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オーバーワークとは?仕事での意味や主な症状、自己診断のポイントを解説

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オーバーワークとは、単なる一時的な忙しさではなく、継続的な過重労働や十分な回復時間の不足によって、心身に大きな負担がかかっている状態を指します。本記事では、オーバーワークの意味や原因、代表的な症状、セルフチェックの目安、具体的な対策までを解説します。

この記事のまとめ

  • オーバーワークとは、自身のキャパシティを超えたはたらき方が続き、心身に大きな負担がかかっている状態
  • 放置すると疲労の蓄積によりパフォーマンスの低下や燃え尽き症候群(バーンアウト)を招き、今後のキャリアや仕事に支障が出る可能性もある
  • 現職での改善が難しければ、転職によって環境を変えてみるのも一つの選択肢

仕事におけるオーバーワークの意味とは?

仕事におけるオーバーワークとは、単なる「一時的な忙しさ」とは異なり、自身のキャパシティを超えたはたらき方が続き、十分な回復が追いつかず、心身に大きな負担がかかっている状態を指します。

毎日遅くまで残業が続いたり、休日も仕事のことが頭から離れなかったりすると、「もしかしてオーバーワークかもしれない」と不安になることはありませんか。繁忙期やプロジェクトの佳境など、限られた期間だけ業務量が増える「多忙」であれば、一段落したあとに十分な休息をとることで回復できるでしょう。しかし、息をつく暇もないまま慢性的にはたらきすぎている場合、それはオーバーワークの状態に近い可能性があります。

「まだ頑張れる」「周りも忙しいから」とこの状態を見て見ぬふりをして放置すると、次第に疲労が蓄積し、心身の不調を招くことで、今後のキャリアや日常生活そのものに支障をきたすリスクが高まります。深刻な不調につながる前に、今の自分のはたらき方を客観的に見直し、必要に応じて休息や相談、業務調整につなげることが大切です。

なぜオーバーワークは起こるのか?

オーバーワークの背景には、職場環境や業務設計の問題などがあります。

例えば、部署全体が慢性的に人手不足であったり、特定の担当者に業務が偏りやすい体制になっていたりする職場環境は、過重労働を生みやすくする大きな要因です。これらは特定の業界や職種に限らず、組織の体制や業務配分によって起こる問題です。

そこに加えて、「自分がやらなければ組織が回らない」といった状況になりやすく、結果として仕事を引き受け続けてしまうこともあります。

オーバーワークを解消するためには、まずは、職場の体制や業務の進め方に見直せる点がないかを整理し、上司に相談しましょう。万が一上司に相談しにくい場合は、人事など別の社内窓口に相談するのも手です。
それでも解決しない、または心身に負担が出ている場合は、産業医や医療機関に相談してみましょう。

オーバーワークの代表的な兆候

オーバーワークに陥っているとき、私たちの体や心は疲労やストレスの蓄積を知らせるSOSのサインを無意識のうちに発しています。自分自身を守るためには、このサインを見逃さないことが非常に重要です。

具体的には、「身体」「心」「行動」という3つの側面にさまざまな変化が現れ始めます。少し疲れているだけだろうと些細な異変を放置してしまうと、日常生活や仕事に支障が出る可能性があります。まずは、どのようなサインが出やすいのか、代表的な変化を見ていきましょう。

身体的な兆候

分かりやすい変化は、体に現れる慢性的な疲労感です。十分に睡眠をとって休んだつもりでも疲れがまったく抜けず、朝から体が鉛のように重く感じるようなら、疲労が蓄積しているサインかもしれません。

また、常に仕事のプレッシャーにさらされていることで緊張状態が続き、「疲れているはずなのに寝つきが悪い」「仕事のことが気になって夜中に何度も目が覚めてしまう」など、睡眠の質が著しく低下してしまうケースも起こり得ます。休んでも回復しないだるさや睡眠の乱れが続く場合は、疲労やストレスの蓄積、あるいは身体・メンタルの不調が関係している可能性があります。

