キャリア形成とは?
重要とされる理由や考え方を
5ステップで解説
公開日:2026/1/30
キャリア形成とは、理想の将来に向けてスキルや経験を積み重ねていくプロセスのことです。転職やスキルアップだけでなく、価値観やライフスタイルも含めて自分らしいキャリアを描く力は、変化の激しい時代の中で企業からだけでなく、自分自身の人生からも求められるようになっています。
そこでこの記事では、キャリア形成の概要から、キャリア形成を考える上での5つのステップについて、キャリアのプロである株式会社セルフトランセンデンス蛭田 友朗氏、dodaキャリアアドバイザーの岡本 聡美のお話をもとに解説します。ぜひ最後までご覧ください。
取材協力:蛭田 友朗 氏(ひるた・ともろう)
株式会社セルフトランセンデンス
監修者:岡本 聡美(おかもと・さとみ)
dodaキャリアアドバイザー
この記事のまとめ
- 「キャリア形成」とは、理想とする将来の自分の生き方や目標に向けて主体的に行動し、自己実現を図るプロセス
- 近年、働き方の多様化により自分自身でキャリアを築く姿勢が重視されている
- 転職ありきでなく、自分の理想に近づくためのプロセスとして柔軟にキャリアを考えることが重要
キャリア形成とは?
キャリア形成とは、理想とする将来の姿に向かって、自分に必要なスキルや経験、価値観を少しずつ積み重ねていくプロセスのことです。ここでいうキャリアは、単に職業上の経歴にとどまらず、私生活や家庭、ライフスタイルなども含んだ「人生全体」に関わるものを指します。
近年は転職やスキルアップ、働き方の選択などを通じて、自分自身でキャリアをデザインしていく「自律的キャリア形成」が主流となり、家庭や個人の価値観を含めた「ライフキャリア」の考え方も重視されるようになっています。
こういった流れの中で、キャリア形成とは、仕事や人生の目標を自ら定め、それに向かって自ら進んで行動を重ねていく、長期的で能動的な取り組みといえるでしょう。
キャリア形成と似た言葉との違い
「キャリア形成」という言葉は、「キャリアビジョン」「キャリアプラン」「キャリア開発」などと混同されがちですが、それぞれに違いがあります。これらの言葉は重複する部分もありますが、キャリアを考える際にはその違いを理解しておくことで、しっかりステップを踏みながら自分のキャリアと向き合うことができるでしょう。
キャリアビジョンとの違い:理想像と行動の違い
キャリアビジョンとは、「将来こうありたい」と思い描く理想の姿のことです。仕事だけでなく、私生活や価値観も含めた人生全体のゴールイメージを意味します。
これに対してキャリア形成は、その理想像を実現するために、スキルや経験、価値観を積み重ねていく長期的なプロセスを指します。
つまり、キャリアビジョンが「目的地」だとすれば、キャリア形成はそこへ向かう「道のり」と言えるでしょう。
キャリアプランとの違い:計画と実践の違い
キャリアプランは、キャリアビジョンを実現するための具体的な行動計画です。「何年後までにどんなスキルを身につけるか」「どんな業務に携わるか」といったように、比較的短期的・具体的な要素が中心です。
これに対してキャリア形成は、プランに基づいて実際に行動を積み重ねていく過程全体を指します。キャリアプランが「設計図」なら、キャリア形成はその「建設作業」と言えるでしょう。
キャリア開発との違い:対象の範囲と目的の違い
キャリア開発は、主に仕事におけるスキルや知識、経験の獲得を意味します。研修やOJT、業務経験などを通じて業務上の専門性を高めることが中心で、比較的短期的かつ具体的な行動です。
これに対してキャリア形成は、人生全体を視野に入れた広い概念で、育児・地域活動・副業なども含めた個人の成長や自己実現のプロセスも含まれます。キャリア開発が「仕事の中の成長」、キャリア形成は「人生全体の積み重ね」と言えるでしょう。
株式会社セルフトランセンデンス
蛭田友朗 氏
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たとえば、「将来はカフェを経営したい」というキャリアビジョンを持つ人であれば、飲食業界での経験や資金調達の勉強をキャリアプランとして描き、実際にアルバイトや店舗運営を経験しながら、情報収集や人脈形成を進める形でのキャリア形成が必要になります。そして、その中で接客スキルや店舗管理の知識を磨いていくことがキャリア開発にあたります。
