転職時の自己分析のやり方(診断ツール・チェックシートつき)
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取材協力: 蛭田 友朗 氏(ひるた・ともろう)株式会社セルフトランセンデンス
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監修者: 木山 緋奈子(きやま・ひなこ)dodaキャリアアドバイザー
転職活動に自己分析は必要?意味や目的を解説
転職活動では、自己分析は必須です。自己分析を通じて、転職活動をスムーズに進められたり、働く上で大切にしたい条件や自分の強み、キャリアプランを整理できたりするためです。
自己分析とは、経験や強み、スキルだけでなく、性格や価値観、将来に向けた思いや考えなど、ありのままの自分と向き合うことです。
自己分析をすれば、転職の目的が明確になり、入社後のミスマッチのリスクを軽減できます。あなたに合った転職先を見つけるためにも、自己分析を行いましょう。
転職活動で自己分析をする3つのメリット
転職活動で自己分析をする主なメリットは以下の3つです。
どんな仕事をしたいか?を見つけるヒントになる
自己分析をすることで、自分の強みや弱み、やりたいこと、働く価値観を深掘りできます。 その結果、自分の強みが評価される職種や働く場所がイメージできるはずです。 「自分がどんな仕事をしたいのかが分からない…」という方は、自己分析で得た気づきを組み合わせると、本当にやりたい仕事のイメージがつかめるでしょう。
同時に、仕事を進める上での得意・不得意といった自己理解も深まるため、転職後も仕事を進めやすくなります。
自分に合った転職先が見つかりやすくなる
自己分析で強みや価値観が分かると、自分に合った転職先が見つかりやすくなります。 自己分析を行うと、以下のような点が明確になるためです。
- どんな職場だと活き活きと働けるか
- どんな仕事だと自分の強みが活かせそうか
このように、 自分の志向性を理解しておくと、効率的に求人を検索でき選択肢も広がります。入社する際の基準にもなるため、複数の会社から内定をもらった際に、より納得のいく転職先を選択できるでしょう。
自己分析のやり方はさまざまですが「自己分析をやったことがないし、なんだか難しそう…」と思う方は、後述する自己分析のやり方を参考にしてみたり、診断ツールなどを活用してみたりしましょう。「転職タイプ診断」では、3STEPで自分に合った仕事が分かります。
転職活動でよく聞かれる質問に対応できる
自己分析の結果は、応募書類や面接でよく聞かれる「転職理由」「志望動機」「自己PR」の質問に活用できます。
応募書類や面接の質問に回答する際は、 自己分析の結果とともに、仕事をする中でやりがいや喜びを感じたエピソードを交えると採用担当者の印象に残りやすくなります。加えて、実績や周りの反応といった客観的な情報も含めると説得力が増します。
「自分の強みを簡単に把握したい!」という方は、以下の「自己PR発掘診断」を受けてみてください。16の質問に答えるだけであなたの強みが分かります。
【ワークシート付き】転職活動での自己分析のやり方
自己分析には決まったやり方はなく、さまざまな手法があります。
今回、気軽に取り組める手法として、dodaと株式会社セルフトランセンデンス
の蛭田友朗氏が共同開発した「自己分析ワークシート」を用いた自己分析の進め方を紹介します。
自己分析ワークの流れ
以上の3つのステップに沿って進めていきます。各ステップでのワークを進めるコツも解説しているので、ワークシートをダウンロードし、この後の記事を読み進めていきましょう。
自己分析ワークで
強みを見つけよう
STEP1.やりたいこと・実現したいことを明確にする
まずは、やりたいことや実現したいことを明確にします。STEP1ではワークシートにある、以下の①~③の作業をします。
- リストの中の「やってみたい」と思うものにチェックを入れる
- ①でチェックを付けた仕事について、どんなところに興味を持ったか、どんな共通点があるかを記述する
- ①でチェックを付けていない仕事について、興味を惹かれなかった理由はあるか、どんな共通点があるかを記述する
▼自己分析ワーク STEP1の記載例 ※横スクロールで全体をご覧いただけます。
この①~③のワークを通じて、「自分が仕事そのものの内容(≒条件面以外)でどんなことを重視しているのか」の傾向をつかむことができます。
①のワークでチェックを付ける数の制限はありません。また、ここでは、現実的な条件や、能力的にできる・できないは考慮せず、純粋に興味があるかどうかで判断してください。
②では、「興味を持った仕事のどこに惹かれたのか」を深掘りし、
③では、逆に「興味を惹かれない理由は何か」を整理します。
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もし気になる職種があるのであれば、 doda職種図鑑で仕事内容やキャリアパスを調べてみましょう
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「やってみたい」と思うものが見つからない場合は、自分に以下のような質問をしてみてください
- どんな業務をやっているときが楽しいと感じる?
