Q.50代での転職は厳しい? 成功事例はある?
自分は定年まで働くと信じていましたが、会社の体制が変わり、今の会社を辞めたいと強く思うようになりました。しかし、50代の転職活動が難しいことは容易に想像がつきます。家族もいるため第二の人生を自分のしたいように、ともいきません。50代で転職の成功事例はあるのでしょうか。(51歳/男性)
A. 転職事例はありますが、今と同じ待遇は難しいかもしれません。
50代での転職は確かに多少の苦労を伴うかもしれませんが、しっかり準備して臨めば内定をもらうことはできます。ミドル層以上に向けた求人はマネジメント業務を期待されていたり、役職採用を行っていたりするので、メンバー採用がメインとなる若手に比べると、求人の数自体が格段に少ない状況です。そのため、活動が長期化する可能性もあるので、どういった条件の会社であれば転職を決意できるのか、事前に家族ともよく話し合っておくことが重要でしょう。
50代の方であれば、極めて専門性の高いスキル、事業全体を見据えたマネジメント能力、業界や業務での熟練度が高い即戦力のいずれか、もしくはいくつかをアピールするとよいでしょう。これらのスキルを豊富な経験や知識とともにアピールすることで、50代ならではの魅力を持った人物として評価され、内定が出やすい傾向にあります。また、会社の雰囲気やほかの社員との相性も見られますので、若手とも力を合わせて業務を進められることを謙虚な姿勢で伝えることも大切です。
新しい転職先では待遇が悪くなってしまうこともあるので、年収やポジションのダウンも覚悟しておいたほうがいいでしょう。役職付きの採用は重要なポジションのため、前職で就いていた役職の1つ下からスタートして、しばらくは適性を見られることもあります。
いずれにしろ自分の「やりたいこと」「やれること」「やらなければいけないこと」をはっきりさせて、自分と家族の間で何を優先させるかを共有することが大切です。年収ダウンのリスクを冒して環境を変えるのか、転職した場合に自分のスキルでどの程度の年収が望めるのか、転職エージェントに登録してキャリアアドバイザーに相談するのもよいでしょう。期間を区切って転職活動し、良い条件での採用がかなったときだけ転職する、という方法もあります。まずは転職が本当に必要かどうかを家族とともに検討してみてください。
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この記事を監修したキャリアアドバイザー
加賀美 文久
米国CCE国家資格 キャリアコンサルタント
米国CCE,Inc.認定 GCDF-Japanキャリアカウンセラー
【経歴】
ベンチャー企業の人事リーダーを経て、2006年に現職に入社。dodaキャリアアドバイザーとしてバックオフィス部門、ハイキャリア部門の転職支援をしてきました。その後、管理職として同領域のマネジメントやプロジェクト推進に関わっています。
【メッセージ】
私自身、さまざまな立ち位置で「転職」と関わってきました。転職者の立場、採用する企業の立場、転職支援をする立場。その経験活かして、転職の疑問解決のお手伝いができればと思っています。