転職の面接で「挫折経験」を聞かれたときの答え方と注意点は?ない場合の見つけ方も解説
監修者:藤原 千夏(ふじわら・ちか)
転職の面接では、挫折経験を聞かれることがあります。この記事では、面接官が挫折経験を質問する理由や答え方の基本構成、ケース別の回答例、伝えるときの注意点を解説します。挫折経験がない場合の見つけ方も紹介するので、面接対策の参考にしてください。
この記事のまとめ
- 面接で聞かれる挫折経験とは、努力したが結果が出ず悩んだ経験のこと
- 面接官は挫折の大きさではなく、困難への向き合い方と学びを見ている
- 伝える際は経験→学び→今後の活かし方の流れで簡潔にまとめるのが基本
面接で聞かれる「挫折経験」とは?
一般的に「挫折」とは、仕事や計画などが途中でうまくいかなくなり、その結果として意欲や気力を失ってしまうことを指します。ただし、面接で問われる挫折経験は、必ずしも深刻な失敗だけを指すわけではありません。「目標に向けて努力したものの、思うような結果が出なかったり、壁にぶつかったりして、悩んだり自信を失ったりした経験」も挫折経験として十分に当てはまります。
面接で挫折経験を聞く理由
面接官が挫折経験を聞くのは、応募者の人柄や仕事への向き合い方を知るためです。面接官は挫折の大きさではなく、困難に直面した際の考え方や行動、そこから得た学びを見ています。ここでは、面接で挫折経験を聞く理由を3つの観点で詳しく解説していきます。
あなたに向いている企業風土や
性格や気質、スキルが分かる
困難にぶつかったときの課題解決力を知るため
仕事を進める上で、思いどおりにいかない場面や、予期せぬ困難に直面することは少なくありません。面接官は、そうした状況で応募者がどのように課題を捉え、解決に向けて行動したのかを知りたいと考えています。
例えば、問題の原因を自分なりに分析したり、周囲に相談して協力を得たりと、課題に向き合うプロセスには、その人の仕事への取り組み方が表れます。入社後も困難な場面は起こり得るため、面接官は過去の向き合い方から、自社でも課題を乗り越えて活躍できる人かどうかという再現性を確認しています。
挫折からどう学びを得て成長に活かしたのかを知るため
挫折経験から学んだことを今後の仕事にどう活かそうとしているのかも、大切な評価ポイントです。同じ失敗を繰り返さないための工夫や、経験から得た気づきを自分の言葉で語れると、学ぶ力のある人材として評価されやすくなるでしょう。
誠実さや人柄を知るため
挫折は困難な状況に直面した際の考え方や行動が表れやすい経験です。そのため企業は、挫折にどう向き合ったのかを通じて、その人の誠実さや人柄を確認しています。
自分の力不足だった点を素直に認め、逃げずに向き合えることは、面接ではむしろ好印象につながります。
うまくいかなかった原因を他人や環境のせいにせず、真摯に自分ごととして受け止め、責任感を持って行動できる人かどうかも確認されています。
面接で挫折経験を伝えるときの基本構成
挫折経験を伝えるときは、「経験→学び→今後どう活かしたいか」の流れを意識し、簡潔に語ることが大切です。具体的には、次の6つのステップに沿って組み立てるのがおすすめです。
- 挫折経験をひと言で述べる
- 当時の目標や状況を説明する
- 何がうまくいかなかったのか、その原因は何かを伝える
- どのように向き合い、改善したのかを説明する
- そこから学んだことを伝える
- 応募先でどう活かしたいかにつなげる
このように構成を組み立てると、話の要点が明確になり、面接官にも理解してもらいやすくなるでしょう。転職の面接では、話の分かりやすさも見られているため、エピソードを交えつつ、要点を絞って簡潔に話しましょう。
【例文あり】転職面接の挫折経験はどう答える?ケース別の回答例
「挫折経験と一口に言っても、その内容は人によってさまざまです。ここでは代表的な3つのケースについて、答え方のポイントと回答例を紹介しますので、自分の経験に近いものを参考にしてください。
1.努力したが結果が出せなかった場合
目標達成に向けて努力したものの、思うような成果につながらず挫折を経験するケースです。
<ポイント>