キャリア形成が重視されるようになった背景
近年、キャリア形成が重要視されるようになった背景には、雇用制度や働き方、価値観の大きな変化があります。
かつては管理職を目指す一本道のキャリアが一般的でしたが、現在は専門職やフリーランスといったキャリアの選択肢が広がり、リモートワークや副業といった働き方の多様化も進んでいます。また、終身雇用の崩壊やジョブ型雇用の浸透により、会社に依存するのではなく、自分でキャリアを築く意識が求められるようになりました。
さらに、テクノロジーの進化により、今ある仕事が将来も残るとは限らない不確実な時代に突入しています。個人が柔軟にスキルを高め、変化に対応できることがこれまで以上に重要だといえるでしょう。
価値観の面でも、「仕事」と「私生活」を切り分けてバランスを取るワーク・ライフ・バランスの考え方から、両者を統合的に捉えるワークライフ・インテグレーション(※)へと変化しています。趣味や育児などのプライベートな経験が仕事に活きたり、逆に仕事の知識がプライベートにも役立つといった相互作用が、キャリア形成の一部として受け入れられるようになっています。
※仕事(ワーク)とプライベート(ライフ)を「統合」し、人生を充実させていくという考え方
キャリア形成のメリット
キャリア形成に取り組むことは、ただ仕事のスキルを積むだけでなく、自分らしい働き方や生き方を実現するうえでも大きな意味を持ちます。キャリアの方向性が明確になることで、日々の行動に一貫性が生まれ、将来の選択肢を広げることにもつながります。ここでは、キャリアについて考えている多くの方々に、キャリア形成の価値を日々伝えているdodaキャリアアドバイザーの取材をもとに、キャリア形成によって得られる主なメリットを4つご紹介します。
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目指すキャリアの
方向性が明確になる -
自分の成長に必要な
スキルや経験が
明確になる -
キャリアを選択する際に
“自分軸”を
持てるようになる -
自分の将来の
可能性が広がる
目指すキャリアの方向性が明確になる
キャリア形成を意識することで、「自分がどこに向かいたいのか」というビジョンを持てるようになります。将来像を描くことで、目の前の業務にも意味や目的を見出しやすくなるので、日々の行動に納得感が加わります。結果的に、なんとなく働くのではなく、目標に向かって進んでいるという実感が生まれるようになり、仕事への迷いが減るでしょう。
さらに、方向性が見えていることで、感情やライフイベントなどのタイミングに流されるような行き当たりばったりの転職や選択も避けやすくなるというメリットもあります。
実際の業務経験や転職・異動などを通じて、方向性が本当に自分に合っているかを検証し、必要に応じて軌道修正できることも可能です。頭で考えた理想と現実のギャップを埋めながら、より現実的で実現可能な方向性を見つけられるようになります。
自分の成長に必要なスキルや経験が明確になる
キャリア形成を通して目標を持つことで、今の自分はどのようなスキルを持っていて、どのようなスキルや経験が足りていないか把握しやすくなります。自分が目指している姿に対して必要なスキルのギャップが明確になると、計画的に自己投資や学習に取り組めるようになり、より戦略的にキャリアを積み上げていくことができるでしょう。
また、新しいプロジェクトに参加するときや難しい課題に直面したときに「この経験が将来にどう活きるのか」という視点を持つことで、日々の業務に対する姿勢や取り組み方にも前向きな変化が生まれます。実際にスキルを使って業務に取り組むことで、そのスキルの実用性や市場価値を肌感覚で理解できるでしょう。そのため、「本当に必要なスキル」と「表面的なスキル」を区別し、より実践的な学習計画を立てられるようになります。
キャリアを選択する際に“自分軸”を持てるようになる
キャリア形成を進めることで、他人の評価や条件だけでなく、自分にとっての価値基準で判断できる“自分軸”が育ちます。転職や異動、副業などの選択においても、「自分にとってどうか」という視点で考えられるようになるため、判断に一貫性が生まれ、納得感を持った意思決定ができるようになるでしょう。
