40代の転職を成功させる!
データやプロの情報をもとに
転職活動のポイントを徹底解説
監修者: 中江 文昭(なかえ・ふみあき) dodaキャリアアドバイザー
近年、40代の転職・活躍の場は広がっており、豊富な経験やマネジメントスキルを活かして、新しいキャリアを切り開く人が増えています。
そこで本記事では、dodaの最新データやキャリアアドバイザーへの取材内容をもとに、40代が直面する転職市場の動向や成功事例、そして各選考対策の具体的なポイントを解説します。経験を強みに変え、後悔しないキャリアを実現したい方はぜひ最後までご覧ください。
この記事で分かること
- 40代の活躍の場は広がっており、異業種・異職種転職や年収アップも十分に狙える
- 転職成功のカギは「実績×柔軟性」であり、経験を応募企業でどう転用できるかを明確に伝えることが重要
- 未経験転職は難易度が高いものの、スキルの親和性や資格を活かしたスライド転職なら可能性は広がる
【データでみる】40代の転職動向
まずは40代の方がどのくらい転職に成功しているのか、またどのような理由で転職を考える人が多いのかを、数字をもとに見ていきましょう。
【40代以上】doda新規会員登録者数の推移
データの説明:「全体」のグラフは、登録時の年齢が20代以上の新規会員登録者を抽出しています
2024年のdodaのデータによると、40代以上の転職サービス「doda」への新規会員登録者数は2020年から4年連続で増加しています。全体の登録者数も伸びてはいるものの、特に2023年・2024年は40代以上の伸び率は全体平均を上回り、年代別に見ても最も大きな増加幅を示しました。
若年層だけでなく40代以上の転職活動が活発化しており、転職市場でのミドル層の存在感が一段と高まっていることが分かります。
doda転職者のうち、40代で転職成功した人の割合
転職成功者の年代別割合(2023年と2024年の比較)
表:転職成功者の年代別割合(2023年と2024年の比較)
| 24歳以下 | 25~29歳 | 30~34歳 | 35~39歳 | 40歳以上 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 2024年 | 10.6% | 36.7% | 23.1% | 13.0% | 16.6% |
| 2023年 | 10.7% | 37.9% | 23.9% | 12.7% | 14.9% |
2024年のdodaのデータによると、全年代のうち「35~39歳」と「40代以上」で転職に成功した人の割合は前回調査より増えています。特に40代は14.9%から16.6%へと大きく上昇。2022年からも継続的に伸びており、経験を重ねた人材を求める企業が増えている傾向が分かります。
【40代以上】異業種転職した人の割合
【年代別】異業種からの転職の割合
表:【年代別】異業種からの転職の割合
| 年齢 | 異業種からの転職割合 |
|---|---|
| 24歳以下 | 68.7% |
| 25~29歳 | 61.8% |
| 30~34歳 | 60.4% |
| 35~39歳 | 58.9% |
| 40歳以上 | 56.4% |
2024年のdodaのデータによると、40代以上で異業種へ転職した人の割合は56.4%でした。最も割合が高い24歳以下の68.7%をはじめ、他の年代と比較すると少ない割合ですが、それでも半数を超える人が異業種への転職に成功しています。
この結果から、40代であっても異業種への転職は十分に可能であり、自分の経験やスキルをどう活かすかを工夫すれば、新しいキャリアの道が開けるといえるでしょう。
【40代以上】異職種転職した人の割合
【年代別】異職種からの転職の割合
データの説明:「未経験職種」とは応募者の登録時の職種(大分類)と応募した求人の職種(大分類)が異なっていることを指します。
表:【年代別】異職種・同職種からの転職の割合
| 年齢 | 異職種からの転職割合 |
|---|---|
| 24歳以下 | 53.0% |
| 25~29歳 | 44.7% |
| 30~34歳 | 41.7% |
| 35~39歳 | 38.2% |
| 40歳以上 | 35.2% |
2024年のdodaのデータによると、40代以上でも約35%が未経験の職種へ転職しており、一定数が新たなキャリアに挑戦していることが分かります。ただし、完全に無関係な業界や職種というよりは、これまでの知見やスキルを活かせる異職種への転職が中心と考えられます。
経験を応用しつつ新たな領域に進む動きが見られ、40代以上でもキャリアチェンジの可能性は十分にあるといえるでしょう。
【40代以上】転職して年収アップした人の割合
年齢の分布
表:【年齢の分布】年収アップに成功した人の割合
| 年齢 | 年収アップの割合 |
|---|---|
| 22歳 | 0.40% |
| 23歳 | 2.02% |
| 24歳 | 4.49% |
| 25歳 | 6.69% |
| 26歳 | 8.24% |
| 27歳 | 8.25% |
| 28歳 | 7.99% |
| 29歳 | 7.39% |
| 30歳 | 6.68% |
| 31歳 | 5.93% |
| 32歳 | 5.46% |
