手取り30万円は額面でいくら?
転職で収入アップを目指すポイントも解説
手取り30万円の額面は?年収にするといくらもらえる?
●手取り30万円の額面給与:おおよそ35~40万円
=30万円÷0.75~0.85
●手取り30万円の額面年収(賞与を含まない):おおよそ420~480万円
=35万円~40万円×12カ月
●手取り30万円の額面年収(賞与2ヵ月分を含む):おおよそ480~540万円
=35万円~40万円×12カ月+30万円×2ヵ月
額面給与から、社会保険料、所得税、住民税などを差し引いた(控除した)金額が手取りになります。年収は額面給与の12カ月分の金額を指します。
具体的な控除額は年齢や居住地、業種などによって多少変化しますが、目安の金額を算出する際は、一般的な控除率(15~25%)を用いるとよいでしょう。
控除の内訳金額の例は以下のとおりです。
<手取り30万円(額面38万円)の場合の控除額の内訳>
- - 社会保険料
-
- ・健康保険料:18,962円 ※東京都在住・協会けんぽの場合
- ・介護保険料:3,040円 ※40歳以上64歳以下・協会けんぽの場合
- ・厚生年金保険料:34,770円
- ・雇用保険料:2,280円 ※一般事業の場合
- - 所得税:10,140円 ※年間で額面給与が変わらない・独身の場合
- - 住民税:約17,441円 ※年間で額面給与が変わらない・独身の場合
- 合計:86,633円
※2024年7月現在
手取りと額面の違いは?
手取りとは、給与から税金や社会保険料などの控除を差し引いた後の、実際に受け取る金額を指します。一方、額面とは控除前の総支給額のことです。具体的には、額面には基本給、各種手当、賞与などが含まれますが、実際に従業員の下へ振り込まれるのは、そこから所得税、住民税、健康保険料、厚生年金保険料などを差し引いた金額です。
求人情報などには額面が記載されているケースが多いですが、実生活における家計の収支を考える上では、手取り額が重要な指標といえます。
給与明細を見る際は、「総支給額」として記載されているものが額面給与を、「差引支給額」が手取り額を指しています。
一般的な給与明細の額面と手取りの記載位置
手取りについて詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にご覧ください。
手取りとは?額面との違いとは?月給・年収の手取りの計算の方法【早見表つき】
求人情報はどう見たらいい?
手取り30万円以上の求人を探す際の求人情報の見方をご紹介します。
まず、求人情報の書き方のパターンには主に3種類があります。それぞれのパターンに分けてご紹介します。
1.月給(月給制の場合)
月給とは、従業員に毎月固定で支給される給与のことです。月給には基本給と固定手当が含まれますが、残業代やボーナスなどの変動手当は含まれないのが一般的です。
手取り30万円であれば、固定手当を含む月給38万円以上の求人が目安となるでしょう。
ちなみに、「月収」とは、「月給」に残業代や歩合などの「変動手当」をプラスした金額を指します。
2.基本給(月給制の場合)
基本給とは、従業員の業務や職務に対して支給される固定の給与のことです。月給から資格手当、役職手当などの固定手当を引いた金額を指します。スキルや経験、職務内容などに基づいて決定され、昇給もこの「基本給」に対して発生します。
最終的に支給される金額は、この基本給に各種手当が追加され、そこから社会保険料などが控除された金額になります。
手取り30万円の場合、固定手当を含む38万円以上が目安となるでしょう。
3.年俸の場合(年俸制の場合)
年俸制とは、従業員の年間給与総額をあらかじめ決定し、それを月々に分割して支給する給与体系のことです。年俸制では、1年に1度年間の給与額を決定し、その額を12カ月に分割して毎月支給します。企業によっては年俸を14ヵ月で分割し、2カ月分は賞与として支給するケースもあり、その場合は毎月の支給額は12分割時よりも少なくなるので注意が必要です。
手取り30万円であれば、12ヵ月計算の場合で年俸456万円以上、14カ月計算の場合で532万円以上の求人が目安となるでしょう。
求人情報の給与に幅があって見方が分からない…
求人情報を見ていると、給与欄が月給○○万円~○○万円などと幅のある表記で記載されており、どのように捉えたらよいのか分からないと戸惑う人もいるかもしれません。
求人情報の給与に幅があるのは、応募者の経験やスキル、資格などに応じて支給額が変動する予定だからです。企業は幅を設けることで、幅広い人材を募集し、適正な給与を提示できるようにしています。例えば、「月給20万円~30万円」と記載されている場合、未経験者は低めの20万円からスタートし、経験豊富な応募者には上限の30万円を提示するといった例が見られます。
実際の給与額は内定後の労働条件通知書で確認しましょう。
手取り30万円もしくはそれ以上の収入アップを目指す際に考えたい2つのポイント
手取り30万円もしくはそれ以上の収入を目指して転職活動を進めるために、押さえておきたいポイントをご紹介します。直近の年収だけでなく、将来的にキャリアアップし、手取り30万円以上の収入を得るためにも、目の前の転職に真剣に向き合ってみましょう。
まずは自分の市場価値を簡単査定!