結果として、周囲の意見や状況に振り回されることなく、自分にとって幸せな働き方を実現しやすくなります。
様々な職場環境や業務を実際に経験することで、頭で考えただけでは分からない「本当の価値観」を発見できます。失敗や挫折も含めた実体験を通じて、表面的ではない深い自己理解に基づいた、ブレない自分軸を構築できるでしょう。
自分の将来の可能性が拡がる
キャリア形成に取り組むことで、理想のキャリアを実現できる可能性が高まるだけでなく、理想が変化したときや想定外のキャリア転換が訪れたときにも柔軟に対応できるようになります。目標に向かって努力してきた経験や、自分の軸を持って選択してきた過程が、変化に強い土台となるからです。
結果として、自分の将来の選択肢が広がり、幅広い可能性に満ちたキャリアを築いていくことができるでしょう。また、実際の業務や人とのつながりの中で、予想もしなかった新しい道や機会に出会えることがあります。計画にはなかった偶然の出会いやチャンスを活かすことで、可能性の幅が大きく広げられます。
dodaキャリアアドバイザー
岡本聡美
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キャリア形成を意識している方は、自分の価値観、つまり「働くうえで何を大切にしたいか」が明確な方が多いです。そのため、「世の中的に良さそう」ではなく、「自分にとってベストな選択」ができている印象があります。
日々キャリアを意識して行動できている方は、年齢に応じて着実にスキルを積み上げられており、結果的に転職の選択肢も広がりやすいといえるでしょう。
とはいえ、自分の価値観をひとりで整理するのは難しいことも多いと思います。
私たちキャリアアドバイザーは、そうした内省をサポートするための問いかけを大切にしているので、「自分は何を大切にしたいのか」を明確にしたい方は、ぜひ一度キャリアの対話の場として活用してみてくださいね。
自分に最適なキャリア形成をするための考え方
キャリア形成を考える際は、自己分析やビジョンの設定から始まり、計画を立て、行動し、そして定期的に振り返るというサイクルで行います。このサイクルを回すことで、自分らしいキャリアを築いていくことができるでしょう。特に大切なのは、立てたプランを柔軟に見直しながら進めていく姿勢です。
ここでは、実際にキャリア形成に関する研修を企画し、講師としても登壇している蛭田氏への取材をもとに具体的なステップを5つに分けて解説します。
STEP1:自己分析で自分の価値観・強み・弱みを理解する
まずは、自分がどんな価値観を持ち、どんな働き方をしたいのかを明確にすることが出発点です。働くうえで大事にしたいことや仕事上のこだわりは何か、自分の強みやスキル、弱み、これからの課題を棚卸しし、苦手なことや避けたい働き方も含めて、自分の傾向を客観的に把握しましょう。友人や同僚など、第三者からのフィードバックを活用するのも効果的です。自分の軸を知ることで、後のキャリアビジョンの設計にも一貫性が生まれます。
STEP2:理想のキャリアビジョンを描く
STEP1で得た気づきをもとに、長期的にどのような人になりたいか、どのような生活や仕事をしていたいかを考えてみましょう。その後、1年後・3年後・5年後の理想の働き方や生活を思い描いてみましょう。年収や勤務地、ライフスタイル、働く時間など、具体的な要素を挙げて可視化することが重要です。「どうなりたいか」だけでなく、「なぜそうなりたいのか」という背景も併せて掘り下げるのもポイント。ロールモデルや興味のある職種を探すことで、イメージをさらに具体的にできます。
STEP3:必要なスキルや経験を洗い出し、不足を埋めるためのリソースを整理する
STEP2で描いた理想像と現在の自分との間にどんな差があるのかを整理し、スキルや経験など理想を実現するためにすでに持っているもの、不足しているものを具体的にリストアップしていきましょう。
たとえば「マネジメント経験がない」「英語力が足りない」など、自分に足りていない要素を洗い出した上で、それが今の職場で得られるのか、あるいは外部で補うべきかを見極めることが大切です。ギャップを明確にすることで、行動の優先順位もつけやすくなります。