- 最近「やってみたい」と考えた仕事は?
- 新卒のときに何がやりたいと思って入社したのか?
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以下の順番で考えるのもおすすめです
- 求人を見る
- 「やってみたい」「自分にできる・働くイメージが持てる」と感じた求人を並べる
- 「なぜそう思ったのか」「どんな共通点があるのか」を説明してみる
STEP2.転職先で活かせる経験や強みを見つける
次に、自分のスキルや強みを見つけていきます。
STEP2では自分のスキルや強みを見つけるために、ワークシートの以下①~③の作業をします。
- リストの中の強み・スキルの中で、自分に当てはまるものにチェックを入れる
- STEP1の①でチェックを付けた興味のある仕事には、どんな強み・スキルが求められるかを記述する
- ②で記載した強み・スキルの中で、自分が持っているものは何か、現時点で足りていないものは何かを記述する
▼自己分析ワーク STEP2の記載例 ※横スクロールで全体をご覧いただけます。
この①~③のワークを通じて、「興味のある仕事に必要な強み・スキル」と「自分の今の強み・スキル」に、どのような共通点・相違点があるのかが整理できます。
①でチェックを付ける強み・スキルは、完璧にできていないものでも大丈夫です。また、思い付かない場合は、「人から褒められることや、自分が取り組んでいて苦にならないものはないか?」と振り返ってチェックを付けていきましょう。
共通点を見つけたら、その強み・スキルを転職活動の自己PRに使うことも可能です。
また、自分の「やりたいこと」と「現在の状況」に相違点があっても大丈夫です。今後、足りない強み・スキルを現職や自己学習、転職先で身につけていくことで、より自分の理想の状態に近づくことができるでしょう。
より詳しく強み・スキルの整理をしたい人は、こちらの記事もおすすめです
STEP3.譲れない働き方や信念を考える
STEP3では、譲れない働き方や信念を考えていきます。
- リストの仕事に対する14個の価値観(※1)の中で、自分に当てはまるものすべてにチェックを付ける
- ①でチェックを付けた項目の中で、特に大事にしたい価値観3つに、優先順位を付ける
- ①②を通じて感じたこと、気づいたことを記述する
▼自己分析ワーク STEP3の記載例 ※横スクロールで全体をご覧いただけます。
(※1)ドナルド・E・スーパー 「14の労働価値」より引用
この①~③のワークを通じて、自分が働く上で、または転職でかなえたい働き方を導き出すことができます。
①では、あまり深く考えすぎず、自分の本音に従って直観的に判断してください。
考えにくい場合は、「働いている中で自分が楽しさ・やりがい・心地よさを感じたときは、どのような状態だったか?」を振り返りながら考えてみるとよいでしょう。
STEP1~STEP3の総まとめ
最後に、STEP1〜STEP3で整理した内容を参考に、空欄を埋めていきます。 ここで導き出された答えは、今後の自分のキャリアの方針を考えるときや、志望動機や自己PRの作成にも役立てられるでしょう。
ワークシート全体を振り返り、下記の文章の「」の中を埋めてください
私は今、「キャリアアドバイザーや営業など、人に向き合い、誰かの課題を解決できる」仕事に興味を持っています。
その仕事をする上では、私の「提案・プレゼン力、親しみやすさ、コミュニケーション力、傾聴力、積極性」という強み・スキル・経験が活かせます。
一方で、「論理的思考力、情報収集力、関係構築力、交渉・調整力、目標達成意欲、正確性」という強み・スキル・経験は、今後補っていきたいです。
また、働く上では「自律性、愛他性、ライフスタイルなど、独立できるスキル磨きと私生活の充実の両立」という価値観を大切にしています。
以上を踏まえ、「キャリアアドバイザーや営業職など人への貢献が見える仕事を中心に、スキル磨きと私生活が両立できる」環境で働きたいと思います。
ここまで、3ステップで自己分析の進め方を紹介してきました。
「実際に自分で自己分析をやろうとすると進まない」という方もいるかもしれません。その場合は、キャリアアドバイザーに相談したり、身近な方(家族・友人・同僚)などから客観的な意見を聞いたりすると、自分でも気づかなかった一面に気づけます。
