第二新卒の面接でよくある質問・自己PR・退職理由などを解説
第二新卒面接で採用担当者は何をチェックしている?
新卒採用でも中途採用でも、選考過程において面接が最重要であることは変わりません。どんなに知識や経験があっても、面接でのコミュニケーションが的外れだったり、態度がぞんざいだったりすると内定を獲得することはできません。それでは、第二新卒や若手の中途採用の面接で、採用担当者は何をチェックしているのでしょうか。面接での高評価を獲得するために、採用担当者が重視するポイントを確認しておきましょう。
第二新卒に最も求められるのはやる気とポテンシャル
中途採用は通常、企業がその時点で必要とする人材を補充するために行うものです。そのため、入社して短期間で活躍できそうかが最も重要なポイントとされています。しかし、第二新卒や若手の場合、そもそもの社会人経験が浅いため、特筆すべき実績や自信を持ってアピールできるスキル・知識を持っている人はまれです。採用担当者が第二新卒や若手の人を前にするとき、実績やスキルは横一線というイメージを持っていると考えたほうがいいでしょう。
そこで採用担当者が重視するのが「やる気」と「ポテンシャル」。応募者が自社にどれだけ入社したいと考えているのか、入社後にどれだけの成長が見込めるのかをチェックしているのです。とはいえ、「やる気があります」「成長したいです」とただ繰り返しても仕方がありません。そのやる気や成長意欲を面接の短い時間の中で、リアリティを持って伝える工夫が必要です。
面接の中でやる気の見極めに使われるのが、「志望動機・志望理由」についての質問です。この質問に対して、応募企業・職種での業務内容を十分に理解したうえで、その仕事を希望している理由を回答することができれば、採用担当者からの評価は高まるでしょう。どんな仕事をするのか分からないのに、その企業や職種を希望するということはあり得ません。つまり、業務内容を理解していることが入社に対する本気度を表すバロメーターになるのです。
ポテンシャルのチェックは面接の時間すべてを使って行われると考えたほうがいいでしょう。ビジネスパーソンとしての成長には、「素直さ」「思考力」「自主性」「根気強さ」などのさまざまな要素が必要になるからです。入退室の仕方、質問への回答方法、表情や言葉遣いも重要なチェックポイントとなります。
服装・髪形などの身だしなみも要チェックポイント
第二新卒・若手の転職活動では、30代などのいわゆるキャリア採用よりも身だしなみが重要視されると考えてください。先に述べたように、第二新卒・若手の人には、実績やスキルによる差異が生まれにくいという側面があります。そのため、ビジネスパーソンとして適切な振る舞いができるかどうかが注目されやすいのです。
最近では、新卒の就職活動でも私服での面接参加をOKにしていることがあります。また、多くの会社がビジネスカジュアルを推奨するようになっており、職場に私服で行っているという人も多いでしょう。しかし、その感覚で中途採用の面接に臨むのはおすすめできません。企業にはそれぞれに文化があり、私服で他社を訪問することがビジネスマナー違反と捉えられるケースもあるからです。
採用担当者は他の業務もある中で、時間を割いて面接を行っています。そのような人に会い、真摯に入社意欲を伝えるためには、どのような服装・髪形が適切なのでしょうか。誰に対しても不快感を与えないような身だしなみを整えるのがいいでしょう。身だしなみからはビジネスパーソンとしての振る舞いや判断力も読み取られているのです。
自己PR・自己紹介を求められたときの上手な答え方
中途採用の面接ではほとんどの場合、冒頭に自己PRや自己紹介を求められます。ぜひ覚えておきたいのは、このときのやり取りが面接全体の雰囲気を決定付けてしまう可能性があるということです。対人コミュニケーションでは第一印象が非常に重要といわれます。それは面接でも同じなのです。
面接の冒頭で行われる自己PR・自己紹介での質疑応答での失敗が、採用担当者の面接に対する意欲をそいでしまうことも考えられます。つまり、それ以降の「志望動機・志望理由」や「退職理由」に対する評価が厳しくなることもあるということです。
そこでぜひ実践したいのが、「面接官の目を見てハキハキと回答する」「回答の内容を可能な限りシンプルにまとめる」という2点です。相手を見てはっきりと聞こえる声量・テンポで話したほうが、面接官に良い印象を与えるのです。
「回答の内容を可能な限りシンプルにまとめる」のにはふたつの意味があります。ひとつはビジネスパーソンとしての基礎力が高いことを示すため。内容をシンプルにするためには、伝えたいことを整理し、適切な順序で話す必要があります。これを瞬間的に実践できるということは、コミュニケーション能力の高さ、思考のスマートさを持っているということ。これらはビジネスパーソンとして成長していくための必須条件なので、ビジネスパーソンとしての基礎力が備わっていることをアピールするのに最適なのです。
もうひとつは失敗を防ぐためです。一度にたくさんのことを伝えようとすると、回答が支離滅裂になってしまったり、強調したいポイントがあいまいになってしまったりしがちです。面接に慣れていない第二新卒・若手の人の場合、しどろもどろになってしまうケースも少なくありません。
