【転職回数が多い場合】自己PRの例文・書き方のコツを解説

転職回数が多い場合、採用担当者は何を見ている？

転職回数が多いからこそ、採用担当者はあなたの「これまで」と「これから」に注目しています。
面接官が自己PRを通じて理解したいのは、次の3つです。

つまり、あなたの歩んできた道のりと、これからの未来をどう描くかが、自己PRのカギになるのです。

まず、採用担当者は転職理由の一貫性や転職の背景を確認しています。例えば、キャリアパスに基づいて転職をしているかどうかなどです。転職回数が多くても、そこに一貫した思いや理由があれば、納得感を与えられます。

また、採用担当者は、自己PRで入社後の活躍を想像します。あなたが積み重ねてきたスキルや知識が、新しい環境でどう活きるのかをイメージできるように自己PRをするとよいでしょう。

さらに、入社後に長く働いてもらえるかも重視するポイントです。入社後にミスマッチが起きて早期退職になるのは、企業にとっても応募者にとっても避けたい事態だからです。

転職回数が“必ずしも不利にならない”ケースもある

転職回数が多いことが必ずしもネガティブなわけではありません。事情によっては気にされない場合もあります。

例えば、以下のようなケースです。

• 会社の業績不振や事業所の閉鎖など、やむを得ない会社都合で短期離職した場合
• 転職回数は多くても、過去に長く働いた実績がある場合
• 親会社から子会社への異動など、グループ企業内での転籍が多い場合

企業の業績不振や事業所の閉鎖といった、会社都合の致し方ない離職の場合、あなた自身の意思とは異なる事情が背景にあります。そのため、採用担当者も説明すれば納得してくれることがほとんどです。ただし、同じ理由での離職が何度も続くと、「なぜ事前に見極められなかったのか？」といった疑問を持たれることもあるので、説明の仕方には注意が必要です。

過去に1社で長く働いた実績があれば「長期的に活躍できる人」という印象を持ってもらうこともできます。社会には本当にさまざまな会社があり、時には“合う・合わない”が生じることもあります。面接官も、個別の事情や環境の違いを理解した上で、あなたのことを理解しようと努めてくれるでしょう。

グループ企業内での転籍についても、実質的には同じ企業グループでキャリアを積んできたことになるため、正しく伝えれば転職回数そのものを懸念されることはほとんどありません。

転職回数が多い場合、どの会社での経験を自己PRに選ぶべき？

自己PRでまず大切なのは、「応募先の仕事や業界に近い経験」「応募先で活かせるスキル」をアピールすることです。とはいえ、転職回数が多いと「どの会社での経験を切り取ればいいのか…」と迷う方も多いはず。

その際には、次の3つの視点から、自分の強みが最も伝わるエピソードを選んでみてください。

どの経験を選ぶか迷ったときは、「応募先で活かせるか」「自分の強みが一番伝わるか」を大切に、あなたらしいストーリーを組み立ててみましょう。

転職回数が多い場合、何を自己PRするとよい？

自己PRでは、これまでのキャリアを通じて得たスキルや経験が、応募先企業でどのように活かせるかを具体的に示すことが重要です。

ひとくちに転職回数が多いといっても、その背景や経歴は人それぞれ。ここでは、転職回数が多い方の経歴パターンを以下の3つに分類し、それぞれのアピールポイントや伝え方のコツを解説します。

• 同じ職種での転職が多い場合
• 違う職種での転職が多い場合
• 短期離職が多い場合

自分に当てはまるポイントを踏まえて、ご覧ください。

共通するポイント

転職回数にかかわらず、自己PRでは「入社後に活かせるスキル」が最も重視されます。特に転職回数が多い場合は、「これからは長く腰を据えて働きたい」という意欲も一緒に伝えられると、より好印象につながります。

まずは、「過去の経験から得たスキルを入社後にどのように活かせるか」を示しましょう。採用担当者が「この人なら、うちでも活躍してくれそうだ」とイメージできるように、再現性のあるエピソードや、実際に成果を出した場面を盛り込むのがおすすめです。

また、「長期的に働きたい」という気持ちは、転職理由やキャリアプランと結び付けて伝えると説得力が増します。例えば、「これまでは幅広い経験を積むために転職を重ねてきたが、今後はその経験を活かして、特定の分野で専門性を深めたい」といったストーリーがあると、長期就業への意欲がより伝わります。

過去にどういう理由や背景で仕事を選んだのか、今後どうしていきたいのかをキャリアプランにひもづけて伝えることで、長期就業のイメージや納得感を与えられます。

過去の転職に明確な理由がない場合、転職を繰り返してしまった理由を振り返りつつ、これまでの選択や、今後はどんな思いで働きたいのか、今後何を目標にしているのかを考え、思いを伝えることが大切です。

