
キャリアプランとは?基本の考え方やメリット、思いつかない場合の対処法を徹底解説
仕事をしていると「自分のキャリア、このままでいいのかな?」と悩むことがあるかと思います。そんなときは、キャリアプランをしっかり考えることで、将来への不安やモヤモヤが解消され、目指すべき道が見えてくるかもしれません。 本記事では、キャリアプランの基本的な考え方やキャリアプランを立てるメリット、キャリアプランが浮かばない場合の対処法まで、キャリアアドバイザーが徹底解説します。 キャリアのヒントを一緒に探していきましょう。
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監修者:河野 杏奈(こうの・あんな)
dodaキャリアアドバイザー

将来のキャリアに対して漠然とした不安があるなら、「キャリアプラン」を考えるのがおすすめです!
この記事から分かること
- キャリアプランは、将来の目標とそれに向けた具体的な計画を立てること。
- キャリアプランを考えることで、将来の不安が軽減され、目標達成に向けた行動が明確になる。
- 自己分析や情報収集、周囲との相談を通じてキャリアプランを具体化し、定期的に見直すことが重要。
キャリアプランとは?
キャリアプランとは、達成したいキャリアの目標や、その実現に向けた具体的な計画(プラン)のことを指します。
例えば、「5年後、営業で管理職になる」という目標や、それに対する「半期の売り上げ目標120%を達成し、実績を作る」「3年以内にチームリーダーに昇格し、チームビルディングの経験を積む」などの具体的な計画(プラン)がキャリアプランに当たります。
将来像をしっかりイメージし、そこに向かうためのステップを具体化することで、希望のキャリアへと近づけるでしょう。

キャリアプランはどんな人が考えるべき?
- 今の仕事や会社に不満はないけど、将来が漠然と不安な人
- 仕事やプライベートの目標がなくメリハリがないと感じている人
- 何か自分の武器となるスキルや知識を身につけたいと思っている人
- やりたいことはあるけど、どうすればかなうかイメージできてない人
キャリアプランは、特別にキャリアアップ志向が強い人にとっても、具体的な目標を持つことでやるべきことが明確になり、将来への不安も軽減されるため、考えてみる価値があります。
「とりあえず現状を変えたい」「このままで将来が大丈夫か不安だ」という気持ちがあるなら、キャリアプランを考えることでメリットを得られるでしょう。

「キャリアプラン」というと、高い理想を掲げなければいけないと思われがちですが、そんなことはありません。「自分がどんな仕事に取り組みたいか」「どんなスキルを身につけたいか」といったイメージの整理から始めてみましょう。
キャリアプランを考えるメリット
キャリアプランを具体的に考えることでどのようなメリットを得られるのでしょうか。4つのメリットを見ていきましょう。
-
将来に対する
不安の軽減につながる -
身につけるべきスキルや
知識のイメージがつく -
将来に向けて何を
いつまでにすればいいか
整理できる -
日々の業務に対する
モチベーションが高まる
将来に対する不安の軽減につながる
キャリアプランを考えることで、将来に対する不安の軽減につながります。
具体的な目標や目指す方向性が定まることで、将来のイメージが明確になるので、結果的に「このままでいいのか」「自分は将来どうなるのか」という漠然とした不安が減るでしょう。
将来に対する不安を少しでも減らすために、まずは自分なりに目指す方向性を明確にしてみましょう。
身につけるべきスキルや知識のイメージがつく
「将来、どんなキャリアを築きたいか」がなんとなくでもイメージできるようになると、自分に必要なスキルや知識も具体的にイメージできるようになります。例えば、マネジメントポジションを目指したいなら、リーダーシップやチームマネジメント、プロジェクト管理などのスキルが必要です。また専門分野でスペシャリストを目指したいなら、資格取得や最新技術の習得など、より専門性の高い知識が必要になるでしょう。
目指すキャリアに必要な要素がはっきりすることで、「この業務では〇〇のスキルを磨いておこう」という目的意識を持ちやすくなり、日々の仕事への取り組み方も変わってくるはずです。
将来に向けて何をいつまでにすればいいか整理できる
キャリアプランを考えると、「何を」「どのタイミングで」行えばいいのかという将来の目標達成に向けた具体的な行動を整理しやすくなります。例えば、「2年後までにプロジェクトリーダーになりたい」というプランがあるなら、「半年以内に自分のプロジェクトを成功させて社内表彰をもらう」「1年以内にチーム内の後輩一人をサポートする立場になり、メンバー育成の経験を積む」などの具体的な行動をイメージできるようになるでしょう。
また、今の環境でキャリアアップの機会が限られている場合は、転職も手段の一つになるでしょう。自分が目指したいキャリアを転職でかなえていくにはどうしたらいいか迷った際には、キャリアアドバイザーへの相談もおすすめです。
日々の業務に対するモチベーションが高まる
「仕事へのモチベーションを保てない」「メリハリがない」と感じている人でも、キャリアプランを立てて具体的な目標が定まると、日々の業務が「自分の望むキャリアをつくるための一歩」に変わります。これにより、日々の業務に対するモチベーションが高まるでしょう。
また、キャリアプランに沿って目標を達成していくことで成長スピードが速くなり、結果的に周囲からの評価が高まったり、昇給や昇進につながる可能性もあります。