精神的な兆候

オーバーワークは、心の余裕を低下させ、精神的な状態にも影響することがあります。日々の業務に追われて余裕のない状態が続いていると感情のコントロールが難しくなり、以前であれば気にも留めなかったちょっとしたミスや同僚の言葉に対して、イライラしたり、不安になったりしやすくなります。

さらに、休日に大好きだった趣味に取り組んだり、好物を食べたりしても、楽しいと感じにくくなる、気力が湧きにくくなるといった変化が出ることもあります。強いストレスや疲労が続くと、物事を順序立てて考えられなくなるなど、仕事に対するモチベーションや集中力そのものが低下してしまいます。

行動的な兆候

普段の行動にもオーバーワークのサインが現れることがあります。注意力がどうしても散漫になってしまうため、これまではやらなかったような書類の入力ミスや、大切な約束、日常的なタスクの物忘れが増えることがあります。

同僚や友人からの誘いを億劫に感じることが増えているようなら、疲労やストレスが強まっているサインの一つかもしれません。

オーバーワークのセルフチェックリスト

「最近少し忙しいだけだから、まだ大丈夫」と無理を重ねていませんか。真面目で責任感が強い人ほど、不調になかなか気づけないものです。だからこそ、主観的な感覚だけでなく、今の状態を少し客観的に振り返ることが役立ちます。

ここでは、厚生労働省が公開している「労働者の疲労蓄積度自己診断チェックリスト」などを参考に、最近1カ月の状況を振り返るための簡単なセルフチェックリストを用意しました。以下の質問に対して、「はい」か「いいえ」で直感的に答えてみてください。

【心身の状態に関するセルフチェック】

  • 朝、すっきりと起きられず、前日の疲れが重く残っている
  • 仕事中、理由もなく強い不安や焦りを感じることがある
  • 以前は楽しめた趣味や休日の予定に、まったく興味が湧かない
  • 些細なことでイライラしてしまい、感情をうまくコントロールできない
  • 寝つきが悪い、または夜中に何度も目が覚めてしまう

【仕事の環境・状況に関するセルフチェック】

  • 直近1カ月の残業時間が45時間を超えている、または長時間労働が続いている
  • 休日や深夜であっても、仕事の連絡が気になり心が休まらない
  • 自分のスキルや経験に対して、明らかに多すぎる業務量を抱えている
  • 仕事でトラブルや困り事があっても、周囲に相談できる相手がいない
  • 「自分が休んだら職場が回らない」と強いプレッシャーを感じている

いかがでしたか。「はい」の数を数えて、現在の状態を確認してみましょう。

◆「はい」が0~2個(比較的負担が少ない可能性)
現時点では、オーバーワーク傾向が強く出ていない可能性があります。これからもオンとオフのメリハリをつけ、こまめな休息やセルフケアを続けていきましょう。ただし、不調がある場合は早めに相談しましょう。

◆「はい」が3~5個(負担が蓄積している可能性)
疲労とストレスが蓄積し始めているサインです。「まだ頑張れる」と無理を続けると、限界を迎えてしまう恐れがあります。まずは休息を確保し、可能であれば有給休暇の取得や業務量の調整を検討しましょう。業務の優先順位を見直すなど、今の働き方を少しずつ変えていく工夫が必要です。

◆「はい」が6個以上(早めの相談・調整を検討したい状態)
疲労やストレスがかなり蓄積している可能性があります。これ以上一人で抱え込むのは心身に負担がかかってしまうため、まずはしっかりと休養をとることを最優先にしてください。その上で、上司に業務の調整を相談したり、社内の相談窓口を活用したりと、働く環境を変えるための具体的なアクションを起こすことをおすすめします。

※このチェックリストはあくまで自身の働き方を振り返るための一つの目安であり、医学的な診断や病気の判定に代わるものではありません。不調が長く続く場合は、決して一人で悩まずに医療機関や専門家を頼ってください。

出典:「労働者の疲労蓄積度自己診断チェックリスト」(厚生労働省)

