履歴書
【例文あり】未経験で転職する場合の自己PRの書き方・ポイント
本記事では、未経験で転職するときの自己PRの書き方やポイントについて解説します。
未経験といっても、「業界は変わらず職種が未経験」の場合や、「業界も職種も完全に未経験」の場合など、人によって「どんな未経験なのか」が異なるでしょう。
それぞれ、これまで培ってきた経験と異なる仕事になるため、アピールできることがないと悩んでしまう方は少なくありません。未経験からでも魅力的な自己PRを作るためにはポイントを押さえることが重要です。解説や例文を読んで、自己PRを書いていきましょう。
企業が未経験者の採用で見ているポイント
企業が未経験者の採用で見ているポイントは、「意欲的に知識やスキルを吸収し、着実に成長してくれる人材か」どうかです。なぜなら、未経験者の採用の場合、自社で育成することを前提としているからです。
また、未経験という立場だからこそ、社内にない新しい視点や発想で新たな価値をもたらしてくれることも期待されています。
業界または職種が未経験の場合、過去の経験や実績を、入社後にどの程度活かせるかを重視しています。一方、業界と職種の両方が未経験の場合は、同じ経験はなくとも入社後の活躍につながるスキルがあるか、また、どのように業務を習得していきたいかといった意欲を見られます。
次の章では、未経験の転職で自己PRするとよい5つのポイントを紹介しています。参考にして、自己PRを考えていきましょう。
未経験の転職でアピールするとよい5つのポイント
ここでは、未経験の転職でアピールするとよい5つのポイントについて解説します。自己PRでは、入社後に活かせるスキルをアピールします。そのため、最も大切なのは1つ目に紹介する「応募先の仕事と親和性のあるスキル」をアピールすること。さらに、ほかの4つの観点を押さえておくことで、ライバルと差をつけることができます。それぞれ見ていきましょう。
応募先の仕事と親和性のあるスキル
未経験の場合、入社後に活躍するイメージを採用担当者に持ってもらうことが重要です。そのため、自己PRでは応募先の仕事と親和性のあるスキルを優先的にアピールしましょう。
例えば、同じ業界や職種で経験してきたスキルはもちろん、コミュニケーション能力や課題解決能力といった、業種や職種を問わず活用できるポータブルスキルは有効なアピール材料になります。
スキルは以下のように具体例や数字を用いて実績を提示しましょう。
- 業界は異なるが前職ではDX推進に貢献した
- Excelを用いて業務時間を月〇〇時間削減した
- 営業で〇〇万円売り上げた実績がある
応募先の仕事と親和性のあるスキルの見つけ方などはこちらを参考にしてください。
未経験の仕事に対する意欲
未経験の仕事へ挑戦する際は、入社後に学び・成長し続ける意欲や熱意を伝えることが大切です。採用担当者は、応募者が新しい環境に順応し、主体的にスキルを習得していけるかチェックしているためです。
意欲をアピールする際は、転職先で活かせるスキルを自主的に学んだ経験や、転職先でいち早く成長していきたい意欲を具体的に示しましょう。
例えば、以下のような行動は意欲としてアピールできます。
- 簿記3級を独学で取得した
- Webデザインのスクールに通い、個人で仕事を請け負っている
- 業界理解を深めるため関連書籍を10冊読んだ
未経験の仕事に対する理解
仕事の内容や求められる能力について、自分なりに調べてイメージを持てていることを示すのも重要です。イメージしている仕事内容が実際の仕事と異なる場合、ギャップで辞めてしまうのではないかという懸念を抱かせたり、応募者が求めている仕事と違うのではないかとズレを感じさせたりする恐れもあるからです。
仕事内容について理解しようとする姿勢をアピールすることで、採用担当者に応募理由の納得感や本気度を伝えられます。未経験で挑戦したい理由や、魅力を感じている点を自分の言葉で説明できるようにしておきましょう。
入社後の目標
入社後の目標や、仕事での成長イメージを具体的に語ることも大切です。そうすることで、成長のために必要なことを自ら考え、学んでいけることをアピールできます。
入社後の目標を伝えるためには、応募企業の事業内容や業務内容を事前に調べ、自分の活かせるスキル・足りないスキルを把握したり、それらの伸ばし方を自分なりにイメージしたりしておくことが重要です。
例えば、「前職で培った課題発見力を活かしてまずは提案力を磨き、商材について積極的に学びながら、貴社の営業として一日も早く即戦力として貢献したいです」といった、具体的な目標を伝えましょう。
仕事に活かせるプライベートの経験