キャリアプランを描くことは、未来の自分に向けて道しるべを作るような作業です。完璧な計画をいきなり立てる必要はなく、少しずつ目標を設定して調整していけば問題ありません。将来に不安を感じたり、転職しようかどうか迷ったときこそ、一度自分のキャリアを見つめ直して、「今後どうなりたいのか」「そのために何が必要なのか」を考えてみましょう。そうすることで、悩みや不安が少しずつ整理され、次に踏み出す一歩が明確になるはずです。
キャリアプランの立て方
キャリアプランの重要性が分かったとしても、「どう立てていいか分からない」と悩む方は多いのではないでしょうか。
そんなときはご紹介する4つの問いについて一つずつ整理していきましょう。この問いは必ずしも順番どおりに進める必要はありません。一つずつ見ていきましょう。
Q1. 達成したい目標や変えたいことは?
まずは、自分が将来「どのようなビジネスパーソンになりたいか」「どんなスキルを身につけたいか」を想像し、理想像をできるだけ具体的に描いてみましょう。もし現状に不満や不安があるなら、そこから逆算して「どう変えたいか」を考えるのもよいです。ただし、周りと比較しすぎないことが大切。「自分は何を大切にしたいのか」をしっかり見極めながら、目標を設定してみてください。
Q2. これまでの経験と持っているスキルは?
次に、これまでに経験した業務やその成果、結果的に得たスキルなどをリストアップし、自分の強み・弱みを洗い出しましょう。成功例だけでなく、失敗から得た学びや、業務を進める上で感じたことなども重要な要素です。
過去を振り返ることで、「実は自分はこんな分野に強みがあったんだ」「意外とこのスキルが足りていないかもしれない」といった気づきを得られます。自分の現状を理解することで、次のステップに進むために何が必要かを考えやすくなるでしょう。
これまでの経験を振り返る方法についてより詳しいコツが知りたい方は以下の記事もご覧ください。
Q3. 目標をかなえるために必要な経験やスキルは?
Q1で設定した目標とQ2で分析した自分の現状を比較し、目標を達成する上で、現在の自分に足りないスキルや知識、環境などを洗い出します。どんな知識を身につけるべきなのか、どんな経験や実績が必要なのか、かなえるためには現職でかなえられるのか別の仕事を探したほうがよいのかなど、具体的に考えてみましょう。
また、転職を視野に入れるべきなのか、理想の状態を実現するためにはどんなスキルを身につけるべきなのか、キャリアアドバイザーに相談することも可能です。お気軽にご相談ください。
Q4. いつまでに何をして目標を実現させる?
最後に、必要なスキルや経験が明確になったら、それらを具体的な行動やスケジュールの形に落とし込みましょう。ToDoリストやカレンダー、アプリなどを活用して、自分がいつ何をするのかを日々の業務や生活の中に組み込むのもおすすめです。細かいタスクに分解しておくと、日々の忙しさの中でも少しずつ前進している実感を得られるでしょう。
また、定期的な振り返りの時間を決めておくと、順調に進んでいるのか、予定が変更になっていないかを確認できるので、必要に応じてキャリアプランの見直しもしやすくなります。
ケーススタディ
Aさんの場合(営業事務 5年)
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達成したい目標や変えたいことは?
- 目標5年以内に貿易業務に携わり、かつチームのマネジメントを担いたい
- 変えたいこと海外と関わる業務を行いたい・チームをリードできる存在になりたい
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これまでの経験と持っているスキルは?
- 経験5年間の事務職経験、請求書作成、データ入力、電話対応、顧客対応、庶務業務
- スキル基本的なPCスキル(Word、Excel)、コミュニケーション能力、タイムマネジメント能力
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目標をかなえるために必要な経験やスキルは?
- 必要な経験マネジメント経験
- 必要なスキル語学力
-
いつまでに何をして目標を実現させる
- 1年以内語学力を磨き、TOEIC800点を取得する。
- 2年以内語学の勉強は継続しつつ、後輩の育成を任せてもらうことで経験を広げる
- 3年以内現在の部署でチームのマネジメントを担う
- 5年以内貿易の部署へ異動するか、転職し実務経験を積む

