業務の分配がおかしい！なんで私だけが5,000人分の業務を⁉

はい。アパレルの店舗は残業が多いし、土日やお正月、お盆などで長期休暇が取れないので、友達と同じようにカレンダーどおりに働きたいなと思って事務職を選びました。

給与計算や入社退職の手続き、社会保険の加入手続きなど、幅広い業務をやってました。未経験で最初は不安でしたけど、先輩がマンツーマンで教えてくれたので仕事は覚えられましたし、法律関係の知識も身につけられるので実力がついていく実感もありました。

50人ぐらいの人事部門で、アパレルのときと違って人間関係も雰囲気も良く、仕事は楽しかったですね。

実は、お給料が安かったんです…。テレビで新卒の平均初任給を下回っていたのを目の当たりにしたときはショックでした。しかも私は人事で給与計算をしている都合上、先輩のお給料も知っているので、この先上がったとしてもここまでかというのが分かりきっていて。あんなに頑張っている先輩がこの給料なら、私も上がらないんだろうなと、将来への期待値は低かったんですよね。

仕事はだんだん経験を積むにつれて任される量が増えたし、頼られるのはうれしかったんです。でも、業務が増えても給与アップが期待できないのは内心複雑でした…。

年末調整、これに尽きますね！　2年目にリーダーを任されたんです。

いえ、それがリーダーとは名ばかりで、実質は私1人だったんですよ。

はい、約5,000人分の事務処理を1人でやりました。1日に何百人分も処理しないと追いつかない量で、どうやってこなしたかはもう覚えてないですね…。しかも、年末調整用の書類って、間違えずに出す人は一人もいないって言ってもいいくらい、みんなミスがあって。1人ひとりチェックして修正箇所に印を付けて、再記入をお願いしなきゃいけないんですよね。

10月から翌年1月までの約4カ月の間です。その間も普段の業務はあるので、ダブルワーク感がありました…。

朝は8時半に出勤して、残業できるギリギリの夜9時まで毎日残って処理してました。処理がピークの12月、1月は毎週のように休日出勤で…。これじゃアパレルの店舗の仕事と変わらないですよね。

先輩から大変だとは聞いていましたが、リーダーを任されたのはうれしかったし頑張ってみようと思ったんです。でもまさかここまでとは。

日中1人で処理を続けてると、「何で自分だけ忙しいの」って思っちゃって。普段は仲良しの同僚たちでも、みんなが何げない会話で盛り上がってる笑い声を聞くだけでも、なんだかイライラしちゃうんですよ。そのときは内心“怒りモード”でした。

夜ひとりぼっちで残業してると、その怒りが悲しみに変わるんです。寂しいし、同じお給料なのに納得いかないなって。「もうこんな仕事、二度とやりたくない！」って本気で思いました。

はい。そのタイミングで「今年の年末調整もよろしくね」と言われてしまったので、「あんな仕事また1人でやるなんてムリ…」って、翌週にはもうエージェントに登録しました。10月には次の年末調整が始まってしまうので、引き継ぎを考えると9月までには内定をもらわなきゃって、集中して頑張りました！

はい。働いていたときは大変だったけど、人事部を約3年続けて積んだ経験はすごく評価してもらえて、給与面や福利厚生面の希望も妥協せずに選べました。

業務の進め方が少し違うだけで、仕事内容は同じです。年末調整の時期は「またあんなに大変だったらどうしよう」って、内心ビクビクしていましたけど、部署のみんなで割り振って処理したのであっという間に終わって、「年末調整ってこんなにラクだったんだ」ってびっくりしました！　前社でのあの大変さ、何だったんでしょうね（笑）。