| 33歳 | 4.51% |
| 34歳 | 4.09% |
| 35歳 | 3.92% |
| 36歳 | 3.14% |
| 37歳 | 2.61% |
| 38歳 | 2.11% |
| 39歳 | 2.04% |
| 40歳 | 1.85% |
| 41歳 | 1.69% |
| 42歳 | 1.52% |
| 43歳 | 1.20% |
| 44歳 | 1.18% |
| 45歳 | 1.02% |
| 46歳 | 1.05% |
| 47歳 | 0.80% |
| 48歳 | 1.00% |
| 49歳 | 0.60% |
| 50歳以上 | 2.15% |
年収の平均アップ金額
表:年収の平均アップ金額
| 年齢 | 年収の平均アップ金額 |
|---|---|
| 24歳以下 | 662,465 |
| 25~29歳 | 812,806 |
| 30~34歳 | 977,793 |
| 35~39歳 | 991,226 |
| 40~44歳 | 1,004,589 |
| 45歳以上 | 927,748 |
2024年のdodaのデータによると、転職による年収アップ額では「40~44歳」が平均100万円を超え、全世代の中で最も高い金額となりました。年代が上がるにつれて年収の上昇幅は大きくなる傾向が見られ、特に40代前半は経験を重ねた強みを収入に直結させやすい層といえるでしょう。
【40代】転職を考える主な理由
【40代】転職理由ランキング ※複数回答可
| 順位 | 前年度順位 | 転職理由 | 割合 | 前年度割合 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 2 | 給与が低い・昇給が見込めない | 34.4% | 34.3% |
| 2 | 3 | 人間関係が悪い/うまくいかない | 22.1% | 34.0% |
| 3 | 1 | 社内の雰囲気が悪い | 21.3% | 37.8% |
| 4 | 7 | 昇進・キャリアアップが望めない | 19.8% | 28.6% |
| 5 | 6 | 肉体的または、精神的につらい | 18.4% | 30.5% |
| 5 | ー | 労働時間に不満(残業が多い/休日出勤がある) | 18.4% | ー |
2024年のdodaのデータによると、40代が転職を考える理由で最も多かったのは「給与が低い・昇給が見込めない」(34.4%)でした。続いて「人間関係が悪い/うまくいかない」(22.1%)、「社内の雰囲気が悪い」(21.3%)が挙がっていますが、どちらも割合は20%台にとどまり、給与面の不満が際立つ結果となりました。
この結果から、40代は人間関係や職場環境の悩みも抱えつつ、最終的には収入の安定や将来性を重視して転職に踏み切る人が多いといえるでしょう。
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40代は実績×柔軟性が決め手!転職活動のポイント
40代の転職先は、アウトソーシングビジネスやメーカー、介護福祉、建築系の技術職や営業職といった業種・職種に拡大しています。平均勤続年数が高い業界でも採用が増加しており、背景には「即戦力」としての期待があります。
20代の採用がポテンシャル重視であるのに対し、40代はこれまでの経験を土台に成果をすぐに出せるかどうか、企業の求めるミッションに対応できるかどうかが問われます。
長年の経験や安定感、マネジメント力への期待も大きい半面、必ずしも管理職経験が必須なわけではなく、メンバーを育てようとする姿勢やチームを支えるマインドが評価されるケースも多いのが特徴です。
一方で、ハードスキルだけではなく、新しい環境に柔軟に適応し、周囲と良好な関係を築けるコミュニケーション力やカルチャーフィットも重視されます。
選考で若手の応募者と比較される場合、まったく同じ条件であれば若手が選ばれやすい傾向は否めません。だからこそ、40代は中堅ならではの安定感や豊富な経験を強みとして明確にアピールする必要があります。
企業が求めるスキルを持っているかどうかはもちろん重要です。しかし最終的には、企業がその求人を通して解決したい課題やミッションを読み解いた上で、自分の強みや実績をどう転用できるかを納得感を持って説明できるかが評価の決め手となるでしょう。
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【フェーズ別】40代が転職活動を成功させるコツ
上記の図は一般的な転職活動の流れですが、40代の転職では、企業側も検討に時間をかける傾向にあります。特に書類選考の期間が長引きやすく、ステップ2の面接に進むまでの期間が長くなることが多くなります。
だからこそ、求人への応募はコツコツと継続することが大切です。40代は「最後の転職にしたい」と考えて慎重になりがちですが、応募のハードルを上げすぎると転職活動自体が停滞してしまい、理想のキャリアをかなえにくくなります。
少しでも興味を持った企業にはまず応募し、書類選考が通過してから企業理解を深め、面接で相性を見極めていくのが効果的です。
応募前に知っておきたい「求人選びのポイント」アーカイブ動画
「何社受ける?」転職成功者の平均応募社数
職務経歴書をかんたん作成!
