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転職成功者のさまざまな体験談を紹介!わたしの転職エピソード

Vol.55

公開日:2019/9/9

気分屋な上司のこだわりについていけない…やりたい仕事に時間をさくために転職

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気分屋な上司のこだわりについていけない…やりたい仕事に時間をさくために転職

コシヒカリ/31歳/男性/転職2回目

一生のスキルを身につけたいと奮起し、最初の転職で学生時代の知識を活かせる法務の仕事に就いたコシヒカリさん。そこで法務の仕事の面白さに気づいて打ち込みますが、上司の妙なこだわりで契約書をはじめとする書類作成が足止めされることに我慢の限界がきて…。もっとやりたい仕事にエネルギーを使いたいと、2度目の転職を決意しました。

不動産会社 法務
機械部品メーカー 法務
  • 30代
  • 男性
  • 既婚
  • 人間関係
  • 成長・スキルアップ

YAさん

法務の仕事って面白い!でも部長と直でやり取りするようになってからは…

——1社目は法務ではなかったんですね。

はい、実は新卒のときはそれほど企業選びにはシビアではなかったんです。就職難だったし、いちばん募集が多かった営業職で、まず入れること優先で企業選びをしたところがありました。そうしたらちょっとしたブラック企業で、残業は多いし、機械の営業なのに建築現場の施工管理も任されるしで、昼は客先回り、夜は現場という過密業務になってしまって。

将来を考えると、学生時代に学んだ法学の知識を活かせる仕事に就いたほうがいいなと思い、4年目に入ったころ、不動産会社の法務に転職しました。

——2社目で始めた法務のお仕事とは、どんな内容ですか?

契約書の審査とか知的財産の管理、株主総会や取締役会の運営、法人登記など、幅広くやってました。法務の仕事って、ただ法律を知っていればいいというものではないんです。現場の状況をヒアリングして法律と当てはめないと、営業さんが困る場合もある。法律と現場をすり合わせるプロセスは、状況によって毎回違うので、そこは難しさでありつつ面白さでもありました。経験を積み重ねるほど実力がつくし、1社目と違って「働いてるな」という実感も得られて、楽しかったんです。

ただ、課長やリーダーを通して進めていた最初のうちは何の問題もなかったのですが、3年目ごろから部長と直接やりとりするようになって、雲行きが怪しくなりました…。

——その部長には何か問題でも?

承認された契約書や稟議書を後になって、変に細かいところにこだわって修正しろと差し戻すので、仕事が進まないんですよ。もちろん知識も経験も豊富なので、「ああ、確かにそこは見落としていた」という指摘もあります。でも中には「ここは漢字にしたほうがいい」とか「もっとていねいな言い回しにしろ」とか、やたら細かいし、内容には直接関係ないじゃんってところを、気分で直させるんです。前の書類やほかの人には全然違うことを指示してるし。

それが書類の初期のチェック段階ならまだしも、あとは社長のハンコをもらうだけという段階になって急に言い出すんですよ…。営業さんには「明日にはフィックスした契約書を渡せますよ」って言ってたのに、やり直しと確認でまた数日かかったりして。

——早く言ってよって話ですね…。

商談を進めようとして契約書を待ってる営業さんは受注のアテが外れたり、取引先は段取りが狂ったり…。その人たちに謝りに行くのはぼくだし、なにより迷惑をかけるのが心苦しかったです。ストレスで体調も崩すし、本質的じゃないことにこだわって仕事が振り出しに戻ることにはもうウンザリでした。

転職活動は会社にバレたくない…!でもそもそもなんで転職したいんだっけ?

——それで転職活動を始めたんですね。転職活動中に何か悩みはありましたか?

まず、時間を捻出するのが大変でした。有休も取りづらかったから、面接のスケジュール調整は大変でしたね。それに、転職活動をしてることは会社にバレたくなかったし。

——気まずいからでしょうか。

それはありますね。神経質で気まぐれな部長から一人だけ逃げ出すみたいで、後ろめたさを感じていたことは確かです。でも何より、1社目のブラック企業から拾ってくれた恩義を感じているところが大きかったかな。法務の仕事の面白さを教えてくれたのはこの会社だし、親身になってくれる課長もいたし…。

そんなふうに迷いながら応募してたせいか、なかなか一次面接すら通らず、けっこう長引きました。

——真面目な人ほどいろいろ気になってしまうものですよね。

でも自分なりに「今後どうなりたいか」を考えていくうちに、自分がなぜ転職したいか、どこを目指すべきなのかが整理できてきて。

——どんなふうに整理できたのですか?

法務の仕事にもいろいろ種類があって、自分がいたのは非上場企業だから、携われる業務にも限りがあるんです。今後も法務の仕事を続けるなら、違う業務もやりたい、やるべきだと思っていました。そういう自分のやりたい方向性が再確認できてからは、面接にも手応えを感じるようになりました。

上場企業の法務がやりたい!経験から見えてきたものとは

——その方向性とは?

上場企業の法務で株式関連の業務がやりたいなと。あと、これまでやってきたこともなるべく活かしたいので、契約書の審査やコンプライアンスも引き続きやりたいということです。

法務の求人はたくさんありましたが、今あげたようなことを担当できるところだとおのずと企業も絞られて。それで今の会社に決まりました。

——念願である上場企業の法務に転職されましたが、今はどんなお仕事をされていますか?

上場企業だと法務の中でも分業されているので、やる業務の範囲が絞られて、その分深くできるようになりました。

でも2社目の経験も、よかったと思えることはあるんですよ。規模が小さい分、法務だけでなく知財まで幅広く見ていたし、両方のいいところが経験できてよかったです。

——法務って幅広いお仕事なんですね。

そうなんです。単に法律と書類だけ見ているかと思いきや、いろんな部署から持ち込まれる相談や契約書から会社の動きも見えてくるし、現場の状況を読み取って意見を伝えることで、会社の役に立てる。外と中をつなぐ役割ともいえるので、やりがいはあります。

法務は一生のスキル。勉強をすればするだけ身につくし、今後は一生使える力を養っていきたいですね。

編集後記

お世話になった会社だから申し訳ないとか、辞めると残った人に迷惑がかかるとか、コシヒカリさんのように恩義があるという気持ちから転職活動が停滞してしまうこともあります。真面目に仕事してきた人なら当然のことで、そういう気持ちになるのも無理もありません。でも、仕事自体は好きなのに別の要因に邪魔されているとか、もっとやりたい仕事があると気づいたら、「やりたい」を優先して頑張ることも、ときには大切です。

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