結果が出なかったという事実だけで話を終わらせず、うまくいかなかった原因をどのように分析し、その後どう行動を変えたのかまで具体的に伝えましょう。
<回答例>
「私の挫折経験は、担当エリアの売り上げ目標の達成に苦戦したことです。当時は誰よりも訪問件数を増やしていましたが、思うように成果につながりませんでした。そこで上司に同行を依頼し、商談を客観的に振り返ったところ、『顧客のニーズを十分に把握できておらず、提案が表面的になっている』と指摘を受けました。
そこで、目標を達成できない要因は『行動量の不足ではなく、顧客の課題を十分に把握できておらず、それに応じた提案ができていない点』に原因があると捉え直しました。
まずは一件ごとの提案の質を高める必要があると考え、訪問前に企業情報や想定される課題を整理した上で商談に臨むようにしたほか、商談後には提案内容や顧客の反応を振り返り、上司や先輩に相談しながら改善を重ねました。
そうした取り組みを続ける中で、顧客ごとの課題に応じたヒアリングや提案が徐々にできるようになり、成約率も向上しました。その結果、売り上げ目標を達成できるようになり、その後も継続的に成果を上げられるようになりました。
この経験から、成果が出ないときは一度立ち止まって原因を分析し、改善を積み重ねていくことの重要性を学びました。御社でも、新しい環境で壁にぶつかることがあれば、その経験を糧にしながら試行錯誤を重ね、一日でも早く成果を出せるよう取り組んでいきたいと考えています」
2.リーダーとしてプロジェクトの目標を達成できなかった場合
リーダーやまとめ役を任されたものの、チームとして目標を達成できなかったケースです。
<ポイント>
プロジェクト進行でうまくいかなかった点を客観的に振り返り、その反省を次にどう活かしたのかを具体的に示しましょう。自分の役割として何が足りなかったのかを軸に話すことが大切です。
<回答例>
「私の挫折経験は、前職でリーダーを務めた新サービスの立ち上げプロジェクトで、サービスのリリースができない危機に直面したことです。
5人のチームをまとめながら企画を進めていましたが、私はユーザーから寄せられた要望をできるだけ実現したいと考え、多くの機能を盛り込もうとしていました。しかし、検討を進める中でコストや開発期間の制約が明らかになり、当初計画していた内容での実現は難しいことが分かりました。
当時は、サービスリリースそのものが危ぶまれる状況となり、大きな悔しさを感じました。しかし振り返ると、理想を追うだけでなく、実現可能性も踏まえて優先順位を付ける視点が不足していたと考えています。
そこで、ユーザーにとって特に重要な機能を整理し、関係部署と調整を行いながら計画を見直しました。また、プロジェクトとして目指す成果を再定義し、その方針をメンバーにも共有しました。その結果、ユーザーへの提供価値を維持しながら、実現可能な形に再設計することでサービス化につなげることができました。
この経験から、リーダーには理想を追うだけでなく、関係者と調整しながら最適解を導くことも求められると学びました。御社でも、さまざまなステークホルダーと協力しながらプロジェクトを推進し、成果につなげていきたいと考えています」
3.昇格を目指したが実現できなかった場合
昇格や昇進を目指して努力したものの、実現できなかったケースです。
<ポイント>
結果を前向きに捉え直し、自分に不足していた部分を補うためにどう動いたのかを伝えると、成長意欲が伝わりやすくなります。悔しさを感じた話で終わらせず、指摘を素直に受け止めて行動を変えられた点まで示すことが大切です。
<回答例>
「私の挫折経験は、リーダー職への昇格を実現できなかったことです。担当業務の成果を上げることに力を注いでいましたが、評価面談で個人の成果は高いものの、後輩育成への関与が不足していると指摘され、昇格は見送りとなりました。
当時は自分では成果を出しているつもりだったため悔しさを感じましたが、求められている役割を自分が理解できていなかったのだと受け止め直しました。
その後は後輩のOJTを積極的に引き受けるだけでなく、後輩の業務状況を定期的に確認し、つまずいている点の解消をサポートするようにしました。また、それぞれの課題に応じてアドバイスやフォローを行うことも意識しました。翌年には育成面でも評価され、昇格することができました。
