10年目で全く違う仕事の部署へ異動…大企業の安定を捨てて転職してもいい？

10年間なんとか頑張ってきたんですけどね…。最後に異動した部署の仕事がどうしても合わなくて。

事務センターでの書類チェックがメインでした。利用者からの申し込み書類の不備の確認で、別に判断が必要なわけでもなく、本来なら新入社員やせいぜい2～3年目の社員がやる仕事。センターには女性スタッフが数十人いてチェックの依頼がひっきりなしで、とにかく量が膨大なんです。チェックだけで半日はかかるので、本来やりたい仕事までたどり着けない毎日でした。

ぼくは10年間、経営企画や経営管理をやってきて、11年目でこの書類チェックの仕事をすることで何かプラスがあるんだろうか？ 自分だけじゃなくて組織にとっても何か意味があるのか？って悶々としました。

異動になる何年も前から不満は重なってたのかもしれません。

入社以来、経営企画、子会社の経営管理と、所属部署や分析の対象はいろいろでも、「会社の動きを数字で把握する」という仕事に面白みを感じてました。向いてるとも思ってましたし。

でも、同期や後輩が先に昇格していくようになって、自分はきちんと評価されてるんだろうかという疑問がたびたび心に浮かびました。そのつど、「いや、仕事自体は面白いんだからこれでいい」「大手企業の安定を手放すほどの不満じゃない」と自分に言い聞かせて、あと1年、もう1年、続けてみようと結論づけて、それで10年経ってました。

事務センターで仕事のつまらなさにへきえきしてましたが、いつものように「あと1年」と考えかけて、「あと1年したら35歳になってるぞ！」と思ったんです。30代後半になって先延ばしにしたら転職はどんどん難しくなるぞ、と。

大手企業だからつぶれないし待遇は恵まれてる。それを手放すのか？という気持ちと、だけどこのまま書類チェックし続けて何になるんだ？という気持ちがずっとあって、そこに年齢を突きつけられて転職活動に踏み切りました。

べつに自信や勝算があったわけではないですが、急がないとマズいと思いました。

1年半かかりました。「経営企画」という職種での求人はそもそも少ないし、「管理会計○年以上」といった条件が厳しいんですね。業界にはこだわらず、仕事内容に経営企画や経営管理の要素があれば「総務」の求人にも応募しました。100社以上は応募したと思います。

いくつも落ちて、応募してる会社に対してのアピールポイントがズレてるのかなとか反省はしました。でもとにかく数をこなさないと内定が出ないと思ったので「はい次！」と気持ちを切り替えました。

まったく違う業界で、部署は「総務」になりました。役員会や株主総会の運営、コンプライアンス系まで業務は幅広いです。関わる相手も社内・社外とも大勢います。以前の部署で学んでた会社法や、10年間での調整力・段取り力が活かせそうです。

ゆくゆくは会社全体の経営管理もやりたいです。何よりもこうして先々の希望が思い浮かぶというのが、転職しての一番の収穫ですよ。