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自己分析フェーズ
40代の転職では、自分の強みを整理した上で、応募企業の採用背景やミッションに合わせて柔軟に打ち出すことが求められます。強みそのものを変える必要はありませんが、その企業でどう活かせるかを具体的に語れることが評価につながるでしょう。
仕事の成果とともに、組織貢献や自己成長のために自主的に行った取り組みなどを掘り下げると、自身の強みがより鮮明になります。
順番としては、まずこれまでの経験をどのように次のキャリアに結び付けたいのか整理した上で求人を探すのがおすすめです。その上で各企業にマッチする強みをアピールできるように準備していきましょう。
応募書類(職務経歴書)対策フェーズ
40代は経歴が多岐にわたり、職務経歴書の記載内容が長くなりがちなため、「結局、何ができる人なのか」が伝わりにくくなる傾向があります。そのため書類の冒頭にサマリーを記載したり、経験やスキルを箇条書きにまとめたりして、自分の強みを端的に伝えることが重要です。
また、40代では転職回数について厳しく見られるケースは減りますが、その分、転職理由の整合性や納得感が重視されます。転職エージェントを利用すると、転職軸の整理などキャリアアドバイザーへ相談できます。
キャリアアドバイザーから応募求人の採用担当者へ推薦文を書いてもらうことで、企業への納得感が伝わりやすくなります。
- キャリアアドバイザーに相談して選考をサポートしてもらおう
- エージェントサービスに申し込む(無料)
面接対策フェーズ
社会人経験が豊富になるほど「面接は準備しなくても話せる」と考えがちですが、面接対策は非常に重要です。
40代であっても対策を怠ったことで自分の強みを十分に伝えられず、面接後に悔やむケースは多く見られます。自己紹介や志望動機、転職理由、逆質問といった定番の質問には必ず答えを用意しておきましょう。
さらに求人の背景を読み解き、企業が自分に何を期待しているのかを踏まえた上で、根拠となるエピソードとともにアピールすることが大切です。複数のエピソードを準備しておくと、質問に応じて幅広く対応できます。
また、dodaが実施した調査結果※1によると、企業は40代以上のミドル層に対して、専門的なスキルや経験を期待している一方で、変化の多いビジネス環境や新しい仕事にも柔軟に対応できる力を同時に求めています。
そのため、面接では自分の強みや専門性をアピールするだけでなく、「新しいことにも前向きに取り組める姿勢」をあわせて伝えることが大切です。
※1「doda」企業のミドルシニア層の採用に関する調査レポート(バイアス編)
40代で業種・職種未経験の転職はハードルが高い?
