営業職のやりがいとは
まず、「市場価値が高い」といわれる営業職には一般にどんなやりがいがあるのでしょうか。代表的なものを挙げてみましょう。ホスピタリティがある人にとっては、いろいろな人に会えて信頼関係を築いていく点もやりがいにつながります。社内の人との関わりだけでなく、社外に出ることでコミュニケーションの幅が広がるのも営業職ならではの魅力です。
営業職のやりがい
●会社の売り上げや利益にダイレクトに貢献できていることが分かりやすい
●商品やサービスを通じて顧客の課題解決に尽力できる、力になれる
●努力や成果が給与や昇級・昇格に反映されやすい
●受注が取れたときの達成感を味わえる
など
「営業を辞めたい」という悩みの理由
「営業を辞めたい」と一口に言っても、悩みや理由は人それぞれです。営業としての経験年数によっても悩みのポイントが違ってきます。よく聞かれる悩みの理由をビギナーとベテランに分けて挙げてみました。当てはまるものはあるでしょうか。
経験 |
ビギナー |
ベテラン |
状態 |
・仕事慣れていない |
・経験、実績がある |
理由 |
・テレアポ、飛び込み営業が苦手 …など |
・営業方針や手段が合わない …など |
悩み |
営業を辞めたい |
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営業を辞めたいと思ったときの対処法
営業を辞めたい理由を明確化するところからスタート
「自分はなぜ営業を辞めたいのか」を一度冷静に見つめ直してみます。 とにかく営業という仕事そのものがイヤなのか、何かの条件が変われば営業を続けたいと思うのか、自分に正直になって考えてみましょう。イヤだと思う理由が営業職に特有のことなのか、ほかの職種に就いても可能性があるのか整理します。 できれば、頭の中で考えるだけでなく、紙に書きだしたり、PCやスマホのメモに残しましょう。 誰かに相談したり、転職活動をすることになったときに役立ちます。
【Point1】どのような条件が満たされれば辞めずに済みそうかも考える
・無理なノルマがなければ
・好きな商材なら
・新規営業ではなく深耕営業なら
・残業や休日の業務がなければ
・社内の協力体制があれば
【Point2】営業を辞めたい理由以外にも、あなた自身のことを振り返る
・やりたいこと
・できること
・向いていること
・苦手なこと
・仕事でうれしかったときの具体的なシーン
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営業を辞めたい理由が明確になったら行動に移る
営業を辞めたい理由や自分自身の言語化ができたら具体的な行動に出てみましょう。
■環境を変える
異動を希望して違う部署に移れないか相談してみましょう。同じ社内でも扱う商材や評価方法が違えば向き合い方が変わるかもしれません。部署異動の可能性がまったくなければ転職活動を始めるなど、異動を打診することで行動のきっかけになります。
■人に相談する
相手が職場の人なら今の職場に対する意見を聞いてもらったり、相手が友人ならば客観的に見た自分のイメージを聞いてみたりすると新たな発見や気づきが得られます。転職経験者に体験談を聞いてみるのも参考になるでしょう。
■目標を立てる、仕事の仕方を変える
今の職場でできる行動として、結果が出やすい小さな目標を立てたり、仕事の仕方を変えてみたりして、営業の仕事に対する考え方が変わるかどうか見極めてみます。「メールなどのレスポンスを〇時間以内にする」「提案や意見は2パターン以上用意する」といった自分にしか分からない目標で大丈夫です。
■転職活動を始めてみる
本当に転職するかどうか決めていなくてもいいので、転職サイトや転職エージェントで気になる求人に応募するところまで進めてみましょう。できれば複数の求人に応募してみて選考を通るか通らないかを体感してみることで、今の会社で営業を続けるかどうかの判断がつきやすくなるからです。環境が変わるなら営業職を続けたいと思うか、やはり営業以外の仕事をしたいか、よりはっきりと意識できるでしょう。
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営業経験者が転職時に知っておきたい5つのこと
(1)営業経験者は市場価値が高い
“営業経験がある”のは市場価値につながります。営業職は成果をもたらす職種なので市場価値がブレにくく、会社や組織は営業部門に投資します。AIなどに代替されると心配する人もいますが、顧客自身が気づいていないニーズを探り当てて解決策を提案するのはAIには難しいスキルです。営業職は今後も多くの企業が価値を認めてくれる職種といえます。
(2)営業には多様なスタイルがある
営業にはさまざまなスタイルがあります。「営業を辞めたい」と考えている人でも、営業という仕事そのものではなく商材やスタイルが合わないだけという可能性があるのです。
営業スタイルの違い
高価格商材 |
or |
低価格商材 |
有形商材 |
or |
無形商材 |
個人向け |
or |
法人向け |
直販 |
or |
代理店 |
新規開拓 |
or |
深耕 |
ノルマがある |
or |
ノルマがない |
上の違いの切り口を参考に、今の営業のスタイルを当てはめてみてください。いろいろな要素がある中で、自分はどれがイヤでどれが合っているかを整理してみると、この先どうしたいか考えやすくなります。
