転職活動の面接で「あなたのキャリアの強みは何ですか?」と聞かれて即答できる人はごくわずかです。履歴書や職務経歴書に書くための、面接で話すための「自分の強み」明らかにする上で知っておきたい考え方や実際の質問例を解説します。
もくじ
「あなたのキャリアの強みを教えてください」と質問されて、即答できる人はほとんどいません。悩んだ挙句に「強みと言えるようなものはありません」と答えてしまったり。転職活動をしている・していないにかかわらず、です。
キャリアの強みを持たない人はいないのですが、冒頭の質問に答えられない要因は次の2つのどちらかです。1つは、自分の強みを把握していないこと。もう1つは、「強みは新規営業を5年やってきたことです」など、職歴と強みを混同していること。
繰り返しますが、キャリアの強みを持たない人はいないのです。そして、「あなたのキャリアの強みは何ですか?」の問いは、転職活動でも、キャリアプランでも、今の会社で半年ごとに行われる“評価面談”でも、あなたが働いている限りどこまでもついて回るでしょう。
とりわけ転職活動を通じて採用担当者が最も知りたいのが、「この人の強みは何だろう?今回の募集ポストで活かしてもらえるだろうか?」です。採用担当者もプロですから、「強みがない人はいない」ことは知っていますが、書類や面接の場でうまく答えられなければ、「強みのない人ね」で終わってしまいます。
強みの意味と3つの種類
そもそも、キャリアの強みとはいったい何なのでしょうか。
強みには、[ヒューマンスキル][テクニカルスキル][コンセプチュアルスキル]の3つがあります。
- ヒューマンスキル…コミュニケーションやストレス耐性など対人スキル
- テクニカルスキル…職種や仕事内容によるスキルや知識
- コンセプチュアルスキル…仕事の進め方や問題発生時の解決のしかた
多くの人が、3つのうち、ヒューマンスキルとテクニカルスキルは話せるのですが、コンセプチュアルスキルだけは自覚するのが難しいようです。「仕事が早い」「資料が分かりやすい」「あなたが進行役だと意見が出やすい」 こんなふうに誰かに褒めてもらったことはないでしょうか?これらはどの強みに当てはまるのでしょうか?
面接官が強みを引き出すために問う5つの質問例文
自分の強みを見つけるためには、“考える” のではなく “思い出す” のがポイントです。三度目ですが、強みは誰にでもあるのです。ゼロから作るなら必死に考えないといけませんが、あなたの中に既にあるなら思い出せばいいのです。
例えば、dodaのキャリアアドバイザーはキャリアカウンセリングで次のようなことを尋ねます。
- 今の会社に入社して感じたギャップはありましたか?
- 最初から仕事は順調に進みましたか?
- 印象的な仕事はありましたか?
- 初めてやった仕事はありましたか?
- 壁にぶつかったことはありましたか?
キャリアアドバイザーは「あなたの強みは何ですか?」とストレートにぶつけずに、まずは、転職、異動、昇進、プロジェクト指名、チームを持った、仕事のスタイルが変わったなど、何らかの変化があったときのことを思い出してもらうようにガイドします。「取引先の担当変更があって、それまで大手顧客を担当してたのが、中小も含めた新規提案をやるようになり、その時はなかなかペースがつかめずに苦労しました」 といったエピソードを思い出してもらうのです。
そして、それを取っ掛かりにして、その人だけの強みを引き出していきます。
<強みを引き出す5つの質問>
- 質問1 印象的な仕事はありましたか?
- → 出来事やエピソードの確認
- 質問2 なぜその仕事を頑張れたんですか?頑張ろうと思ったんですか?
- → 意図の確認と、ヒューマンスキルの強みを引き出す
- 質問3 そのとき、どう行動したのですか?
- → 実施した行動の確認
- 質問4 その結果、どうなったのですか?
- → 結果の確認
- 質問5 その経験から何を学びとりましたか?
- → コンセプチュアルスキルを引き出す
目の前にキャリアアドバイザーがいなくても、この5つの質問を考えてみることで自分の強みが見えてくるのではないでしょうか。思い出すエピソードは、成功して賞賛された仕事に限りません。むしろ失敗して学んだことが、より的確にあなたの強みを表しているかもしれません。
- キャリアの強みを見つけるには自分を客観的に知ることから始めよう
- キャリアタイプ診断を受ける
では、その強みを企業は欲しがっているのか?
さて、5つの質問で自分の強みが分かったとしても、転職成功のためにはもう少し考えてみましょう。
- その強みは今の転職市場でどう評価されるのか
- 応募しようとしている企業が、その強みを欲しているのか
- 複数の強みがあった場合、応募先企業にはどれが最も効くのか
これらの問いには、「これが正解!」 という答えはありませんが、ここまで考えてみると採用担当者の視点に気付くのではないでしょうか。自分の強みを相手の知りたい角度からアピールできればよりベターです。
また、キャリアの強みを引き出し、転職市場での市場価値を検討するのは、dodaキャリアアドバイザーが最も得意とするところです。「自分の強みは本当にこれなのか?」 と思ったら、客観的な第三者の立場からのアドバイスとして、dodaキャリアアドバイザーにご相談ください。