この経験から、個人の成果だけでなく、チーム全体の成果に目を向けて働く視点を得られました。御社でも、周囲の成長を後押しできる存在を目指したいと考えています」
転職面接で挫折経験を伝えるときの注意点
挫折経験は、同じエピソードでも伝え方によって前向きにも後ろ向きにも聞こえてしまうものです。ここでは、せっかくの経験がマイナスに受け取られないよう、伝えるときに気をつけたい4つのポイントを解説します。
経験だけでなく解決策や学んだことも述べる
挫折経験を語る際は、挫折にどう向き合い、何を学んだのかまでを必ずセットで伝えましょう。挫折した事実だけを話して終わってしまうと、ネガティブな印象だけが残りかねません。
例えば、「目標に届かず落ち込んだ」で止めるのではなく、「原因を分析して行動を変え、次はこう改善できた」まで続けてみましょう。同じ経験でも、受け取られ方は大きく変わります。改善の過程と学びまで伝えることで、前向きに成長できる人物であることが伝わります。
状況や課題を分かりやすく伝える
挫折経験を伝える際は、どのような状況で何が起きたのかを具体的に説明しましょう。
面接官はその場面を直接見ているわけではないため、背景や課題が伝わらないと、挫折した理由やその後の行動を理解しにくくなります。「どのような目標だったのか」「なぜうまくいかなかったのか」を簡潔に整理して伝えることで、話の説得力が高まります。
社会人経験がある場合は仕事のエピソードを選ぶ
転職の面接では、仕事上の経験を通じて、課題解決力や成長意欲、人柄などが確認されることが多くあります。そのため、第二新卒や社会人経験が浅い場合などを除き、できるだけ仕事に関する挫折経験を選ぶのがおすすめです。
企業の求める人物像を意識した内容にする
同じ挫折経験でも、そこから得た学びや強みが応募先企業の求める人物像と合っているかどうかで、面接官の受け取り方は変わります。
主体性を重視する企業なら自ら課題を解決した経験、チームワークを重視する企業なら周囲と協力して困難を乗り越えた経験が評価されやすいでしょう。
事前に企業研究を行い、自分の挫折経験の中から企業が求める人物像に近い強みが伝わるエピソードを選びましょう。
挫折経験がない・思い付かない場合は?
「挫折を経験したことがない」という方もいるかもしれません。
ここでは、挫折経験がない・なかなか思い付かない場合の見つけ方を紹介します。
過去の挑戦や努力を書き出してみる
挫折経験というと、重大な失敗や人生を左右するような出来事をイメージする方もいるかもしれません。しかし、面接で求められる挫折経験は必ずしも大きな失敗である必要はありません。
挫折経験が思い浮かばない場合は、これまでの仕事経験を時系列で整理してみるのがおすすめです。担当した業務やプロジェクト、新たに任された役割などを書き出し、その中から「思うような成果が出なかったこと」「壁にぶつかったこと」「途中でやり方を見直したこと」がなかったか振り返ってみましょう。
また、なぜうまくいかなかったのか、その経験から何を学び、その後どのように行動したのかまで整理しておくと、面接でも説明しやすくなります。さらに、今後同じような壁にぶつかった際にどのように乗り越えていきたいかや、未経験の業務や役割にも前向きに挑戦していきたいという思いまで整理しておくと、成長意欲や前向きな姿勢も伝えやすくなるでしょう。
周囲の人に相談してみる
自分一人では、挫折経験を思い付くことが難しい場合もあります。その際は、他者に相談してみるのも一つの手です。家族や友人、前職の同僚や先輩などから意見をもらうことで、自分では気づかなかった経験を見つけられることがあります。
挫折経験をどう伝えるか悩む場合は、転職エージェントのキャリアアドバイザーに相談するのもおすすめです。dodaエージェントサービスでは、キャリアアドバイザーが経歴を一緒に振り返りながら、面接での伝え方の整理をサポートします。
転職面接の「挫折経験」に関するよくある質問
ここまで挫折経験の答え方や注意点を解説してきました。
ここでは、転職の面接での「挫折経験」に関してよく寄せられる質問と回答を紹介します。
-
プライベートでの挫折経験を話してもよいですか?
