仕事にやりがいを求めるビジネスパーソンは多い
20代・30代の「はたらく価値観調査」によると、転職先に求める条件として「年収アップ」「人間関係のよさ」に次いで「やりがい」が3番目にあがっています。また、dodaのキャリアカウンセリングの場でも「生活の大半を費やすのだから仕事にはやりがいがあったほうがいい」という声はよく聞かれます。
20代・30代が転職先に最も求める条件TOP10
出典:d’s JOURNAL編集部「はたらく価値観調査」(2019年)
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仕事にやりがいがないと感じてしまう原因
仕事へのやりがいとは、「働くことに前向きになるための要素」や「仕事をしてよかった、とポジティブな気持ちになれる要素」と考えられます。「わくわく」「喜びを感じる瞬間」「仕事の成果や評価に対する喜び」などと表現すると分かりやすいかもしれません。誰かが与えてくれるものではなく、自分で気づく・見つけるものともいえます。
しかし残念ながら「仕事にやりがいがない」と感じて悩んでしまうこともあるでしょう。「やりがい」は抽象的なもので人によって感じ方が違うので、「仕事にやりがいがない」と感じる原因も人それぞれです。
■「仕事にやりがいがない」と感じる原因(例)
- ・評価されない
- ・出世の見通しが立たない
- ・希望の部署に配属されない
- ・会社の環境がよくない
- ・今の仕事に興味が持てない、楽しくない、価値を感じない
- ・仕事が単調、仕事に飽きた
- ・仕事で失敗が続いている
- ・自分が何にやりがいを感じるのか分からない
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仕事にやりがいを感じないまま、仕事を続けるリスク
「仕事にやりがいがない」と感じることは誰にでもありますし、逆にどんなときでも常にやりがいを感じているという人はわずかでしょう。ただし、「自分は仕事でやりがいを感じたい」という人がやりがいを感じられないまま仕事を続けていると長期的にはリスクになる可能性があります。
■やりがいを感じられないまま仕事を続けるリスク(例)
- ・不安や焦りを感じる
- ・働くのが嫌になる
- ・ビジネスパーソンとしての成長が止まる
- ・どんなときにやりがいを感じるかの実感がないと自分の強みや適性を把握できない
やりがいを失っているかも? このようなときは要注意
なかには忙しさやストレスで自分がやりがいを失っていることに気づけないこともあります。「やりがいがない状態」のままで仕事を続けるのにはリスクがあるため、できれば状況を自覚してやりがいを求めるのが望ましいのではないでしょうか。
■仕事へのやりがいを失っている人の兆候
- ・会社に行くのがつらい
- ・テンションが上がらない
- ・仕事への意欲が出ない
- ・ほかの仕事が魅力的に感じられる
- ・集中できない
- ・仕事の時間が長く感じられる
- ・「なんでもいい」など投げやりな発言をしがち
■成果をあげているのに「やりがいがない」と感じる人も
やりがいは、あなたの心の中の問題です。仕事で成果をあげ、まわりから称賛されたとしても、それはあなた以外の人からの評価なので、必ずしもあなたの心の幸せに直結するとは限りません。外からの評価を得るのと自分がやりがいを感じるかどうかは別のものだと考えることも必要です。
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仕事にやりがいを見いだす方法
仕事にやりがいを見いだすためには、あなたにとっての「やりがい」とは何なのか、どこから生まれるものなのかを具体的に分析・整理・言語化していく必要があります。
「仕事のやりがいとは?」と具体的に考える
■人生で感情が動いた瞬間を思い出す
「やりがいがある」のがどんな状態や気持ちなのかを考えるとき、実際にあなたの感情が動いた瞬間にヒントがあります。学生時代やプライベートも含めて、うれしかったこと、悔しかったこと、何か考えが変わったときのことなど、感情が揺さぶられたのはどんなシーンだったかを思い出してみてください。ポジティブな感情、ネガティブな感情、どちらも思い出してみましょう。
■やりがいを感じたシーンを具体的に掘り下げる
やりがいを分析・整理・言語化するときは、慣れないうちは抽象的な言葉になりがちです。自分がやりがいを感じた理由や傾向を具体的な言葉で表せるように、質問を重ねてみましょう。
質問を重ねて具体化する流れの一例
-
(質問)やりがいを感じたのはいつか?
↓ -
「人から『ありがとう』と言われた場面でやりがいを感じた」
↓ -
(質問)なぜか?
↓ -
「好きな人から言われたから」
「自分の培ってきた知識や知恵が活かせたから」
「直接言われたから」
↓ -
(質問)好きな人とは誰か?
(質問)自分の培ってきた知識や知恵とは何のことか?
