転職活動に関する質問・問い合わせで多いのが、「離職期間は何カ月くらいまでなら許されますか?」というものです。既に会社を辞めて転職活動をしている人も、これから転職活動を始めるという人も、採用側が応募者の離職期間についてどう考えるかを知って、活動方針の参考にしてみてください。
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エージェントサービスを申し込む採用側は空白期間(ブランク)の何を気にしているか
転職活動は計画通りに進むとは限りません。離職して転職活動に専念していても、「思ったより活動が長引いている…」と焦りを感じている人もいることでしょう。離職期間(ブランク)が長引いているといっても一人ひとり事情が違います。「○カ月までならセーフ」「○カ月を超えたらアウト」といった一律な答えはありません。けれども、平均的な転職活動期間が2〜3カ月と言われる中で、離職期間が長引くと不利になるのは否定できないところです。ですから、転職活動が想定通りに進まないと感じたら、転職活動期間が3カ月になる前に活動方針を見直し、6カ月になると黄色信号、と意識しだしたほうがよさそうです。
在職中にどんなに活躍していた人でも、戦列から離れていればある種の勘が鈍ってきます。ブランクが長引いている人に対して採用側はどんな点を懸念するのでしょうか。応募書類や面接ではこれらの懸念点を払拭するように努めましょう。
◆ 仕事に取り組む意欲
お正月やお盆、ゴールデン・ウィークなど、普段より長く休んだ後はなんとなくモチベーションが落ちてしまい、意識して“仕事モード”に切り替える必要があります。まして3カ月のブランクともなると、仕事モードに戻るのに時間がかかってしまうのでは?という懸念につながります。
◆ 柔軟性、判断の優先順位
前職である程度のキャリアがありながらブランクが長引いている人の場合、採用側は、「希望条件(職種、年収、勤務地、商材、企業規模など)を全て満たすものしか応募しない・内定を受けない人なのだろうか」「全てを満たす”青い鳥”を追い求めるタイプなのだろうか」と考えます。柔軟性、機動性、優先順位の付け方に懸念を持たれてしまいます。
◆ ビジネス勘、スキルの鈍化
どんな業界・職種でもそうですが、特にエンジニア系の職種やIT・Web業界だと、スキルや知識に遅れが出ていないかが見られています。新聞・テレビ・Webなどで最新の情報をチェックすることはできますが、それをビジネスにどう活かすかという点で懸念材料となりそうです。
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空白期間(ブランク)の理由として納得してもらえるもの
採用担当者は、職務経歴書を見てブランクが長引いている人に対しては、「この期間、どう過ごしていたのだろう?」と思いますし、面接なら必ずといっていいほど質問してきます。ブランク期間の過ごし方についてマニュアル本などでは、「資格の勉強をしていた」が模範回答と書かれているものもありますが実際のところはどうなのでしょうか。
◆ 資格の勉強をしていた
弁護士、公認会計士、司法書士などの超難関資格であれば、「転職活動が長引くのもしかたない」という納得感はありそうです。それ以外なら、応募する仕事に関連がある資格であれば意欲を評価してもらえるかもしれません。しかし、後者の場合は、在職中の人は働きながら同じ資格を取得していると考えると、「勉強していた(が、取れていない)」だけだと納得感は弱まります。
◆ 家族の介護をしていた
これは、本人の意思や努力ではいかんともしがたい事情ですので、採用側にも事情は十分に汲んでもらえるでしょう。しかし、納得感を得ることと、「即戦力を採用したい」という採用側の事情はまた別モノなので、後述のリカバリーのポイントを確認してください。
◆ 短期の語学留学をしていた
TOEIC(R)テストのスコアアップにつながっていたり、応募する仕事を想定して英語力を活かした活躍イメージを語れればアピールにつながりそうです。しかし、ほかの応募者が同程度の語学力を持っていたらアドバンテージにはならないので、語学力以外の答えも用意しておきましょう。
◆ フリーランスで単発の仕事をしていた
応募先の仕事と関連ある仕事なら、採用側の懸念材料の一つである「ビジネス勘やスキルが鈍っているのでは?」をカバーして納得感を与えられるかもしれません。
いくつか代表的なものを挙げました。これらも、前職でどれくらいのレベルの仕事をしていたかに左右されます。職務経歴書でこれまでの実績や強みと合わせて、「転職活動しながら、業務に関するスキルやビジネス勘を鈍らせないための取り組みをしていた」ということをきちんと伝えましょう。
離職期間や空白期間の上手な伝え方は?
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応募書類や面接でリカバリーする空白期間(ブランク)の伝え方
ここまで、採用側がブランクをどう見ているかを説明してきました。しかし、それが分かったところで、応募書類や面接でどうリカバリーできるでしょうか。採用側に伝えたいのは次の2点です。
- 「ブランクが長引いていて、そのことに採用側が懸念を抱いている」という現状を客観的に理解している
- 「入社できたらブランクを挽回するために、どんな取り組みをするか」を考えている
例えば、こんな伝え方が考えられます。
「キャリアの貴重な6カ月間を停滞させてしまいました。御社で働く機会を得られたら、このブランク期間をできるだけ早く取り戻し、戦力になれるように最大限努力します。これまでの中途入社の方々がどれくらいの期間で戦力化されたかを伺って、その半分の期間を目指します。それには、商材、マーケット、課題の理解に努め、提案を出せるようにしたいと思います」
ブランクが3カ月(または6カ月)になっているという事実(過去)は変えられません。入社後という未来の話で熱意を伝え、転職成功を引き寄せましょう。