「履歴書の志望動機が書けない、思いつかない」とお困りの方に向けて、履歴書に記入する志望動機の書き方を、記載例もまじえながら徹底解説します。企業が志望動機から知りたいことや、志望動機のよくあるNG例もご紹介するので、求人への応募前にぜひ一度ご確認ください。
もくじ
履歴書に志望動機をうまく書けないとどうなる?
履歴書を書く上で志望動機に悩む人は多いかと思いますが、そもそも企業はなぜ志望動機を聞いてくるのでしょうか。ここでは、企業が志望動機欄から知りたいことと、履歴書に志望動機を書かないことのデメリットについて解説します。
・企業が志望動機欄から知りたいこと
企業は「ほかの企業ではなく、この企業で働きたい」というあなたの熱意と納得感を求めています。人柄や経歴、スキルももちろん重要ですが、企業が求めているのは「長く活躍してくれる人材」「入社後、意欲的に力を発揮してくれる人材」です。そのために目指す方向や価値観が合っているかを志望動機で見極めています。
どの企業でも使い回せるような志望動機では、企業もわざわざその人を採用したいとは思わないでしょう。採用担当者に「ウチに入社したら活躍してくれそうだ」と思ってもらえるよう、企業に自分をアピールする意味でも、志望動機は非常に重要といえます。
・履歴書に志望動機を書かないことのデメリット
採用担当者に意欲が伝わりきらず、印象に残らない可能性があります。志望動機は入社意欲を伝える非常に重要なパートです。履歴書に志望動機欄があるのに空白のまま提出してしまうと、熱意がないとみなされてしまう恐れがあるので避けましょう。どうしても志望動機が書けない場合は、志望動機欄のない履歴書を使用することも可能です。
また、ほとんどの企業が、面接でも志望動機を確認します。一度文字にして整理しておかないと、面接時にうまくアピールできないかもしれません。
履歴書の志望動機を書けないとき役に立つ!志望動機の書き方メソッド
志望動機は入社意欲を伝える上で非常に重要です。それだけに、どのように書くべきか悩んでしまう方も多いでしょう。そこでここでは志望動機の書き方のメソッドをご紹介します。
具体的には、以下の4つです。
- 1. 転職理由に立ち返る
- 2. 具体的な体験を思い出す
- 3. 企業の魅力と自分の話のバランスは2:8を意識する
- 4. かっこいいことを言おうとしない
【メソッド1】 転職理由に立ち返る
志望動機が思い浮かばないのであれば、転職理由に立ち返って考えてみましょう。「転職する目的」と「応募先企業を志望する理由」には関連があるケースが多く、一貫した内容を話せれば、採用担当者からの納得感も得やすいです。
例えば、「現職は裁量権が小さいため」に転職先を探している人であれば、「裁量権が大きく自由度も高い」企業やポジションへの志望動機とリンクしやすく、説得力があります。
もし志望動機がまったく思い浮かばないのであれば、応募先企業は本来の転職目的とずれているかもしれません。応募する企業自体を再度見直すことで、入社後のミスマッチの防止にもつながるでしょう。
【メソッド2】 具体的な体験を思い出す
志望動機の方向性が見えたら、次は「なぜそう思うのか」を掘り下げてみましょう。理由が弱いと、結果的にどの企業にも使い回せる、採用担当者に刺さらない志望動機になってしまいます。
理由を強くするためには、具体的な体験と結びつけるのが有効です。具体的な体験に基づいた理由であれば、リアリティやオリジナリティが増すため、採用担当者にも熱意が伝わりやすいでしょう。
次の例を参考にしてみましょう。
<例1>
これまで保険の営業として、お客さま人生設計に合わせた提案をすることにやりがいを感じていました。しかし、自社の取り扱っている保険は種類が限られており、最近はお客さまご要望に応えられない場面も増えてきました。そこで、もっと多くの種類を提案できる企業で、お客さまのさまざまな期待に応えたいと思うようになりました。貴社の求人を拝見し、保険のラインアップも豊富で、さまざまな種類の提案ができると思い、志望しました。
<例2>