年収査定を受ける(無料診断)収入を上げる目的を整理する
収入を上げるためには、現状から何かしらの変化を起こす必要があります。この変化には少なからずストレスがかかるため、途中で断念しないように目的を明確にしておくことが大切です。例えば、生活水準を上げたい、数年以内にライフステージの変化が予想されるといった具体的な理由を言語化しておきましょう。いつまでにどのくらいの収入を得たいかを具体的に設定すれば、目標達成へのモチベーションを維持しやすくなるだけでなく、収入を上げるためのスケジュールも立てやすくなります。具体的なスケジュールが立てば、実現に向けた行動につなげやすいでしょう。
収入を上げる方法を考える
目的が明確になったら、次は収入を上げる方法を考えます。具体的には、現職での昇給、リーダーや管理職へのチャレンジ、リスキリング、副業、そして転職などの方法が考えられるでしょう。それぞれの方法には良い点と注意点があるので、自分の状況や目指したい働き方、ライフスタイルに合う方法を選ぶことが重要です。
それぞれの方法について具体的に見ていきましょう。
昇給を目指す
昇給を目指すためには、まず現職でどのように成果を出すかを考えましょう。多くの企業では、仕事の成果に応じて昇給が行われます。中には、勤続年数に応じて昇給する企業もありますが、その場合はすぐに昇給を目指すのは難しいでしょう。
昇給の機会を得るためにどのような条件が必要か就業規則などを確認し、それに基づいた目標を設定していくのがおすすめです。
リーダーや管理職にチャレンジする
手取り30万円以上を目指す場合、リーダーや管理職に就くことも一つの方法です。チームや部署内のメンバーをまとめる必要があるリーダーや管理職は企業内でも重要な役割を担い、責任も増えるので、収入アップに直結します。
ただし、リーダーや管理職のポジションは誰にでも回ってくるわけではありません。日ごろから目標を持って業務に取り組み、チャレンジできる機会があれば思い切って手を挙げてみましょう。
リスキリングを始める
リスキリングとは、業務において必要なスキルを新しく身につけたり、すでに身についているスキルを磨いたりすることです。近年、リスキリングは多くの企業で推奨されています。
収入を上げるという意味では、新しいスキルを身につけることで業務の幅が広がり、昇給や手当につながることも。現職や転職市場で求められるスキルや資格をあらかじめ把握し、習得したスキルをどのように業務へ活かすか事前にイメージしておくことで、効率的にリスキリングを進められるでしょう。
転職市場予測【doda編集長とキャリアアドバイザーが動向を解説】
転職を有利にする資格とは?種類や役立つ場面を業界別に解説〈未経験職種への挑戦にも!〉
副業を始める
副業が許可されている会社であれば、自分のスキルを活かして副収入を得ることができます。ただし、副業により本業がおろそかになると、昇給に影響する可能性があります。また、副業と本業でプライベートが圧迫され、ワーク・ライフ・バランスが崩れる恐れも。
副業を始める際は、本業とのバランスを見極め、無理なく計画的に進めることが重要です。うまく進められれば、副業によって新たなスキルやネットワークが得られ、本業にもプラスに働く場合があります。
転職で手取りが上がる可能性を知る
現職での収入アップに限界を感じた場合や、すぐに収入を上げる方法が見つからない場合は、転職を視野に入れるのもおすすめです。ただし収入アップを目的として転職をするとしても、必ず自己分析と企業分析をしっかり行い、仕事内容や働き方などの収入以外の要素にも目を向けましょう。また内定後は、提示される労働条件通知書で給与を確認し、転職が収入アップにつながるかどうかを見極めましょう。
では、転職時に気をつけたいポイントについて解説します。
収入アップを目的とした転職で気をつけたいこと
収入だけに目を向けて転職先を決めてしまうと、思わぬ後悔につながる恐れがあります。
例えば、せっかく手取りアップできたとしても、適性が合わない仕事に就いてしまったり、企業風土が合わなかったり、忙しくて自分の時間が取れなくなってしまったりすれば、転職成功とはいえないでしょう。
必ず、働く環境や職場の人間関係、仕事内容などにも目を向け、自分にとって譲れない条件が収入以外にもあるか確認しましょう。やはり収入が一番大事という結論に至ったとしても、どの程度の金額がいつまでに必要なのかを踏まえて企業選びすることが重要です。
自己分析の進め方が分からない方はまずこちらから!
キャリアタイプ診断手取り30万円を目指して転職を考えるなら、エージェントサービスの利用がおすすめ!
手取り30万円以上を目指すためには、まず額面給与や年収でどの程度の金額が必要なのか理解する必要があります。手取り30万円以上であれば、額面給与38万円以上、年収(12カ月分)456万円以上の求人が目安となります。
収入を上げる方法は、昇給、役職へのチャレンジ、リスキリング、副業、転職など、さまざまな方法がありますが、自分にとって最適なものを選ぶことが大切です。
もし転職による手取りアップを目指すのであれば、dodaのエージェントサービスの利用がおすすめ。豊富な知識と経験を持つキャリアアドバイザーが自己分析から職務経歴書作成、面接対策までサポートするので、スムーズに納得感を持って転職活動を進められるはずです。ぜひお気軽にご相談ください。
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この記事を監修した社会保険労務士
北 光太郎(きた・こうたろう)氏
きた社労士事務所 代表 大学卒業後、エンジニアとして携帯アプリケーション開発に従事。その後、社会保険労務士資格を取得し、不動産業界や大手飲料メーカーなどで労務を担当。労務部門のリーダーとしてチームマネジメントやシステム導入、業務改善などさまざまな取り組みを行う。2021年に社会保険労務士として独立。労務コンサルのほか、Webメディアの記事執筆・監修を中心に人事労務に関する情報提供に注力。読者に分かりやすく信頼できる情報を伝えるとともに、Webメディアの専門性と信頼性向上を支援している。
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