実際に転職活動をする場合は、ここまで紹介した3ステップに加えて、転職市場の状況も加味する必要があります。一人で進めることに不安を感じる場合は、dodaの キャリアカウンセリングを活用して自己分析を進めるのも一つの手段です。
また、「自己分析のやり方をもっと詳しく知りたい!」という方は、自己分析ワークシートの共同開発者である蛭田氏が解説している「 転職を成功に導くための『自己分析セミナー』アーカイブ動画」を視聴してみてください。
転職時の自己分析におすすめの無料診断ツール3選
ここまで自己分析ワークとその進め方を紹介してきましたが、ワークを進めながら悩んだり迷ったりした方もいるのではないでしょうか。そのようなときは、自己分析ができるdodaオリジナルの診断ツールもヒントになるかもしれません。それぞれ紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
自分の強みを知る「自己PR発掘診断」
自分の強みが分からない…とお悩みの方は、あなたの経験から自己PRを探してみませんか?経験職種と16問の質問に答えるだけで、あなたの強みを発掘できます! さらに、会員登録・ログインすれば、各PRの例文が表示されるほか、例文をもとに、簡単・お手軽にあなただけの自己PRが作成できます。
適職探しのヒントが見つかる「転職タイプ診断」
「自己分析がちょっと苦手…」「転職したいけれど、自分にあった仕事の探し方が分からない…」などお悩みの方は、「仕事探しの軸」と「今の満足度」を診断してみませんか? 診断結果は自己分析にも活用でき、仕事選びや適職探しのヒントが見つかります。
あなたに向いている働き方が分かる「キャリアタイプ診断」
「自分のことを客観的に知りたい」という方は、働く上で大切なあなた自身の性格や能力を把握するキャリアタイプ診断がおすすめです。あなたの性格・能力を多数の質問をもとに診断した結果から、自分に向いている「仕事スタイル」や「企業風土」が分かります。
転職活動での自己分析を成功させる4つのポイント
ここでは、自己分析を成功させる4つのポイントを解説します。
順番に見ていきましょう。
抽象的な言葉は避け具体的にする
自己分析で自分の気持ちや考えを書き出す際は、抽象的な言葉を避け、具体的に記述します。 例えば、具体例を含めるのが効果的です。具体例を添えると、あなたが働いている姿を知らない人にも魅力が伝わりやすくなるためです。
強みが思い付かない場合は、弱みから考えてみる
自己分析で強みが思い付かない場合は、弱みから考えてみましょう。
強みと弱みは表裏一体といわれています。そのため、自分の弱みを把握すれば強みの発見につながる可能性があります。
例えば「私は心配性な一面があります(弱み)が、事務作業では入力や計算の誤りを見逃さない慎重さがあるため、正確な業務遂行を実現できます(強み)」「完璧主義な一面があります(弱み)が、細かいコードを扱うサイト制作ではミスの少ない仕事ができます(強み)」などと前向きに表現できます。
ポジティブな要素を加えれば、面接の印象も良くなるでしょう。
他己分析も併用する
他己分析とは、他人に自分のことを分析してもらうことです。
自己分析では過大評価・過小評価しやすく、自分が認識している情報だけで分析をしてしまいがちです。 友人や上司、先輩などの意見を参考にすれば、自己理解の解像度がより上がります。
ただし、一人ひとり経験や価値観は違うので、他己分析でも偏りが生じる可能性があります。 他者の評価を聞いたら、最後にもう一度、自分自身を振り返りましょう。
他者分析は友人や会社の人以外に、dodaエージェントサービスにお願いする方法もあります。希望する企業が求める人物像に合ったあなたの強みを転職のプロが引き出してくれます。
定期的に見直しする
自己分析は定期的な見直しが大切です。年齢や仕事の経験を重ねると、あなたの強みや仕事に対する価値観が変わる可能性もあるためです。
よりよいキャリアを築いていくためにも、自己分析は一度やって終わりではなく、健康診断のように定期的に見直しましょう。
自己分析をやる上で、よくある質問
最後に自己分析をやる上で、よくある質問と回答をまとめます。
順番に見ていきましょう。
自己分析は転職活動のどのタイミングでやればいい?