(質問)直接言われることはよくある?めったにない?
↓ - 「ひそかに目標にしている先輩から言われた。普段あまり接点がない人なのに、今の仕事の状況を知っていてくれたのが意外だったしうれしかった」
■整理したことを書き出す、誰かに伝える
やりがいを分析・整理・言語化するときは、頭の外に出すことを意識してください。頭の中で考えているだけでは分析・整理・言語化は思うように進みません。紙に書き出す、声に出してみる、友人に話を聞いてもらう、SNSでつぶやく、日記に書くなど、何らかの形でアウトプットすると自分の考えを客観的に見ることができます。
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仕事へのやりがいを分析・整理・言語化するときの注意点
■絶対的な正解があると思わない
今感じているやりがいも、この先には感じ方が変わるかもしれません。やりがいは何か1つだけではありませんし、仕事内容が変わったり経験が増えたりすることでも変わります。過去にさかのぼって仕事のやりがいを分析する場合、当時のやりがいと今感じているやりがいが違っていても気にする必要はありません。
また、「こんな小さなことにやりがいを感じるのはスケールが小さいと思われてしまうのではないか」などと他人の目を気にする必要もありません。自分がどう感じるかだけを素直に見つめましょう。
■抽象的な言葉にとどまっていないか振り返る
ある程度の整理、言語化ができたら、やりがいが抽象的な言葉にとどまっていないかチェックしてみます。抽象的な言葉のままだと、自分がやりがいを感じるための条件がぼやけてしまいます。できるだけ具体的な言葉に落とし込みましょう。
抽象的な言葉の例
「キャリアアップ」
具体的にどんな状態になることをイメージしているのか?
「環境」
人間関係、制度や体制、オフィスの物理的な環境など、何を指しているのか?
「評価」
感謝や称賛の言葉、報酬、昇進など。
評価される相手は会社か顧客か?
「仕事」
業界、職種、会社、事業内容、肩書、担当業務など、何を指しているのか?
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仕事にやりがいを見いだせないなら転職も視野に
どうしても今の仕事にやりがいを見いだせない場合は、転職も選択肢のひとつになります。やりがいを求めて転職するのはポジティブな行動です。下記のようなポイントを意識しながら自己分析や企業研究など何か行動に移してみましょう。
仕事にやりがいがない人が転職活動で意識したいポイント
■やりがいを具体化する
自分にとってのやりがいを具体的に考え、転職先でどのようにやりがいを得たいのかを伝えられるようにしましょう。面接では退職理由を尋ねられるので、やりがいと絡めて説明できると面接官に納得してもらいやすくなります。
■やりがい以外の重視ポイントも考える
応募先を選んだり面接を受けたりする際にやりがいを得られるかだけを重視するのはアンバランスになりますので、やりがいのほかに何を重視するか、譲れないポイントが何かもあわせて考えましょう。
■客観的な意見を聞く
「やりがい」のようなあいまいな感情は、客観的な立場のキャリアアドバイザーと対話して話を引き出してもらうと分析・整理・言語化が進みます。「過去にそういうシーンでやりがいを感じたのなら、例えばこんな仕事も合うのでは?」といった意外な提案をしてもらえます。
キャリアアドバイザーは、さまざまな業界で働いている人のリアルな声を聞いているので、ほかの人の事例や傾向からあなたの悩みを紐解いていきます。やりがいを求めるあまり今の自分の強みや成果が見えなくなっている人にも適切にアドバイスしていきます。
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自分のやりがいが感じられる方向性を転職のプロに相談
やりがいは抽象的なもので人それぞれ異なります。どのような会社や仕事であればやりがいを感じられそうかを、さまざまな角度から分析・整理・言語化して具体化していくのが悩みを解消する近道です。
しかしそうした整理を一人でスムーズにできる人は多くありません。一人では見つけられない選択肢がキャリアアドバイザーとの対話によって広がっていきます。やりがいが感じられるのはどのような条件の仕事なのかを、実際にどの企業が条件に当てはまるのかを転職のプロといっしょに具現化していきましょう。
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この記事を監修したキャリアアドバイザー
水牧 恵理 (みずまき・えり)
【経歴】
モノづくりエンジニア部門担当。理系学部所属でありながら、技術職は向いていないと感じていたとき、自身の家族が「自分の仕事は天職」と語る姿を見て、「こういう人を増やしたい」「自分のように、理系だから技術職じゃなきゃ、といった固定観念に引っ張られることなく、少しでも幸せに働ける人が増える力になれたら」と思い、2017年に株式会社インテリジェンス(現パーソルキャリア株式会社)に入社。以来、製造業領域の開発職を中心に転職活動の支援を行っている。