さらに、洗い出したスキルや経験不足のギャップを埋めるためには、自分が持つ「人脈」や「環境」をどう活用できるかも考えてみましょう。たとえば、経験者や自分が目指したいと思えるような人物に話を聞いてみる、現職の教育係や仲のいい先輩に相談して学びの方向性を確認する、副業やオンライン講座などに挑戦できる時間的・経済的余裕があるか確認するなど、自分のリソースをどう使うかに目を向けることで、次のステップで現実的な行動へとつなげやすくなります。
STEP4:具体的なアクションをキャリアプランに落とし込む
STEP4では、洗い出したギャップを埋めるために、具体的な行動計画に落とし込んでいきます。半年、1年、3年といった期間でマイルストーン(中間目標)を設定し、転職や資格取得、副業などの手段を検討しましょう。必要に応じて、信頼できる教育係や仲のいい先輩、専門家に相談するのも有効です。長期的な目標に向けて行動を継続するためには、定期的な振り返りの時間を設けるなど、モチベーションを維持する工夫も大切です。
STEP5:定期的に振り返る
キャリア形成において最も重要なのが、この「振り返り」のステップです。アクションを進めるなかでの成長や変化、気づきについて定期的に振り返り、今後の方向性について検討しましょう。
その際、STEP4で計画していたキャリアプランの通りに進まないこともあるでしょう。その際に自己否定するのではなく、軌道修正を前提に柔軟に向き合うことが、自分に最適なキャリア形成につながります。
振り返る中で迷いや変化を感じたときは、②のキャリアビジョンに立ち返ってイメージを再考するのがおすすめです。また、③のスキルや知識のインプットフェーズ(自分の中に落とし込む作業)に戻って情報収集や相談を行うことで、新たな方向性が見えてくることもあります。
株式会社セルフトランセンデンス
蛭田友朗 氏
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キャリア形成は、計画通りに一直線で進めるものではなく、その時々の経験をつなぎ合わせて、自分らしい道を築いていくプロセスです。計画が変わることは問題ではないので、定期的に振り返り、その時々の自分の価値観に合ったキャリア形成を進めていきましょう。
キャリア形成を考えるときのコツ
ここでは、自分に合ったキャリアを築いていくために役立つ考え方のヒントを4つご紹介します。焦らず柔軟に、自分らしいキャリアを見つけていくためのヒントとして、ぜひ参考にしてみてください。
「山登り型」と「川下り型」の2つのキャリアの進め方を知っておく
キャリアの進め方には、大きく分けて計画的に進める「山登り型」と柔軟に進める「川下り型」の2つの考え方があります。山登り型は、あらかじめ目指すゴールを決めて、そこに向かって効率的にルートを選んでいくスタイル。一方で川下り型は、目の前の出来事や変化を受け入れながら進み、経験を重ねる中で自然と方向性が見えてくるスタイルです。どちらが正解ということはなく、自分の状況や価値観に合ったアプローチを選ぶことが大切です。特にビジョンがまだ見えていない人は、焦らず今できることに向き合いながら、少しずつ「自分らしいキャリア」を形にしていけば十分です。
山登り型
あらかじめ目指すゴールを決めて、
そこに向かって効率的にルートを選んでいく
川下り型
目の前の出来事や変化を受け入れながら進み、経験を重ねる中で自然と方向性が見えてくる
考えすぎず、時には「動くこと」を優先する
「タイパ(タイムパフォーマンス)」を意識しすぎると、すべてを計画通りに効率的に進めるようと考えすぎて逆に動けなくなってしまうことがあります。しかし、理想や目標を実現するためには、まず行動することが必要です。動く中で得られた経験や失敗も、キャリア形成において、後々大きな価値となって返ってくることは少なくありません。
ときにはあえて立ち止まったり、寄り道をしたりすることが、結果的に視野を広げたり、思いがけないチャンスにつながることもあります。「最短距離=最良の道」とは限らないというスタンスを持つことで、選択肢を柔軟に捉えられるようになるでしょう。
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蛭田友朗 氏