40代で業種・職種ともに完全に未経験での転職は、難易度が高まる傾向があります。まったく業務経験がなく、関連する資格も保有していない状態から採用に至るケースはまれで、経験職採用が中心です。
40代では即戦力性が強く求められるため、企業は育成コストをかけるよりも、すぐに成果を出せる人材を重視する傾向があるからです。
ただし、業界経験・職種経験どちらかの知見や経験があれば、未経験業界・職種への転職のチャンスはあります。
前述したとおり、2024年のdodaの調査では、40代以上で異業種へ転職した人の割合は56.4%、異職種へ転職した人の割合は約35%います。
つまり「同業界での経験があり、業界のことを熟知している」または「業界は違うが、同じ職種でこれまで培った経験を活かせる」、そのほかにも、「仕事の進め方が一致している」「異なる仕事内容でもスキルの親和性が高い」「関連資格を持っている」といった要素があれば、未経験業界・職種でも採用につながる可能性は十分にあります。
重要なのは、自身の経験を棚卸しし、どのスキルを新しい職種や業界に転用できるかを明確にすることです。未経験転職の求人自体が少なく、競争も激しいため、経験や実績をもとに自分の可能性を探ることが大切です。
自分のこれまでの経験がどう活きるのか、経験を活かせる親和性の高い職種はあるのか、などが気になる方はキャリアアドバイザーに相談することがおすすめです。
客観的な市場データや適性に基づいたアドバイスを受けられるため、自分に合った選択肢を見つけやすくなるでしょう。
40代での転職成功事例
ミドル層で転職を検討される方の中には、複数回の転職経験を持つ方も多く、どんなスキルや経験を定年まで活かしていくか悩むケースは少なくありません。
過去、どんなときに主体的に動けたか、現職で定年まで働くことを想像したときにどんな不安を感じるかを振り返ることが、今後のキャリアを考える上でのヒントとなるでしょう。
ここでは実際の事例をもとに、どのように強みをアピールして転職成功につながったのかをキャリアアドバイザーの視点からご紹介します。
事例1:経験と安定感で勝ち取った、同業界での転職
年齢:48歳
経験業界・職種:消費財 営業
転職先業界・職種:消費財メーカー 営業
消費財の営業で培った人脈やマネジメント経験、部下の育成経験をアピールし、豊富な社会人経験を強みに転職活動を行いました。企業からは、これまでの豊富な経験と安定感に加え、「入社後の活躍のイメージが湧いた」という点などを評価され、内定を獲得しました。経験だけでなく、安定的に働き続けられる安心感も評価のポイントとなった事例です。
事例2:20年の営業力を武器に、年収100万円アップ
年齢:45歳
経験業界・職種:専門商社、メーカーなどで、BtoB法人営業~個人営業まで幅広い営業職
転職先業界・職種:環境系のBtoB資材メーカー 営業職
20年以上の営業職の経験があり、その中でも顧客への定期訪問を欠かさず、関係構築を大切にしてきた経験を強みとして転職活動を行っていました。顧客と長期的に関係を構築しサポートできるメーカーであれば、経験が活かせると考え転職を決意しました。行動量と誠実さをベースとした提案力が評価され、100万近い年収アップを実現しました。
事例3:1社での長期的なキャリアが評価され、異業界に転職
年齢:43歳
経験業界・職種:自動車メーカーで人事労務・制度運用
転職先業界・職種:融業で人事労務・制度運用
1社で長年キャリアを積まれてきた40代前半の方の事例です。1社での経験年数が長いため、長く定着してもらえそうな点、人事としてのキャリアの広さが評価ポイントで、内定となりました。チームを率いて組織に影響を与えられる環境に挑戦したいとの気持ちで転職活動をされていたことから、マネジメント候補というポジションでの内定となり、組織風土に魅力を感じ転職されました。
40代の転職では豊富な実績を企業に合わせて柔軟に伝えることが大切!
40代の転職は不安が先立って具体的な活動を始められない方も多くいますが、実際のデータを見ると活躍の可能性は幅広くあります。dodaを利用した方のデータでは、半数以上の方が異業種への転職を成功させているのが現状で、異職種への転職も約35%います。
また、年収面でも40代前半は現年収より上がることは珍しくはなく、キャリアを見直すには十分に意義のあるタイミングといえるでしょう。
一方で、40代は「最後の転職にしたい」と考える方が多く、どうしても慎重になりやすい世代でもあります。応募のハードルを上げすぎると活動が停滞してしまうため、まずは気になる企業に応募し、書類選考通過後にじっくり見極めていく柔軟さが大切でしょう。
自分の経験をどう活かすかを客観的に判断するのが難しい方は、キャリアアドバイザーの活用がおすすめ。市場動向を踏まえた適切なアドバイスや、自分では気づきにくい強みの発見につながります。
迷いや不安を一人で抱え込むのではなく、専門家と一緒に戦略を練ることで、納得感のあるキャリア選択ができるはずです。将来を見据えて後悔のない一歩を踏み出すために、プロのサポートをぜひ活用してくださいね。
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この記事を監修したキャリアアドバイザー
中江 文昭(なかえ・ふみあき)
【経歴】 2011年に株式会社インテリジェンス(現パーソルキャリア株式会社)に入社、コンシューマー領域を担当する法人営業に配属。その後、スカウトサービスに関して集客、中小企業の採用支援に特化した法人営業部門の立ち上げに参画。現在はメーカー・商社の営業職を担当するキャリアアドバイザー部門のマネジャーとして業務を担う。
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