転職市場の活性化が進む中、求人情報の掲載数も大きくその数を伸ばしています。「新しい分野にチャレンジしたい」「未知の可能性をもっと試してみたい」、そんな意欲的な方にとって、未経験者歓迎の求人は特に魅力的に感じるものでしょう。しかし同時に、こんな疑問をお持ちではありませんか?「即戦力が求められる中途採用において、本当に未経験でも大丈夫なのか」と。 今回は、“未経験歓迎”の言葉に隠された企業の本音と、求人に応募するにあたっての注意点やポイントを読み解いていきます。
1.未経験の定義とは?
ひとことで“未経験”と言っても、実は幅広い度合いがあることをご存じですか。どこまでを経験として受け止めるかは企業によって異なりますが、中途採用においては、大きくは「未経験者」「職種未経験者」「業界未経験者」の三つに分類されることが多いでしょう。求人情報のなかに未経験というキーワードを見つけた場合には、まずはその企業にとっての未経験が何を指しているのかを、正しく理解することが求められます。
2.「未経験者」歓迎の求人を読み解く
- キーワード
- 人物重視
- ポテンシャル採用
- 充実の研修制度
これまで社会人として一度も企業に勤めた経験のない方や、職種も業界も全く異なる仕事に新しくチャレンジしたい方がこの分類に該当します。学生時代などに働いたことはあっても、パートやアルバイトの場合は社会人経験としてはみなされないことが一般的です。
企業が未経験者を募集する背景には、以下のような場合が考えられます。
- 新卒採用で採りきれなかった人材の補充
- 他の会社の色が付いている人材を避けたい
- 将来の伸びしろに期待して
- 若手・第二新卒者を採用したい
- 業界・仕事内容が特殊なため、そもそも経験者が市場にほとんどいない
このような場合、企業は熱意や興味、意欲といった応募者の仕事に対する思いや、人柄や一般常識の有無といった人物像、今すぐは無理でも1年後、2年後、さらには10年後に会社の中核を担える人材へと成長できるかどうかといった中長期的な視点を持って採用を行います。また、社員を自社で一から育てる意向を持っているため、入社時の導入研修や仕事の習得レベルに応じた手厚い教育制度が整っている企業が多いのも、このケースの特徴です。
転職活動成功のヒント
その会社で「働く」ということに、あなたが今後どう向き合っていくのかを明確に伝えましょう。実績や経験の無さを下手にとりつくろっても仕方がありません。企業が知りたいことは過去目線の話ではなく、会社の成長にとって、あなたの存在がどれほど欠かせないものになってくれるかどうかです。「前向きな姿勢で業務に取り組めるのか」「腰を据えて長く活躍してもらえるか」「常に新しいことに挑戦し、成長しつづけられるか」「不足している経験や知識を学ぶ意思はあるか」など、未来を見据えた前向きな意欲とコミュニケーションが求められています。また、実務経験はなくても、学校で勉強したことがある、趣味を通じて知識を持っているといった点が評価されるケースもありますので、ぜひ、積極的にアピールしてみてください。
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3.「職種」「業界」未経験者歓迎の求人を読み解く
- キーワード
- スキルアップ
- キャリアアップ
例えば、これまでずっと医療業界で営業の仕事をしてきたけれども、医療事務の仕事にチャレンジしてみたいといった職種未経験からの転職や、消費財メーカーでの営業経験を活かし、次は広告業界で働いてみたいといった業界未経験からの転職が、このケースです。
企業が職種未経験者・業界未経験者を募集する背景には、以下のような場合が考えられます。
- 入社後のギャップが少ない
- 必要な知識やスキル習得までの時間が短縮できる
- 共通認識・共通言語を用いて会話ができる
- 前職で得た経験を活かして、会社に新しい風を吹き込んでほしい
- これまでにない新しい事業モデルを立ち上げたい
不足している知識や経験を補うための教育・サポート体制が整えられていることは多いですが、同時に、企業はあなたに1日も早く戦力として活躍してもらいたいとも考えています。未経験の分野であっても、これまでの経験から培った肌感覚や仕事への熱意があれば、早期でのキャッチアップが可能だろうと期待しているのです。また、「業界での経験があれば具体的な仕事内容は知らなくても、その業務を手掛けていた人が身近にいたり、一定の理解を持って入社してもらえるのでは」「業界ならではの作法や習わしを学ぶ必要はあるが、同じ職種の業務経験があれば、仕事の根本は同じなので違和感なく馴染んでもらえるのでは」といった思惑も込められています。
転職活動成功のヒント
第一に、企業は未経験歓迎をうたいながらも、あなたのこれまでの経験にも期待しているということを認識することが大切です。たとえ一見畑違いと思えるような仕事の成果であっても、業務を通じて成し遂げた実績はていねいに伝えましょう。そのうえで、今の自分に足りていないものを客観的に判断し、「○○はできない代わりに、私には△△ができます」「不足している○○も、△△の経験を活かすことで早期に身につけられます」など、前向きな話につなげてください。また、新しい分野に挑戦することに対する意欲や、その仕事に就きたい理由や背景、将来成し遂げたい目標やキャリアパスなど、あなたの希望がイメージ先行のただのあこがれに終始しているのではないことを、しっかりとアピールしましょう。
4.経験者のあなたは―
もしもあなたが「自分は未経験者ではないから」という理由だけで、求人の詳細も確認せずに応募を敬遠してしまっているのであれば、それは大きなチャンスの喪失と言わなければなりません。具体的な仕事内容や会社の魅力を、いま一度、しっかりと読み込んでみてください。あなたの希望に適ってはいませんか?
未経験歓迎の求人というと、経験者には物足りない仕事なのではと思われる方もいますが、上に述べたように、企業が未経験者を募集する背景にはさまざまな要因があります。例えば、仕事に対する思いの強さだったり、新しいことに取り組もうとする前向きさ、環境に馴染む柔軟さなどを、企業は期待しているのです。あなた自身が、企業が求めるそれらのポイントをしっかりと押さえることができていれば、「経験」は、あなたを転職成功へと導いてくれる大きな支えとなるでしょう。誰でもできる簡単な仕事だからという理由で、企業は未経験者を歓迎しているわけではありません。「責任ある仕事」「チャレンジングな仕事」「成長できる仕事」に巡り合えるチャンスは、未経験歓迎の求人情報の中にもあふれていることに、ぜひ気づいてください。
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