自己分析は転職活動の最初に行います。 応募書類で転職理由や自己PRを記載する必要があるため、応募前に済ませておくのがおすすめです。
また、転職活動では、自己分析以外にも「転職理由」「転職の軸」など、整理をすることが多くあります。
以下の順番で進めるのがおすすめです。
- 自己分析で、強み・価値観・モチベーションなどの自己理解を深める
- 転職理由を深掘りし「これがかなっていたら長く働ける」という条件を明確にする
- 今回の転職活動で必ずかなえたい転職条件(転職の軸)を明確にする
- 自分の強み①と転職でかなえたいこと③が実現できる会社はどういう会社か?を言語化する
自己分析をやらないとどうなる?
自己分析をしないと、意図せず、自分の価値観に合わない転職をしてしまう可能性があります。
また、転職活動中は、求人情報や周囲の意見など多くの情報が入ってきます。自己分析を通して「自分が大切にしたいことは何か?」の部分を仮決めしておくと、自分の中で軸を持った状態で転職活動を進められるでしょう。
就職活動と転職活動では、自己分析を行う目的が違うの?
就職活動と転職活動では、自己分析の目的が以下のように少し異なります。
- 就職活動:学生時代の経験や自分の強みを活かしポテンシャルをアピール
- 転職活動:職務経験や自分の強みを活かし即戦力となる人材であることをアピール
転職活動での自己分析は、経歴や実績といった具体的な成果も重視されます。
一人で自己分析ができないときは、どうすればいい?
dodaのキャリアカウンセリングの利用がおすすめです。転職のプロが客観的な目線で、あなたの強みや価値観などを引き出します。 キャリアカウンセリングは、平日(受付時間9:00~19:30)か土曜日(受付時間10:00~19:30)にオンラインか電話で受けられます。話す準備などは不要ですので、まずは気軽に相談してみてください。
以下の記事では、dodaのキャリアカウンセリングの流れやサービス内容を具体的に紹介しています。興味がある方はあわせてご覧ください。
「キャリアカウンセリングで相談するのは抵抗がある…」という方は、診断ツールを活用してみましょう。
簡単な質問に答えたり、選択肢を選んだりするだけで、あなたの強みや仕事の適性を診断してくれます。
ただし、経験や価値観は一人ひとり異なるため、診断結果だけに頼らず、自分自身のことを振り返る時間も設けましょう。
自己分析は転職活動を成功に導くカギ
転職活動するにあたって自己分析は欠かせません。 自己分析は、あなたの強みや仕事の価値観を明確にし、キャリアの方向性を定めるほか、志望動機や自己PRを作成する際や、面接で質問に回答するときに役立てられるからです。
ここまで自己分析の方法を説明してきましたが、自分自身に対する理解は深まりましたか?自己分析をしてみた結果を職務経歴書や面接にどう活用したらよいか悩んだら、ぜひdodaのキャリアアドバイザーへ相談してみてください。
もちろん自己分析自体も、dodaのキャリアアドバイザーがお手伝いします!
- あなたの自己PRポイントを診断!履歴書作成もこれで迷わない
- 「自己PR」発掘診断を受ける
- 質問に答えていくだけで あなたの強みが活かせるキャリアが見つかるかも
- キャリアタイプ診断を受ける
取材協力
蛭田 友朗(ひるた・ともろう)氏
株式会社セルフトランセンデンス
多くの企業の組織開発・人材開発や採用・転職支援をメイン事業とする株式会社セルフトランセンデンスでコンサルタントとして活躍。
新入社員や中堅社員向けに女性活躍の推進、働き方改革、次世代経営者の育成等、人事課題研修の企画を行う傍ら、自ら講師として登壇している。また、求職者向けに転職支援事業にも携わっている。
多岐にわたる領域でキャリア相談や、採用担当・求職者双方への支援を行ってきた経験から、多様な視点に基づいた転職支援を得意としている。また、自分自身の転職経験に基づき求職者の悩み・不安に寄り添い、転職後もより活き活きと働くためのキャリアサポートを心掛けている。
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この記事を監修したキャリアアドバイザー
【経歴】 2023年11月にパーソルキャリア株式会社へ入社。営業職専門のキャリアアドバイザーとして転職活動をサポートしている。転職を希望する方の強みと転職の軸、将来のビジョンに近づくキャリアの提案にこだわっている。
【メッセージ】 転職活動に向け不安なことも多いと思いますが、活動を通してこれまでのキャリアをぜひ振り返ってみてください。5年後、10年後のなりたい姿に向け、自己分析や情報収集をしてみましょう。やり方に悩んだらいつでもキャリアカウンセリングをご利用ください。希望するキャリアがかなえられるようサポートさせていただきます。
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