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「キャリアは計画どおりに積み上げていくもの」と思いがちですが、実は予期せぬ出会いや出来事が、道を大きく広げてくれることも少なくありません。
これは「計画的偶発性理論」(キャリアの大部分は予期せぬ出来事によって築かれていく)という考え方に基づいています。特に考えすぎて動けなくなってしまう人には、ぜひ知っておいてほしい視点です。
予期せぬ出来事もキャリアの一部になる
すべてをコントロールしようとしなくて大丈夫。予想外の出来事が後に大きなチャンスになることも。
偶然を「チャンス」と捉えて行動できるかが分かれ道
想定外の誘い、突然任された仕事。思いきって挑戦してみると、新たな自分が見えるかもしれません。
何かを「待つ」のではなく「動く」ことで偶然を呼び込む
まずは一歩踏み出してみることが大切。考えるだけでは何も起きません。
理想のキャリアは「大きく」「素直に」描く
キャリアビジョンを考える際は、最初から現実的すぎる条件で制限をかけないことが大切です。「こうなれたら素敵だな」という純粋な気持ちをもとに、まずは理想を大きく描いてみましょう。実現可能性やギャップは、あとでプランを立てる段階で整理できます。理想像を持つことで、今の仕事や経験の意味づけもしやすくなるでしょう。
【例文あり】キャリアビジョンの描き方と誰でも実践できる方法を解説自分の強みを見つける際は、自分を全力で肯定する
自己分析をするときは、どうしてもネガティブな面や課題に目が行きがちですが、自分の強みを見つけるためには、まず自分を肯定的に見る姿勢が大切です。謙遜したり、「まだまだ」と思いすぎると、本来の強みに気づきにくくなってしまいます。小さな成功や周囲からの評価に素直に目を向け、自分の価値を正しく認識することから始めましょう。
キャリア形成は転職ありきで考えなくても大丈夫
キャリアを考えていると、「やりたいことが見つかった=すぐに転職」という発想になる方もいるかもしれませんが、転職だけが選択肢ではありません。
まずは、今いる会社の中でできることはないかを考えてみることが大切です。たとえば、今の仕事で新しいスキルが得られる余地があるか、異動や業務範囲の変更によってやりたいことに近づける余地はないかなど、自分の今置かれている環境の中にも意外な選択肢があるかもしれません。
実際に、「やりたいことができない」と感じて安易に転職を繰り返した結果、思うようなキャリアが築けずモヤモヤが残ってしまうケースもあります。だからこそ、まずは今の環境での選択肢をしっかり検討したうえで、それでも難しいと感じた場合には、転職を視野に入れるというステップが、より納得感のある選択につながるでしょう。
大切なのは、転職ありきで考えるのではなく、「どうすれば自分の理想に近づけるか」という視点で柔軟に考えることです。その結果として転職が最適だと思えたなら、それは立派なキャリア戦略のひとつといえるでしょう。選択肢を広く持ったうえで、冷静に見極めることで、自分らしいキャリア形成につながっていきます。
doda のキャリアアドバイザーにキャリアの相談をしてみよう(doda のエージェントサービスに申し込む)【年代別】効果的なキャリア形成のポイント
キャリア形成は、一度決めたら終わりではなく、年齢やライフステージに応じて見直しながら築いていくものです。20代・30代・40代と年齢を重ねるにつれて、求められる役割や自分自身の価値観も変化していくため、「今の自分にとって何が大切か」「どんなキャリアを目指すか」を定期的に整理することが大切です。今回は、キャリアで悩まれている幅広い年代の方に日頃からアドバイスを行っているdodaのキャリアアドバイザー取材をもとに、年代別に意識したいキャリア形成のポイントをまとめました。これからの働き方に迷いを感じている方や、自分のキャリアの方向性に不安がある方は、ぜひ参考にご覧ください。
20代前半
社会人としてのスタートを切ったばかりの20代前半は、キャリアの基礎を築く重要な時期です。まずは報連相、タスク管理、スケジュール調整といったビジネスの基礎としての「仕事の回し方」をしっかりと身につけることが求められます。これらはすべての仕事の土台となるスキルといえるでしょう。