失敗を避けるためには、深く考えずに自信を持って伝えられる程度の内容に絞り込んでおいたほうがいいのです。「伝え足りない部分は面接官が重ねて質問してくれる」というくらいの気持ちを持ってリラックスして答えるのがコツです。
【OK回答例】
(何をしたことで、数値を用いてどれくらいの成果が出たのかを示せている)
●●●●と申します。本日はよろしくお願いいたします。私は□□大学を卒業後、2年半、株式会社△△でMRとして働いてきました。MRの仕事は顧客である医師、医療機関に対して、自社製品の有効性・安全性を正確かつ法令にのっとって、粘り強く紹介することが重要であり、提案資料の組み立て方、プレゼンテーションの方法には細心の注意と分かりやすさを追求してまいりました。その結果、3年目の現在は売り上げ目標に対して、150%以上の達成率を実現できています。異業種ではございますが、この経験は素材メーカーである御社の営業手法にも活用できることがあると考えております。経験不足ではありますが、少しでも早く、御社の業務に慣れ、足りない部分をキャッチアップしていきたいと考えておりますので、なにとぞよろしくお願いいたします。
【NG回答例】
(経験の羅列になっており、何が要因で成果が出たのかが示せていない)
株式会社△△でMRとして働いています。1年目は半年間は研修、半年間は先輩に同行しながら営業をしてきました。研修では自社製品の科学的な有効性や製薬会社の社員が知っておくべき法令について学びました。また、先輩との同行で資料作成を手伝ったり、顧客となる医師、医療機関にあいさつをすることができました。2年目になると、自分だけで顧客を訪問するようになりました。最初はうまくいかなかったのですが、さまざまな努力をした結果、売り上げ目標を達成することができるようになりました。さまざまな努力というのは、資料の作り方であったり、プレゼンの仕方です。経験を積んだおかげでずいぶん上手になったと考えています。これまでの経験を活かして、御社の業務に取り組んでいきたいと思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。
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志望動機を質問されたときの上手な答え方
第二新卒・若手の人が、面接で志望動機を聞かれたら、やる気をアピールする絶好のチャンスと考えてください。とはいえ、ライバルよりもやる気があることをアピールするのは、実は簡単なことではありません。「やる気があります」と言葉にするだけなら誰にでもできます。それだけでは面接官には何ひとつ伝わりません。
自己PR・自己紹介のときと同様に、相手を見てハキハキと答えるのは当然として、ぜひ実践したいのは志望動機の内容に「具体性を持たせる」ということです。「なぜ他社ではなく応募先の企業を選んでいるのか」「応募職種でどのように活躍したいのか、できるのか」を明確に伝えるといってもいいかもしれません。
これらを伝えるためには、応募先がどのような企業かをしっかりと調べたうえで、応募職種の業務内容や求められるスキルや経験を熟知していなければなりません。つまり、志望動機の背景に自主的な行動があるということ。その行動がやる気の裏付けとなるのです。どこにでも当てはまるような表面的な志望動機は絶対にNGと覚えておいてください。
【OK回答例】
学生時代の留学経験で培った語学力と前職で培った化学に対する素養を活かして、グローバルに活躍できる人材として成長したいと考え、御社を志望しております。世界を相手に活躍したいという気持ちは以前からあったのですが、現職では実現できませんでした。御社は素材メーカーとして世界各地に支社を展開しており、特にアメリカ市場に注力する予定で、今回の募集は海外勤務の可能性のある職種とうかがっております。英語を使った実務経験はないのですが、日常会話には問題なく、先月、TOEICで800点を獲得しました。実務にもスムーズに適応できると考えております。また、前職の経験で化学に対する知見も、短期間ではありますが身につけることができました。まずは、貴社の業務に適応することが第一かと思いますが、将来的な海外支社での勤務も視野に入れ、業務に邁進したいと考えております。
【NG回答例】
「世界に化学による喜びを」という御社の企業理念に共感して御社を志望しております。現職のMRという仕事では、国内の医療機関に対する営業が主体で、グローバルという視点を持てませんでした。以前からグローバルに活躍できる人材として成長していきたいと考えていたため、御社の求人にチャレンジさせていただいた次第です。学生時代に留学経験があり、英語での仕事にも問題はありません。語学を活かすことができる部署に配属していただければ、存分に活躍させていただきたいと考えております。
転職理由・退職理由を質問されたときの上手な答え方
第二新卒・若手の面接では、「転職理由・退職理由」に対する回答が、いわゆるキャリア採用の場合よりも重要視される傾向があります。第二新卒として転職をするということは、新卒での入社後3年未満でその会社を辞めるということ。採用担当者は「自社に入社してもすぐに辞めてしまうのでは」という懸念を持ってしまうことが珍しくないのです。採用担当者が納得する転職理由・退職理由を伝えられるように準備をしてください。