(3)営業経験を活かしやすい業界・職種
営業以外の職種に転職するとしても、営業を経験した強みは活きてきます。特に有形・無形を問わず法人営業の経験者は、営業職の中でも一目置かれる存在です。業界でいえばサービス、商社、流通、広告、職種でいえば営業事務、販売・サービス、マーケティングなどは未経験でも活躍できる可能性があります。
(4)コロナ禍で増えた新しいタイプの営業職について
コロナ禍によって、顧客をじかに訪問せずオンラインの営業活動に移行する会社が増えています。職種としてはインサイドセールス、カスタマーサクセスなどです。
-
インサイドセールス
ビデオ会議システム・電話・メールなどでお客さまとのコミュニケーションを行うのがインサイドセールスの仕事です。受注後にはカスタマーサクセスにお客さま対応を引き継ぎ、自身は新たなお客さまの獲得に動くケースもあります。
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カスタマーサクセス
契約・購入後のお客さまフォローを担当するのがカスタマーサクセスです。お客さまと継続的につながり続けることが求められ、長期的な信頼関係を築きながら案件を管理・調整する力、そしてチームワークなどが必要になります。
従来の営業職では、訪問の頻度や人柄によって信頼関係を築いて受注につなげる場面もありました。これに対してオンラインセールスでは、データ分析力や情報収集力などのマーケティングの視点によってお客さまの信頼を得る力が求められるようになりました。
(5)転職を成功させるポイント
- a.
- 自分の経験やスキルの棚卸しをする
- b.
- 営業を辞めたいと思った理由を明確にする
- c.
- 転職後にやりたいことを明確にする
- d.
- さまざまな業界や職種の求人票を見る
- e.
- 自分の転職活動までの計画をしっかり立てる経験やスキルの棚卸しをする
特に「a.自分の経験やスキルの棚卸し」をするとき、自分の強みが「成果」なのか「プロセス」なのかを考えてみるのがおすすめです。営業職は数字を求められるものですが、仮に予算を達成できていなくても営業としての強みは見つけられます。特にコロナ禍で打撃を受けた業界などは業績回復への取り組みやプロセスが強みになるでしょう。
また、顧客に喜ばれたり、周りの人に褒められたことにもあなたの強みが隠れています。自分では当たり前のことをやっただけと思っていても、それがほかの営業パーソンとの差別化ポイントなのかもしれません。
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営業のスタイルや職種を替える転職も可能性は十分
あなたに営業の素質があり実際に成果も上げているのであれば、転職は難しくありません。転職によって現状の悩みを解消するだけでなくキャリアアップにつながる可能性も十分あります。
また「営業からほかの職種への転職」や「違うスタイルの営業への転職」を検討している人もいるでしょう。営業のスタイルや働く環境を替えるのが悩みの解決につながる可能性はあります。「営業はとにかくイヤだ」と拒絶するのではなく、少し視点を変えて考えてはいかがでしょうか。
実際に転職活動を始めると、営業を辞めたい理由を明確化するところからのスタートになります。しかし納得のいく理由を一人で導き出せる人はなかなかいません。転職エージェントに相談して悩みの整理・言語化をすることが近道になります。
いま世の中にどんな業界・商材・スタイルの営業職の求人が多いのか、あなたの経験や強みを活かせる仕事がどれくらいあるかなど、キャリアアドバイザーは転職マーケット全体を見渡した上でアドバイスします。営業を辞めるか続けるか、納得のいく答えを探してみませんか。
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この記事を監修したキャリアアドバイザー
松井 貴史(まつい・たかし)
国家資格キャリアコンサルタント
米国CCE,Inc.認定 GCDF-Japanキャリアカウンセラー
【経歴】
dodaキャリアアドバイザーとして、IT業界からメーカー・商社・販売サービスと多岐にわたる領域で300人以上を支援。 また法人営業としても、IT業界の大手SIer、コンサルティングファーム、監査法人を中心に担当し、企業の人事・採用コンサルティングを経験してきました。現在はIT業界の営業経験者を中心に担当しています。これまでの経験を活かし、マーケット情報や企業の詳細な情報をお伝えすることを強みとしながら、幅広いご年齢・ご経歴の方々の転職を支援しています。
【メッセージ】
転職活動は、これまで歩んできた社会人経験の振り返りだけでなく、人生全体を振り返った上で未来をより豊かにするための活動だと思います。そのため、自分自身も気づかなかったような大切にしたい価値観やこれまで避けてきた弱みなどを目の当たりにし、新たな気づきがあり有意義に感じることもありますが、とことん自分と向き合うため非常に孤独に感じることもあります。そのような活動を行う上で、家族でも友人でもなくキャリアのパートナーとして常に寄り添い、ときにそれ以上の理解者として終始サポートさせていただければと考えています。まずはお気軽に何でもご相談ください!