転職活動を進めていくと、「オファー面談」という面談が設定される場合があります。
「オファー面談とはそもそも何なのか?」「オファー面談では何を聞かれるのか?」このように悩んでいる人もいるのではないでしょうか。
本記事では、オファー面談の目的から確認すべきポイント、注意点などを詳しく解説します。
最後まで読み進めると、しっかり準備できた状態で面談に臨めるようになるので、ぜひ参考にしてください。
もくじ
オファー面談とは?
「オファー面談」(「処遇面談」と呼ばれる場合も)とは、内定が出た後に行う面談のことです。企業が内定者にあらためて直接会って労働条件を説明することで、「入社してほしい」という熱意を伝えると同時に、選考の過程で誤解が生じていないかを確認し、内定者に不明な点があればそれをクリアにしてもらうことを目的にしています。
オファー面談は必ずしも行われるものではなく、希望者のみ実施する場合やそもそもオファー面談を行わない場合も少なくありません。
内定の承諾に当たって不安点がある場合は、オファー面談の場を設けてもらえないか確認してみましょう。
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オファー面談のタイミング
オファー面談は内定が決まり、労働条件通知書が出た後に行われるケースが一般的です。企業によってはオファー面談時に労働条件通知書を提示されることもあります。
最終面接が合格になると、入社後の条件面や待遇面、業務内容が記載された労働条件通知書が発行されます。書類が届いた時点では、入社が決定しているわけではなく、転職希望者側が入社を承諾して初めて入社決定となります。
受け取った書類の内容をもとにオファー面談は実施されます。当日までにしっかりと書類に目を通し質問をまとめておきましょう。労働条件に関して疑問点や不明点が見つかるかもしれませんので、当日までに質問をまとめておきましょう。
オファー面談の日程は、企業側から提示された日程で調整する場合と、内定者から複数日程を提示して調整する場合があります。転職エージェントを利用している場合は、エージェント経由で面談の日程決めを行います。
オファー面談で確認すべきこと
オファー面談の際に確認すべきことには、以下の5つが挙げられます。
必要な項目を事前に把握し質問内容を考えておくことで、オファー面談をスムーズに進められます。それぞれ詳しく解説しますので、参考にしてください。
業務内容
オファー面談では、業務内容を細かくすり合わせましょう。
求人票や面接で伝えられるのは基本的に業務内容の概要のみです。双方の認識違いを防ぐためにも、より細かな業務内容をオファー面談時に確認することをおすすめします。
例えば、営業職一つ取っても企業によって業務内容が異なります。前職で培った経験を活かしたくても、業務内容によって難しい可能性もあるのです。前職と業種や職種が同じでも、市場の変化や会社の事情などで、前職と異なる業務を受け持つ可能性もあります。
面談では業務内容の説明を一方的に受けて終わるのではなく、入社後に活躍している姿や将来的なキャリアプランをイメージして、積極的に質問しましょう。入社後スムーズに業務に移れるように、業務に関する疑問や不安を残さないことが大切です。
入社日
入社日はトラブルに発展しやすいポイントですので、必ずオファー面談で確認しましょう。
特に、内定が出た時点で現職に勤めている方は、現職の退職日を踏まえて入社日を決める必要があります。
就業規則に「退職する際は、退職日の1ヵ月以上前に退職願を提出すること」と決められているケースも少なくありません。転職先から入社日の相談を受けたら、現職の就業規則と引き継ぎに要する時間を確認し、現実的な入社可能日を伝えましょう。
就業場所・就業時間・休日
就業場所の認識に誤りがないか改めて確認しておきましょう。テレワークを導入している企業では、出社頻度なども確認しておきます。
就業時間については、実際の退勤時間や繁忙期の平均的な残業時間を確認します。
休日の確認も重要です。求人票に「完全週休2日制」と記載がある場合でも、2日連続で休めるとは限りません。入社後のミスマッチにつながらないように、気になる部分は確認しておきましょう。
給与・評価制度
給与額や評価制度について、不明な点や気になる点があるならばオファー面談で質問しましょう。
労働条件通知書に記載された内容はあくまでも入社した時点での金額です。そのため、長期的に働くイメージを持てるかどうかを確認するために、昇給に影響する評価制度は確認しておきましょう。
評価制度は企業によって考え方が異なるので、主な評価指標や評価のタイミングなどを確認しておくことをおすすめします。
社内制度・福利厚生
社内制度や福利厚生は、ホームページや求人票に記載されていることが多いため、事前に調べておきましょう。その上で、確認したいことがあれば、オファー面談で聞くのが大切です。
社内制度と福利厚生を確認する際の例として、以下のようなものが挙げられます。
- 家賃補助の有無と上限
- 資格取得手当の有無と条件
- 育児休業の取得実績
社内制度や福利厚生は、キャリア形成に役立ったり働きやすさに直結したりするため、入社を決める判断材料の一つになるので、確認しておきましょう。
オファー面談で事前に知っておきたいポイント
オファー面談で事前に把握しておきたいポイントは、以下の二つです。
準備なしに面談に臨むと、確認すべき内容を聞けず二度手間になる可能性があり、また伝え方や内容によっては印象を悪くする可能性もあります。それぞれ詳しく見てみましょう。
事前に質問リストを作っておく
必要な内容をスムーズに聞けるように、質問リストを作っておきましょう。
質問したい内容を頭の中で考えていても、面談になったときに緊張して忘れる可能性があります。事前にリスト化しておくことで、聞きたい内容を整理して話せるようになり、先方に分かりやすく伝えられます。
また、入社するかどうか迷っている・不安に思っているポイントを事前に洗い出しておくことで、オファー面談を通して確認できます。結果として、入社後のミスマッチを減らすことにつながります。
転職エージェントを利用している場合は、迷っているポイントや質問リストを担当のキャリアアドバイザーに事前に共有しておきましょう。不安を解消できる情報を得られやすくなるので効果的です。
常識の範囲内で相談する
労働条件について相談するときは、常識の範囲内での相談を心掛けましょう。
必要以上に条件について確認すると、企業からの印象を下げてしまい、入社後の仕事に影響が出る可能性があります。例えば、求人票に掲載されていた給与額から大幅なアップを要求するなどです。
あくまでも目線合わせの場ですので、交渉ではなく相談というスタンスで臨みましょう。
当然ながら、うその内容を伝えるのはNGです。例えば、転職後の年収を上げたいがために、現職の年収を本来よりも高い金額で伝えるようなことです。
社内での信頼を失い、働きづらくなるので正直に伝えるようにしましょう。
オファー面談に挑む際の注意点
オファー面談に挑む際の注意点として、以下の二つが挙げられます。
オファー面談時は内定をもらっている段階ですが、印象を損ねないように注意点の内容をしっかり確認しておきましょう。
【要注意】労働契約上の「内定」とは?
