転職活動が面接に差し掛かってくると応募企業とメールのやり取りをすることが増えてきます。その後の選考を考えると、ついつい苦手意識を持ってしまう人も多いのではないでしょうか。この記事では、転職活動中のメールについて、マナーや書き方をご紹介します。
もくじ
転職活動で送るメールはどんな点を見られている?
転職活動の選考中に送るメールは、合否に直結することは少ないものの、採用担当者から抱かれる第一印象に影響します。実際、メール対応を通じてコミュニケーション能力やビジネスマナーを判断されていると言ってよいでしょう。特に、文章のていねいさや正確さ、レスポンスの速さはチェックされているケースが多いです。
この章では、特に気をつけたい4つのポイントをご紹介します。
メールを送る時間帯には注意する・返信は24時間以内にする
深夜帯のメール送信は、非常識と見なされる可能性があります。就業時間内の休憩時間などを利用し、ビジネスタイムと言われる9時から18時を目安に考えましょう。また、返信はできるだけ24時間以内に行いましょう。迅速な対応は誠実さやその企業に対する意欲の高さを示す上でも重要です。
どうしても返信が遅れてしまう場合は、まずメールへのお礼と内容を確認した旨を伝え、改めて連絡すると添えることで印象を損なわずに済むでしょう。転職活動中は小まめなメールチェックを習慣づけ、できるだけ迅速に対応するよう心がけましょう。
会社のメールアドレスは使用しない
転職活動中に現在の勤務先のメールアドレスを利用するのは避けましょう。現職企業の規則違反に当たる場合があるほか、応募企業から情報漏えいなどのコンプライアンス意識の低さを疑われる原因にもなりかねません。トラブルを防ぐためにも、プライベートで使用可能な個人メールアドレスを用意しましょう。
ただし、SNSなどで使用するニックネームをプライベートのメールアドレスとして使用している場合は、良い印象とならない場合があるので注意が必要です。その場合は、新たに自分のフルネームなどの、信頼感のあるメールアドレスを作成することをおすすめします。
また、表示名がニックネームなどではなく、自分の名前になっているかもあわせて確認しましょう。確認方法はメールサービス(OutlookやGmailなど)によって異なります。
内容はビジネスマナーを意識して作成する
転職活動はプライベートな側面もありますが、企業とやり取りする以上はビジネスメールと同様のマナーが求められます。
メールの基本構成は「件名」「宛先」「あいさつ文」「本文」「署名」の5要素です。それぞれ下記の点に気をつけて作成しましょう。
Re:〇〇のご案内(〇〇〇〇<フルネーム>)
宛先◯◯株式会社
人事部 ◯◯様
お世話になっております。〇〇〇〇(フルネーム)です。
本文ご連絡をありがとうございます。
〇〇〇〇〇〇(伝えたいこと)
・〇〇〇〇(長くなる場合は箇条書きで簡潔に)
・〇〇〇〇
・〇〇〇〇
何卒よろしくお願いいたします。
署名***********************************
〇〇〇〇(フルネーム)
TEL/000-0000-0000
MAIL:tarou.doda@******.com
***********************************
「〇〇への応募について」といった簡潔なものを心がける
返信時は件名を変えずにメールの返信機能をそのまま使用する
担当者の正確な役職名と氏名を敬称付きで記載する
あいさつ文「お世話になっております」などの定型的なあいさつから始める
あいさつ文がないと唐突な印象を与える可能性があるため、相手への配慮として必ず入れる
要点を箇条書きにするなど読みやすさを重視する
誤字脱字はAIツールも活用してていねいにチェックする
氏名・連絡先・応募求人の情報をまとめ、相手がすぐ対応できるよう配慮する
資料を添付するときは、パスワードを設定する
履歴書や職務経歴書などをメールで送る場合は、添付資料にパスワードを設定し、情報漏えいのリスクを減らしましょう。
また、送信前にはファイルが添付されているか、内容が正しいか、必要な資料がすべて含まれているかを必ずチェックしてください。送信後の修正依頼は相手の手間を増やす原因になるため、事前に確認することが大切です。
パスワード設定の具体的な方法については、以下の記事を参考にご覧ください。
転職シチュエーション別のメール対応方法
転職活動中のメール対応では、基本マナーを押さえることが大切です。しかし、実際のやり取りでは、さらに状況に応じて内容を調整し、相手に伝わりやすいメールを作成する必要があります。ここでは、転職活動中によくあるシチュエーション別に、メール対応のコツや注意点をご紹介します。