キャリアプランに対して身構えず、まずは頭に浮かんだことをどんどん書き出してみるのがポイントです。やりたいこと・できそうなこと・少し不安なことまで、全部メモしてみましょう。思いついたことを並べていくうちに、自分なりの方向性が少しずつ見えてくるはずです。
キャリアプランが思いつかない場合は?
「キャリアプランを考えてみたけど、なかなか思いつかない…」という方も少なくないでしょう。
どうしても考えられない場合、無理にひねり出す必要はありませんが、以下の対処法で考えてみると、キャリアプランが見えてくるかもしれません。
自己分析をさらに深める
自分がどんな働き方を理想としているのか、どんなことにチャレンジしたいのかなど、自分の価値観・興味があいまいだとキャリアプランを描きづらいです。
まずはフラットに、どんな働き方をしていたいか、どんな仕事に挑戦してみたいかを書き出し、自己分析を深めてみましょう。
働き方や仕事に関する情報収集をする
世の中にどんな仕事や働き方があるのか知らないままだと、キャリアをイメージしにくいかもしれません。まずは職種図鑑や求人検索サイトなどを活用して、世の中にどんな職種があるのか目を通してみましょう。意外な発見や興味が湧いてくることもあります。
- 職種図鑑や求人検索を活用してどんな仕事があるかを知る
- 自分のこれまでの経験から可能性のあるキャリアを知る dodaのキャリアタイプ診断
- 今後、身につけておくと有利なスキルや資格を知る
周囲の人々やキャリアアドバイザーに相談する
自分一人で考え続けていると視野が狭くなってしまうことは多いです。家族や友人、同僚、上司などに相談してみると、思わぬアドバイスや客観的な意見が得られることがあります。
転職のプロであるキャリアアドバイザーに相談するのもおすすめ。キャリアアドバイザーならではの視点でより具体的なキャリアのアドバイスをするので、将来像を整理しやすくなるでしょう。
「意外と自分は〇〇に向いているかも」「その分野の仕事も面白そう」といった新しい可能性に気づくことも珍しくありません。
転職活動を始めてみる
もし今の職場環境や業務内容では、「キャリアプランを実現するのが難しい」と感じるのであれば、思いきって転職活動をスタートしてみるのも一つの方法です。
「転職するほどの覚悟は持てていない」と思う方もいるかもしれませんが、転職活動の段階では、必ずしも転職をすることを決めていなくても問題ありません。
さまざまな求人を見たり、面接を受けていくうちに、自分のキャリアをかなえる理想の会社に出会えるかもしれません。

もし今は何も浮かばなくても、焦らなくて大丈夫。「どんな仕事があるのか」「どんな可能性があるのか」、いろんな方法で情報収集することから始めてみましょう。
キャリアプランは状況に合わせて、つど修正しましょう
キャリアプランは「一度立てたら終わり」ではなく、価値観やライフステージの変化に合わせて柔軟に見直していくことが大切です。
また、自分の立てたキャリアプランを定期的に振り返ってみることも大切です。キャリアプランを定期的に振り返ることで「実はここまで成長していた」「以前は〇〇に興味あったけど、今はそんなに興味ないかも。むしろ、△△の分野に興味が出てきた」など、自分自身の新しい一面に気づくチャンスも増えます。
このようにキャリアプランを定期的にアップデートしていくことで、また新たな目標に向かって頑張っていくことができ、日々のモチベーション向上にもつながるでしょう。
キャリアプランを考えて、自分らしいキャリアを実現しよう!
キャリアプランとは、将来に向けて必要なスキルや行動を整理し、少しずつ理想の姿に近づくための道しるべです。必ずしも高い目標を掲げたり、20年・30年先までの大きなビジョンを考える必要はありません。「企画の仕事に挑戦してみたい」「手に職をつけたい」など小さな願望を入り口に、自分の強みや不足している部分を把握しましょう。目指す方向や目標が明確になると、日々のモチベーションが高まり、必要な行動を具体化しやすくなります。
「何も思いつかない」「自分一人で考えるのは不安…」という方はエージェントサービスの利用がおすすめ。キャリアに悩む多くのビジネスパーソンをサポートしてきた経験豊富なキャリアアドバイザーと一緒にキャリアプランを考えることができます。転職市場のニーズや客観的に見たあなたの強みについて理解を深めることができるので、キャリアに対する視野が広がるはずです。ぜひお気軽にご相談ください。
この記事を監修したキャリアアドバイザー

河野 杏奈(こうの・あんな)
【経歴】
新卒で株式会社インテリジェンス(現パーソルキャリア株式会社)に入社し、求人広告anやdodaの法人営業を約12年経験し、その後キャリアアドバイザーに異動。販売サービス系職種や公務員、事務系職種の方を中心に担当し、これまでに数百名の転職を希望される方をご支援してきております。
【メッセージ】
誰しもが、ご自身のキャリアに悩んだり、このままで良いのか、転職してうまくいくか分からないなどのお気持ちを抱えたりしていると思います。転職活動に慣れている方はほとんどいないので、まずはお気軽にキャリアアドバイザーにご相談いただき、少しでも皆さまのキャリアが前進するようなサポートができればと思います。