本記事内では「企業から採用条件通知書が発行されたタイミング」を内定と呼んでいます。 しかし、労働契約上は採用条件通知書が発行されただけでは「内定」とはなりません。
企業から「採用条件通知書」が送付され、求職者が求人企業に対し、入社日・年収等重要な条件を踏まえ、就業することの意思表示をした状態が労働契約上の内定となります。
ですから、退職交渉の開始や他社選考の辞退は、労働契約が成立してから 行ってください。
dodaエージェントサービスを利用している場合は、キャリアアドバイザーに相談しながら、慎重に進めてください。また、ご自身で企業と直接やり取りしている場合は、エビデンスが残る形で進めていただくのが安全です。
態度や言葉選びに気をつける
オファー面談に挑む際の注意点として、面談時の態度や言葉選びに気をつけましょう。
たとえ面談で想定していた回答をもらえなかった場合でも、相手への敬意と感謝の気持ちを忘れないことが大切です。聞きづらいことも印象を損ねずに確認するために、うまく言葉を選びましょう
質問の仕方でも印象が変わります。質問する際は以下のことを心掛けましょう。
- 結論から話す
- 具体的な内容を伝える
例えば、以下のように質問します。
「業務内容について質問があります。労働条件通知書に業務内容が新規顧客の獲得とありましたが、具体的なターゲットや商材、営業範囲をお聞きしたいです」
相手への伝え方を意識するだけでも、相手に与える印象は変わるため、誠実な対応を心掛けましょう。
社会人として適した服装で挑む
内定段階でも社会人としてTPOをわきまえた服装で面談に臨みましょう。
基本的にはビジネススーツを着用するのがおすすめです。「カジュアルな服装で」と指定があれば、襟付きシャツにジャケットなどのオフィスカジュアルを選びます。企業によってオフィスカジュアルの基準は異なりますが、清潔感のある身だしなみにすることが大切です。
オンライン面談の場合でもスーツやオフィスカジュアルなどの服装にしましょう。
オファー面談がない場合にすべきこと
オファー面談がない場合にすべきことは、以下の二つです。
入社後のミスマッチを防ぐためにも、ぜひお読みください。
労働条件通知書の内容を確認する
オファー面談がない場合には、労働条件通知書の内容をしっかり確認します。
オファー面談の実施は、法的に義務付けられていません。ただし「労働条件通知書」の交付は義務付けられているため、受け取ったらなるべく早く内容を確認しましょう。
法的に通知が義務付けられている主な内容は、以下のとおりです。
- 労働契約の期間
- 労働契約の更新に関すること
- 就業場所
- 業務内容
- 就業時間や残業に関すること
- 休日や休暇
- 賃金や賞与、昇給に関すること
- 退職に関すること
- 労働者が負担する費用
- 安全衛生に関すること
- 職業訓練に関すること
- 災害補償や傷病扶助に関すること
- 表彰や制裁に関すること
- 休職に関すること
※厚生労働省「採用時に労働条件を明示しなければならないと聞きました。具体的には何を明示すればよいのでしょうか。」
労働条件通知書に似た書類として「雇用契約書」の交付がある場合もあります。それぞれの違いに関しては、以下の記事を参考にしてみてください。
気になる点がある際はオファー面談の希望を出す
労働条件通知書の内容で気になる点がある場合は、企業側からのオファー面談の設定がなくても、自ら面談希望を出しましょう。
疑問点や不安点がある場合は、モヤモヤしたまま入社を迎えるのではなく、悩みを解消しておくことが大切です。ただし、必ず面談してもらえるとは限らない点に留意しましょう。
オファー面談の機会をもらえない場合は、採用担当者へメールや電話をして質問することも検討してください。また、転職エージェントを利用している場合は、担当のキャリアアドバイザーに相談してみましょう。
まとめ:オファー面談で入社後のギャップを最小限にしよう
オファー面談とは、内定が出た後に行う面談のことです。労働条件通知書を受け取ったらまずは内容をしっかり読み、当初の条件と相違がないか確認しましょう。
疑問点や不安点がある場合には、解消できるように準備して面談に臨むことが大切です。あくまでも疑問点や悩みを相談するスタンスで臨みましょう。
オファー面談をうまく活用し、入社後のギャップを最小限に抑え、後悔のない転職につなげましょう。