現在は担当エリアの中小企業を中心に資金運用のご提案を行っております。企業の事業拡大に貢献できることにやりがいを感じていましたが、より大きな企業の事業拡大に挑戦したい気持ちが強くなりました。全国のクライアントに対して豊富な商品を取り扱い、サービスを提供している貴社であれば、大企業に向けてもご提案することができ、活躍の場を広げられると考え志望いたしました。
これまで培ってきた財務分析や市場分析のスキルを活かし、顧客のニーズに合った提案を行うことで、貴社に貢献していきたいと考えています。
例1は、わざわざ現職を辞めてまでこの企業に転職したい理由が、自らの実体験をもとに語られています。作成者ならではのオリジナリティがあるので、採用担当者にも熱意が伝わりやすいでしょう。
例2は、自らが目指すキャリアアップの形を明確にした上で、入社後に貢献できる理由が実体験に基づいて書かれており、採用担当者の納得感を得やすい構成です。
【メソッド3】 企業の魅力と自分の話のバランスは2:8を意識する
「企業の魅力(事業内容・業績シェアetc.)」と「自分の話(体験)」を結びつけて書く際は両者のバランスも意識しましょう。志望動機が「企業の魅力」に偏ってしまうと、応募者にとってその企業がどう特別なのかが伝わりにくく、ほかの応募者との差別化が難しくなります。だからこそ、「企業の魅力」よりも「自分の話」に重点を置いたバランスが重要なのです。具体的には、以下のバランスが理想的です。
企業の魅力:自分の話 = 2:8
上記のバランスを意識すれば、説得力のあるあなただけの志望動機が完成するでしょう。
【メソッド4】 かっこいいことを言おうとしない
採用担当者が志望動機に求めるものは、「なぜこの企業を選んだのか」という納得感であり、ロジックやスマートさではありません。
例えば、競合企業との比較・分析などの緻密な企業研究を基に志望動機を語れば、その努力は評価されるかもしれませんが、あなたが志望する理由は伝わらず、納得感は生まれないでしょう。
かっこいいことを言おうとして、伝えるべき熱意がぼやけてしまっては本末転倒です。多少つたない表現であったとしても、志望動機は自分の言葉でストレートに伝えましょう。
- 志望動機のヒントを探るために自分を客観的に知ることから始めよう
- キャリアタイプ診断を受ける
履歴書の志望動機・よくあるNGな内容
ここでは参考として、履歴書の志望動機でよくあるNG例をご紹介します。
【例1】「御社の理念に共感しました」
理由もなくただ共感したと述べるだけでは、無難な動機として手抜きの印象が強くなります。自分の経験や考えをもとに、具体的な根拠を示しましょう。
【例2】「製品を気に入っているので」
単にユーザーとしての感想を述べているにすぎず、志望動機とはいえません。製品の良さを具体的に説明した上で、経験に基づいた自分の知見も述べるといいでしょう。
【例3】「御社で学びたい」
単に学びたいでは、他人任せの印象を与えてしまいます。企業は学校ではないため、「学んだ上でこのような活躍をしていきたい」といった、具体的なビジョンを示しましょう。
また、熱意を示そうとするあまり、売り上げ推移や競合企業との比較・分析などを書き連ねている志望動機もありますが、これでは単なる企業研究レポートです。志望動機としては適切ではないので注意しましょう。
履歴書の志望動機が書けない・思いつかないならご相談を
ここまでお伝えしてきたとおり、採用担当者が人柄や経歴、スキルだけでなく志望動機も重視しているのは、「長く活躍してくれる人材」を求めているからです。たとえ経歴やスキルが十分であったとしても、志望動機に熱意や説得力がなければ、なかなかマッチする企業とは出会えないでしょう。志望動機を改めて見直すなかで、企業にとっても自分にとっても最適な人材だと伝わる志望動機を完成させましょう。
どうしても志望動機で迷ってしまうのであれば、「dodaエージェント」への相談がおすすめ。
dodaエージェントを利用すれば、キャリアアドバイザーと一緒に志望動機や企業に伝えるべきあなたの実体験を整理したり、書き方の添削を受けることができます。この機会にぜひ利用してみてはいかがでしょうか。