また、将来のキャリアを決めつけすぎず、興味のある分野に積極的に挑戦することで、自分の適性や関心を探る良い機会にもなります。職種や業界にとらわれず、幅広い経験を通じて「自分がどんな仕事にやりがいを感じるか」を知ることが、今後の選択肢を広げてくれるでしょう。
20代後半
20代後半は、自分の強みや志向性が見え始め、「この先どう働いていきたいか」を考え始める分岐点です。ここでの選択が、30代以降のキャリアの土台となるため、長期的な視点を持つことが重要です。将来的にどんなスキルをコアにして働きたいのか、そのために今どんな経験を積むべきかを逆算して考えていきましょう。
まだ若いため選択肢は豊富ですが、「今だけを見て選ぶ」という短期的な判断を繰り返すと、思い描いていたキャリア像とズレが生じてしまう恐れがあります。今後30〜40年働くことを見据えたうえで、「長く大切にしたい価値観」をベースに、自分に合ったキャリアプランを描くことが大切です。
今の状況に不満がある場合でも、現状の課題を整理しつつ、あくまで将来の理想に近づけるための戦略を練っていきましょう。
30代
30代は、これまでの経験をもとに専門性を深め、成果や実績で自身のキャリアの価値を示していく時期です。プロジェクトリーダーや管理職としての役割を担う機会も増え、責任ある立場での実績が、今後の評価やチャンスに大きく影響します。
この頃から「ポテンシャル層」としての扱いは薄れ、これまでの経験やスキルでキャリアを切り拓いていくことが求められるため、焦りを感じる方も少なくありません。ただし、キャリアは一足飛びに築けるものではなく、着実な積み重ねが大切です。まずはこれまでの経験を棚卸し、自分の強みややりがいの源泉を整理してみましょう。
加えて、ライフイベント(結婚・出産・育児など)や家庭環境の変化により、働き方や優先順位も変化しやすい時期です。自分らしい生き方と働き方のバランスを考えながら、長期ビジョンに基づいたキャリア戦略を描いていくことが重要です。
40代以降
40代以降は、組織内での役割や責任がさらに大きくなり、キャリアの集大成を意識するタイミングに差しかかります。同時に、「このまま同じ仕事を続けるのか?」「やりがいやライフスタイルを見直したい」と感じる人も増え、キャリア転換を視野に入れるケースも少なくありません。
この時期は、即戦力としての高いパフォーマンスが求められる一方で、健康管理やリスキリング(学び直し)といった自分自身のケアも重要なテーマになります。また、「自分がどう働きたいか」だけでなく、「組織や事業をどう支えるか」といった視点も持つことが求められるようになるでしょう。
これまでの経験を棚卸しし、資格やスキルだけでなく、対人能力やマネジメント力などのポータブルスキルも含めて自分の強みを再確認しましょう。そのうえで、希望するキャリアの実現に向けて、それらの強みをどのように企業や組織に貢献できるかを、明確に伝えることが重要です。
また、これまでの積み重ねた経験やスキルが、希望職種に必ずしもマッチしなくても転職できる可能性はあります。未経験分野への転職を経験している40代の方は、あわせて下記の見出しも確認してみましょう。
キャリア形成に関するよくある質問
キャリア形成は、考えるタイミングや進め方に正解があるわけではなく、人によって迷いや不安を抱えるポイントはさまざまです。ここではキャリア形成を考えるにあたって多くの方が抱える疑問を取り上げ、dodaのキャリアアドバイザー・岡本氏の回答をもとに考え方のヒントをお伝えします。
- キャリア形成を考えるのに最適なタイミングや時期は?
- キャリア形成を考えるベストなタイミングは人それぞれですが、定期的に見直す習慣を持つことが大切です。 目安としては、年に1回程度、忙しい方は2年に1回など、自分に合ったサイクルでOKです。うまくいっているときほど現状維持を選びがちですが、長期的な視点で見ると、小さな変化や微調整が未来の選択肢を広げることにつながるでしょう。将来のビジョンがまだ明確でない場合でも、今できることを少しずつ積み上げていく中で、自然と自分のキャリアが形になっていくこともあります。キャリアは一度決めて終わりではなく変化していくものなので、「考える」→「動く」→「振り返る」を繰り返す習慣を持ちましょう。
- 未経験分野へのキャリア形成はいつまで可能か?
