転職理由ランキング2010年 年齢別

2008年9月以降の急速な景気悪化にともない、前回2009年のランキングでは、「倒産/リストラ/契約期間の満了」といった転職理由の増加が目立ちました。その後、2010年に入り、景気動向指数や株価の上昇など、少しずつ景気回復の兆しが見え始めています。不況から景気回復の一連の動きをうけ、転職理由はどのように変わったのでしょうか。総合ランキングと共に、職種別や年齢別、男女別での前年比、傾向の違いもご紹介します。

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   データ抽出期間:2009年10月1日〜2010年2月28日 有効回答数:22052件
※掲載日:2010.04.19
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転職理由ランキング(年齢別)

20代
順位 転職理由 割合 2009年版
順位 割合
 1位 会社の将来性が不安  12.6% 2 10.8%
 2位 他にやりたい仕事がある  12.1% 1 12.3%
 3位 給与に不満がある  8.1% 3 7.5%
 4位 専門知識・技術力を習得したい  6.9% 4 7.1%
 5位 倒産/リストラ/契約期間の満了  6.0% 7 5.0%
 6位 残業が多い/休日が少ない  5.8% 5 6.2%
 7位 幅広い経験を積みたい/幅広い知識を得たい  4.1% 8 4.1%
 8位 業界の先行きが不安  3.1% 9 3.0%
 9位 市場価値を上げたい  2.9% 12 2.2%
 10位 会社の評価方法に不満がある  2.6% 10 2.3%
1位と2位が逆転!やりたい仕事よりも会社の将来性を重視!?

前回、唯一「他にやりたい仕事がある」が「会社の将来性が不安」を上回っていた20代だが、今回順位が逆転した。不況による影響が勤務先など身近なところまで及び、将来への不安を感じる人が増えたと思われる。一方、「市場価値を上げたい」という転職理由の増加も大きく、自身の価値・キャリアを高めたいと積極的に動く人も多く見受けられた。

30代
順位 転職理由 割合 2009年版
順位 割合
 1位 会社の将来性が不安  17.4% 1 16.0%
 2位 他にやりたい仕事がある  8.8% 2 9.7%
 3位 倒産/リストラ/契約期間の満了  8.5% 4 7.5%
 4位 専門知識・技術力を習得したい  7.2% 3 8.0%
 5位 給与に不満がある  6.6% 5 7.3%
 6位 幅広い経験を積みたい/幅広い知識を得たい  4.6% 7 4.6%
 7位 業界の先行きが不安  4.0% 9 4.0%
 8位 市場価値を上げたい  3.2% 10 2.6%
 9位 I/Uターンしたい  2.8% 11 2.4%
 10位 残業が多い/休日が少ない  2.7% 8 4.1%
仕事で得られる“モノ”より、雇用の安定を求める傾向に

前年と比較し、「他にやりたい仕事がある」、「専門知識・技術を習得したい」、「給与に不満がある」の減少が大きいのが30代の特徴。仕事で得られるやりがい、スキル、給与よりも、まずは雇用の安定を求めていることが見受けられる。この年代は、結婚、マイホーム、子供の養育費など、ライフイベントにおいても支出の増える時期であることも影響していると考えられる。

40代
順位 転職理由 割合 2009年版
順位 割合
 1位 会社の将来性が不安  18.1% 1 19.7%
 2位 倒産/リストラ/契約期間の満了  16.2% 2 15.2%
 3位 他にやりたい仕事がある  8.2% 3 8.6%
 4位 業界の先行きが不安  6.7% 8 2.6%
 5位 専門知識・技術力を習得したい  4.0% 4 5.9%
 6位 給与に不満がある  3.4% 5 3.4%
 7位 I/Uターンしたい  2.4% 7 2.6%
 8位 幅広い経験を積みたい/幅広い知識を得たい  2.3% 6 2.9%
 9位 会社の評価方法に不満がある  1.9% 11 2.1%
 10位 昇進が望めない/昇進スピードが遅い  1.9% 14 1.7%
唯一「会社への将来性が不安」が減少、その代わり…

20代・30代と異なり、「会社への将来性が不安」の割合が前年より減少した一方、「業界の先行きが不安」という人の割合が大きく増加した。年齢が上がるにつれ視野が広がり、自身の会社だけでなく、業界全体の将来性について不安視する人が増えてくるためと思われる。また、「評価方法への不満」や「昇進が望めない」といった、この年代ならではの転職理由も見られた。

年齢と転職理由の相関
年齢の上昇とともに減少する転職理由
「年齢の上昇とともに減少する転職理由」のグラフ
年齢の上昇とともに増加する転職理由
「年齢の上昇とともに増加する転職理由」のグラフ
年齢の上昇と共に、会社への“不満”から“不安”へ変化

年齢の低い人ほど、残業、給与、仕事内容に対する“不満”が多く、年齢が高い人ほど、会社や業界への“不安”を感じる人が増える傾向にある。これは言い換えると、若いうちは「自分自身がどう働くか」を重視し、年齢があがると共に、「所属する組織がどうあるのか」や「組織の中でどう働くか」に重点を置くようになるということだろう。仕事へ求めるものやライフスタイルの変化が、転職理由の変化にもつながっていると考えられる。

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