例文(サンプル)
- ●●●株式会社
人事部 ●●様 - お世話になっております。
○○○○(フルネーム)です。 - 1面接日程のご連絡ありがとうございます。
あいにくご提示いただいた日程が急な出張と重なってしまい、いずれも都合がつかない状況でございます。
せっかくご提示いただきましたのに大変申し訳ございません。 - 2もし可能であれば、週明けの下記の日程で再度ご調整いただけませんでしょうか。
- ○月○日(○) 終日調整可能です(代休を取得しております)
○月○日(○) ○:○開始~○:○終了 - ご検討くださいますよう、よろしくお願いいたします。
- 3○○○○
TEL:090-1234-****
MAIL:taronakayama@******.com
- 1できれば、相手がやむを得ないと思える理由を書きます。
- 2できるだけ間を置かずに最短の日程を提示しましょう。 こちらから変更をお願いしていることになるので、「第1希望」「第2希望」などは書きません。
- 3署名はフルネーム、携帯電話番号、メールアドレスの3点セットで。
一度決めた日程は変更できる?
一度決めた面接日程は変えないに越したことはないですが、やむを得ない理由や正当な理由があれば、変更を申し出た上で応募先に判断を仰ぎます。
面接の日程変更は、応募先にも少なからず迷惑をかけてしまいますが、感謝と謝罪を伝えてていねいに対応すれば、印象が悪くならない可能性も。しっかりと誠意を示すことが大切です。
なお、複数回の日程変更は、応募先の信頼を損なう恐れがあるため、日程変更は基本的に1回までと認識しておきましょう。
【メール例文】面接の日程変更をする場合
想定シーン
既に決まっている面接日程を変更してもらえないか打診をする。
アドバイス
既に決まっている日程の変更は、“打診”といえどもリスクがあります。軽はずみな打診はマイナスの印象になることもあるので避けましょう。
面接日の前日や当日など、直前で変更する際には、電話で連絡しましょう。
日程を先延ばししてもらう場合は、ほかの応募者に決まってしまうかもしれません。代替として複数日程を提示し、「やむを得ない」と思ってもらえるような理由を書き添えます。
「諸事情で」や「業務多忙のため」といったあいまいな書き方は避けましょう。
例文(サンプル)
- ●●●株式会社
人事部 ●●様 - お世話になっております。
○○○○(フルネーム)です。 - 1○月○日(○)○:〇に面接のお約束をいただいております。
しかしながら、急な顧客トラブルが発生して対応を余儀なくされ、お約束の日時に伺うことが難しくなってしまいました。
せっかく日程調整をしていただきましたのに大変申し訳ございません。 - 2誠に勝手ではございますが、もし可能であれば、週明けの下記の日程で再度ご調整いただけませんでしょうか。
- 〇月〇日(〇) 〇:〇~
〇月〇日(〇) 〇:〇~ - 本来であれば日程変更は厳に慎むべきことではありますが、ご検討いただけますと幸いです。
何卒よろしくお願いいたします。 - 3○○○○
TEL:090-1234-****
MAIL:taronakayama@******.com
- 1相手がやむを得ないと思える理由を書きます。
- 2元の日程からあまり間を置かずに最短の日程を提示しましょう。
こちらから変更をお願いしていることになるので、「第1希望」「第2希望」などは書きません。 - 3署名はフルネーム、携帯電話番号、メールアドレスの3点セットで。
面接を辞退したい場合はどうする? メールで連絡してもよい?
万が一面接を辞退したい場合は、できるだけ早く応募先に連絡することが重要です。連絡をする際は、辞退の理由を明確にした上で、丁重に謝罪の意を伝えましょう。
なお、辞退の連絡は基本的にメールで問題ありませんが、面接日の前日や当日に辞退する場合は急を要するため、メールと電話の両方で伝えましょう。
面接の辞退は気まずいかもしれませんが、連絡が遅れれば遅れるほど応募先にも迷惑をかけてしまうため、迅速かつ誠実な対応が必要です。
メール上の面接日程の調整もビジネスシーンの一つ
面接の日程調整とはいえ、ビジネスシーンの一つであることに変わりはありません。選考結果に直接影響するものではありませんが、良い印象を持ってもらった上で面接に挑めるよう、ここまで紹介したマナーに沿ったメール対応を参考にしてください。
なお、面接の日程調整も含めて転職活動でお困りのことがあれば、「dodaエージェントサービス』への登録がおすすめです。dodaエージェントサービスは転職市場に精通したキャリアアドバイザーが多数在籍しており、幅広いサポートを受けられます。求人数も業界最大級のため、この機会に利用してみてはいかがでしょうか。
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この記事を監修したキャリアアドバイザー
橋本 諒(はしもと・りょう)
国家資格キャリアコンサルタント
【経歴】
前職・前々職でメーカーの人事を8年半経験した後、パーソルキャリア株式会社でITエンジニア、コンサルタント、データサイエンティストの方々の転職支援に従事。人事としての知見や、年間300人超の方とお会いしてきた経験を活かして求職者へのアドバイスを行っている。技術トレンドや採用ニーズの変化が激しいIT領域において、求職者の方々が「何を大切にし、何をかなえたいのか」を明確にして支援することを大事にしている。
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