経歴ごとに異なるポイント

転職回数が多い場合でも、経歴によって強調すべきポイントは変わります。自分のキャリアに合ったアピールポイントを意識して、自己PRを組み立てましょう。

経歴	アピールポイント
同じ職種での転職が多い場合	経歴の一貫性 同じ職種で磨いてきたスキルや知識
違う職種での転職が多い場合	多様な業界・職種で得た経験をどう活かせるか 新しい環境への適応力や柔軟性
短期離職が多い場合	困難や課題をどう乗り越えてきたか （応募先と同じ職種の場合）その職種での経験・知識

なお、入社後の定着をアピールするために継続力や忍耐力をアピールしたい場合、過去の経歴と無理に結びつける必要はありません。本当に伝えたいエピソードや、自分らしい強みのほうが自分らしく話せそうだと感じれば、そのエピソードを優先して自己PRに盛り込むほうがよいでしょう。

転職回数の多さを気にしすぎるのではなく、「自分だからこそ提供できる価値」を考え、前向きに伝えることで、採用担当者の心に響く自己PRにつながります。

【例文あり】転職回数が多い場合の自己PRの例文・ポイント

ここでは、転職回数が多い場合の自己PRの例文とポイントを解説します。

自己PRを効果的に構成するためには、「状況→課題・意図→行動→結果」の順番でまとめましょう。この流れで自己PRを伝えることで内容が整理され、採用担当者にも伝わりやすくなります。詳しい書き方が知りたい方は自己PRの書き方【4STEP】をご覧ください。

この流れを念頭に置き、あなたに合った例文を参考にしながら自己PRを作成していきましょう。

まずは、同じ職種での転職が多い場合の、自己PRとポイントを解説します。

今までの経歴

1社目：金融機関での法人営業
2社目：ITサービスの法人営業
3社目：Web広告の法人営業

→法人営業の仕事に転職したい

自己PRの例文

自己PRのポイント

同じ職種で転職をする場合、自己PRを通じて採用担当者に「即戦力として活躍できる」という印象を与えるのが大切。活躍のイメージを伝えられる、応募先の業務や業態と近いエピソードを選定して記載しましょう。

例えば、応募先で案件獲得の業務が重視されている場合は、提案から受注につなげた経験や、その中で発揮した自身の強みを詳細に記載します。一方、既存顧客との関係構築が重視されるのであれば、日ごろのヒアリングから顧客の困り事を解決し、信頼された経験などを記載するのが効果的です。

このように、自身の経験を入社後に活かせるスキルに合わせてアピールすることで、採用担当者も、あなたが活躍する姿を具体的にイメージしやすいでしょう。

続いては、違う職種での転職が多い場合の自己PRとポイントを解説します。

ここでは、以下の経歴を持つBさんを見本にします。

今までの経歴

1社目：小売店での販売職
2社目：ICT機器の営業職
3社目：ITエンジニア

→ITコンサルタントの仕事に転職したい

自己PRの例文

自己PRのポイント

違う職種での転職が多い場合でも、入社後に活かせるスキルをアピールすることが大切です。応募先職種の経験がない場合は、汎用的なスキル（ポータブルスキル）や業界知識などをアピールしましょう。そのためには、応募先の企業や職種について深くリサーチするのがおすすめです。

例えば、dodaの職種図鑑で気になる職種を見てみたり、職種別の志望動機を参考にしてみたりすることで、必要なスキルや特徴を理解できます。その上で、今までの職歴の中で親和性のある経験・スキルをアピールしましょう。

また、これまで経験してきた仕事に関連性や一貫性がないように見える場合は、今後想定しているキャリアパスや、なぜ今の環境から転職しようと考えているかを伝えるとよりよいでしょう。

短期での離職が多い場合の自己PRとポイントを解説します。ここでは、以下の経歴を持つCさんを見本として紹介します。

今までの経歴

1社目：教育商材の個人営業
2社目：通信機器の個人営業
3社目：Webサービスのカスタマーサポート

→カスタマーサポートの仕事に転職したい

自己PRの例文

自己PRのポイント

短期離職の経歴がある場合、在籍期間が短いために具体的な成果を数値で示すことが難しいケースも少なくありません。

数値で示せるエピソードはなくとも、周囲の人と比べて自分なりに頑張ったことや、あなたが特に褒められたことを自己PRのエピソードとして取り上げるのもよいでしょう。

また、努力や評価の背景にある自分なりのこだわりや工夫を具体的に説明できると、仕事に対する真摯な姿勢が伝わります。

まとめ

転職回数が多く、自己PRでは何を書くべきか悩む方もいるかもしれません。ですがポイントを押さえて経験をまとめていけば、魅力的な自己PRにつながります。

アピールできるスキルが分からないという方は、診断ツールで見つけるのもおすすめ。自己PR発掘診断では、過去の経験を振り返りながら16の設問に答えるだけで、あなたの強みを発掘することができます。

転職回数が多い方の場合、それだけ多種多様な経験を積んできているといえます。その経験を、しっかりとアピールしていきましょう。

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