オーバーワークの具体的な対策

チェックリストでご自身の状況をつかんだあとは、これから無理なくはたらき続けるための具体的な対策を考えていきましょう。

とはいえ、いきなりはたらき方を大きく変えようとすると、かえってプレッシャーになってしまうこともあります。そのため、軽度の負担であれば、自分で取り組めるセルフケアから始めるのも一つの方法です。それでも改善の兆しが見えない場合は、一人で抱え込まずに周囲の人へ頼る「環境への働きかけ」へと、状況に応じて段階的にステップアップしていくとよいでしょう。

自分で取り組める対策

真面目で責任感が強い人ほど、無意識のうちに休憩を削ってパソコンに向かい続けてしまいがちです。「1時間に1回は席を立って背伸びをする」「休憩時間には5~10分ほど外を散歩する」など、物理的・心理的に仕事から離れる時間を意識的につくってみてください。

また、完璧主義を少しだけ手放す工夫も大切です。すべての業務に対して100点満点を目指すのではなく、タスクに明確な優先順位をつけ、業務の目的や影響度に応じて、どこまで仕上げれば十分かを上司や関係者と確認し、必要以上に一人で抱え込まないようにしましょう。

そして何より重要なのが、勇気を出して自分のキャパシティを周囲に伝える練習です。「今の業務量では、追加対応が難しい状況です。優先順位を相談させてください」「この部分を手伝ってもらえませんか」と正直に伝えることは、決して無責任なことではありません。仕事の質と自分の健康を守るために重要な調整力です。

環境に働きかける対策

自分なりの工夫やセルフケアを試しても状況が好転しない場合、個人の努力だけでは解決しにくい、職場の体制や業務配分など組織の構造的な課題が関係している可能性があります。そのようなときは限界まで一人で抱え込まず、信頼できる第三者に相談しましょう。

まずは直属の上司や同僚に対して、現在の業務量や残業時間を事実として伝え、業務の再配分やスケジュールの見直しを打診してみましょう。もし直属のチーム内で声を上げにくいのであれば、人事部門や社外の相談窓口を頼ることで、客観的なアドバイスや具体的な支援を得やすくなります。

「何度相談しても体制が変わらない」「そもそも相談できるような雰囲気ではない」という深刻な状況であれば、自身の心身を大切にする視点も重要です。心身の健やかさを最優先に守るため、休職制度の利用や配置・業務内容の見直しを相談し、それでも改善が難しい場合には、より健全な環境へ移るための「転職」を選択肢として考えることもできます。

まとめ

オーバーワークは、業務量や職場環境、仕事への向き合い方などの要因が重なって起こり得る問題です。真面目で責任感の強い人ほど一人で抱え込みやすいこともありますが、誰にでも起こり得る問題です。だからこそ、体や心から発信される小さなSOSサインを「気のせいだ」と見逃さないことが大切になります。

「自分がもっと頑張らなければ」とご自身を責める必要はありません。まずはしっかりと休息をとり、心身を休ませることを最優先にしてください。そして、勇気を出して周囲の信頼できる人や相談窓口に声を上げるという一歩を踏み出してみましょう。

もし、今の職場環境を自力で変えることが難しく、「このままここではたらき続けるのはつらい」と今後のキャリアに迷いや不安を抱いたときは、転職エージェントなどに相談してみるのも選択肢の一つです。相談することで、自分に合ったはたらき方を整理できる場合もあります。

ただし、心身の不調が強いときは、転職活動そのものが負担になる場合もあります。まずは休息や医療・産業保健への相談を優先し、判断できる状態を整えてから環境の見直しを検討しましょう。

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この記事を監修した心理学博士、臨床心理士、公認心理師

関屋 裕希(せきや・ゆき)氏

東京大学大学院医学系研究科デジタルメンタルヘルス講座所属 特任研究員

早稲田大学文学部心理学専攻卒業、筑波大学大学院人間総合科学研究科発達臨床心理学分野博士課程修了。専門は、産業精神保健(職場のメンタルヘルス)であり、業種や企業規模を問わず、ストレスチェック制度や復職支援制度などのメンタルヘルス対策・制度の設計、職場環境改善・組織活性化ワークショップ、経営層・管理職・従業員それぞれに向けたメンタルヘルスに関する講演や執筆活動を行う。著書に『感情の問題地図』(技術評論社)、『モチベーションの問題地図』(技術評論社)など。

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