転職を考えてdodaに登録したり、サイトの情報を見ているものの、転職活動がなかなか進まないという人は、常にある程度の割合でいます。今回は、転職活動が具体的に進まない原因と対策を考えてみます。
もくじ
その気はあるのに転職活動が進まないのは、なぜ?
dodaがビジネスパーソンに対して実施した「ビジネスパーソン2,000人の転職意識調査」では、転職を考えている人は全体の4割(39.1%)、実際に転職活動している人はその中の1割(全体の3.8%)であることが分かりました。そして、転職を考えているのに具体的な活動をしていない理由としては、「希望の求人がない」「きっかけがない」「不安、勇気が出ない」などが多く挙げられました。
さらに、dodaのキャリアカウンセリングやイベントでお会いする方々の声などから、「転職を考えているが具体的な活動をしていない」あるいは「転職活動がなかなか進まない」ことの主な理由・原因を考えると、次のように大別されます。
(1) 「よい求人があれば」 と思っていて、そんなに切羽詰まってない
(2) 今の仕事が忙しくて物理的に動けない
(3) やりたい仕事の求人が出るのを待っている
(4) 転職活動が不安・勇気が出ない
これらの理由のうち、(1)〜(3)はある意味しかたありません。転職したい気持ちがもっと切実になったり、今の仕事が一段落した時に改めて転職活動モードのスイッチをONにしましょう。けれども、もし、(4)の「転職活動が不安」が主な理由だとしたら、転職活動の不安を解消する方法は、実は「転職活動をしてみること」なのです。
勇気が出ないのはなぜ?「転職」「転職活動」それぞれの不安の理由
ここで、不安の元を正しく切り分けて把握しておきましょう。自分の感じている不安が、「転職」に対してなのか、「転職活動」に対してなのか、この2つは全く別のものです。
「転職が不安」なのは、
- 新しい職場に溶け込めるか
- 思ったような仕事を担当できるか
- 新しい生活ペースになじめるか
- 今までのキャリアが無駄にならないか
- 5年後、10年後のキャリアアップが実現できるか
…など、転職後の新しい会社での働き方に関してでしょう。
これに対して「転職活動」は、
- 希望の会社が見つかるか
- 今の仕事をしながら転職活動を両立できるか
- 自分のキャリアや強みを評価してもらえるか
- 面接で厳しい質問でやり込められるのではないか
- 自分が社外では通用しないのではないか
…といった、活動がスムーズにいくかどうかに不安を感じ、勇気が出ないのでしょう。
「転職」に関する不安、つまり、入社後に思い描いた活躍ができるかどうかは、予知能力者でない限り誰にも保証はできません。そこで、入社後の不安の種を少しでもつぶし、納得して入社できる材料を集めるのが転職活動なのです。
- 自分の強みやタイプを確認して転職活動の不安を小さくしよう
- キャリアタイプ診断を受ける
そして、「転職活動」に関する不安は、実際に転職活動することが解決策です。例えば、自動車の運転やゴルフでも、ノウハウ本や他人の体験談をどんなに読んでも、実車の練習や打ちっぱなしをしてみないと何も身につきません。応募する企業を絞り込む、履歴書や職務経歴書を書く、面接の日程調整をする、求人情報に書いていなくて気になることをリストアップする、面接で緊張しながらも自分の強みを何とか伝える…こうしたことの一つ一つをクリアすることで、不安は徐々に解消していくでしょう。
なお、転職活動の不安の根っこになっているのは、「転職活動をしたら転職しないといけないのでは?」という誤解・思い込みであることも多いのです。
その思い込みゆえに、
(1) 活動後すぐに内定が出た場合、今の会社を辞めるかどうか熟考する余裕があるだろうか
(2) 迷わずに「入社します」と言えるような会社を慎重に選ばなければならない
(3) 多少興味がある程度では、うかつに応募できない
(4) 果たして、そんな希望通りの会社・求人が見つかるのだろうか
という自問自答に陥り、なかなか具体的な活動を始められないという傾向があります。dodaのデータでは、転職成功者は1社の内定を得るのに10社以上の応募をしています。出合い頭のように応募1社目でトントンと内定まで進む可能性もゼロではありませんが、何社かを並行するのがベターです。1社だけのことを思いつめるより、比較検討したほうが納得いく判断ができるからです。
「せっかくいい求人があったのに…」 のガッカリを繰り返さない
転職市場が売り手市場(転職希望者数<求人数)でも買い手市場(転職希望者数>求人数)でも、気になる求人は足が早いものです。「あ、この求人にはちょっと興味がある」 → 「でも、応募する前にもう少し調べてみよう」 → 「もう応募が締め切られている!」 → 「せっかく見つけたのにガッカリ…」 ということが繰り返されると、次第に気持ちも萎えてしまいます。その気が毛頭ないのなら転職活動する必要はありません。けれども、転職を考えていて、それなのに活動できない理由が「不安」なのであれば、少しだけ勇気を出して動いてみませんか。応募先に合った志望動機を考えたり面接を受けることで新たな気づきがあるはずです。不安の解消にとどまらず、大きな可能性を見つけましょう。