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30代・40代でも、希望職種とこれまでの経験・スキルに親和性があれば未経験分野への挑戦は可能です。
大切なのは、「なぜその職種に挑戦したいのか」という動機と、「そのビジョンをどう実現するか」というプランを明確に持っていることです。また、年齢に応じて経験や即戦力性を求められる場面も増えるため、前提として副業や資格取得、実績づくりなどによる段階的な準備は欠かせません。
さらに希望職種への理解も重要で、実態とのギャップがあると「思っていたのと違った」と後悔につながる可能性もあります。キャリアチェンジでは待遇や評価が一時的にリセットされる可能性もあるため、イメージと現実をすり合わせて、慎重に検討することが必要です。動機や目的に応じてアプローチを変えることが、納得のいくキャリア選択につながるでしょう。 - 転職回数が多い場合のキャリア形成はどう考えるべき?
- 転職を重ねてきた方にとって大切なのは、「なぜその選択をしてきたのか」を自分自身で整理し、今後どうキャリアを築いていきたいかを言語化することです。 たとえ道が分かれていたとしても、それぞれの経験に意味づけをし、スキルや価値観の“つながり”を見出すことが、これからのキャリア形成における土台になります。 キャリアは一直線に積み上げるものではなく、試行錯誤を経て形づくられるものです。転職回数が多いからこそ得られた視点や、異なる環境で身につけた適応力は、強みとして活かせる可能性があるでしょう。 まずは、これまでの経験を「点」として捉えるのではなく、「線」としてどうつなぐかを考え、今後のキャリアに活かしたい価値観や得意なスタイルを明確にしましょう。そのうえで、それに沿った行動を積み重ねていくのがおすすめです。選択の背景と一貫性を意識することで、転職の多さをポジティブな要素に転換できるキャリア形成につなげられます。
まとめ
キャリア形成は、決まったルートをなぞるものではなく、自分自身の価値観や状況に合わせて「選び、積み重ねていく」プロセスです。理想のキャリアを明確に持っている人もいれば、今はまだ模索中という人もいるでしょう。どちらも間違いではなく、どの地点にいても「今できることに丁寧に向き合う」ことが大切です。
年代ごとに意識すべきポイントや、自己分析・ビジョン設定・行動の仕方は異なりますが、共通して重要なのは「定期的に立ち止まり、振り返ること」です。ときには考えすぎず、流れに身を任せてみることで、思わぬ発見やチャンスに出会えることもあります。
転職やキャリアチェンジを含めた選択に迷ったときは、今の環境でできることを見直したうえで、自分にとって最善の道を選ぶ柔軟さも必要です。一人で悩まず、キャリアのプロに相談するのも良い選択肢の一つでしょう。
dodaのキャリアアドバイザーは、転職するか決めているかにかかわらず、キャリアの相談を承っています。現状の不安や悩みがあるのであれば、お気軽にご相談ください。
取材協力
蛭田 友朗(ひるた・ともろう)氏
株式会社セルフトランセンデンス
多くの企業の組織開発・人材開発や採用・転職支援をメイン事業とする株式会社セルフトランセンデンスでコンサルタントとして活躍。
新入社員や中堅社員向けに女性活躍の推進、働き方改革、次世代経営者の育成等、人事課題研修の企画を行う傍ら、自ら講師として登壇している。また、求職者向けに転職支援事業にも携わっている。
多岐にわたる領域でキャリア相談や、採用担当・求職者双方への支援を行ってきた経験から、多様な視点に基づいた転職支援を得意としている。また、自分自身の転職経験に基づき求職者の悩み・不安に寄り添い、転職後もより活き活きと働くためのキャリアサポートを心掛けている。
この記事を監修したキャリアアドバイザー
岡本 聡美(おかもと・さとみ)
国家資格キャリアコンサルタント
【経歴】
新卒でIT企業に入社しエンジニアを経験後、官公庁向けのソリューション営業に従事。2016年にパーソルキャリアへ転職し、現在まで一貫してキャリアアドバイザーとして就業。“自身が担当であることが、お客様にとって最も幸せな状態”をつくれるよう日々サポートに尽力している。プライベートでは2児の母として、自身も産育休からの復帰を経験
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