といっても取ってつけたような転職理由・退職理由を作り上げるのはNGです。基本的には本音で話すこと。ただし、「ポジティブな言葉に変換して伝える」「他者の責任にしない」「できるだけ具体的に伝える」という3点に注意してください。
例えば、残業が多すぎるのが嫌で転職をする場合、「残業が多すぎることに耐えられず、辞めることにしました。上司も会社も改善する気はありませんでした」と言ってしまうと、「自社に入社したあとに少しでも残業が発生すると辞めたくなってしまうのではないか」という懸念を持たれかねません。どのような理由の残業が、どのくらいの時間発生することが退職へとつながるのかが不明瞭だからです。
一方、下記のOK回答例のように、具体的かつポジティブな内容を含めて伝えれば、採用担当者も「自社ではそのような事態は発生しないので、長く勤めてくれるだろう」と安心することができるはずです。
【OK回答例】
平日に5時間以上の残業が常態化しており、次の日が平日でも終了時間が午前0時を超える会食に出席しなければならないことも珍しくありませんでした。結果として業務効率が低下していることも自覚しています。ワーク・ライフ・バランスの取れた職場で、集中力を持って効率良く仕事ができるようになりたいと考えて転職を決意いたしました。
【NG回答例】
残業が多すぎて、しかも誰も手伝ってくれない環境に嫌気がさして転職をすることにしました。上司の命令口調に耐えられなかった側面もあります。
もしかすると聞かれるかも? 第二新卒の面接に特有の質問
最後に第二新卒・若手に特有の少し突っ込んだ質問についても見ていきましょう。少し意地悪な質問もあるので覚えておくことをおすすめします。
新卒で入った会社は最初から辞めるつもりだったの?
第二新卒・若手の面接特有かつ準備をしておかないととても答えづらい質問です。採用担当者はこの質問によって、応募者の「素直さ」や「仕事に対する向き合い方」をチェックしようとしていると考えられます。まずは「就職活動で希望の会社に入れなかったこと」や「入社後にギャップを感じてしまったこと」を、素直に認めること。そして、理想的な環境ではなかったとしても、真摯に仕事に向き合ったことを伝えてください。
よくある失敗が、前向きな転職であることを伝えようとするあまり、「ある程度のスキルを身につけたら、3年で辞めるつもりでした」などと、短期間で会社を辞めることを当然のように答えてしまうこと。自分勝手な印象を与えてしまう可能性があります。
【OK回答例】
新卒の就職活動でも御社のような仕事を第一志望としていたのですが、残念ながらご縁がありませんでした。現在の会社でも手を抜くことなく業務に取り組んできたのですが、当初の希望を捨てきることができず、また、これまで培ったスキルや知識を活かして再度チャレンジしたいという思いが強くなり、転職を決意いたしました。
現職・前職と違って●●にもチャレンジしてもらうことになると思いますが
この質問は、「自社への適性を見極めたい」という意図のほか、やる気、成長意欲を測るための質問とも考えられます。「携わったことがないので……」などと、躊躇を見せてしまうのは基本的にNGです。もし本気で入社したいと考えているなら、前向きな回答をするのが鉄則。「その業務にはどのようなスキルが必要でしょうか」「事前にどのような勉強をしておけばいいでしょうか」などと質問をすることで、さらにやる気を伝えることができるでしょう。
【OK回答例】
未経験ではありますが、ぜひチャレンジさせていただきたいと思います。可能な限り早く戦力になりたいと思いますので、もし、事前に身につけておくべきスキルや実務に役に立つ書籍やセミナーなどがございましたら、お教えいただけると幸いです。
現職・前職で最もつらかった仕事は何ですか?
この質問は、「どんな仕事を苦手としているか」とともに、応募者の自主的な課題解決能力や業務遂行能力をチェックしようとしているものと考えられます。そのため、つらかった業務内容を伝えるだけでは足りません。その業務の何がつらかったのか、解決するためにどのような行動をとったのか、その業務をやりきることができたのかをあわせて答えるといいでしょう。
【OK回答例】
2年目の最初に大きな納品上のミスをしてしまい、契約が打ち切りになりそうになったのが、最もつらかった経験です。顧客のお怒りは非常に強く、すぐに上長に相談をしました。結果的に、上長の力を借りることになったのですが、即日、新たな納品スケジュールと顛末書を作成し、お詫びをすることで契約は継続となりました。以後、発注内容の入力時には2度確認するというルールを設けることで、納品ミスは一度も犯しておりません。
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この記事を監修したキャリアアドバイザー
松田 智恵子
【経歴】
金融機関の総合職で採用・法人営業を経験したのち、現職で12年間人材サービスに関わっています。担当領域は、全業界の営業・管理部門の方を担当し、エリアについては、関西、関東を経験。現在は、管理部門の方を専門とするキャリアアドバイザー組織の管理職に就いています。
【メッセージ】
時代の流れが速いことから、不安や悩みを抱えている方が年々増えていると感じています。なかなか周りに相談できない本音や不安を解消するお手伝いができれば幸いです。
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