ちょっとした問い合わせをする場合
ちょっとした問い合わせの場合であっても、メールの基本マナーを守るという点に変わりはありません。ただし、内容はできるだけ簡潔にまとめ、相手の手間を増やさないよう配慮しましょう。
よくある問い合わせ内容にあわせてメール文の例をご紹介します。
・書類がいつもらえるか確認したい
先日は採用選考につきましてご対応いただき、ありがとうございました。
労働条件通知書を送付いただく時期を把握したく、大体の目安などがあればお知らせいただけますと幸いです。
・内定通知への返事にもう少し時間が欲しい
この度は内定のご連絡をいただき、誠にありがとうございます。
大変ありがたいお話で、前向きに検討しておりますが、最終的な決断までに少々お時間を頂戴できればと考えております。
恐れ入りますが、〇月〇日ごろまでお待ちいただくことは可能でしょうか。
・面接会場の最寄り駅や出口を知りたい
面接日程のご連絡をいただき、ありがとうございます。
当日、指定いただいた会場へ伺うにあたり、最寄り駅やアクセスしやすい出口などの詳細を教えていただけますでしょうか。
履歴書をメールで送る場合
履歴書をメールで送付する際は、相手が確認しやすいようにPDF形式でまとめるのがおすすめです。パスワードを設定し、セキュリティへの配慮も示しましょう。件名には「履歴書送付」の旨を明記し、本文では添付ファイルについてや応募職種などを簡潔に伝えます。
送信前にはファイル名や添付漏れを必ず再確認し、誤送信に注意しましょう。
履歴書をメールで送る場合のマナーや注意点が知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
面接の日程調整をメールでする場合
面接の日程調整をするメールでは、複数の候補日時を提示し、担当者が選びやすいよう配慮しましょう。例えば「○月○日~○月○日の午前中」や「○日の15時以降」のように具体的な時間帯を示すとスムーズです。
もし返信期限を設ける場合は、失礼にならないように配慮した上で明記しましょう。
面接の日程調整メールを送る場合のマナーや注意点が知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
面接後のお礼メールを送る場合
面接後のお礼メールは必ずしも送る必要はありませんが、担当者への感謝と志望意欲をもう一度伝える機会でもあります。メールを送る場合は、面接後24時間以内を目安に送り、面接中に話題に出たポイントや印象深かった質問を簡潔に振り返ると、自分の意欲や興味が伝わりやすくなります。
あまりに長文すぎると相手の負担になるため、2~3行程度で要点をまとめ、誤字脱字のチェックを念入りに行ってから送信しましょう。
面接後のお礼メールを送る場合のマナーや注意点が知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
メールで面接を辞退したい場合
やむを得ず面接を辞退する場合は、日程に近ければ近いほど早めの連絡が大切です。メールの冒頭で辞退の旨を示し、お詫びと感謝の気持ちを簡潔に伝えましょう。
面接辞退メールを作成する際に必ず押さえておきたいポイントは以下のとおりです。
- 一目で辞退の連絡だと分かるような件名にする
- 本文は簡潔にまとめる
- お詫びの言葉を必ず入れる
より詳細な気をつけるべきポイントや具体的なメールテンプレートが知りたい人は以下の記事もご覧ください。
内定承諾(入社承諾)する場合
内定を承諾するメールでは、まず選考への感謝と内定をいただいたことへのお礼を述べた上で、「ぜひ貴社で勤務させていただきたい」と明確に入社の意思を示すことが大切です。
さらに入社日や手続きの確認など必要な情報をまとめて問い合わせると、やり取りの手間を減らせます。誤字脱字や失礼な表現がないか細心の注意を払い、前向きな気持ちを端的に伝えましょう。
メールで内定承諾・入社承諾をする方法を知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
内定辞退する場合
内定辞退は応募企業側の採用計画に影響を与えるため、できるだけ早く連絡しましょう。メールで連絡する場合は、本文の冒頭で感謝の意を示し、「一身上の都合で辞退させていただきます」とシンプルに伝えるのが一般的です。面接辞退時と同様、詳細な理由を述べすぎるのは避け、これまでの対応へのお礼とお詫びを添えて締めくくると、不要な誤解を生まず円満に話を収められるでしょう。
メールで内定辞退をする方法を知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。