-
転職の面接では、基本的に仕事に関する挫折経験を選ぶのが望ましいといえます。
面接官は、仕事上の課題に対してどのように向き合い、何を学んだのかを知りたいと考えているためです。
ただし、第二新卒や社会人経験が浅い場合など、仕事に関するエピソードが十分にないケースもあります。その場合は、学業や部活動、資格取得などの経験を選んでも問題ありません。その際も、単なる私生活の出来事として話すのではなく、応募先の仕事にも活かせる学びや行動の変化を伝えられる内容にまとめることが大切です。
-
どのくらい大きな挫折経験を選べばよいですか?
- 人生最大の失敗である必要はありません。仕事で目標に向けて努力したものの、成果が出なかった経験や、壁にぶつかった経験を伝えましょう。 例えば、営業目標を達成できなかった経験や、新しい施策に挑戦したものの成果につながらなかった経験、プロジェクトで期待した結果を出せなかった経験なども挫折経験として挙げられます。 重要なのは挫折経験の大きさではなく、自分なりに目標に向かって取り組んだことや、うまくいかなかった経験から何を学んだのかを説明できることです。 一方で、一度注意されたことや単純なミスをしたことなど、失敗した出来事そのものは挫折経験ではなく失敗談に該当する可能性があります。
挫折経験の伝え方を押さえて自信を持って面接に臨もう
面接で聞かれる挫折経験では、経験そのものの大きさではなく、困難にどう向き合い、何を学び、その後にどう活かしたのかが重視されます。自分の経験を振り返り、「経験→学び→今後どう活かしたいか」の流れで整理しておきましょう。
挫折経験の伝え方に不安がある場合は、転職エージェントのキャリアアドバイザーに相談するのも一つの方法です。
dodaエージェントサービスでは、経歴の振り返りから面接対策までサポートしています。自分に合った方法で準備を進め、自信を持って面接に臨みましょう。
この記事を監修したキャリアアドバイザー
dodaキャリアアドバイザー
得意としている業界・職種
営業職、販売・サービス職、IT・電気機械エンジニア職
経歴
不動産賃貸仲介営業・賃貸管理、医療業界に特化した人材紹介営業(法人・個人)の経験を経たのち、2014年にパーソルキャリア株式会社へ入社。東京・中部・九州エリア、ハイキャリア担当のキャリアアドバイザーとしてさまざまな業職種で転職を希望される方の転職支援および組織マネジメントを経験。拠点立ち上げの経験もあり、マーケット視点を持ち合わせた転職支援を得意としています。
メッセージ
世の中の変化とともに、「転職」は特別なものではなく、自分らしいキャリアを実現するための選択肢のひとつになっています。
「今のままでいいのだろうか」「もっと成長できる環境があるのではないか」そんな思いを抱いたことがある方も多いのではないでしょうか。
転職は必ずしも今すぐ決断するものではありません。ご自身の強みや可能性を整理しながら、これからのキャリアについて一緒に考えていきます。まずは情報収集からでも大歓迎ですので、お気軽にご相談ください。
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