今まで仕事以外で培った経験も、自己PRの有効な要素として活用できるケースがあります。
例えば、趣味で始めた動画配信の経験やコミュニティの運営経験など、入社後にその経験が活かせる場合、高く評価される可能性があります。
これまで習得したスキルを、入社後にどう活かせるのかを論理的に説明することで、採用担当者に的確にアピールできます。
未経験で転職する場合の自己PRの4つの手順
ここでは、未経験で転職する場合の自己PRの書き方を4つの手順で解説します。
STEP1.自分の過去を振り返る
転職回数にかかわらず、自己PRでは「入社後に活かせるスキル」が最も重視されます。特に転職回数が多い場合は、「これからは長く腰を据えて働きたい」という意欲も一緒に伝えられると、より好印象につながります。
まず、過去の経験を振り返り、自分の強みやアピールできるスキルを整理することから始めましょう。
特に未経験で転職する場合、業界や職種を問わずに活用できるポータブルスキルのアピールが重要になります。
ポータブルスキルの例は以下のとおりです。
- コミュニケーション能力
- PCスキル
- 問題解決能力
このように、〇〇力や△△スキルという形で自分のアピールできるスキルを整理していきましょう。もし迷った場合は、自己PR発掘診断などを活用し、自分の強みを見つけてみましょう。
また、自分一人で考えるだけでなく、信頼できる友人や元同僚に意見を求める他己分析も、客観的な視点を得るために有効な手段です。
STEP2.希望職種の理解を深め、必要なスキルを洗い出す
スキルの整理ができたら、次に希望職種の理解を深め、必要なスキルを洗い出しましょう。希望職種で必要なスキルを理解することで、何をアピールすべきかが分かります。
希望職種の理解を深めるためには、企業の採用ページや求人情報はもちろん、dodaの職種図鑑などで調べるのもおすすめです。
リストアップしたスキルは、テクニカルスキルとポータブルスキルの2つに分けて整理すると、後の工程で役立ちます。
| スキル名 | 概要 | 例 |
|---|---|---|
| テクニカルスキル | 専門分野で活かせるスキル | プログラミングスキル 専門分野についての知識 |
| ポータブルスキル | 業界を問わず活かせるスキル | コミュニケーションスキル 問題解決能力 |
STEP3.自分のアピールポイントから、希望職種で活かせるスキルを探す
自分のアピールポイントと、希望職種で必要なスキルの整理が完了したら、次はその2つを結びつける作業を行います。希望職種で活かせるスキルをアピールすることで、採用担当者は入社後の活躍をイメージしやすくなります。
とはいえ、未経験職種に転職する場合、活かせるスキルがないと思うかもしれません。
ポイントは、前職での経験をそのままアピールするのではなく、一度、業界・職種問わず応用可能なポータブルスキルに置き換えること。そして、それが応募先の業務でどのように応用できるかといったスキルを横展開する視点を持つことです。
例えば、スキルを横展開する方法として以下のような例が挙げられます。
- 「店舗での接客経験」→「顧客との折衝能力」
- 「報告書の作成経験」→「営業資料の作成能力」
STEP4.実際に自己PRを作成する
これまでの工程で発見したアピールポイントをもとに、自己PRの文章を作成します。
自己PRを作る際は「状況→課題・意図→行動→結果」の順番で作ることで、読みやすい文章構成になります。
| 状況 | 行動する前の状況 |
|---|---|
| 課題・意図 | 課題や改善に動いた理由、そのときの工夫など |
| 行動 | 実際に取った行動(具体的な数値もセットだと〇) |
| 結果 | 行動し、アピールポイントを発揮したことで得られた結果(具体的な数値もセットだと〇) |
文章量は、読みやすいとされる100〜200字程度を目安に、簡潔にまとめることを意識しましょう。また、志望動機の内容と矛盾が生じないよう、全体の一貫性を確認することも大切です。
完成後は声に出して読んでみて、自然な流れになっているかを確認することをおすすめします。
未経験で転職する場合の自己PRの例文
ここからは、具体的な状況別に未経験からの転職で使える自己PRの例文を紹介します。例文では未経験の転職を以下の3つのパターンに分けて、それぞれ解説します。
ご自身の状況に最も近いものを参考に、オリジナルの自己PRを作成する際のヒントとしてご活用ください。
【完全未経験】異なる業界・職種からの転職
業界・職種ともに未経験の場合は、異なる環境でも活かせるポータブルスキルをアピールすることが大切です。また、今までの経験の中で、希望職種の仕事内容・働き方と親和性がある要素が少しでもあれば、アピールしましょう。
SVから営業事務に転職する場合の自己PR文
チームで結果を出すための気配り力
小売店のスーパーバイザーとして働く中で、スタッフが働きやすく、挑戦してみたくなるような店舗づくりを目指しています。
例えば、遅番のスタッフが店頭へ出たときに迷わないよう、引き継ぎや依頼事項を具体的に伝達できる仕組みを整理。また、スタッフ間のコミュニケーションを促進するために、定期的に相談会を開催し、チームワークの向上やノウハウの最大化をする場を設けています。
営業アシスタントも同様に、営業とのチームワークが大切になる仕事だと考えています。現職で培ったチームで良い結果を出すための気配り力を活かして、事業に貢献していきたいです。
Point
- 完全未経験でも活かせるポータブルスキルを明確に示している
- 前職と、希望職種の働き方で親和性がある箇所を示している
営業からITエンジニアに転職する場合の自己PR文
課題解決のための継続的な学習力
業務効率化のための学びを継続しています。現在の営業職では、データ入力や分析などの作業に費やす時間が多かったため、顧客折衝の時間を増やしたいと思ったのが学び始めたきっかけでした。例えば、Excelの本を読み込み、関数や操作を学んだり、独学でVBAを学び日々の事務作業の自動化ツールを作成したりしていました。結果、作業時間を30%削減することができました。
また、直近では、Pythonを独学で学習し、簡単なアプリケーションの作成に挑戦しています。
ITエンジニアは未経験ですが、持ち前の学習力を活かして、入社後に即戦力となれるよう奔走していきたいです。
Point
- 未経験でも活かせるポータブルスキルをアピールしている
- 具体的な学習経験から、希望職種への本気度をアピールしている
- 学びを始めたきっかけを伝えることで、向上心をアピールしている
【職種未経験】同じ業界で、職種を変える転職
職種未経験は、業界は変えず、職種を変える転職です。そのため、業界知識などのテクニカルスキルや、未経験の希望職種で活かせるポータブルスキルをバランスよくアピールすることが大切です。
業界で培った経験をもとに、新しい職種で何ができるかを明確に提示しましょう。
営業からWebマーケティングに転職する場合の自己PR文
顧客理解やデータ分析をもとにした改善力
前職では、証券や金融商品の個人営業を担当し、顧客のニーズに応じた最適な商品提案を行ってきました。特に、データ分析を駆使しつつ、顧客の感情に寄り添った改善提案を意識しています。
その結果、取引継続率は支店内で2位を1年間継続、また、友人紹介などによる新規契約を年間18件受注することに成功しました。
現在は、Google アナリティクス個人認定資格(GAIQ)の資格取得に向けて勉強を始めており、ほかにもWebマーケティングに関する本を月1~2冊読むようにしています。
未経験ではありますが、これまで培った金融業界の顧客理解力や分析力、向上心を活かし、貴社の商材を多くの顧客に届けたいと考えています。
Point
- 前職の経験を希望職種に活かせる形で表現している
- 学習意欲をアピールすることで、希望職種への本気度を示している
- 業界で培った専門知識や経験をアピールしている
【業界未経験】同じ職種で、業界を変える転職
業界未経験の場合は、職種は経験してきたものと同じです。そのため、自己PRでは、これまでの経験・スキルをアピールしやすいでしょう。
業界未経験の場合に気をつけたいのは、異業界でも活かせるスキルをアピールすることです。例えば、有形商材の営業から無形商材の営業に転職する場合、仕事で活かせるスキルは異なるでしょう。
希望業界での働き方や、必要になるスキルを把握して自己PRを考えることが大切です。
オフィス家具の営業からIT営業に転職する場合の自己PR文
顧客目線に立った提案力
法人営業として、状況や課題を的確に把握し、顧客目線に立った提案力が強みです。
前職でオフィス家具の営業をしていた際は、折衝をする顧客へのヒアリングだけでなく、実際に使われているオフィスを見学させてもらうことで、利用状況や課題を把握し、提案することを意識していました。
その結果、既存顧客の契約更新率を85%から95%に向上させることができました。
IT業界は未経験ですが、このように状況把握力や、相手目線の提案力を活かして、いち早く即戦力として貴社に貢献したいと考えています。
Point
- 前職で得た知識・スキルを「転用可能な強み」として変換している
- 定量的な実績で説得力を高めている
- 転職先の業界でどう活かすかのビジョンを示している
自己PRを書き上げたあとのチェックポイント
ここでは、自己PRを書き上げたあとのチェックポイントを4つ紹介します。履歴書・職務経歴書を提出する前や、面接の前に改めて見直して、より評価される自己PRに仕上げましょう。
応募先企業で活かせるスキルをアピールしているか
自己PRの内容が、応募先企業の業務内容や求める人物像と合致しているかを確認しましょう。もし高度なスキルを持っていても、入社後に求められるスキルと合致していない場合、効果的なアピールにはつながらないためです。
求人票に記載されている求める人物像や必要なスキルの項目と照らし合わせて、自身のスキルとの親和性を客観的に評価してみましょう。
抽象的な内容になっていないか
抽象的な内容にしすぎると、誰にでも当てはまる内容になってしまい、採用担当者の印象に残りません。
自己PRを作る際は、具体例や数値を用いてオリジナルの話にすることが大切です。例えば、「コミュニケーション力がある」ではなく「月30件の顧客訪問で信頼関係を構築し、契約更新率95%を達成」というように、具体的な状況と成果を示しましょう。
エピソードには具体的な情報や数値を含め、読み手がイメージしやすい内容にすることが大切です。
好きやあこがれだけで自己PRを書いていないか
未経験の転職で自己PRを書く場合、「個人的な好き・あこがれ」などの気持ちをアピールする人もいます。しかし、好きやあこがれのみの内容で自己PRを作成してしまうと、企業が求めている人材に合っているというアピールが弱くなってしまいます。そのため、企業が欲しい人材像に沿った自己PRが書かれているかもしっかりチェックしましょう。
自己PRを構成する際は、企業が求めているのは入社後に活躍できる人材だということを理解し、どのような価値を提供できるかという視点を持ちましょう。
専門的な内容になっていないか
未経験の職種へ転職する場合、前職の経験のアピールが専門的な内容になっていないか注意が必要です。前職で当たり前に使っていた専門用語・業界用語が採用担当者に伝わらない可能性があり、自己PRの内容を理解する妨げになるリスクがあるからです。また、アピールしたい内容が相手に正確に伝わらず、適切に評価されにくくなることも。
自己PRをする際は、相手に伝わる内容に言い換えたり、具体例を用いて説明したりするようにしましょう。もし、専門的な実績がある場合は、一般的な言葉で説明し直すことを心がけましょう。
未経験でも大丈夫|経験やスキルを活かして自己PRを作ろう
未経験での転職は不安かもしれませんが、入社後に活かせるスキルを自己PRすることで希望する職種に対する適性や意欲を面接官に印象づけることができます。重要なのは、過去の経験や自身の強みを、応募先の仕事でどのように活かせるかという視点を持つことです。
魅力的な自己PRを作るためにも業界研究や企業分析を行い、必要なスキルと自身の強みとの接点を明確にして、説得力のある自己PRを完成させましょう。
もし自己PRの作成に行き詰まった際は、客観的な診断ツールなどを活用してみるのも一つの有効な手段です。16問の質問によってあなたのアピールポイントが見えてくる「自己PR発掘診断」を活用して、魅力的な自己PRを作りましょう。
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教育業界で販売職の経験を経て、パーソルキャリア株式会社に入社。自身の過去の経験も活かし、キャリアアドバイザーとして20~30代の販売・サービス職や事務・アシスタント職の方の転職活動をご支援している。転職活動が初めてという方のご相談に乗ることも多く、業界知識や面接のポイントなどのノウハウはもちろん、気持ちの面でも安心して転職活動を進めていただけるよう、きめ細やかなサポートを心がけている。
【メッセージ】
キャリアカウンセリングをしていると、素晴らしいご経験やスキルをお持ちなのに、その経験があまりにもご自身にとって当たり前のことすぎて、気づかれていない方によくお会いします。
ご自身のやってきたことを言葉に出してみて気づく強みもきっとたくさんあるはずです。それに気づくだけでも、とても意義のある時間になると思います。キャリアカウンセリングは、転職を今すぐしたい方だけのものではありません。「今の会社で何となく働いているけどこのままでいいんだろうか」「自分のスキルって何なんだろう」そんなもやもやを感じたら、ぜひ一度dodaのキャリアカウンセリングを受けてみてください。
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